2009-07-30

油鰈(アブラカレイ)のポワレ:ポワレの詳しい解説

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 油鰈(アブラカレイ)なんて名前のカレイがいるなんて驚きましたが、その名の如く脂が乗っているというのが名前の由来らしい(参照☛)。この辺で昔から見かける冷凍のカレイとは違って、大型です。四枚卸で一枚が30cmほどありますから、頭と尻尾を加味するとかなり大きなカレイです。これが、北海道から入ってくるのだそうで、一応近海物です。生よりは加工して冷凍になっている方が本来は新鮮な状態な筈です。
 このカレイに触れて思い出すのは、ここに私が嫁いできたころからこのような半加工の魚が多いということです。陸の孤島などと言われるゆえんとしても、長野県は昔は輸送事情の悪いところですから鮮魚に期待をするものでもありません。昔からそれなりに工夫を重ねて魚を食べる努力というのはあったと思います。味噌や糟漬けなどが並ぶ店先の風景に驚いたものでした。 
 さて、カレイの料理は何といってもフライが美味しい派と、煮付け派に分かれるような気がします。油カレイのように油が乗っていて身に甘みのあるようなタイプは煮つけで醤油味を付けるよりも、フライにした方がそのものの味が楽しめるような気がしますね。但し、水分が多いので揚げてから時間がたつとしんなりしてしまいます。
 今日はフライにしてみました。そうそう、私の料理では、たっぷりの油で揚げるということがなくなったことは既に話していますとおりで、フライパンで大目の油で揚げ焼きのようにするポワレに移行しています。パン粉を麺棒で細かく挽いたのを使って、なるべく油を吸い込まないようにします。油の量は材料の淵に油が少し見える程度です。反面ずつ焼いてジューシーラインをキープすることを意識において火を通します。どんな食材も柔らかくジューシーに仕上がるので、揚げ物の革命的方法だと納得しています。
 「ポワレ」で検索をかけると、今までいろいろな食材で堪能してきた軌跡がここにはたくさん埋まっていますが、それは、品を変えて実験をしてきたということですから、自信を持ってこの料理方法はお勧めです。

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 早速作り方ですが、何度も紹介してきたとは言え、ここをはじめてご覧になる方もいらっしゃるでしょうから、最初から書きます。材料を切る段階で意識するのは、でき上がりを同時にする意味でできるだけ均一な大きさに切ることがポイントです。例えば、一人分として大きな切り身をワンプレートにしてサラダなどと一緒に盛り付ける場合と、二口大くらいに小さい切り身にして大皿に盛り付け、大勢で食べる場合とでは切り方が違います。ここをどうするのかまず決めます。それによって衣関連の材料の分量が変化します。レシピの通りにできるかどうかと、違う場合は手持ちの材料が足りるかどうかをチェックします。
 衣ですが、溶き卵と小麦粉を混ぜ合わせて、てんぷらの衣のようにしたものを最初に付けてからパン粉をまぶすのも悪くはないと思った時期もありますが、いえ、十分これでもできますが、やはり衣が分厚くなるので余程の注意が必要です。むしろ丁寧に小麦粉を軽く刷毛でまぶして溶き卵を通してパン粉を付けるのが結局手っ取り早かったりします。これもやり方でかなり作業性が良くなります。私の方法ですが、材料を切ったらこの場合は塩・胡椒をしてしばらくおきます。水分をキッチンペーパーで吸い取ってから小麦粉をまぶし、刷毛で余分な粉を落とします。ここで一旦作業は終わりです。周囲を片付けて(小麦粉は取り置きします)、溶き卵に水を加えてつなぎの液を作り、袋に入れた(または紙に挟んだ)パン粉を麺棒などで挽いて細かくし、ボールやバットに移します。先に小麦粉をまぶした材料に菜箸で卵液を絡め、パン粉のボール(またはバット)に移し、ボールを回すようにしてパン粉をなじませ、裏返して軽く押さえてパン粉をなじませたらラップをし、冷蔵庫で最低30分休ませてパン粉を馴染ませます。時間差で準備しておく場合は、このままの状態で半日くらいなら置くことができます。
 一人で作る時は、このように周囲を片付けながら分業にするとでき上がった時に気持ちよく終わることができます。残ったパン粉、小麦粉、卵液は全部一緒に混ぜて、そうですねぇ、ハムや竹輪、魚肉ソーセージなどを小さく切って混ぜて、ハンバーグのように整形してポワレにするとサイドに美味しいオプションとして、または、途中のつまみ食い用に最高です!
 最後に焼き方ですが、先にも書きましたように材料に周囲に油が見える程度の分量の油注いだフライパンを中火にかけ、油が温まったら材料を並べます。揚げ物と違ってフライパンの表面の温度で焼くので、揚げ物よりはやや多めに一度に焼くことができます。くれぐれもびっしり並べるようなことのないように要注意です。周囲の色が変わって、表面に水分がにじみ出てくる頃が裏返すタイミングです。同時に焼き色もついている頃合いです。全体的に一回り縮んだ感じが出てきて、材料がこんもりと盛り上がった感じになったら焼き上がりです。引き上げて油を切ります。ここで最後のバターの風味付けをします。フライパンの油を払ってから中火にかけ、バターを溶かしたら油を切った材料をもう一度戻して両面を焼きます。これで完成です。

