大根とじゃが芋を添えた鶏もも肉のfricassée(フリカッセ):白い煮物
星空を見ると、自分が取り残されたような寂しさを感じたり、庭に来た鳥に話しかけては、その自由を羨ましがって落ち込んだり、足元の草花に気づけば、その可憐な美しさに見とれる。意思の存在すらないような自然に向き合うと、その意思と同化した別の自分が自分を見透かし、愚かな姿を哀れむ。浮世離れしたような事を繰り返し思ってはクッタリ落ち込むような、似たような人がいるものだと思います。目線は、そうですね、地面かな。凄く低いところから見ていると、自分が偉そうな所に立っているじゃないかとへらへら可笑しくなったりするものです。
歳を重ねるごとに大人っていうものは、いろいろなものを背負い込んで、薄汚れて生きているものだとつくづく思います。生きる経験が長くなると、人に何か意見するとか、励ますなどということはおこがましいと思ってくるので、なかなかいい言葉が見つかりません。這い上がらなくても、そのままの貴方でそこで抱えていても生きていますよ。それを私が知っています。
フランス料理みたいなのが好きかな。「fricassée(フリカッセ)」って知ってる?この間鶏の胸肉でラグー(ragu')とうイタリア料理を作ったのだけど(レシピ参照☛)、語源はフランスの「Ragout」で、家庭料理の代表のような煮込み料理ですが、fricasséeは「白の煮込み」というような意味で、フランスの家庭料理です。いえ、多分フレンチレストランでもあるかな。兎に角、フレンチもイタリアン料理も、煮込みにいろいろな方法があって、どれも工程は同じような感じで、濃厚なソースが絡まったような出来上がりです。白い煮込みと言えば、牛乳で作ったベシャメルソースを白ワインでのばすと、それらしくなるので割りと簡単な料理。で、作る時間は、肉をソテーしてから出来上がるまでトータルで30分以内です。日本のホワイトシチューとは違いはあるにせよ、本来のホワイトシチューというのがこのスタイルだと言っても良いのかもしれませんね。最後にコクをつけるための生クリームもお皿に盛り付けしてからで良いと思います。
ベシャメルソースは、大さじ1のオリーブオイルでみじん切りの玉葱を炒めて、小麦粉大さじ山盛り1に対して180ccの牛乳の濃さが保存しやすい固さです。冷凍保存しておいたのを解凍して使用します。
この料理で特に気をつけるポイントとしては、いつもの事ながら材料を用意しておくことです。鶏のフリカッセだけでしたら、茸とベシャメルソースを用意するくらいですが、付け合せの大根のソテーとじゃが芋は焼いたり茹でたりして、最終的に同時に出来上がるようにするのが合わせどころです。と言っても、じゃが芋は、新じゃがの場合は丸ごと茹でておいて、使う分だけ輪切りにして最後にフリカッセのソースと一緒に温めますし、大根は別のフライパンで焼き始めて、最後に一緒に盛り付けると、短時間で豪華な付け合わせが楽しめます。
- 鶏もも肉・2枚
- ブナシメジ・・1/2パック
- 舞茸・・1/2パック
- にんにく・・1片
- 玉葱入りのベシャメルソース・・100g
- ローリエ・・1枚
- 白ワイン・・カップ1/2
- 生クリーム・・(一人分)大さじ1
- バター・・15g
- 大根・・輪切り2cm厚×人数分
- 茹でたじゃが芋・・2~3個(2cmの輪切り)
- パセリのみじん切り・・大さじ1
ベシャメルソースの分量
- オリーブオイル・・大さじ1
- 小麦粉・・大さじ山盛り1
- 牛乳・・180cc
- 玉葱・・みじん切り50g
作り方
- 鍋を火かけると同時にオリーブオイルと玉葱のみじん切りを加えて中火で炒める。
- 玉葱が透き通ったら小麦粉を加え粉っぽさが無くなるまで炒り付ける。
- 鍋を火から下ろして牛乳の1/3量を加えて良く混ぜ合わせてから弱火にかけ、小麦粉が透き通る感じになったら残りの牛乳の半量を加えて木ベラで手早く混ぜ合わせる。
- どろっとした固まりになって、半透明になったら残りの牛乳を加えて良くかき混ぜ、ふつふつと煮立ったら火からおろして冷ます。(普段はこれを冷凍保存する)
- 鶏肉についている余分な脂を切り落とし、筋の部分に包丁を浅く入れて筋切りしたら4つに切り分け、軽く塩・胡椒(分量外)する。
- ブナシメジと舞茸は、適当な大きさの房に小分けする。
- 茹でたじゃが芋は2cm位の厚みに輪切りにする。
- 大根は両面に格子上に浅く包丁目を入れて、油を薄く塗ったフライパンで中火より弱めの火で、ゆっくり焼き始める。様子を見ながら焼き色がついたら裏返し、竹串を通して柔らかくなったら皿に盛り付ける。 (蓋をして弱火で15分くらい)
- 大き目のフライパンに潰したにんにくとバター、ローリエを入れて弱火にかけ、5の鶏肉の皮目を下に(蓋をしないで)焼き色がつくまで焼き、裏返して中まで火を通したら引き上げる。
- 残りの油を大さじ1ほど残して余分な油は払い、茸を炒め、フライパンの端でじゃが芋も並べて一緒に焼く。
- 茸に油が回ったらベシャメルソースと白ワインを加えて混ぜ合わせる。
- 適当なとろみに整えたらパセリを加え、塩・胡椒(分量外)で調味し、大根と一緒に皿に盛り付ける。
- 最後に生クリームを大さじ1回し掛けて出来上がり♪
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コメント
大根とじゃが芋を添えた鶏もも肉のfricassée(フリカッセ)
素敵なお料理 本格的ですね
素晴らしいレシピ 有り難うございます
とても参考になり嬉しいです
今後もよろしくお願いいたします
投稿: ryuji_s1 | 2009-05-13 10:14
ryuji_s1さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
鴨のももの骨付きで作ると白ワインの風味と生クリームのコクでもっと本格的なものが頂けるのですが、残念ながら生の鴨肉は手に入りませんので、鶏で我慢です。
投稿: ゴッドマー | 2009-05-13 10:51
素敵な文章ですね。
昨日から、何度も読んでしまっています。
何日か前にのっていた、すずらんの画像が浮かびました。
すずらんって、人の幸せを願う花なんですよね。確か。
いつも以上に。優しくて強い気持ちが伝わりました!
投稿: あん | 2009-05-13 15:43
あんさん、こんにちは。
すずらんの花言葉ですか。
すずらんで思い出すのは、北海道のお土産に頂いた香水の中に入っていた一輪がなんとも可憐で美しかった事です。いつかすずらんを庭に欲しいと思っていたら、息子が保育園の頃当時の園長先生が一株下さって、それを大事に育てて今に至っています。切り花にすると3日ほどで萎れてしまうのですけど、2~3本だけいつも私がいるキッチンの窓辺に飾っています。
可愛い花ですよね。
そういう花を眺めてうっとりしていると、浮世離れしちゃうんです。
投稿: ゴッドマー | 2009-05-13 17:00