中国の屋台料理から「餡餅(シャンピン)」ウー・ウェンの北京小麦粉料理より:雨の日は読書と粉遊び
昨日は、明け方から降り続いて久々のまとまった雨という感じでした。先週蒔いた長葱と人参の種の様子を見に行こうと思っていた矢先でしたが、この大量の雨でまさかに種が流れ出るなどということはないでしょうね。実に心配させるほどの雨量でした。
このような雨の日は、読書か料理かというような日で、私のような半端な菜園経営者(?)にとってはあまり困るようなこともありません。一昨日は読書計画を作ったばかりで、早速役立ってくれました。とは言え、他所様で新しい書評に触れると新たに購入してしまうので、傍に積読本が別のグループ化となって、
PCの周辺には一見雑然と本の山のようですが、私的には整理されているのです。読書好きならわかることですが、このように積んであるのがよろしいのであって、一旦書棚に仕舞い込むと、いつ日の目を見るやらわからなくなります。
昨日も極東ブログで紹介されていた「コークの味は国ごとに違うべきか(パンカジ・ゲマワット)」ですが、なんでも2007年9月出版の本であるにもかかわらず、つまり、現況の不景気になる前の出版ですから普通は読む意味がなさそうです。ところがこの本は、今のこの状況を理解し、今後複雑化する世界経済の動向を知る意味において有用な書籍だと紹介している。んじゃー素直に読んでみるかということに相成りました。
雨の日の過ごし方その2は、粉いじりでもするかと「ウー・ウェンの北京小麦粉料理」を引っ張りだしてきて、選んだのが今日のこの料理です。麺棒も麺台も使用しないで手だけで作るシャンピン(餡餅=詰め物をした丸型)です。ね、うちの娘なら飛びつきそうな感じです。中の餡は餃子の具のようなもので、アレンジでほうれん草や白菜、キャベツなどを加えても良いと書いてあります。要は、粉の練り方と包み方にポイントがあるのだとすぐにわかります。本書にも、元々は中国の屋台料理だと書いてある通り、注文を受けてからお客さんを待たせている間に手早く作る、というかできるような程度の手軽さで作って食べられる料理だと解釈します。
そうは言っても粉いじりですから、手先が器用ではないと思い込んでいる人はなかなかこういうお料理に手を出したがりませんが、実は妙な事で自信が付くというのもあります。
子どもの話ですが、ある時のお泊り合宿で、新鮮な卵で煮卵を作った時のことです。殻をきれいに剥くように伝えてやらせたところ、醜い仕上がりで、卵の原型こそ失いかけるほどの姿になった時に、最初はやっぱり子どもには無理かと思ったのです。が、中にはきれいに剥けてるのもあって、できないわけでもないと思った時、どうしたら子どもがきれいに丁寧に剥く事ができるかと悩んだ結果「剥いた卵のお顔はつるつる」と、当時五歳の子ども達にそう伝えたら同じ子どもがやったとは思えないほどきれいな仕上がりでした。結局、出来上がりを画きながらそのことに集中できると良い結果が出せるのだと痛感しました。因みに、「殻をきれいに剥く」と最初に伝えた事に対しては、忠実にできていたわけです。卵の原型はなくなるほど醜くなってしまっても、殻を剥くという一点では、100%忠実だったわけです。ただ出来上がりの姿を伝えていなかったせいで、醜くなっただけです。
大人でも同じで、初めて取り掛かる時、手順と出来上がりが繋がっていれば、途中の出来不出来の判断が自ずと見えてきます。その結果、自分で試行錯誤を繰り返しながら、全部終わる頃に「やっとコツが掴めた、次はもっと上手くできそうだ」と、意欲も出てきます。物事に取り組むというか楽しみを見出すというのは、そういうことだと思います。ま、どうせやるなら楽しくやってみましょう。
「大餅(ターピン)」という丸く、中が幾層にもなっている焼き餅を作った生地と同じ方法で、ボールに粉を用意し、ぬるま湯を2~3回に分けて菜箸で混ぜながら粘り(コシ)をつけたらしばらく寝かすだけです(レシピ☛)。比較的柔らかい生地ですが、動作は単純なので難義しません。手に油をたっぷり付けて丸く延ばしたところに肉餡を置き、周囲の生地を引っ張って中央に寄せ集めて閉じます。綴じ目をフライパンの面に当たるように置いて、手の平で平らに押さえて一回り大きな丸い餅にして、そのまま何度かひっくり返しながら焼きます。火が通った目安は、中央部分が膨らんでこんもりとした円盤のようになったら食べごろです。
出来上がってみたら、この辺で言う「お焼き」のような感じになりました。昔のお焼は、小麦粉が堅くて石ころみたいな感じでしたが、餡餅は、餃子の皮が厚めで皮の比率が餃子よりも少し多いと感じる程度です。餃子の生地よりも水分が多いので、焼くとパリッとします。勿論時間が経つとしっとりしますが、油を引く必要も蓋をして蒸す必要もないので焼きながら熱々のうちにはーひーして食べるのがいい感じです。トマトや生野菜のサラダをおかずに、餡餅は夕食のメインでも充分栄養満点です。
本書では豚の挽肉と韮がメインになっていますが、いきなりの内容変更ですみません、私は玉葱と筍のみじん切りにしました。韮が入っていない分、にんにくを代用しました。調味料はおなじです。
材料(10個分)
- 強力粉・・200g
- ぬるま湯・・130cc
- サラダ油・・大さじ1 ※手に付けて生地を成型する為小さめのボールに用意する
餡
- 豚挽肉・・200g
- 酒・・大さじ1
- 胡椒・・適宜
- 醤油・・大さじ2
- 塩・・一つまみ
- サラダ油・・大さじ1/2
- 胡麻油・・大さじ1/2
- 玉葱・・1/4個(60g)
