酢締めの秋刀魚の混ぜご飯と藤作り(刺身)
「秋刀魚」と書いてさんまと読ませるのは、今更言うことでもないのですが全くの当て字です。この当て字は、姿かたちが刀に似ていて秋の代表的な魚だからというのが言われです。水揚げされた新鮮な生秋刀魚が出回り始めて、そのきらきら輝いている姿を目にすると、もう直ぐ涼しくなるなぁと夏の終わりを感じる時が、私にとっての秋刀魚の季節到来です。
お盆前よりも益々丸く太って脂が乗ってきています。お値段も日々変動はしますが、最近はかなり安価です。そして、私が一番嬉しいのは、その新鮮さです。腸の状態をみれば直ぐに分かることですが、新鮮な魚の内臓は包丁の先に引っ掛けて身から離すと、崩れることなくそのまますっぽりと抜けます。鮮度が落ちた魚の内臓は中で崩れていたり、引っ張り出すことができないほどもろくなっているものです。その前に目の透明度やえらの色、腹の弾力などでも見分けがつきます。
さて、あまりに綺麗な生秋刀魚でしたから多めに買って、秋刀魚尽くしの食卓にしました。二尾は刺身で、残りは酢〆にしてご飯と味付けした根菜と一緒に混ぜご飯でいただきました。あまり時間のかからない料理ですから、塩締めしている間に、刺身はちょっと手間をかけて、「藤作り」(作り方☛)にしました。秋刀魚の大きさが少し違っていたので、本当なら綺麗に切りそろえないと藤の花の高さが揃わないのですが、そのために短く切ってしまうのももったいなくて、結局あまり綺麗な藤の花にはなりませんでした。そんなことよりも、秋刀魚の生きがよい分ぷりぷりで美味しかったので気にも止まりませんでした。
混ぜご飯の方の手順ですが、これが以外に簡単です。酢締めした秋刀魚と甘辛く煮込んだ具を酢飯に混ぜるだけです。
また、青い魚の酢締めを家庭で食べられるということは、塩加減もさほど強くしなくでもよいですし、酢の利かせ方もそこそこで、どちらかというと好みに合わせてもよいと思います。刺身でいただけるほどの鮮度なのですからそういうことです。三枚に卸して頭の方から皮を剥ぎ、塩を振ったバットに皮目を上に並べ、皮目の方にもたっぷりと塩を振ります。ラップをして冷蔵庫で1時間ほど塩締めして、ひたひたに酢を注ぎ入れます。さらに1時間ほど冷蔵庫で置きます。本来は酢締めしてから皮を引いた方が綺麗ですが、新鮮な秋刀魚なので先に皮を引いて短時間で締められるように順序を変えました。締めている間に刺身を作り、にんじんと戻した椎茸、筍を出汁で煮て柔らかくなったら味付けします。この味付けは、かなり甘辛くします。ご飯に混ぜてから味が馴染むころにはちょうどよくなっています。最後に、季節の薬味を散らしたり焼き海苔を散らしていただきます。
涼しくなってきているので翌日のお弁当の分にと安全をみて、塩も酢もやや強めにしました。臭みの問題も無く美味しかったと息子から聞いています。
【参考料理】
☛ウルメイワシの混ぜご飯
材料
- 生秋刀魚・・3尾
- 塩・・大さじ2
- 酢・・カップ1
- お米・・4合
- にんじん・・80g
- 茹で筍・・80g
- 干し椎茸・・大2個
- 焼き海苔・・適宜
- シャリ酢・・85cc
味付け調味料
- 醤油・・大さじ2
- 砂糖・・大さじ2
- 味醂・・大さじ1
- 椎茸の戻し汁・・カップ1
作り方
- 椎茸はすっかりかぶる程度のぬるま湯に浸け、一つまみの砂糖を加えて戻しておく(半日)。※水なら丸24時間。
- 秋刀魚を三枚に卸し皮を引いて塩を振ったバットに皮目を上に並べてラップをかけて冷蔵庫で1時間塩締め後、分量の酢を回しかけて1時間酢締めする。※大さじ2の塩が全体にかかるようにバランスを考慮する。
- 食べる時間から逆算して1時間前に米を洗いセットする。
- の椎茸とにんじん、茹で筍を5mmくらいのさいころに切る。※戻し汁は捨てずに、煮汁として使用。
- 浅鍋で4をひたひたの椎茸の戻し汁で煮て、にんじんが柔らかくなったら味付け調味料を加えて煮汁がなくなるまで煮詰める。
- ご飯が炊き上がったらシャリ酢(通常の半分量)を混ぜてから飯台に移し、うちわで扇いで艶を出す。
- 秋刀魚を取り出し、気になる中骨を骨抜きで抜き取ってから3cmに切りそろえる。
- 酢飯が人肌に冷めたら、5の具材と秋刀魚を酢飯に混ぜ合わせる。
- 皿に盛り付け、小さく切った焼き海苔(あれば薬味なども)を散らす。
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