手作りラザニア:ミートソースを使わないラザニアandカロリー控えめ!:「破綻した神キリスト」バート・D・アーマン
魚料理が続きましたので、久しぶりに少しボリュームのある献立です。
ミートソースをラザニアと呼ばれる板状のパスタに挟んで、ベシャメルソースとチーズを載せて焼いたオーブン料理です。が、今回はミートソースは挟みません。一般的なラザニアを作る考え方はこうです。平べったい板状のラザニア(パスタ)を数枚、その間にミートソースとベシャメルソースを挟み、トップにチーズをあしらってオーブンで焼く、です。で、全て市販品で作ることも今や可能な時代ですが、牛挽肉を使用するだけでも十分過ぎるほどのボリュームですから、少しさっぱりさせるためにベシャメルソースとミートソースに工夫をして、手製ならではの美味しさを求めました。
手製の理由は、①パスタのコシは手製にしかない歯ごたえで、それを楽しみたい。②牛肉のミートソースは、ソースと言うほどしっかり作らなくても、生のままパスタの間に薄く塗る方法で十分美味しい。③ベシャメルソースは、バターを使用せずに牛脂を減らす意味でオリーブオイルを代用する。誰にもお薦めしたいという意味でもないのですが、お薦めです。よかったら参考にしてください。
大まかな流れですが、無駄な時間を作らないように段取りします。
まずパスタを捏ねます。パスタの捏ね方は(説明1)、うるさく言うと正攻法はありますが、粉と塩・オリーブオイル・溶き卵を混ぜて滑らかになるまで約15分、押したり叩いたりしているうちにできます。ここで、1時間ほど生地を休ませます。その間にベシャメルソースと牛肉の挟み物を準備し、最後にパスタを伸ばして挟み物をしてからオーブンで25分焼きます。焼いている間にも、サラダを作る段取りなどを進めると食卓が華やぎます。
牛肉は室温において練りやすくする必要がありますので、パスタを捏ねる頃に冷蔵庫から出しておくとよいです。混ぜるものを全て用意します。ボールで、肉をほぐすようにしばらく練ります。味付けをして風味をつけたら最後に、みじん切りにした玉葱と茸類を混ぜ合わせます。つなぎは特に加えません。
次に、ベシャメルソースです。オリーブオイルで小麦粉を1~2分ソテーして粉っぽさをなくします。ここに温めた牛乳を加える方法と、鍋底を冷まして冷たい牛乳を混ぜる方法の二通りあります(どちらでも好きな方法で!)。要は、両方の温度ができるだけ同じであることが「だま」を作らないコツです。今回は、火から下ろして濡れ布巾で鍋底を冷ましてから冷たい牛乳を加える方法で作りました。牛乳が混ざってある程度ベシャメルソースが完成に近い状態になれば、残りはそのまま加えても「だま」になりません。最初の時だけ温度に注意するとよいと思います。最後に軽く味付けをします。火から下ろして濡れ布巾を被せておくと、冷めても表面に膜ができません。膜ができてしまうとだまを作ってしまったのと同じようにごろごろしますのでこれも要注意です。
このへんで、そろそろパスタを伸ばします。パスタを伸ばすのは、誰にでも簡単にできる円形にしました。周囲が凸凹になったなら凹んだ部分を手で伸ばすなりして形を整えながら円形にします。鍋に3リットルのお湯を沸かします。塩とオリーブオイル大さじ1(分量外)を加えて、パスタを1枚ずつ静かに入れて5分茹でます。引き上げたら大きな笊にあげて水気をきります。些細なことですがうちわで風を送ると早く熱が取れます。
用意した耐熱の皿にオリーブオイルを塗り、パスタ、牛肉の順に五層にします。最後にベシャメルソースを回しかけパプリカを振って200度に予熱したオーブンで25分焼きます。残り10分でミックスチーズを載せて仕上げます。
牛肉の香ばしい香りが家の外まで漏れるころ家族が帰宅する、という時間設定がよいですよ。「晩御飯は何だろう!」と急ぎ足になります。そして、出来上がったラザニアに包丁を入れる瞬間がたまらなく楽しみです。これが晩御飯を美味しく食べさせるコツです。因みに、「筒型のラザニア」もどうぞ☛。ハムとカッテージチーズを挟んでトマトソースで焼きました。
材料(28cmの円形)
- 牛挽・・500g
- 塩・・5g
- 胡椒・・適宜
- メース(又はナツメグ)・・少々
- エノキ茸・・80g
- ブナシメジ・・80g
- 玉葱・・100g
ラザニア生地
- 国産小麦粉(強力粉)・・300g
- 塩・・5g
- 卵・・180g(粉の60%)
