鶏のハーブ風味揚げ:米粉を混ぜた衣:小麦粉・片栗粉・米粉の性質をちょっと
天気は少し下り坂になるというので、「雨前適期」です。天気予報を信じて早速、人参の種を蒔いてきました。えんどうの芽も、一箇所に三粒ずつ蒔いた内の1~2個、場所によっては三個とも芽が出揃っているのもあり、順調といったところです。
今更ですが、二年目というのはとても気が楽ですね。子育てで言うところの二人目です。昨年は、ハラハラドキドキの毎日で、多い時は日に二度は畑に行って様子を見ていました。何故か、気になって家にいるよりも、何かが変わるわけでもないのに畑に腰掛けているのが安心で、そういう風に畑で時間を過ごす事が好きでした。今年は、よほどの天候変化か異変でもない限り、時々様子を見に出かける程度で、その頻度に合わせるように、というか裏切られない程度に育ち具合も順調と言えます。
ほうれん草の二葉ですが、細長くか弱そうな感じがしますね。この二葉が収獲する頃までしっかりと付いていて、気をつけていると、買ってきたほうれん草の根元にも時々残っています。この最初の芽を見つけると、この先の成長の姿が見えてくるというのが、畑二年生の私の始めて持つ感覚です。時々雨で湿りながら、天候がよければ二週間後くらいには食卓で間引き菜が食べられるのではないかと思います。あまり寒くならないようにお願いします。
それと、今年は雑草が少ないです。四年ほど前まで、この土地に畑を作ってくれていた方が引越しをして、その後ずっと放置していましたので、荒れ放題でした。昨年は、それを綺麗に片付けてから畑にしたのですが、作物の芽よりもそれまで生えていた草の根の方が育ちが早く、どんどん出てきましたが、今年は非常に少ないです。近所のお婆様が「畑らしくなるには最低三年はかかるぇ」と言っていたのが、どうやらこういう事のようです。鍬を入れ、畑に空気を含ませて、途中草取りをするうちに、作物にいい環境になって行くのですね。だからでしょうか、畑を始めるとやめられなくなるというのは。時間をかけながらゆっくりですが、自分のやったことの成果を見ることができますし、達成感はあります。
さてと、今日の料理は鶏胸肉のから揚げです。先日「壇流」のフリッターの衣に米粉を入れるとからっと揚がるということに触れましたが(参照☛)、その件とは別に、以前から私がよく作ってきた方法です。久しぶりにこの衣で揚げてみようかという事で、鶏肉にハーブの香りと下味を付け、オリーブオイルを揉み込んでしばらく寝かします。から揚げは、ここまでで全体の八割が終了です。あとは、衣をブレンドして、溶き卵を加えたら揚げるだけです。
この衣ですが、実は別の方法があります。それは、米粉を入れるタイミングなのですが、下味付けの時点で粉粉も片栗粉も、溶き卵も全部一緒に加えて漬け込むall-in-oneの方法も仕上がりにほとんど差がないのです。理由は粉の性質にあります。
ここで、ちょっと粉の事に触れておきます。小麦粉は水分によって、グルテン(たんぱく質)が形成されて粘りが出るので、粘りが出てしまった衣は、カラッと揚がらずにふんわりとしたパンのような感じになります。天ぷらの衣を作る時に、さっくり混ぜて粘りを出さないように注意するのはそのためです。片栗粉は、加熱によって糊化するので、片栗粉の分量を少なめにして、糊化を過ぎてからしばらく揚げる事でカリカリとした食感になります。が、鶏のから揚げの場合、衣がカリカリするまで揚げてしまうと、肉の水分を取られてパサパサになるのがマイナス要素です。特に胸肉は水分が少なく繊維質ですから、皆さん避けます。米粉(上新粉)は、お米の粉ですから、澱粉が殆んどで、たんぱく質は殆んど含みません。粘らないので衣に何割か加えると、その性質が、小麦粉や片栗粉の性質と一緒になって食感がサクサクするのです。米粉だけでは、上手く絡み合わないので単品では使用しません。
話を元に戻すと、下味付けの段階で、片栗粉と米粉の組み合わせなら長時間置いても変質しないと言えるのです。揚げる直前に粉をつける場合は、片栗粉と米粉、溶き卵、少量の水を混ぜ合わせ、肉に絡めてから揚げます。溶き卵を加える理由は、粉にとろみが付くので、肉と絡みやすくなるからと、揚げ油に粉が溶け出さないようにするためです。水だけだと片栗粉と米粉が上手くまとまりません。
これらのことは、私の経験上、失敗を繰り返した事例からわかったことで、普通の常識的なことなのだと思います。粉の性質を生かした料理は、それこそじっくり取り組むともっと面白く、奥の深いものなのだろうと思いますが、そこそこ取り組んできた私は、何か刺激されないとエンジンが掛かりそうもありません。きっと、ここから先に物事を極める魅力があるのだろうと、今まで置いてきた気がする自分の越えるべき何かがあるのかもしれないと感じました。
材料
- 鶏胸肉・・2枚(約700g)
- 付け合せ野菜・・適宜
- 輪切りレモン
下味付け調味料
- 塩・・小さじ1
- 胡椒・・適宜
- ローズマリー(パウダー)・・小さじ1/2
- セージ(ホール)・・小さじ1
- 白ワイン・・大さじ2
- オリーブオイル・・大さじ2
衣
- 片栗粉・・大さじ1
- 米粉・・大さじ1
- 溶き卵・・大さじ2
- 水・・大さじ1
作り方
- 鶏肉の余分な脂を切り落とし、一口大に切る。
- ボールで下味付けの調味料を順番に肉に揉み込み、最後にオリーブオイルをまぶしてよくすり込んで30分以上冷蔵庫で寝かす。
- 溶き卵と水を混ぜ合わせ、そこに粉を加えて混ぜ合わせ、2の肉に加えて肉に衣が絡むように混混ぜ合わせる。
- 付け合せの野菜とレモンを用意する。
- 揚げ油を180度まで加熱し、最初に3~4個揚げてみる。
- 一つ味見をして、良かったら次のグループを揚げる。(味見をすると自信が付いて、揚げ物が楽しくなるのが道理。)
※ 気泡が静まり、音が一オクターブ高くなったら油から引き上げ、鍋の上で5秒ほど油を切ってから網などの上に置く。
※ 鍋の表面積の2/3までが揚げ物を入れても良い限度で、そこを守りながら一回ごとに引き上げては新しいグループを揚げること。途中で揚げ繋ぐと、温度が下がって衣が油を吸い、油切れが悪くなります。
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