茄子とトマトの挽肉グラタン:切って並べただけでもそれなり:躓いて転ばない人生はないよ
豚の挽肉が約250g冷蔵庫に残っているのが気になって、長茄子と完熟トマトがあれば、これはミートグラタンの組み合わせにバッチリです。が、挽肉というのが実は食べ難いのですね。シェパーズパイ(レシピ☛)のようにマッシュポテトにするとつなぎになるのですが、茄子を細かく切りたくないし、と。いろいろ考えて、料理方法がはっきり決まりませんでした。似ていますが、アンチョビのグラタンもおいしいです☛トマトと茄子のアンチョビーグラタンが。
思いつきのわりにジューシーで美味しいグラタンな感じにまとまったのと、切って並べるだけの手間ですから、特に挽肉に限らず代用も効くヘルシーなおかずなので献立にどうでしょうか。気になっていた挽肉も、ナスとの一体化で解決しました。
先日、娘のマンションでちょっと料理をした時に感じたのですが、最近のマンションは造りがこじんまりしていて、リフォームを度重ねるせいか、収納場所の確保のために部屋の一部を改造したり、天井が低かったりで狭い印象を受けました。調理スペースも狭くいろいろと物を置けなくて、サイドテーブルなどを用意してはどうかと思ったのですが、すぐさま物を積んで置く台になりそうな気配です。工夫次第だといえばそれまでですが、工程の多い料理はなるほど大変なのだと痛感しました。大皿一品料理や丼物などが主流になってしまうと息子が話していたのも、そのせいなのかと想像していました。
このような背景もあって、ヘルシオだったか娘が持っているオーブンレンジに入れたらポンと出来上がり、しかも具を切って並べる調理だけというのはどうかな?冷めても美味しいグラタンですよ。翌日のお弁当に入れましたが、美味しかったと聞いています。
少し焼いて香ばしくしてから入れるといいと思ったのは茄子ですが、生の野菜をいきなり重ねるので、普段より加熱時間を長めにしました。加熱が進むごとにそれぞれの野菜から水分が出て、下の方は煮物のようになりますが、それは、ラタトゥイユ(レシピ☛)のようなでき上がりで美味しくなります。
また、挽肉は、ご覧のように茄子にこんもり盛り付けて、一つの具にしてみました。でき上がりはそのまま茄子にへばりついているので挽肉だけボロボロと散在するようなことにはなりません。これくらいは手間のうちに入らないと思いました。お試しあれ。
材料 (26cm×16cm(内法)の耐熱皿又は26cmの円形)
- 豚挽き肉・・250g
- 長茄子・・3本
- 新じゃが芋・・大1個
- 完熟トマト・・中3個(300g)
- 玉葱・・1/4個
- バジル・・小さじ1/2
- 塩・・小さじ1
- 胡椒・・適宜
- ピザ用ミックスチーズ・・100g
作り方
- 耐熱の容器に薄くオリーブオイル(分量外)を塗る。
- 新じゃが芋をスライサーでスライスして、流水で澱粉を軽く流す。
- トマトとナスは5mmの厚さに輪切りにする。
- 玉葱は、5mm幅のくし切りにする。
- 3の茄子に挽肉一つまみを乗せ、指で押さえて落ち着かせる。
- この辺で、230度でオーブンの予熱を始める。
- 1の耐熱皿にじゃが芋の半量を敷き詰め、次に5の茄子、玉葱、残りのじゃが芋、塩・胡椒、トマト、バジル、ミックスチーズの順に重ねる。
- 予熱できたオーブンに入れて10分後、200度に下げてさらに15分ほど焼く。
※後半の15分で下の野菜に充分火を通すような感じで仕上げます。できればオーブンの下段でセットし、チーズが焦げないようにすると良いです。
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先週末、東京で同居生活をする娘と息子のマンションに行ったのは、他でもない息子の部活についての話でした。
八年間一度の迷いもなく、バスケットが大好きというだけで続けてきたことに、今回少し自分の中に疑問が起こったというのです。基本的にバスケットが嫌いになったという事では全くないのですが、大学という場に行ってみたら、今までとは違った風景が目に飛び込み、知り合う友達の多感なチャレンジ精神や行動力に目を見張るものがあったらしく、胸の中に一種のざわめきのようなものを感じた、そのことが何か良く分からないと。そう伝えてきたのは二週間ほど前でした。
息子は、高校のバスケ部員としても尊敬する先輩から、直接に誘われたのが今の大学を選択した決定的な動機でした。そして、その先輩と一緒の部員でいられることにも誇りを持って入部したに違いなかったのです。