- 筍・・60g
- にんにく・・1片
作り方
- ボールに200gの粉を量って、菜箸で混ぜながらぬるま湯の1/3をゆっくり加えて馴染ませ、続けて2回目3回目と同じように加えてひとかたまりにしたら、濡れ布巾をかぶせて休ませる。
- 玉葱、筍、にんにくをみじん切りにする。
- 餡の調味料を全て量って用意する。
- ボールで挽肉に粘りが出るまで混ぜる。
- 餡の調味料を酒から加え、混ぜてから胡椒を加えるというように、一品加えたら混ぜるを繰り返して、書いてある順に加える。
- 最後の胡麻油を加えて混ぜ合わせたら、2の玉葱、筍、にんにくのみじん切りを混ぜ合わせる。
- 手にサラダ油をたっぷり付けて1の生地を手の平で棒状にし、目分量で1/10を千切って手の平で5~6cmの平らな円形にする。
- 7の生地を左手の手の平に置き、6の餡の1/10を乗せ、周囲の生地を引っ張って中央に集め指先で摘んで閉じる。
- ウー・ウェンパンかテフロン製のフライパンを中火に掛け、8の生地の綴じ目を下に置き、手の平で潰して直径が8cmの平らな円形にする。
- 同じように4個並べて焼く。
- 最初は1分ほど焼き、裏返して2分ほど焼き、同じ事を繰り返し2回ほど焼いて中央がこんもり膨らんだら取り出して次を焼き始める。
- フライパンに隙間を作らないように焼きながら食べる♪
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コメント
突然のメールで恐れ入ります!
記事を見させていただいている台湾出身のリンと申します。
2ヶ月前に偶々godmotherのブログを見つけて、それ以来、料理大好きの私はほぼ毎日godmotherの記事を読んでいます。
日本料理だけではなく、幅広くいろんな料理を掲載されているので、自分も作ってみようと思いました。凄く勉強になり、毎日楽しみしています。
投稿: リン | 2009-04-27 13:44
リンさん、こんにちは。
コメントありがとう。
このような粉料理は、台湾では日常の料理に勿論ありますよね?ここに以前書いたのですが、私の母は、戦争前に中国で何年も暮らしていた事があって、粉を捏ねる料理は、餃子に始まって餃子に終わるといえるくらい馴染みが深く、私自身大好きです。粉料理の自家製の美味しさを伝えたいというのもあって、ここにはよくエントリーします。ウーさんのこの本もかなり役立っています。いつだったか、母がこの本を見て中国での味を懐かしんでいました。多分屋台のことだと思いますが。楽しんで作った料理は、必ず美味しいと感じます。
毎日ここを見て頂いていると伺うと、なんだか元気が出ます。どうぞこれからもよろしくね。
コメントは忌憚無く、お気軽にどうぞ。
投稿: ゴッドマー | 2009-04-27 15:09
お久しぶりです。Chu-sayこと虫の音 料理長です。
「餡餅(シャンピン)」美味しそうですね。
私、餃子を作るときは皮を自分で作っています。皮の味が全く違います。
粉ものを捏ねるとき、童心に帰ってしまうのは私だけでしょうか?
今度の週末にでも、やってみたいと思います。
投稿: 虫の音 料理長 | 2009-04-27 22:09
料理長さん、おはようございます。
餃子の皮を伸ばす力量をお持ちでしたら、この餡餅は朝飯前ですよ、きっと。全て手だけで成型するので、昔の粘度遊びのようなつもりで楽しめると思います。
私は、泥団子作りの名人なんですよ、これでも。知ってました?
ところで、「虫の音」の料理長さんだとは知りませんでした。なんか、小さく聞こえてくるのでしょうか?
ではでは。
投稿: ゴッドマー | 2009-04-28 06:15
godmotherさん、餡餅(シャンピン)作らせていただきました。(^○^)
餃子とも違った新しいメニューです。
さっそく、当方のブログにも載せさせていただきました。
http://blogs.yahoo.co.jp/ryorityo1975/16221041.html
ありがとうございました。
投稿: 虫の音 料理長 | 2009-05-03 15:20
虫の音 料理長さん、こんにちは。
お知らせいただきありがとうございます。こんがりと焼けていいましたね。手軽にできるお焼きそのものですよね、このシャンピンって。具のバリエーションも広がると思います。焼いて置いて、後でたべてもいい感じですし、油も少なめでおやつとしてもヘルシーですよね(^^ゞ
粉遊び仲間が増えて、今後が楽しみです。
投稿: ゴッドマー | 2009-05-03 16:46
こんにちは、はじめまして。
記事を参考に餡餅を作らせていただきました。
http://noshade.jugem.jp/?eid=1156
かなり不格好ですが。。
おいしいものを教えていただき、ありがとうございました!
投稿: noshade | 2009-07-12 16:55
noshadeさん、ご連絡ありがとう。
粉の料理っていろいろ楽しませてくれますね。このお料理なら、道具もいらずで手だけで作れるというのが何よりもお手軽ですよね。具もいろいろ変えて、それこそ冷蔵庫にある手持ちの野菜で如何様にもできますし。
葱油餅:イエピンもおやつな感覚です。漫画の「おいしんぼ」に出てきたほど美味しいです。ご参考までに。
http://godmothers.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_27a5.html
投稿: ゴッドマー | 2009-07-13 03:04