トード・イン・ザ・ホール(イギリス、ヨークシャー地方の伝統料理)
型の中にあらかじめローストした生ソーセージとヨークシャープディングの生地を流し込んでオーブンで焼いた料理(Wikipedia☛)のことで、“Toad in the hole”直訳は「穴の中の蛙」という意味です。プディングの中に少し見えるソーセージを蛙に見立てて、このような名前がついたそうです。伝統を重んじるイギリスのことなので、おそらくこの料理は今でも変わらず昔と同じように作られていると思いますが、イギリスの生ソーセージはわりと美味しいので、オーブンで焼くと香ばしく、中から肉汁が流れ出してプディングの生地と混ざって美味しいです。ですから、このお料理では生ソーセージが美味しくないと意味がないのですが、あいにく同じようなものが入手できないので豚肉で代用しました。
肩ロースの厚めのスライス(約8mm)で下茹でしたインゲンを丸め、ミートローフの型で焼いたものがソーセージの代わりになります。最初に型で肉を焼くので、余熱と兼ねています。ここにヨークシャープディングの生地を流し込んで一緒に焼いたら出来上がりです。ね、凄く簡単でしょ。
ヨークシャープディングというのは、膨らまさないホットケーキのようなもので、塩味で、通常は小さなカップケーキくらいの大きさで、内側がくぼんでいます。生地はホットケーキよりもさらっとしていています。中央をくぼませて器のように焼くには、型を余熱で熱くして、そこに生地を流し込み、周囲が先に焼けます。後から中央部分が焼けてきて、最初は全体が膨らんでいますが、オーブンから取り出すと中央がしぼんでくぼみができます。これを器にして、ビーフシチューなどを入れて食べます。肉を沢山食べられなかった昔に、人の知恵で、お腹を満たすための工夫だと聞きました。
イギリスだと、付け合せに茹でた野菜やジャガイモを揚げたチップス、グリーンピースなどと一緒に盛り合わせて一皿にし、居間でテレビなどを見ながら夕ご飯として軽く済ませます。そのためなのか、イギリスの家庭では大きな平らな皿が必ずあって、普段はこの皿に何でも置いて、テーブルにつかずにソファーで行儀悪く食べます。親しい間柄だと、こんな風に一緒に夕食を食べたりするのが気楽で良かったです。
材料
- 豚肩ロース・・4枚
- モロッコインゲン・・20本
- 塩・胡椒・・適宜
- グレービーソース又はデミグラスソース
- ない場合は、ケッチャップや粒マスタードなどで
- バター・・少々
ヨークシャープディング生地
- 小麦粉・・200g
- 卵・・大2個
- 牛乳・・150cc
- 冷水・・150cc
- 塩・・小さじ1
※粉の分量に対して卵、牛乳、水の合計が約倍になるように調整する。
作り方
- 小麦粉をざるで振るって空気を含ませる。
- 卵を割りほぐす。
- ボールに4の小麦粉を取り、塩を混ぜ合わせて割りほぐした卵を混ぜる。
- 牛乳と冷水を混ぜ合わせて半量加え、泡だて器で混ぜながら残りを徐々に加えながら滑らかな生地を作り、冷蔵庫で休ませる。
- その間にモロッコインゲンを軽く下茹でする。
- 豚肉の広げ、1のインゲン5本を乗せてくるくる巻きにする。
- 耐熱のパイ皿にバターを塗って豚肉のまき終わりを下に置き、200度に予熱したオーブンで10分焼く。
- 肉が焼けたら別の皿に取り、そのまま引き続きオーブン皿に4の生地を流し込む。
- 中央に7の肉を並べて再びオーブンに戻し入れ、230度で15分焼く。
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