- オリーブオイル・・大さじ1
- パプリカ・・少々
ベシャメルソース
- 小麦粉・・大さじ山盛り1
- オリーブオイル・・大さじ2
- 牛乳・・300cc
- 塩・・小さじ1/2
- 胡椒・・適宜
作り方
- 牛挽肉を室温に置く。
- パスタを本文中の(説明1)の通りに捏ね、五等分して丸くまとめ、ラップに包んで冷蔵庫で1時間ほど休ませる。
- 玉葱、エノキ茸、ブナシメジをみじん切りにする。
- 牛肉に混ぜ合わせる調味料や香辛料を全て準備し、ボールで肉をほぐしてなめらかにする。
- 材料表の順に練り合わせ、最後に玉葱と茸のみじん切りを混ぜ合わせる。
- 鍋にオリーブオイルと小麦粉を混ぜて中火にかけ、焦がさないように1~2分ソテーしたら鍋底を冷まして牛乳の1/4を加え、なめらかになるまで木べらでかき混ぜる。
- 引き続き加熱してふつふつしてきたら火から下ろして濡れ布巾で鍋底を冷まし、残りの牛乳の半分を加えて加熱する。
- 常にかき混ぜて焦げ付かないように注意し、沸騰したら残りの牛乳を加えて一煮立ちさせ、塩・胡椒して火から下ろして濡れ布巾をかける。
- 台の上にうち粉をして2のパスタ生地を丸く伸ばす。※5枚とも一度に少しずつ広げて順繰りに28cmまでゆっくり伸ばす。
- 鍋に3リットルのお湯を沸かし、1%の塩とオリーブオイル大さじ1(分量外)を加え、伸ばしたパスタを一枚ずつ落として5分茹でる。
- 茹で上がったパスタを笊に取り荒熱を取る。
- 耐熱の容器にオリーブオイルを薄く塗ってパスタを一枚敷き、4の牛肉の1/4を載せて薄く伸ばして二枚目のパスタを乗せ、同じように5枚とも全て重ねる。
- オーブンを200度に余熱する。
- ラザニアにベシャメルソースを回しかけてパプリカを降り掛けたらオーブンで15分焼き、取り出してチーズを載せて10分焼いて出来上がり♪
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このところ、「破綻した神キリスト」バート・D・アーマンを再読していました。哲学・神学的には神義論と呼ばれるそうですが
この世界の苦悩について聖書がどのように見ているか、その多様な見解を正確にまとめたものだ。「人はなぜ苦しむのか」という問いに聖書はどように、多様に、答えているかが、その多様さと整理の点で、きちんとまとめられている。哲学・神学的にはこの分野は神義論と呼ばれる。(☛極東ブログ)
という本です。生まれついたのがキリスト教徒の家でもない私にとっては大変理解に苦しむ描写が沢山あるのですが、それでも関心を持って読み進められた理由は、アーマン自身が自ら自分の苦しみに向き合っている姿は、言わば、人であれば誰でも一度や二度は人生に躓きを覚え、悩み苦しむその姿でもあることが難しい学問として書いていないからです。聖書の導く答えと自分自身の生き様から見出したものとの間に生じる疑問や、そこから発展する苦しみとは何かという問いに、聖書は答えてはくれないということをずばり書いた本なのです。聖書が西欧諸国ではどのように読まれているのか、また、この世の全ては神の創造によるものだという認識がなくては、聖書の世界にも触れられる物ではありません。間違えて買ってしまった本だっただけに、最初はとんでもない本を買ったと思ったのですが、少なくともアーマンは自分の信じる世界から抜け出し、50歳を過ぎてから書いたからこそ、中年男性の苦悩をこのように語れたのではないかと思います。ずっしりとした重みのある人生を感じます。
間違って買ったとは言え、読み進めるうちに苦しみの元となっていることは、私自身の心にどこかしら「信仰宗教的な考え方」が潜んでいるような気がしてきました。何故これほどまでに苦しむのかと、生きているといろいろ思い悩むことがあります。自分がそれに執着するがあまり、長い間心の開放を見ずに苦しむのです。この本で、人の苦悩は信仰によるものがあるのだということを知った時、それに似た物が自分自身の中にもあり、それは、結局「思考」を諦めたり、堕落する自身の言い訳のように備えていたのではないかとはっとしました。
<感想としては完結していません。いつかまた続きを書きます>が、なんだか自分の中でまとまりません。というか、まとめる必要の無いことなのかも・・・
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