鱸(スズキ)のカルパッチョ:カルパッチョの名前の由来がやっと分かった!
沖縄が梅雨入りした途端、こちらの天気もどんよりとした一日で、長期予報を見るとどうやらカラッとした天気はあまり続かないようです。
梅雨明けの初夏から夏にかけてが旬と言われている鱸(スズキ)が今日のメインの料理です。「すずきとおこぜ」阿川弘之が教科書に載っていた時、九州の亡くなった叔父が、早朝の港で、漁師に直交渉して買って捌いてくれたのを思い出していました。銀色に光るとても美しい魚で、その時一緒に行って、交渉の一部始終を見ていた私にとっては、忘れることのない生きた授業でした。
最近でこそ「カルパッチョ」という料理は、魚を削ぎ切りにして、野菜や香草などと一緒にバルサミコ酢とオリーブオイルで頂く、あの一皿という印象ですが、名前はイタリアからです。この料理を知った頃、生の魚を食べないイタリアでも、昔は、この料理法では食べていたのかな?と半信半疑でした。それとも、日本食が見直されて、今や、世界の食生活に影響を与えているということなのだろうか、といろいろ思ったので、ちょっと調べてみました。
元々は、牛ヒレ肉のスライスにオリーブオイルやチーズをまぶして食べたとWikiさんでは書いてあります(参照☛)。牛ヒレならヨーロッパでも生で食べるのだろうと想像しますが、「 Carpaccio」という名前についての説明が、これでは不十分だったので、英文のWikiさんを開いたらこうあります。
According to Arrigo Cipriani, the present-day owner of Harry's Bar, Carpaccio was invented at Harry's Bar in Venice, where it was first served to the countess Amalia Nani Mocenigo in 1950 when she informed the bar's owner that her doctor had recommended she eat only raw meat. It consisted of thin slices of raw beef dressed with a mustard sauce. The dish was named Carpaccio by Giuseppe Cipriani, the bar's former owner, in reference to the Venetian painter Vittore Carpaccio, because the colours of the dish reminded him of paintings by Carpaccio. According to another story of the genesis of this famous dish, it was born at the Savini Restaurant in Galleria Vittorio Emanuele in Milan. A wealthy lady, who was an everyday customer, was indeed told by her doctor to eat only raw meat. Unfortunately, at the time, it was not socially acceptable that a lady of her status would order "raw meat" at the most elegant restaurant in the city. It was the waiter who suggested her to use a different name for it. Apparently a painting by Carpaccio was hanging on the wall at the Savini at the time, and the waiter suggested Carpaccio as the "code name" for the dish, so she would not be embarrassed when ordering it.(参照☛)
「アリーゴ チプリアーニ氏は、現在は「ハリーのバー」と呼ばれるベニスの飲食店のオーナーで、彼によると、最初にカルパッチョとしてこの店で出されたのは1950年、アマリアナーニ伯爵夫人が生の肉を食べたほうが良いと医者から勧められた折、これを受けた店で、薄くスライスした牛肉をマスタードソースと一緒に提供したのが最初だと言います。名前の由来は、このバーの当時のオーナー(Giuseppe Cipriani)が、ベネチアの画家Vittore Carpaccioが画く絵の印象と、この料理が合致したためカルパッチョと名付けたということです。もう一つ、別の名前の由来は、ミラノのガレリア ヴィットリオ エマニュエル(=アーケードになった有名な通路)にあるサビーニレストランで誕生したという話。常連客で裕福な家庭の女性が、当時、彼女のようなハイクラスな地位で、しかも最もエレガントな高級レストランで、生の肉をオーダーする事が許されるような社会的背景ではありませんでした。そこで、ウエイターが考えたのが、この料理をオーダーする時には別の名前を使ったらどうかと言うのです。当時、サビーニレストランの壁に掛かっていた絵の作者であるカルパッチョを「コード名」としてオーダーすれば、彼女が恥をかかずに済むのではないかとして、「カルパッチョ」と呼ぶことになったそうです。」
1950年ころの話だそうですから、それほど昔のことでもなく、おそらく本当の話なのでしょう。でも、ヴィットーレ・カルパッチョ(Vittore Carpaccio, 1455年頃 - 1525年頃)で、Wikiさんを調べると、牛肉好きの彼の名前を取って・・・☛とあるのですが、どれが本当の説でしょうかね。
さて、スズキはどのような料理にしても美味しい、高級魚とされているようですが、刺身で残ったアラを煮つけた「アラ煮」は、鯛のアラ煮のように脂も程々で美味しいです。内臓も含めて捨てるところの無い魚だと聞きますが、内臓の分野は、私は未開拓です。ちょっと苦手かな。鯛と違うのは、血合いが殆んどないということくらいで、実際にお刺身にしたら見分けが付かないほどです。しいて言えば、鯛よりも身が締まった感じで若干淡白です。
三枚に卸して皮を引いたら削ぎ切りにして大皿に綺麗に並べ、好みの野菜を添えていただきます。今日は、イタリアンっぽく、黒オリーブをスライスして乗せて、その漬け汁をドレッシングにしました。瓶詰めのイタリア製ですが、適度な酸味と塩分ですし、なによりも黒オリーブの味と一緒なので違和感がありません。スズキの甘味が生きます。それにレモンと新玉葱、パプリカのスライスを一緒にしました。涼しげで綺麗な彩りのカルパッチョです。
◆ 煮切った白ワインでしめた鯵のカルパッチョも参考にどうぞ☛レシピへ
材料
- スズキ・・1尾(45cm)
- 新玉葱・・1/4
- パプリカ(カラーピーマン)赤・・1個
- レモンスライス・・5枚
- 黒オリーブ・・5個
- オリーブオイル・・大さじ2
- 黒オリーブの漬け汁・・大さじ2
- 塩・・適宜
- 胡椒・・適宜
作り方
- スズキは頭を落として三枚に卸し、頭の方から皮を剥ぐ。
- 新玉葱、パプリカ、黒オリーブは全て薄くスライスする。
- レモンスライスは、4等分する。
- スズキを削ぎ切りにしながら皿の中央から渦巻状に外側に向けて、順番に並べる。
- 2と3のスライスした野菜を満遍なく散らしてオリーブオイルを回しかけ、材料表の順番にそれぞれを回し掛けて出来上がり♪
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