材料

  • 油カレイ(切り身)・・2枚(600g)
  • 塩・胡椒・・適宜
  • バター・・30g
  • レモンスライス・・人数分
  • 付け合せ野菜・・塩漬け豆腐のトマトサラダ

揚げ衣

  • パン粉・・カップ1/2
  • 小麦粉・・大さじ2
  • 溶き卵・・大さじ2(同量の水)

作り方

  1. カレイを適当な大きさに切って塩・胡椒をまぶして10分ほど置く。
  2. 小麦粉を1にまぶして刷毛で余分な粉を落とす。
  3. 溶き卵、細かくつぶしたパン粉はボールに用意し、3を溶き卵を通して続けてパン粉をまぶし、これを繰り返してすべてにパン粉をまぶしたらバットに並べてラップをし、冷蔵庫で最低30分寝かす。
  4. この間に付け合せの野菜を準備する。
  5. フライパンに大きな水溜りができるくらいの油を注いで中火にかけ、パン粉を試しに落としてくるくる回る感じになったら材料を面積の2/3まで並べる。
  6. 周囲の色が変わり、表面に水分がにじんできたら裏返し、一回り縮んだ位になったら油を切って引き上げる。
  7. フライパンの油を払ってバター落として中火にかけ、6のカレイをもう一度戻して風味よく焼いてでき上がり♪

☆ ぐれさんのアレンジ(画像からジャンプします)

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 後ほど姉妹ページを立ち上げて、料理の方法別にそのやり方に関してのみのページを作成し、必要に応じてリンクを貼るようにします。
 ネックとなる問題がいくつかあって、分類を細分化すればするほど探しにくくなるという点を加味し、できるだけ探しやすく、分かりやすい分類にする方向です。
 例えば、今日のポワレだったら、揚げ物のカテゴリーに位置にして、そこを方法別にポワレ、てんぷら、かき揚げ、から揚げ、フリッターというように細分化して、その方法を詳細にわたって説明する。といった具合。かな。
まだ考慮が必要と思うので、更に熟考・・・

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コメント

凄く美味しそうですね。
あれだけ身質の柔らかい魚を上手に調理されていて、感心します。

油がのっているのに淡白で美味しい魚ですものね。

ご相談なのですが、掲載の写真を販売ツールのPOP等で使用させて頂く事は可能でしょうか?
返信いただければ嬉しいです。

ちなみに、煮付けでも、フライパンで焼いて照り焼きにするのも美味しいですよ。

投稿: 業界人(笑) | 2011-02-21 09:57

はじめまして。
すみませんお邪魔いたします。
アブラカレイの食べ方を検索していて辿りつき、ポアレを作ってみました。
とても美味しくいただけたので嬉しくなってご報告に来てしまいました。
ありがとうございました。ペコリ(o_ _)o))
あつかましいお願いですがトラックバックさせていただければと思います。
失礼しました。

投稿: ぐれ | 2011-04-26 23:55

ぐれさん、はじめまして。
アブラカレイの扱いはちょっと気を使いますが、
パン粉つけるまでで、後はゆっくり焼くだけですが
適度に余分な油も抜けるようでヘルシーですよね。
是非拝見したいです。
トラックバックしていただけますか。
アドレスは、この欄の下部にあるのがそうです。
追記:名前にリンクが付いていたので拝見しました。とても美味しそうにアレンジされて、見た目も豪華ですね。

さて、トラックバックされる件ですが、あなた様の該当気に参照先のアブラカレイの記事のアドレスをどこかに貼り付けて、記事の所在を明らかに明記していただけますか。
私は、画像を縮小した上紹介記事にリンクを晴らせて頂きます。
プロフィールにも書いてあるとおりです。
よろしくお願いいたします。

投稿: ゴッドマー | 2011-04-27 07:21

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