この話を聞いて、直ぐにその先輩には相談したのかと聞きましたら、人に相談するようなことではなく、自分で決めるというのです。というか、このような事を人に相談するということが動機として自分にないと言うのです。私の胸の内にはいろいろな観点があるので、それなりの思いはありましたが、ここで絞って筋を入れたいのは、息子の「人と共に成長する」という親の願いです。それまで続けてきたことを突然辞めるからには、自分が納得していることが大切で、後の結果がどうであれ、自分が全てを引き受けるというのが大人だと思うのです。ですから、息子の言う「自分が決める」というのは然りですが、角度を変えると、大人というのは決断にはじっくり時間をかけるものです。それが大人です。世の中でもまれてくるとそこそこの失敗を経験し、後悔をしては前へ進んできたのが大人です。それなりの学習を積んで来れば、事あるごとに多少の慎重さというものが付随してきます。息子が真っ先に連絡してきたのが親だったというのは、真意は分かりませんが、親の一言で何とでもなるような要素は多分にあったと思います。息子にそう伝えたと同時に、自分が一番世話になって可愛がってもらっている先輩に、素っ裸になって自分をちゃんと見てもらうというものだとも伝えました。大人はそうするものだと伝えて一週間後、四年生から「一週間休んでじっくり考えてみろ」と言われ毎日いろいろ人と話してきたそうです。
週末は、息子の話をじっくり聞くために上京したわけです。結局、辞める理由はあっても、それが決め手にはならないというのが今の段階ではっきりしたことだそうで、休部して、まずは、思いっきりやりたいことを存分にやってみるそうです。そう先輩方に話したら「必ず戻って来いよ」と肩を叩かれたそうです。息子も自分の思いを表に出したことですっきりとしていました。一皮剥けた感じがしました。
究極、私の昭和な育ちで微妙なのが、大人に押し殺されて、気持ちを自由に表現できない窮屈で封建的な背景でもあったのです。反面教師のようなものかもしれませんが、自分が今になって内面的に孤独を感じるのは、自分を解放できないことに原因があると思っています。できなかった自分がせめて、子ども達がその自由を掴める様に願う思いと、それができるようにチャンスを逃さないということが根底にあります。結局それが「我人と共に繁栄せん」ではないかと思うのです。
バスケットをやるその先の目標を見失ったというのは、人生でも良い躓きをしていると感じています。続けることにも美はありますが、自分の中からある種の疑問が生じたら、それは、そのことを自分に問うて、向き合ってみる適期だということではないかな。また、安易に結論を急ぐよりも、その経過を楽しめたらいいと思います。
これからどう展開してゆくのでしょうか。来週のお話しは・・・と、「つばさ」のお話しのように一週間で展開するとドラマみたいで面白いのですが。
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コメント
はじめまして。
冷蔵庫の中にあったナス・トマト・挽肉でなにかいつもと違った料理はできないかと、検索したら、こちらのblogにたどりつきました。
グラタンって面倒だというイメージでしたが、きれいな写真での説明で、本当に切って並べてだけで、簡単においしい料理ができて、家族も大喜びでした。
ありがとうございます。他のお料理もおいしいそうなので、また挑戦したいと思います。
投稿: rosetea | 2009-08-28 21:06
roseteaさん、おはようございます。
なす・トマト・挽肉のリテラシーでしたね。それにしても凄いヒットでした。で、このお料理も気に入ってもらえてよかったです。素材の味がそのもの生かされて、オーブンで焼く料理は美味しさが凝縮されたような感じですよね。何よりも簡単ですし♪
トラックバックありがとう。ついては、roseteaさんのお料理の紹介画像を文末に載せさせて頂きました。確認してくださいね。
投稿: ゴッドマー | 2009-08-29 05:47
ゴットマーさま
わざわざ掲載までしてくださって、ありがとうございます。
恥ずかしいですが…
他の方のブログにコメントを書いたのは、はじめてだったのですが。
こういう交流がブログなのかなと。
なんか暖かい気持ちになって、いいものですね。
料理にも素敵な出会いにも感謝です
投稿: rosetea | 2009-08-31 23:39
roseteaさん、ブログの交流も長い年月でいろいろに変化してきたように思います。本来はこんな感じで、知らない者同士が話題で繋がり、情報交換などを通して知り合ってゆくという、ゆっくりなペースのお付き合いみたいな感じでしょうか。
私はネットではあまりいい思いはなかったのですけど、素敵な出会いをすると、以前のことが帳消しのようになります。
これからもよろしくね。
投稿: ゴッドマー | 2009-09-01 10:17