烏賊のファルシ:天才のつぶやきははたして聞こえるかな
昨日は急に夏日となった暑い一日でしたが、雨でぐずついた天気が長く続いたせいか爽快でした。「Hint&Skill」の姉妹ページの構築や内容の追加に長い時間を費やして、夕方近くハムスターのいる居間で一緒にお昼寝ができたのがなんとも心地の良い時間で、幸いな事に一度も電話がならずに爆睡できました。
昨年の事ですが、ある日ファルシを作ろうとしていた時(参照)、味の設計が何も浮かばずに妙な気分だった時、素敵なこんな言葉をいただきました。
「食というのは王朝と天才が生み出すもののと、庶民と天才が生み出すものがあるとおもう。料理の中に無名の天才のつぶやきみたいのを感じることがある。」
料理の献立が浮かばないような時に、この言葉を投げかけられたその時の状況が蘇ってくると、落ち着いた気持ちになって食材と向き合えるようになります。今では、格言のような存在として、心にいつもしまっている言葉です。小手先であしらうような気持ちで食材を粗末に扱うような気持ちの時や、表面的な見た目の料理に誘惑されそうになる時に、私を謙虚な気持ちに落ち着かせてくれる言葉です。気持ちが食材に対して謙虚になれると、その料理のイメージが次第に見えてきます。そして、美味しく作って食べてもらおうという意欲に変わってきます。とても大切にしているメッセージです。
今日は、このメッセージの事を思って考えたレシピです。今回は、烏賊が引き立つ詰め物と言うよりも、烏賊と中身が同じくらい美味しくて、詰め物の具は何が入っているのかと目を凝らして見たくなるような絶妙な組み合わせを目指して作りました。
ご飯粒と同じかそれよりも小さく丁寧にみじん切りにした野菜を順番に炒めます。ポイントは、加える野菜ごとに十分味を引き出してから次の材料を加えていきます。最後に湯剥きしたトマトでいため合わせ、果汁を煮詰めて味のベースが出来上がってから烏賊げそと黒オリーブでまとめます。出来上がったソースは、ご飯の味付け材料というわけです。野菜の個性が混ざり合って、複雑で深いコクのある味付けご飯の完成です。残すは烏賊に詰めてオリーブオイルと白ワインで蒸し焼きにするだけです。
出来上がった直ぐよりも冷めた方が味が入って馴染む感じがあります。冷蔵庫で冷たくしてオードブルのようにしてもよいですし、翌日のお弁当にも活躍します。こうなると、ご飯はサラダ感覚になるので不思議です。
材料
- スルメ烏賊・・3杯(胴体25cm)
- にんにく・・1片
- 玉葱・・1/4
- ピーマン・・1個
- アンチョビ・・5~6本
- トマト・・中1個
- 烏賊げそ・・1杯分
- 黒オリーブ・・5個
- 冷ご飯・・300g
- オリーブオイル・・大さじ1
- 白ワイン・・大さじ2
- 塩・・小さじ1/2
- 胡椒・・適宜
作り方
- 烏賊の胴体の内側の腸がついている部分を押さえて固定し、反対の手で腸の付け根を持って横にゆっくり引き抜く。
- 付け根に軟甲(透明で薄っぺらいぺらぺらの棒)を引き抜く。
- エンペラーの付け根の包丁で皮に傷をつけ、皮をつまんで引き剥がす。
- げその付け根から腸を引き抜き嘴(くちばし)と目を取る。
- 流水に当てながら包丁の背でしごくようにして吸盤の軟骨をこそげ取る。
- トマトは湯剥きする。
- にんにく、玉葱、ペーマン、アンチョビ、トマト、烏賊げそ、黒オリーブを全てみじん切りにする。
- フライパンにオリーブオイル大さじ1(分量外)を引いてにんにくを加えて中火にかけ、オイルに香りを移す。
- 次に玉葱とピーマンを加えてじっくり炒め、みじん切りにしたアンチョビを加えて味付けする。
- 次にトマトを加え、しばらく煮詰めて鍋底がプチプチ音を立てるまで炒め、烏賊げそと黒オリーブを加える。
- 烏賊の色が白くなって火が通ったら塩と胡椒で少し濃い目に調味する。
- 最後に冷ご飯を加え、白いご飯を残さないように全体に味をよく馴染ませて火から下ろす。
- 荒熱が取れたら烏賊にご飯を詰め込み、口を楊枝で一針縫って閉じる。
- フライパンにオリーブオイルを引いて中火にかけて烏賊を転がし、白ワインを加えて蓋をして蒸し焼きにする。
- 烏賊の色が白っぽくなって火が通ったら火から下ろす。
- 荒熱が取れてから切り分けて召し上がれ♪ ※熱いうちに切ると烏賊が反発してご飯が崩れる事があります。
*** ところで、以前にも話しましたが、メスのハムスターを二匹一緒に飼っていますが、この二匹は寝る時は殆どの場合が重なり合ったり、一緒に丸まって寝ていま
す。が、突然ビィーと大きく悲鳴を上げます。ものすごく嫌ぁな事が起こるとそういう声を発するのですが、寝ているようなときでもです。こっちが驚いて何事
かと飛び起きるのですが、何なのでしょうね。もう一つ、最近一緒に過ごすようになってわかったのですが、かまおうとして手を入れると片方は直ぐに逃げ隠れ
ていたので、「お邪魔しますよ」と声をかけてから手を入れるようにしたら近づいてくるのです。その手の平にとうもろこしの粒を2~3粒置くと乗ってきま
す。ハムスターの大きさからしたら、体の何倍もある大きな物体が突然にょっきり頭上から襲ってくるように感じるのでしょうね。そういう点からみて、逃げな
い方は鈍感?
気づくと「抱っこされなさい」とか命令口調で話しかけている私です。よくわかりませんが、いすれにせよ、この二匹には癒されているというだけの話です。いや、失礼しました。
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