帆立貝のソテー:豚インフルエンザの流行について
北のほうの山の頂に雪を見るような四月下旬ですが、日中はなんとも爽やかで清々しい風がそよぐ気持ちの良い天気でした。
ニュースでは、海外で、豚インフルエンザでの死者が刻一刻と増えていると報じています。騒ぎの程はNet上でも同じような勢いです。それも、あまり根拠が無く説得力の無い内容でマスコミが「なんだ!なんだ」って騒いでいる感じがします。今の時代を担っているのは私達、ポスト団塊世代なのだろうとは思いますが、マスコミの騒ぎ方について、いつも烏合の衆といった感じが拭えません。ただ、今回の豚インフルエンザで少し気になることがあって、時代錯誤も甚だしく思われるかもしれませんが、ちょっと。
私の記憶からだと、O157(オー157)などが大流行した(参照☛)後に、「抗菌」ブームがやってきて、続いて「賞味期限や消費期限の義務付け」などが流れを引き継いできたように思います。私のように戦後わずか10年程でこの世に生まれ、現在に至るまでに様々な流行の病気があったにもかかわらず生き残っているというのは、人間の生きる力の逞しさでもあると思います。不幸にして、それらの病気に打ち勝てず、命を亡くされた方も勿論多くいたはずです。高度成長をとげた日本ですから、何かが起こると学者が懸命に研究を進めて、新しい優れた薬品を生み出していることも素晴らしい躍進をとげてると思います。が、戦後の昭和な時代を生きて残った私が思うことですが、メディアが大騒ぎするからなのか、その騒ぎを嗅ぎつける媒体のNet人口が増えているせいなのか、兎に角「菌」という言葉に左右される人が想像以上に多いのではないかと感じています。
例えば、賞味期限や消費期限の表示の義務付けが制定されたの確か平成9年頃(参照)ですか、その頃小学校低学年には「期限を厳守」のような印象がinputされています。うちの長男が丁度その歳です。その四年年上の娘は、自分が食べ物に対して見分けのできる年齢でした。ここで何が関係するのか私も模索中ですが、息子は、賞味期限や消費期限が過ぎたものは全て捨てますし、味を見るなどということもしません。娘は、期限が過ぎていても一応味を見て、異変が無ければ火を通すなどして料理してしまいます。私もほぼ同じです。私達が平気で食べている様子を見た息子は、まるで野蛮人でも見るかのような怪訝な顔しています。
また、「抗菌」に対しても同じで、靴下や食品保存の袋、下着等なんでもかんでも抗菌処理を施した製品が出回っています。私にしたら、人間が無菌状態に包まれたら菌に対して抵抗力が無くなると、非科学的ですが本当に思っています。
今回の豚インフルエンザは、聞くところによると豚からウイルスをもらった人間に直接発生しているのではなく、遺伝子が人から人に移る間に人に病気が発生しやすい形に生成されて発病したのだと聞きます。いたちごっこになりますが、だからこれまでのタミフルがインフルエンザに効かないというのも言われています。
新しい薬も必要ですが、人の体はもともとそうであるように、ある程度「菌」を受け入れて、共存できるくらいの抵抗力を付けておきたいと感じます。これは、心の問題なのかもしれませんね。「病は気から」と言いますが、昔の人はそう言って大げさにしない心持ちのことも言ったものでした。「鈍感力 渡辺純一」は、そういう意味で、カチカチに硬くなった頭をほぐすのにとてもお勧めです。全て病の問題と言う事ではないですが、非科学的な事は心の問題と大きな結びつきがあります。
さて、青森から届いた大きな帆立貝です。殻つきの場合は、ちょっとしたコツがあります。帆立貝を平行にして良ーく見るとどちらか一方の殻が幾分かふっくらと膨らんでいます。その面を手の平に置いて、平べったいステンレスの専用ヘラ(又はナイフ等)を貝の蝶番(ちょうつがい)から差し込んで貝殻の面に滑り込ませ、貝柱を剥がし取るように手の平に近いほうの貝殻にヘラを当てます。たいした力も必要としないうちに貝がぱっかり蓋を開けます。これは、貝柱が貝殻から外れたのを意味します。次に、緑色の内臓を貝ひもから取り外します。塩水をボールに用意して貝ひもの内側などの汚れをきれいに洗って落としたら、掃除は終わりです。
今日は、新鮮な帆立ですからシンプルな味付けで、スライストマトと一緒にソテーしました。帆立から出たスープとトマトの甘酸っぱさが爽やかで、これだけで充分に美味しく頂きました。いつものことですが、ソテーする前に軽く塩・胡椒をしたら、それと同じくらいの少量の小麦粉を指先で摘んで、パラパラふりかけてから焼きます。このパラパラがいいのです。まぶしてしまうと粉っぽくなって美味しくないので、くれぐれもほんの少しです。
材料(3人分)
- 帆立貝・・6個
- トマト・・中1個
- レモン汁・・適宜
- 塩・胡椒・・適宜
- 小麦粉・・少々
- 白ワイン・・小さじ2(10cc)
- オリーブオイル・・少々
- 付け合せ野菜・・えんどう豆・茹でた人参の輪切り
作り方
- 帆立貝のこんもりと盛り上がった側の貝殻を手の平に乗せて、付け根部分の隙間にナイフ(又は専用のヘラ)を差し込んで、手の平側の殻の内側にヘラを当てながら少しずつ前進させて貝柱を貝殻から外す。
- 貝が開いたら緑色の内臓(ウロと呼ばれる中腸腺)をひもから取り外す。
- ボールに食塩水を用意して身を洗い、特にひもの汚れをきれいに洗い流す。
- 貝柱の水気をふき取り、軽く塩・胡椒・小麦をふる。
- トマトのヘタをとって1cmの厚さに3枚スライスする。
- えんどうの側面の筋を取り除く。
- フライパンにオリーブオイルを引いて、中火で帆立貝を焼く。
- 帆立貝の周囲の色が変わって火が通ってきたら裏返し、フライパンの隅でトマトのスライスを軽くソテーして、トマトだけ皿に盛り付ける。
- 帆立貝の中心に火が通り始めたら(好みで完全に火を通しても可)白ワインを鍋肌にかけてアルコールを飛ばしたら取り出してトマトの上に乗せる。
- 同じフライパンでえんどう豆を軽く炒め、丸ごと茹でた人参の輪切りと一緒に帆立貝に添えて召し上がれ♪
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