鶏の胸肉のラグー(ragu'):準備30分スロークッカー4時間の煮込み料理:クマリンの謎
丸二日間、良く雨が降りました。結局ジョギングもそれに準じてお休みでした。その日によって時間もまちま
ちですが、最近は夜が明けて空が白んで来るのが早くなり、それに合わせて四時前に家を出たりします。新聞や牛乳配達の仕事時間と重なり、この時間は
ピークです。
立石公園の八重桜がこの辺では最後になるかと思いますが、やっと花が散り始めています。道すがらずっと桜のあの独特の香りと、草木の濡れた、
なんともいえない新緑の香りが雨上がりの湿った空気と一緒になって、森を吸い込むような大きな深呼吸を何度も繰り返しました。本当に気持ちのいい朝
でした。
そうそう、この八重桜ですが、桜の花びらの塩漬けはこの八重桜で作られるのは知っている?この辺では駒ヶ根市あたりの農家で作るそうです。先月、Feecleで教えてもらった事ですが、桜のあの独特の香りの成分は、クマリンという肝毒性をもつそうで
葉や花を半乾きにしたり破砕、塩蔵するなどすると、死んだ細胞の中で液胞内のクマリン酸配糖体と液胞外の酵素が接触し、加水分解によりクマリン酸が 分離、さらに閉環反応が起こってクマリンが生成し、芳香を発するようになる。 なお、桜湯や天然のオオシマザクラの塩蔵葉を用いた桜餅の香りはこれらに含まれるクマリンなどによるものであるが、肝毒性があるために食品添加物としては 認められておらず・・・Wikipedia☛
とあります。(桜の炊きおこわのレシピへ☛)
手作りしたいと話した私が教えてもらったのはこの事でした。で、大きく深呼吸して吸っていたのは木からの香りではなく、散った
花びらが地面に落ちてから放つ香りだったのですね。昨日走りながらこのことを思い出して、体を地面に近くして息を吸ったら納得できました。些細な事なので
すが、嬉しかったので。
今日は、鶏の胸肉のラグー(ragu')です。本当なら、鴨の骨付きもも肉のあの独特の香りと良く合う煮込み料理となる のですが、なかなか鴨は入手困難です。ジビエの多いこの土地なのですが、みな他所へとお嫁に行くそうです。
ラグーというのはいろいろな材料を取り混ぜた香
りの良い煮込み料理の事をさす言葉で、イタリア語です。野菜や茸などをたっぷり刻んで、肉を焼いた後の油で炒め、トマトと赤ワインでゆっくり煮込みます。
野菜と赤ワインからコクのあるソースが出来上がるので、特にハーブは入れません。刻んだ野菜がしんなりするまで良く炒めてからスロークッカーで煮込みま
す。鶏の胸肉を煮込みにすると、パサついて硬くなるので敬遠されがちですが、スロークッカーではけしてそうなりません。沸騰直前かぎりぎりの線で、肉の繊維から水分が出ない状態で長時間ゆっくり煮込むので、ラグーのような料理にはぴったりです。
パスタは、乾燥のチーズトルテリーニを茹でて添えました。市販では牛挽肉入りとチーズの両方がありますが、この場合はチーズが合います。無かったら餃子の皮で簡単に作れますが、そのレシピはまたいつかに。
材料
- 鶏胸肉・・2枚(700g)
- にんにく・・1片
- セロリ・・1本
- 玉葱・・1/2
- 人参・・1本(70g)
- カットトマト・・350g(市販)
- 赤ワイン・・1/2カップ
- リーブオイル・・大さじ1
- 塩・・小さじ1/2
- 胡椒・・適宜
- 灰汁取りシート・・1枚
- 乾燥チーズトルテリーニ(Tortellini=帽子形のパスタ) ・・120g
作り方
- 胸肉は半分に切り、軽く塩・胡椒(分量外)する。
- にんにく、セロリ、玉葱、人参はそれぞれみじん切りにする。
- 肉が4枚並ぶフライパンを中火にかけ、オリーブオイルで皮目から焼く(蓋はしないで焼き色を見ながら焼く)。
- 焼き色がついたら裏返して両面同じように焼いたら取り出し、スロークッカーの内鍋に並べる。
- 残った油で2のみじん切り野菜がしんなりするまで炒める(約10分)。
- カットトマトを加え、煮汁が半分くらいになるまで煮込んでから4の肉の上に乗せ、赤ワインを加える。
- 分量の塩を控えめに加え、胡椒を振りかけて灰汁取りシートをかぶせ、「弱」「4時間」にセットしスイッチON。
- 出来た!
