2009-05-19

餛飩(ワンタン):思い出に残る味とは:叔父のレシピから

 朝から新緑が眩しいくらいに良く晴れて、日中は日陰が嬉しいような強い日差しとなりました。沖縄は昨日梅雨入りしたそうですが、あちらは蒸し暑い日が続くのでしょうね。六月の中旬にはここも梅雨入りになるのですが、高原なので、今の暑さが嘘のように急激に寒くなり、気候が逆戻りしてしまいます。お年よりの家では、あまりの寒さに炬燵(こたつ)をつける家もあるとか。そうです。この辺は、梅雨が明けるまで炬燵は仕舞わないのでした。私は、東京の暮らしよりここがずっと好きなところは、じりじりした暑さがないということだけですから、それだけでも救われます。

P5170006

 さてと、今日はワンタンです。このレシピは、私の長崎の叔父(二十年前に永眠)が教えてくれた唯一の料理です。中学二年の夏休みに、弟と二人で叔父の家で一ヶ月お世話になった事があります。その時、叔父が経営していた飲食店でアルバイトをした時に、教えてもらったのです。
 作る前にウー・ウェンさんはどんなかなと覗き見したら、ほぼ同じでした。ほぼと言うのは、細かい分量は兎に角、使用している材料は同じでした。スープは使わずに、茹で汁がスープの素にするというのも以外でした。叔父も母と同じで中国にいたわけですから、その辺のルーツもあるのかもしれません。母の家系は、料理が上手で食いしん坊で、美味しい料理を作るのも何となく中国の影響のような気がします。
 「ウー・ウェンの北京小麦粉料理」では、お母様が購入されたイタリア製の製麺機を使ったスープワンタンと、手で延ばしたワンタン生地を揚げワンタンで紹介しています。私が今回使用した生地は、製麺業を営む市内の業者さんので、試しに使ってみて欲しいというので試作の提供品です。

P5170002

 本書の下りでちょっと面白い事を知りましたので、紹介しておきます。ワンタンは中国語の漢字では「混沌」という字の偏が「食偏」になって、「餛飩」と書くそうです。そこから彼女は「やわらかく、形をなさず混沌とした食べ物でしょう」と、ワンタンの料理としてのイメージを漢字から想像して、「皮のとろりとしたやわらかさを味わうものですから、餡は少なめに包みます」と、続きます。ワンタンに愛情がありますね。本書にはこういった感じの描写が良く出てきますが、ウーさんが単に中国料理の先生ではなく、中国文化を愛し、良き理解者として、ご自信の料理を伝えられているのだという人柄も垣間見る事ができます。
 さ、本題のワンタンですが、今回は生地はありますので餡作りとスープ、仕上げの注意点くらいに絞ります。
 まず、餡の捏ね方ですが、しつこいようにいつも言っていますとおり、まず肉に粘りが出るまで良く混ぜることからです。その次に、混ぜる調味料は一つ加えるごとに練り合わせて味を馴染ませ、次の調味料を加えます。これは中華に限らず例えばハンバーグやミートボールも同じです。最後に油を加えて、肉に染み込んだ調味料を閉じ込めるようにします。他の野菜のみじん切り等の混ぜ物をする場合は、この肉のベースができてから混ぜます。
 次にスープですが、叔父は、豚骨と鶏ガラで白濁したスープを作っていました。骨の大きな豚骨からスープを取るには、寸胴鍋や大きなガス台がないとできませんので、私は鶏ガラスープにします。水からガラを入れて、最初強火で沸騰直前に小さく沸騰する程度の火加減にして灰汁を掬い、灰汁が出なくなったら火を止めて1~2時間放置します。その後再度中火にかけて灰汁を救ったらガラスープの完成です。時間が掛かるので、暇な時に作っておいて小分けに冷凍しておきます。
 スープと餡の準備が出来たら生地に餡を包みます。左手に生地をのせ真ん中よりも少しずらして餡を乗せ、二つにたたんで三角形にしたら、餡の周囲を軽く押さえて落ち着かせます。両端を中央に寄せて重ね合わせて、親指と人指し指で挟んできゅっと押さえて閉じます。

P5170005

 いよいよ茹でます。ウーさんの作り方とほぼ同じですが、ワンタンを茹でる鍋にお湯をたぎらせることと、同時にスープが温まっていることが必須です。味付けは、本格的にはチャーシュウの煮汁(無ければ醤油)、と胡椒、微調整のための塩、具にする中国海苔、香草(チャンツァイ又はパクチー、コリアンダーのこと)等を器に銘々に準備しておきます。家庭の鍋は小さいので、一人分か二人分のワンタンを茹でます。鍋にたっぷりのお湯をたぎらせ、ワンタンを入れます。一度沈みますが直ぐに浮いてきます。この状態ではまだ生です。お玉の背でワンタンを押して、できるだけワンタンがお湯の中で泳ぐようにします。2~3分で皮がプックリ膨らんで透き通ってきます。これが出来上がりのサインですので、お玉二杯分のスープをよそって、ワンタンを穴じゃくしでよそいます。
 今回使用した生地は少し厚めかなと感じますが、コシがあるのに柔らかくて滑らかでした。とても美味しくできました。叔父が作ってくれたワンタンのスープが忘れられず、いつか豚骨スープで作りたいと、益々思いが募りました。シンプルなのに、味に深みがあって、それが忘れられないほどのインパクトを齎して、ずっと記憶の中にあるのが不思議です。それだけでなく、叔父は、当時、長崎では名の通った料理研究家ということでしたから、もっといろいろ食べておけばよかったと後悔しています。

材料

  • ワンタン生地・・35枚
  • 鶏ガラスープ・・1000cc(一人分300cc)

  • 豚挽肉・・180g
  • 酒・・大さじ2
  • 生姜のすり卸し汁・・大さじ1
  • 醤油・・大さじ2
  • 胡麻油・・大さじ1
  • 長葱・・1/2本

スープの調味料(一人分)

  • チャーシュウのタレ(無ければ醤油)・・大さじ1
  • 胡椒・・適宜
  • 塩・・適宜
  • 胡麻油・・小さじ1
  • 香草・・適宜
  • 中国海苔(無ければ日本の海苔)・・適宜

作り方

  1. 鶏ガラスープを取る。
  2. 出来合いのワンタン生地は冷蔵庫から出して室温に戻しておく。
  3. 長葱をみじん切りにし、生姜をすって絞っておく。
  4. 餡の材料をボールで順番に加えては練って、最後に長葱のみじん切りを加えてラップをしてしばらく置いて落ち着かせる。
  5. 大きな鍋にワンタンを茹でるためのお湯を沸かす。
  6. スープも食べごろに温める。
  7. 銘々の器に一人分ずつスープの味付け調味料を作り、香菜と中国海苔も分けておく。
  8. お湯がたぎったらワンタンを一人分か二人分ずつぱらぱら落として茹でる。
  9. 浮いたワンタンを頭の背で押してワンタンが中に浸かるようにする。
  10. ワンタンがプックリ膨らんで皮が透き通ったら、スープをお玉で2杯注いだ後に、穴じゃくじでワンタンを掬ってよそって出来上がり♪

|

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/516876/45059806

この記事へのトラックバック一覧です: 餛飩(ワンタン):思い出に残る味とは:叔父のレシピから: