ムツの赤糟焼き
今日は、ムツの紅糟焼きです。ムツというと高級食材という扱いで知名度の高い魚だとは思います。クロムツと混同しやすくとても良く似ています。また、銀鱈(ギンダラ)のことをホクヨウムツとも呼ぶので、とても紛らわしく、正しく理解するのが大変です。
大変きめの細かい白身で、脂が乗っています。今の時期は産卵期が終わって丁度中間的な時期ですが、おそらく旬の時期の物を冷凍保存した輸入品だと思いますが、うっかり素性を見るのを忘れました。脂の多い魚のせいか、冷凍の劣化も感じません。で、こういう魚を買ってくるとちょっと困るのが、魚全体が見られないことと加工状態が明確ではないので、なんとなく安心感が持てません。それだけ疑わずにはいられないほど悪徳業者の不祥事や、海外の業者のずさんな管理で呆れて開いた口がふさがらないというか、苦い思いをしましたので信頼関係が希薄になったのも致し方ないことです。私などは、食品に関しては猜疑心がかなり強くなりました。
とは言え、段々緩んできて、大丈夫かなと思いつつまたいろいろ買ってしまうようになるのです。今日は、ムツという魚もいて、この料理方法は美味しいよという紹介になりそうです。
脂の多い魚に合うのが赤糟で、真鱈(レシピ☛)も以前作って好評でした。塩を振って臭み抜きをした切り身全体に赤糟をうっすらと塗り、半日以上冷蔵庫で漬け置くだけです。赤糟は取り除かずにそのままで焼きます。
糟の作用でもろみ味噌のような香ばしさが魚の旨味を引き出すのか、他では味わえない独特の味わいです。なぜか、油っこさが軽減されてさっぱりするのが不思議です。焼き魚にぴったりの「はじかみ」(レシピ☛)の赤い色も、生姜の茎の部分のアントシアニン(参考☛)と酢が反応して発色した天然の赤です。食紅と違って毒々しい赤色とは違った柔らかい感じに仕上がります。
赤糟は中国食材のお店で入手でき、台湾製も多く、由来は華僑だと思います。以前自分で作れる物なのかと思って調べたのが、
実は、手持ちの「赤糟」が終わったら「赤麹」(参照☛) を買って、米と一緒に醗酵させて手作りしてみようかと思い、Netでいろいろ調べていました。なんだか、紅麹を混ぜたお粥や炒め物、揚げ物などの様々な料 理に使われて、中国はもとより台湾、韓国、沖縄などでもかなりポピュラーだということがわかりました。しかも、紅糟を取るには、紅酒(参照☛)なる物を作ったあとにできる、いわゆる「酒粕」のことですから、こりゃ大変な物を目にしたと焦りまくり。
とあります。毎度のことですが、この食品には感動します。残念なのが、その感動的な味わいを上手くここで表現できないことです。機会があったら是非一度試してみてください。そうそう、チャーシュウの表面や北京ダックの皮が赤いのは、この赤糟の色です。たまに食紅で誤魔化したものもあるそうなのでご用心を。
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