- 味を見て足りなかったら残した塩で加減する。
- トルテリーニをたっぷりのお湯で茹でて肉に添える♪
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コメント
はじめまして!
いつも興味深く拝見しているファンです。
godmother様の影響でスロックカーを購入し、
まず始めにビーフシチューを作ってみました。
焼いた牛肉と炒めた野菜を赤ワインに1.5日冷蔵保存し、スロークッカーで「弱」8時間煮込みました。
昨晩、出来上がりをいただきました。
結果、とても美味しいスープができてとても感動したのですが、問題は肉です。缶詰の肉のように繊維質のみでパサパサした仕上がりになってしまいました。脂身もほどほどにあるお高めな牛肉を使用したのですが、美味しい脂とエキスがすべてスープに出てしまったようでした(_ _;)
原因として、①牛肉の焼付けが甘かった(全表面を焼きつけなれていなかった)②煮込み時間が長かった③使用する部位が悪かった(参考レシピは牛スネ肉でした)
というようなことを考えていますが、まだよく分かりません。
今日の鶏ムネ肉のラグーで再チャレンジしてみます!ぱさつかせずにできるかドキドキです。
投稿: Lalique-ma | 2009-05-09 09:05
Lalique-maさん、おはようございます。
なんだか弾むような感じが伝わってきて、こちらまで楽しくなります。
さて、本題の牛肉シチューの実験(?)ですが、参考レシピのすね肉やテールなどは経験上、牛肉ではトップクラスの筋張った部位だと思うので、これ以外の部位なら、仰るような繊維質の問題は、もっと軽症の部類なのかと想像します。がっかりというほどでしたら確かにそうなのでしょうね(お気の毒に)。でも、牛肉はどのような料理方法を以っても、繊維は残るし、パサつくといえばそんな感じがあると思いませんか?
その繊維のパサつきは兎も角、食感を良くする方法として、肉に小麦粉をまぶして焼いて、クッカーの加熱時に自然に溶け出してとろみを付けるか、最後の1時間くらいで少量の煮汁で溶いた小麦粉を加えるか、などの方法ではダメですか?粉っぽさが残らないように前者が良いような気がします。
また、クッカーで作った肉のスープやシチュー類は、コラーゲンがかなり出ていますから、冷めるとそれが良く分かります。つまりとろみの成分です。思いますに、そのとろみを補う程度に小麦粉を使われたら良いのではないかと。左様に思います。
以上は老婆心からです。
次に、良く分析されてお料理を楽しまれているように感じます。なんですか、そういうのが楽しいのですよね。試行錯誤って言うのでしょうか。
是非思うようにやってご覧になったら如何でしょうか。
鶏の胸肉は地鶏を使用しています。特記する必要があるかどうかはあまり気にしませんでしたが。というのは、地鶏意外を扱わない肉やさんなので、私自身がブロイラーを使ったことが無いのです(イゼンカイテイマス)。特にスロークッカーでは。これも試されると良いのかもしれません。
成功を祈っています。ドキドキ。
投稿: ゴッドマー | 2009-05-09 09:55
こんばんわ。
またまた、美味しそうな料理をUPされてますね。
( ̄¬ ̄*)じゅるぅうううう
トルテリーニですか?田舎暮らしでは目にすることのない食材ですね。自作しないとだめなようです。
今度作ってみますね。
PS.餡餅(シャンピン)の写真のUP見せていただきました。わざわざ、当方へのリンクを張っていただいてありがとうございます。
投稿: 虫の音 料理長 | 2009-05-09 23:51
虫の音料理長さん、おはようございます。
本格的なラグーを鴨で作って食べたいのですけど、ま、鶏肉でも結構美味しいです。
スロークッカーが無かったら、非常に弱火で蓋をして湯銭という手もありですよ。
トルテリーニは、見た感じで作り方がわかるかと思います。餃子の皮の真ん中に具(チーズ)を置いて手前を向こう側に半分折り、その半分の手前を向こうに折って、手前に返してから両端を摘んで閉じます。
手製の場合はそのまま冷凍で保存できるので、いつでも茹でて食べられますね。
お試しください。
投稿: ゴッドマー | 2009-05-10 03:21