トマトのリゾット:シジミの出汁でさっぱりと
一週間ほど前にトマトそのものを味付けにした冷ご飯で作る「イタリアン炒飯」を紹介した時に、コメント欄でリゾットも美味しいというご意見を頂きました。確かにその通りです。いえ、トマトでリゾットを作ったことはなかったのですが、今回作ってみて、これにははまります。 今シーズンは何故かトマトをベースにした料理を頻繁に作っていて、トマトに惚れ惚れしています。特に、日本のトマトは絶品です。無い時にはイタリア製の缶詰に助けられていますが、正直、日本のトマトは甘味と酸味が程よく、料理の味付けでこんなに違いがあるのかと驚いています。昨年始めて畑でトマトを作って食べたあの味が忘れられなくて、今年は倍の4本苗木を植えました。これから夏が本格化するにつれとどんどん赤く熟れてきて、あのトマトの独特の香りが大昔のトマト畑に引き戻してくれます。それも楽しみです。
さて、買ってきたトマトですが、テーブルの上に3~4日置いて追熟させてから料理に使います。リゾットを作る手順の中でどのタイミングでトマトを入れるかですが、トマトを味付けに使うという意味で、炒める事で甘味と酸味のカドが取れてまろやかに尚且つ、濃厚なコクとなって味付けとしてよい状態になります。また、お米は洗わずに少し炒めてから水分を吸わせながら火を通して仕上げます。加える水分(スープなど)に炒めたトマトのペーストを混ぜるか、お米を炒めてからトマトを加えて一緒に炒めるかで迷ったのですが、後者でやってみました。
また、スープはトマトといえば鶏がらスープと思いますが、異色な組み合わせでシジミの出汁にしてみました。ついでに最後に剥き身にして、リゾットに具として加えてしまったという。このシジミの出汁が変にトマトを邪魔しない感じでマッチしています。浅蜊(アサリ)のことも思ったのですが、普段はアサリを使うことが多いく仕上がりが想像できましたので、今回はシジミでトライしました。
手順は、分量の水にシジミを入れて中火で加熱します。水が白濁してきて出汁が出ているのが良く分かります。5分くらい静かに沸騰させて火を止め、そのまま使っていきます。トマトは湯剥きして大きめのサイコロに切り、玉葱とにんにくはみじん切りにします。リゾットの特徴で、お米からある程度粘りを引き出してスープを重くさせますから、一度に沢山の出汁を加えて煮込まずに、少しずつ出汁を加えて混ぜながら蒸発させます。そして、その出汁はある程度熱くして、煮込んでいる方と温度差を少なくします。それは、炒めている鍋につめたい水を加えると一気に温度が下がって炒めている物が縮まりますから味が入りにくくなる上、時間も掛かります。必ず出汁は温かくしておきます。
お玉で一度に掬える位の分量の出汁を小まめに加えながら次第にお米がプックリ膨らんでとろみが付いてきます。お米に少し芯が残る「アルデンテ」がよいと言われますが、硬さ加減の見極めは難しいです。米粒を注意してみていると火が通り出すと透明感が出ます。逆に火が通っていない粒は中心部がなんとなく白濁した色だという違いが分かります。そして、完全に火が通った粒は、プックリと膨らんだようになります。お粥と違う点でもありますが、リゾットは米粒の食感が感じられるように仕上げます。最後に塩と胡椒で味を整えてでき上がりです。
作りやすくなるように説明を入れているつもりなのに、なんだか長くなりますね。難しくなってしまってはいけないですね。どうか気楽に始めてみてください。火の通りなどが心配なら怪しい粒を味見しながらやってみるとよいと思います。兎に角トマトリゾットはお勧めです。
◇ アサリと茸のリゾット☛レシピ
材料(1~2人分)
- お米・・70g
- トマト・・150g
- 玉葱・・中1/4個(50g)
- にんにく・・1片
- シジミ・・100g
- 水・・500cc
- オリーブオイル・・大さじ1
- 塩・胡椒・・適宜
作り方
- お湯を沸かし、トマトを10秒間浸して表面だけ熱くし、取り出して皮を剥き(湯剥き)、ヘタを取って粗みじん切りにする。
- 分量の水と揉み洗いしたシジミを火にかけ、5分ほど静かに沸騰させながら出汁を取る。
- 玉葱とにんにくはみじん切りにする。
- 鍋にオリーブオイルを引いてにんにくをローストし、香りを油に移す。
- 玉葱を加え、透き通るまで炒めてから米を加え、米が透き通るまでよく炒め合わせる。
- 次に1のトマトを加え、トマトの果汁が半分くらいなるまで炒める。
- お玉で出汁を掬って加える。木ベラなどで常にかき混ぜながら水分を飛ばし、煮詰める。
- 煮詰まって水分が表面になくなり、鍋底からブチブチ音がしてきたらお玉で出汁を掬って加える。出汁がなくなるまでこれを繰り返す。
- 最後の出汁を加え終わったらシジミの実を取り出して混ぜ合わせ、塩・胡椒で味を整えてでき上がり♪
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