真鱈(まだら)の紅糟焼き:「紅糟」作りは断念の巻
昨日は、暑い一日でしたね。諏訪のこちらでも急に初夏のような陽気で、町の人達の挨拶は「暑いねぇ」の一言からでした。庭のすずらんが咲き始めたばかりで、せっかく楽しめるような陽気になったとたんに夏日のような気温ですから、少ししんなりくたびれた感じです。
この間から時々料理に使っている「紅糟」(調味料辞典☛)ですが、私は、暑くなるこの時期からドライフルーツや果物、野菜などから「菌を」を取って、パンを醗酵させる酵母を起こしているので、「麹(こうじ)」については興味があります。他には、山形の農家の方から教わった「三五八漬け」(さごはちづけ)の漬け床も米麹から手作りします(レシピへ☛)。
実は、手持ちの「赤糟」が終わったら「赤麹」(参照☛)を買って、米と一緒に醗酵させて手作りしてみようかと思い、Netでいろいろ調べていました。なんだか、紅麹を混ぜたお粥や炒め物、揚げ物などの様々な料理に使われて、中国はもとより台湾、韓国、沖縄などでもかなりポピュラーだということがわかりました。しかも、紅糟を取るには、紅酒(参照☛)なる物を作ったあとにできる、いわゆる「酒粕」のことですから、こりゃ大変な物を目にしたと焦りまくり。
もろみ味噌に似た香りと味がするこの「紅糟」ができればいいので、結局、紅麹が入手できれば、炊いたご飯と混ぜて醗酵させる事で万時急須だと思ったのです。ま、調べながら、三五八漬け床のように永続的に紅糟を持っていたいわけではないので、作るまでには至りませんが、とても魅力的な食品です。三五八漬けは、糠漬け(ぬかづけ)のような臭みはないので見分けはつくのですが、どことなく遠くで糟の香りがするので間違えやすいです。
この漬け床で鰤(レシピへ☛)や鱈7を漬けて焼くと、身がホックリ柔らかくジューシーで、ほんのり甘く焼きあがります。紅糟は三五八に味噌のような風味がついた感じだというのが一番近いかもしれません。兎に角、発酵食品が優れているというのもさることながら、私にとってはどこと無く懐かしい味が魅力なのです。
今日は、この紅糟の味噌のような風味と甘味で真鱈(まだら)の剥き身(すきみ)を焼いてみました。鱈の表面に軽く塩を振って、塩が溶けて水が滲み出したら(塩〆)キッチンペーパーで吸い取り、紅糟を塗って冷蔵庫で最低半日漬け込みます。ご存知の通り、鱈は身が崩れやすいので、表面に極少量の片栗粉をまぶし、油を引いてフライパンで焼きました。中火くらいでゆっくり焼きますが、周囲が焼けてきて、身の中央から鱈の水分が滲み出してきたら裏返します。それまでは鱈に触れたりしません。何となく、こういうのをじっと待っていられないという人がいますが、原理は簡単。魚の繊維が焼き固まらないうちに世話を焼き過ぎると繊維の間の水分が出て身が崩れやすくなるためです。蓋をしないで焼くのも、水分が蒸発しやすいようにです。
やはり紅糟は、鱈のような白身の魚の旨味を良く引き出してくれます。かなり大きな切り身ですが、大変美味しくやけました。叩きキューリとザーサイの中華風和え物がさっぱりとして良く合いました(レシピは☛)。
◆ その他の紅糟漬け料理:鶏もも肉ソテーのレシピ☛
材料
- 真鱈の剥き身・・半身(約600g)
- 紅糟・・大さじ1
- 酒・・大さじ1
- 片栗粉・・少々
作り方
- 鱈を人数分に切り分け、両面に軽く塩を振って水がにじみ出てくるまで(約10分)置いて、キッチンペパーで吸い取る。
- 紅糟を酒でのばして1の鱈の表面に満遍なく塗ってラップをして冷蔵庫で最低半日置く。
- 食べる時間に合わせて鱈に片栗粉を指で摘んでパラパラと両面に振る。
- フライパンに油を少量のばして鱈の表(皮のある側)を下にして焼き、周囲が白っぽくなって、中央から水分がにじんできたら裏返す。(蓋はしないで4~5分)
- 身がこんもりと盛り上がって弾力がついたら焼き上がりのオーケーサイン。
- 皿に盛り付けて召し上がれ♪
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント