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2009年4月

2009-04-30

卵つなぎのうどんのお好み焼き

 ゴールデンウイークだったのですね。先週末から始まっているという人もいれば、休日だというのに昨日は仕事の人もいて、私はというと年中休みのような暮らしなので、祭日だということもすっかり忘れていました。先週25日から休みに入った人は通算で16日連休だという人もいるそうですね。不景気も手伝って会社は休日にした方が助かるということらしいです。
 二日続けて霜が降り、薄氷が張ったりしてちょっと気になった畑の方の様子を見てきましたら、案の定、ほうれん草などは先週見た時と殆んど同じ大きさで、相変わらず小松菜の二葉は小さな虫に食べられて、透け透けの穴だらけ状態です。これは、今後の成長に全く影響ないこだと昨年学習していますので、うちの畑の様子としては普通の状態だと言えます。ほんの少し、じゃが芋の芽らしきものが土を持ち上げ始めているのか、等間隔にひび割れが起きていました。寒かったり暑かったりの繰り返しに順応しながら逞しく育ってるようです。私はというと、ちょっと微熱。夕方から体がだるくなって動きたくなくなり、だらっとしました。

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 週の中日というのは、この辺では魚はブーなんですよね。で、何となく買い物にわざわざ行く元気も出なくて、買い置きで何かできないかといろいろ考えた末、非常用のレトルトうどんの消費期限が迫っていたこともあったので、あ、いえあまりこれは関係ないですが、このうどんでお好み焼きをすることにしました。かなり久しぶりですが、これ我が家では人気があります。
 レトルトの麺は適度に水分を含んでいるので、そのまま繋ぎの溶き卵の濃さとバランスも良く、よく絡んで焼く時にも適当にまとまります。シンプルに韮や葱などだけでも卵の威力で栄養バランスも然程悪くはありませんが、こういうものを作って食べるのは楽しいもので、好きな物を入れてみたらと声をかけると、すぐにああだこうだと妙案が浮かびます。

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 中国産の海苔の香ばしさを楽しみながらというとまた海老になっちゃいますが、この組み合わせは本当に美味しいのです。ほかには、自家製の豚バラの塩豚(レシピ参照☛)のスライス。鰹節といったラインナップです。

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 ボールに卵を割りほぐし、レトルトうどんを取り出したままの状態でキッチンバサミで三等分して短冊にし、さらに長さを三等分して九個のダイスに切ります。葱の小口切りを一緒に混ぜてうどん生地を作ります。レトルトうどんは、取り出したまま九等分にするのですが、これくらいの大きさがほぐれやすく、麺の長さも適当に短く切れて焼きやすいと思います。ホットプレートを熱して油を引き、具を先に置いてその上にうどん生地を乗せます。八割方焼けたら裏返して形を整え全体に焼けたらソースで頂きます。とてもシンプルですが、ポン酢がお勧めです。子ども達はお好み焼きと言えばマヨネーズと豚カツソースやケチャップです。焼いている間にお皿でミックスして今か今かと覗きこんで待っている様子は、幼い子どもと一緒です。

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 そうそう、今日使ったプレートは、三重県の伊賀焼きの窯元で購入したものです。素人目にはわからない程度ですが「わけあり」商品でした。店先の雨ざらしのようなところに無造作に重ねてあって、黒いお皿は使いにくいなどと思っていましたら、直火用のプレートだと店主から聞いて迷わず買ったものです。だって、五百円でしたし。もともと迷うほどのお値段でもないのですが、歳をとったのかすぐに飛びつかなくなりました。ここだけの話、私が焼き物を買うときは見た瞬間で判断してしまうので、とても早く山のような買い物になります。P4300006_2 そして、一緒に行った岐阜の友人は、私と全く反対の性格で、長く迷った挙句「え、買わないの!」と驚くほど慎重な買い物をします。で、いつも後の祭りになってから「やっぱり買えばよかった。」と買いに戻るのです。このアホ臭さが楽しかったのを思い出しました。加えて、毎年五月の連休前にあっちこっちの窯元からセールのお知らせを頂きます。九州の小鹿田焼き(おんた)の里からはそう言えば来ません。あ、あそこは年中セールのようなものでした(参照☛)。

材料

  • レトルトパックうどん・・3袋
  • 卵・・3個(小さい時は5個)
  • 剥き海老・・3尾
  • 塩豚スライス(豚バラ)・・6枚
  • 鰹節・・適宜
  • 中国海苔・・適宜
  • 長葱・・1本
  • ポン酢、マヨネーズ、豚カツソース、ケッチャップなど好みのタレ

作り方

  1. 海老は殻を取って背腸を取り出す。
  2. 塩豚をスライスする。
  3. 葱は小口に切る。
  4. 鰹節、中国海苔をボールに取り分ける。
  5. ボールに卵を割りほぐし、切ったうどんと葱を混ぜ合わせる。
  6. プレートを予熱して油を引き、具を乗せてその上に5のうどん生地を乗せて両面焼く。
 

一玉のうどんで3~4個の小さめのお好み焼きを作るときれいに焼けます。

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2009-04-29

白身の魚と玉葱ソース(鰈:かれい):先生の仕事に余計なお世話かもだけど

P4290003  突然、息子の高校の部活の顧問から電話がありました。学校名がこの春から変わったのも手伝って、先生からだと認識するまでに空白ができて焦りまくり。そもそも学校から電話があるということは、あまり良い知らせではない事が多いので、先生からだと認識した瞬間に背筋を伸ばし襟を正した態度に笑えたのですが、自分のスイッチが切り替わるのがおかしいくらいでした。学校から良い知らせなどあるわけ無いですからね。
 電話の内容は、一昨日、息子が練習ゲーム中に全治二週間の怪我をしたため、その報告で一日遅れでわざわざ電話を頂いたのです。で、自分の高校時代との比較であり得ない事だと思い込んでいるせいか、私はこのような電話に驚きを覚えています。率直に言って、怪我如きで学校から家に連絡をもらうなどということは絶対にありませんでした。怪我というのは怪我なので、本人が帰宅して親に話せば済むことですし、幼稚園児じゃあるまいし、監督不行き届きなどといった責任追及などもこちらからはしていないことですから、電話の理由わかりません。先生としては丁寧な対応で、この件で先生個人をどうのこうの言っているのではありません。ただ、このような教師の対応は、元はといえば親である私達がそうせざるを得ないような状況にしてきたのだと推測します。
 折に触れてここにも書いた事ですが、今の親は、お門違いな苦情などを学校へ言って行くものですし、学校の担任と相談するならまだしも、教育委員会へ直談判のようなことまでして教師に圧力をかけます。気に入らないと担任を辞めさせてほしいなどと言います。対話で解決を見ることもできるはずですが、根本に自分を省みず、端から原因は相手にあると決め付けてかかっているので、最初から対話にはなりません。まあ、これは最悪の例としてではありますが、教師が家に連絡を入れることに問題があるわけではありませんが、今回のような軽い怪我如きにそこまでの気遣いなど無用で、そんな事にエネルギーを費やしてもらわずともよろしいのにと、半分以上恐縮と気の毒な思いです。
 気を使うあまり、神経をすり減らして学校へ通えなくなる教師の数は、長野県は全国でもトップクラスだったような記憶があります。何故長野県に多いのか、昔「教育県」などといわれた時代の名残でも根強くあるのか、人間が真面目過ぎて昨今の複雑化した人間関係に柔軟に対応し難い状況なのか。もう少し肩の力を抜いてやってもらったいいのにと感じます。
 私に出来る事は、先生の話を受け止めて、逆に何でも相談して行くぐらいの関係を作ることでしょうか。

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 さて、今日は鰈(かれい)の玉葱ソースです。特にかれいを指定しているわけではなく、白身の魚に良く合う玉葱ソースの料理だと解釈してくださいね。玉葱は勿論新玉葱です。玉葱に火が通ると甘くなりますが、ここに酸味が効くと玉葱独特のインパクトが強くなって、淡白な白身の魚に旨味を添えるような感じのソースです。

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 玉葱をすって、白ワインと一緒にしばらく煮て火を通し、滑らかになったところでマヨネーズとレモン汁、塩、胡椒で味を整えます。マヨネーズのせいで乳白色になっています。自家製なので味はまろやかですから、分量の塩はあくまでも参考に味見をしながら整えるとよいです。ちょっとした事ですが、かれいの皮目に浅く隠し包丁を入れると、焼いている間に反り返ったりしないできれいに焼けます。

材料 

  • かれい・・3尾
  • 小麦粉・・少々
  • オリーブオイル・・カップ1/2
  • 付け合せの野菜・・トマト、フライドポテト、アスパラガス

ソース P6190011

作り方

  1. かれいは鱗を卸して尻尾と頭を落として、塩を軽くふっておく。
  2. 付け合せのアスパラガスを茹でて、トマトを切って皿に盛り付ける。
  3. じゃが芋を5mmの棒状に切り揃え、水にさらして粉っぽさを流す。
  4. 玉葱をすり卸す。
  5. 1のかれいの水気をキッチンペーパーで吸い取り、表側の皮目に浅く隠し包丁を入れ、胡椒と小麦粉を軽くまぶす。
  6. フライパンに分量のオリーブオイルを引いて中火で熱し、5のかれいの表を下にソテーする。
  7. 皮目に軽く焼き色が付いたら裏返し中心まで火を通したら引き上げて油を切って皿に盛り付ける。(全体で約10分)
  8. 同じフライパンでじゃが芋を揚げ焼きし、2と一緒に皿に盛り付ける。
  9. 最後にフライパンに残った油を払って4の玉葱に白ワインを加えて中火で煮る。
  10. 水分が半分位まで煮詰めたら火を止め、予熱でマヨネーズを混ぜ合わせ最後にレモン汁を加えて塩、胡椒で味を整える。
  11. かれいにソースをかけて召し上がれ♪

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2009-04-28

帆立貝のソテー:豚インフルエンザの流行について

 北のほうの山の頂に雪を見るような四月下旬ですが、日中はなんとも爽やかで清々しい風がそよぐ気持ちの良い天気でした。
 ニュースでは、海外で、豚インフルエンザでの死者が刻一刻と増えていると報じています。騒ぎの程はNet上でも同じような勢いです。それも、あまり根拠が無く説得力の無い内容でマスコミが「なんだ!なんだ」って騒いでいる感じがします。今の時代を担っているのは私達、ポスト団塊世代なのだろうとは思いますが、マスコミの騒ぎ方について、いつも烏合の衆といった感じが拭えません。ただ、今回の豚インフルエンザで少し気になることがあって、時代錯誤も甚だしく思われるかもしれませんが、ちょっと。
 私の記憶からだと、O157(オー157)などが大流行した(参照☛)後に、「抗菌」ブームがやってきて、続いて「賞味期限や消費期限の義務付け」などが流れを引き継いできたように思います。私のように戦後わずか10年程でこの世に生まれ、現在に至るまでに様々な流行の病気があったにもかかわらず生き残っているというのは、人間の生きる力の逞しさでもあると思います。不幸にして、それらの病気に打ち勝てず、命を亡くされた方も勿論多くいたはずです。高度成長をとげた日本ですから、何かが起こると学者が懸命に研究を進めて、新しい優れた薬品を生み出していることも素晴らしい躍進をとげてると思います。が、戦後の昭和な時代を生きて残った私が思うことですが、メディアが大騒ぎするからなのか、その騒ぎを嗅ぎつける媒体のNet人口が増えているせいなのか、兎に角「菌」という言葉に左右される人が想像以上に多いのではないかと感じています。
 例えば、賞味期限や消費期限の表示の義務付けが制定されたの確か平成9年頃(参照)ですか、その頃小学校低学年には「期限を厳守」のような印象がinputされています。うちの長男が丁度その歳です。その四年年上の娘は、自分が食べ物に対して見分けのできる年齢でした。ここで何が関係するのか私も模索中ですが、息子は、賞味期限や消費期限が過ぎたものは全て捨てますし、味を見るなどということもしません。娘は、期限が過ぎていても一応味を見て、異変が無ければ火を通すなどして料理してしまいます。私もほぼ同じです。私達が平気で食べている様子を見た息子は、まるで野蛮人でも見るかのような怪訝な顔しています。AmazonNetShop
 また、「抗菌」に対しても同じで、靴下や食品保存の袋、下着等なんでもかんでも抗菌処理を施した製品が出回っています。私にしたら、人間が無菌状態に包まれたら菌に対して抵抗力が無くなると、非科学的ですが本当に思っています。
 今回の豚インフルエンザは、聞くところによると豚からウイルスをもらった人間に直接発生しているのではなく、遺伝子が人から人に移る間に人に病気が発生しやすい形に生成されて発病したのだと聞きます。いたちごっこになりますが、だからこれまでのタミフルがインフルエンザに効かないというのも言われています。
 新しい薬も必要ですが、人の体はもともとそうであるように、ある程度「菌」を受け入れて、共存できるくらいの抵抗力を付けておきたいと感じます。これは、心の問題なのかもしれませんね。「病は気から」と言いますが、昔の人はそう言って大げさにしない心持ちのことも言ったものでした。「鈍感力 渡辺純一」は、そういう意味で、カチカチに硬くなった頭をほぐすのにとてもお勧めです。全て病の問題と言う事ではないですが、非科学的な事は心の問題と大きな結びつきがあります。

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 さて、青森から届いた大きな帆立貝です。殻つきの場合は、ちょっとしたコツがあります。帆立貝を平行にして良ーく見るとどちらか一方の殻が幾分かふっくらと膨らんでいます。その面を手の平に置いて、平べったいステンレスの専用ヘラ(又はナイフ等)を貝の蝶番(ちょうつがい)から差し込んで貝殻の面に滑り込ませ、貝柱を剥がし取るように手の平に近いほうの貝殻にヘラを当てます。たいした力も必要としないうちに貝がぱっかり蓋を開けます。これは、貝柱が貝殻から外れたのを意味します。次に、緑色の内臓を貝ひもから取り外します。塩水をボールに用意して貝ひもの内側などの汚れをきれいに洗って落としたら、掃除は終わりです。

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 今日は、新鮮な帆立ですからシンプルな味付けで、スライストマトと一緒にソテーしました。帆立から出たスープとトマトの甘酸っぱさが爽やかで、これだけで充分に美味しく頂きました。いつものことですが、ソテーする前に軽く塩・胡椒をしたら、それと同じくらいの少量の小麦粉を指先で摘んで、パラパラふりかけてから焼きます。このパラパラがいいのです。まぶしてしまうと粉っぽくなって美味しくないので、くれぐれもほんの少しです。

材料(3人分)

  • 帆立貝・・6個
  • トマト・・中1個
  • レモン汁・・適宜
  • 塩・胡椒・・適宜
  • 小麦粉・・少々
  • 白ワイン・・小さじ2(10cc)
  • オリーブオイル・・少々
  • 付け合せ野菜・・えんどう豆・茹でた人参の輪切り

作り方

  1. 帆立貝のこんもりと盛り上がった側の貝殻を手の平に乗せて、付け根部分の隙間にナイフ(又は専用のヘラ)を差し込んで、手の平側の殻の内側にヘラを当てながら少しずつ前進させて貝柱を貝殻から外す。
  2. 貝が開いたら緑色の内臓(ウロと呼ばれる中腸腺)をひもから取り外す。
  3. ボールに食塩水を用意して身を洗い、特にひもの汚れをきれいに洗い流す。
  4. 貝柱の水気をふき取り、軽く塩・胡椒・小麦をふる。
  5. トマトのヘタをとって1cmの厚さに3枚スライスする。
  6. えんどうの側面の筋を取り除く。
  7. フライパンにオリーブオイルを引いて、中火で帆立貝を焼く。
  8. 帆立貝の周囲の色が変わって火が通ってきたら裏返し、フライパンの隅でトマトのスライスを軽くソテーして、トマトだけ皿に盛り付ける。
  9. 帆立貝の中心に火が通り始めたら(好みで完全に火を通しても可)白ワインを鍋肌にかけてアルコールを飛ばしたら取り出してトマトの上に乗せる。
  10. 同じフライパンでえんどう豆を軽く炒め、丸ごと茹でた人参の輪切りと一緒に帆立貝に添えて召し上がれ♪

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2009-04-27

大和芋の中華風げんこつ揚げ:中国海苔・剥き海老・長葱のコラボ

 雷と共に風と雨が強い一日でした。そして夕刻、遠くの北の山々には四月の下旬だというのにうっすらと雪の帽子。街路樹の西洋ミズキの花びらが寒そうに風で散ってゆくのです。四月のこの時期に来て、信じられないような光景を目にした一日でしたが、信じられないような驚きというのは本当はこんなに起こらないはずです。考えてみると、私がかつて知っていたものはどんどん移り変わってしまって、通じるものが少なくなってしまうのだと。ぼんやりしていると浮世離れしていっているのは自分の方なのだと近頃特に感じます。いっそのこと、きれいさっぱりと自分についたほこりも吹き飛ばして欲しいなあ。なんだか、自分で払えるものじゃないので結局また仕舞い込むのですが。潔く風に吹き飛ばされている花びらを見ていて、羨ましくなってしまいます。そういう気持ちになる時もあるというか。ちょっとね。

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 この間から大和芋のかき揚げにハマってしまって(げんこつ揚げ参照☛)、何か美味しく食べる具はないものかと実はこそこそと試行錯誤していました。
大和芋をすって具を混ぜて掲げるだけで、表面はカリカリ中はもっちもち。それが香ばしくて止められない美味しさなのです。この香ばしさに合う物を探していたのですが、中国産の天然の海苔がかなりイケます。日本の海苔とは違って、大振りで実が

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厚く、なんというか割って崩すというのか、小さく千切って炒め物にしたりご飯に混ぜて炒めたり、使い道は日本の海苔よりも幅が広いと思います(青梗菜と中国海苔の炒め物☛)。3cm程の厚みで直径約20cmの円形に成型してあって、かなりずっしりと重いです。中国でどのように製品にしているか知りませんが、天然のものですから海苔を採集したら傍の海岸でサッと干して丸くまとめたくらいの簡単な感じだと思います。だからか、風味は抜群で、磯の香りがふわーと来ます。味も海水そのものですから、程よい塩分です。注意しないと時々細かい砂などが混入しています。あの、中国を腐すのでもなく擁護するというのでもなく、天然のものは天然なので、いろいろな不純物も有りです。これらをシャットアウトする事は如何様にもできると思いますが、基本的に日本の製品は何でもクリーンです。その基準から見たら世界の天然製品は驚くほど雑に見えます。海外から日本が輸入する時は、相手国にかなりの注文をつけて、特別な形で日本に輸出してきますから、現地で同じものだと気づかないようなものもあります。だからか、中華街などに陳列されている中国の純正品は見た目、バッチイ感じを受ける包装だったりします。以前知り合いから聞いたことですが、シンガポールで美味しい食べ物屋さんのテーブルでは、頬杖もつけないそうなそれ程バッチイ場所。でもとびっきり美味しくてお安いのだそうです。ま、ロンドンやニューヨークのSohoの一角の食べ物屋さんなどは恐ろしいところでもあるけど、美味しいお店ほどバッチイのです。バッチイ話ばかりになってしまいましたが、あまり気にしていたら美味しい食材を逃してしまうのです。

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 で、話を外しましたが、中国海苔と海老を大和芋と一緒に揚げてみたら、最高!アンド葱の香りです。この中国海苔は、横浜の中華街でも店の中がごたごたしたような食材店で見つかります。知人が中国食材を扱う商社を営んでいまして(☛PetitChiois:プチシノワ、彼は生粋の日本人ですが、中国に関しては何でも相談できる頼もしい人です。彼に頼めば何でも揃います。そういえば、一つだけ私との約束を守っていないことがありますが、「臭豆腐」を一度食べさせて欲しいものです。これは輸入できなくなってしまったので当分の間はお預けみたいですが。
 大和芋と一緒に香ばしく揚げた海苔と海老、葱が中華料理といったかんじで、あっさりとした辛子酢醤油や逆にタイの甘くピリ辛のスイートチリソースともよく合います。料理としては簡単なので、ソースで楽しめる一品です。

材料

  • 大和芋・・300g
  • 剥き海老・・100g
  • 中国海苔・・30g
  • 長葱・・1本
  • 付け合せの野菜

作り方

  1. 大和芋をする。
  2. 海老の背腸を取り除き、1cmに切り揃える。
  3. 中国海苔は小さく千切って笊に入れ、たまり水で揺すってゴミや砂を払い、キッチンペーパーなどで水分を吸い取る。
  4. 長葱は小口に切る。
    揚げ油を180度に予熱し、1の大和芋に2、3、4を混ぜてスプーンなどで掬って一口大にして揚げる。
  5. 油を切って付け合せの野菜と一緒に盛り付けて出来上がり♪

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2009-04-26

中国の屋台料理から「餡餅(シャンピン)」ウー・ウェンの北京小麦粉料理より:雨の日は読書と粉遊び

 昨日は、明け方から降り続いて久々のまとまった雨という感じでした。先週蒔いた長葱と人参の種の様子を見に行こうと思っていた矢先でしたが、この大量の雨でまさかに種が流れ出るなどということはないでしょうね。実に心配させるほどの雨量でした。
 Cmanjp_20130417033607このような雨の日は、読書か料理かというような日で、私のような半端な菜園経営者(?)にとってはあまり困るようなこともありません。一昨日は読書計画を作ったばかりで、早速役立ってくれました。とは言え、他所様で新しい書評に触れると新たに購入してしまうので、傍に積読本が別のグループ化となって、 PCの周辺には一見雑然と本の山のようですが、私的には整理されているのです。読書好きならわかることですが、このように積んであるのがよろしいのであって、一旦書棚に仕舞い込むと、いつ日の目を見るやらわからなくなります。
 昨日も極東ブログで紹介されていた「コークの味は国ごとに違うべきか(パンカジ・ゲマワット)」ですが、なんでも2007年9月出版の本であるにもかかわらず、つまり、現況の不景気になる前の出版ですから普通は読む意味がなさそうです。ところがこの本は、今のこの状況を理解し、今後複雑化する世界経済の動向を知る意味において有用な書籍だと紹介している。んじゃー素直に読んでみるかということに相成りました。

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 雨の日の過ごし方その2は、粉いじりでもするかと「ウー・ウェンの北京小麦粉料理」を引っ張りだしてきて、選んだのが今日のこの料理です。麺棒も麺台も使用しないで手だけで作るシャンピン(餡餅=詰め物をした丸型)です。ね、うちの娘なら飛びつきそうな感じです。中の餡は餃子の具のようなもので、アレンジでほうれん草や白菜、キャベツなどを加えても良いと書いてあります。要は、粉の練り方と包み方にポイントがあるのだとすぐにわかります。本書にも、元々は中国の屋台料理だと書いてある通り、注文を受けてからお客さんを待たせている間に手早く作る、というかできるような程度の手軽さで作って食べられる料理だと解釈します。
 そうは言っても粉いじりですから、手先が器用ではないと思い込んでいる人はなかなかこういうお料理に手を出したがりませんが、実は妙な事で自信が付くというのもあります。
 子どもの話ですが、ある時のお泊り合宿で、新鮮な卵で煮卵を作った時のことです。殻をきれいに剥くように伝えてやらせたところ、醜い仕上がりで、卵の原型こそ失いかけるほどの姿になった時に、最初はやっぱり子どもには無理かと思ったのです。が、中にはきれいに剥けてるのもあって、できないわけでもないと思った時、どうしたら子どもがきれいに丁寧に剥く事ができるかと悩んだ結果「剥いた卵のお顔はつるつる」と、当時五歳の子ども達にそう伝えたら同じ子どもがやったとは思えないほどきれいな仕上がりでした。結局、出来上がりを画きながらそのことに集中できると良い結果が出せるのだと痛感しました。因みに、「殻をきれいに剥く」と最初に伝えた事に対しては、忠実にできていたわけです。卵の原型はなくなるほど醜くなってしまっても、殻を剥くという一点では、100%忠実だったわけです。ただ出来上がりの姿を伝えていなかったせいで、醜くなっただけです。
 大人でも同じで、初めて取り掛かる時、手順と出来上がりが繋がっていれば、途中の出来不出来の判断が自ずと見えてきます。その結果、自分で試行錯誤を繰り返しながら、全部終わる頃に「やっとコツが掴めた、次はもっと上手くできそうだ」と、意欲も出てきます。物事に取り組むというか楽しみを見出すというのは、そういうことだと思います。ま、どうせやるなら楽しくやってみましょう。

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 「大餅(ターピン)」という丸く、中が幾層にもなっている焼き餅を作った生地と同じ方法で、ボールに粉を用意し、ぬるま湯を2~3回に分けて菜箸で混ぜながら粘り(コシ)をつけたらしばらく寝かすだけです(レシピ☛)。比較的柔らかい生地ですが、動作は単純なので難義しません。手に油をたっぷり付けて丸く延ばしたところに肉餡を置き、周囲の生地を引っ張って中央に寄せ集めて閉じます。綴じ目をフライパンの面に当たるように置いて、手の平で平らに押さえて一回り大きな丸い餅にして、そのまま何度かひっくり返しながら焼きます。火が通った目安は、中央部分が膨らんでこんもりとした円盤のようになったら食べごろです。

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 出来上がってみたら、この辺で言う「お焼き」のような感じになりました。昔のお焼は、小麦粉が堅くて石ころみたいな感じでしたが、餡餅は、餃子の皮が厚めで皮の比率が餃子よりも少し多いと感じる程度です。餃子の生地よりも水分が多いので、焼くとパリッとします。勿論時間が経つとしっとりしますが、油を引く必要も蓋をして蒸す必要もないので焼きながら熱々のうちにはーひーして食べるのがいい感じです。トマトや生野菜のサラダをおかずに、餡餅は夕食のメインでも充分栄養満点です。

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 本書では豚の挽肉と韮がメインになっていますが、いきなりの内容変更ですみません、私は玉葱と筍のみじん切りにしました。韮が入っていない分、にんにくを代用しました。調味料はおなじです。

材料(10個分)

  • 強力粉・・200g
  • ぬるま湯・・130cc
  • サラダ油・・大さじ1 手に付けて生地を成型する為小さめのボールに用意する

  • 豚挽肉・・200g
  • 酒・・大さじ1
  • 胡椒・・適宜
  • 醤油・・大さじ2
  • 塩・・一つまみ
  • サラダ油・・大さじ1/2
  • 胡麻油・・大さじ1/2
  • 玉葱・・1/4個(60g)
  • 筍・・60g 
  • にんにく・・1片

作り方

  1. ボールに200gの粉を量って、菜箸で混ぜながらぬるま湯の1/3をゆっくり加えて馴染ませ、続けて2回目3回目と同じように加えてひとかたまりにしたら、濡れ布巾をかぶせて休ませる。
  2. 玉葱、筍、にんにくをみじん切りにする。
  3. 餡の調味料を全て量って用意する。
  4. ボールで挽肉に粘りが出るまで混ぜる。
  5. 餡の調味料を酒から加え、混ぜてから胡椒を加えるというように、一品加えたら混ぜるを繰り返して、書いてある順に加える。
  6. 最後の胡麻油を加えて混ぜ合わせたら、2の玉葱、筍、にんにくのみじん切りを混ぜ合わせる。
  7. 手にサラダ油をたっぷり付けて1の生地を手の平で棒状にし、目分量で1/10を千切って手の平で5~6cmの平らな円形にする。
  8. 7の生地を左手の手の平に置き、6の餡の1/10を乗せ、周囲の生地を引っ張って中央に集め指先で摘んで閉じる。
  9. ウー・ウェンパンかテフロン製のフライパンを中火に掛け、8の生地の綴じ目を下に置き、手の平で潰して直径が8cmの平らな円形にする。
  10. 同じように4個並べて焼く。
  11. 最初は1分ほど焼き、裏返して2分ほど焼き、同じ事を繰り返し2回ほど焼いて中央がこんもり膨らんだら取り出して次を焼き始める。
  12. フライパンに隙間を作らないように焼きながら食べる♪

餡餅(シャンピン)   虫の音料理長さんの夕ご飯

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餡餅(シャンピン)   きょうなに喰べた

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2009-04-25

筍汁と牛ネギ丼:日本は法治国家じゃないの?

 SMAPの草彅 剛さんが「全裸で逮捕」とニュースが23日の昼頃からNHKニュースで延々と流れたのが私が知った最初の報道です。その後、いつものことですが、大騒ぎになってしまいました。子どもから老人までファン層が厚く、国民的なアイドルなのでそれも致し方ないことかもしれません。それに今更ここで取り上げるほどのこともなく、専門的な立場の方などがきちんと分析もされているようです。ですから、極個人的な意見だけでも書いておこうと思います。  
 私は、先日の和歌山のヒ素事件の最高裁判決にもかなりの違和感を感じています。また、今月の中ほどに判決が出た、防衛医大の教授の冤罪が晴れた最高裁の判決など、一連の裁判のあり方というか日本の司法の問題なのか、私の感覚や捉え方の方がいよいよおかしいのかと、共通して解せないものがあります。一言で言うと、「疑わしは罰する」という事が引き起こした、極端な人権の侵害を国が堂々とやってのけているという批判的な見方で捉えているということです。人を有罪にするにも無罪にするにしても、同情や偏見などからではなく、公平に民主的であるのが裁判だと思うのですが、どう考えてもそうは思えない状況証拠と根拠が明らかではない証言からの死刑判決(ヒ素事件)や、被害者からの訴えだけで立件し有罪判決を下したための冤罪(大学教授の痴漢行為)。とどめは、草彅 剛(公然わいせつ罪)の逮捕です。草彅の件は、酔っ払って泥酔した挙句保護されたというのでしたらわかりますが、何をもって逮捕なのかがさっぱりわからないまま、拘束時間切れの釈放という流れになっています。それでも書類送検だそうです。
 こういう場に、推測や下衆の勘ぐり的な言葉などは慎むべきかもですが、言わせてもらうと、痴漢の事件は時を同じくして、早稲田大学客員教授在職中の植草一秀が度重なる痴漢行為で逮捕(参照☛)で実刑判決を受けていた頃と重なり、いわば「お手柄」的なウケ狙いのような逮捕劇を狙ったのか。ヒ素事件の時は、丁度オウム心理教の大量殺人事件の四年後と重なる(大量殺人テロ)ビッグな逮捕劇でした。草彅逮捕は、芸能人の「大麻所持」を疑われ、逮捕者続出のお手柄劇を妄想したのではないかと思ったのです。だって、ただの泥酔○ぽこ丸出し芸能人の失態に過ぎないことで、尿検査の結果白にもかかわらず、家宅捜索をするまでの意味が不明です。素人の私が思うこのような違和感は、そう思う私がおかしいのでしょうか。
 この「お酒の飲み方」についてちょっと付け加えておきます。男性だけに限った話でもありませんが、特に男性は酒で一生を台無しにしたと言われる人も多いわけで、その飲み方というのは昔は、諸先輩方が教えたものです。家族であれば、父親が成人した息子と一杯飲むのを楽しみにしていたというのもあります。酒に飲まれるなと癖の悪い飲み方をすれば叱られましたし、泥酔しても介護役の誰かに戒められたり、数々の失態に自分が懲り懲りしながら、大人のお酒の飲み方を学習したのです。因みに、私はお酒には強い方で、飲んでも酔えないタイプです。これまでの人生で正体がわからなくなるほど飲んだ経験もない上、どこまで飲めるかと目一杯飲んでみたなどという経験もありません。逆に酔わずに飲めるので、体の為、飲み過ぎないようにいつも途中で止めています。一緒に飲んで酔っ払っている人は、私がずっと飲んでると勘違いしているようですが、サッと飲んで後は氷水でした。今頃の告白です。
 兎に角、飲み方というのは一度失敗したらわかることだと思うので、若い頃にちゃんと通るべきところを通って、学習する事です。ですから草彅が34歳だと知って驚いたのですが、飲み方として今回の失態そのものから逆に言うと非常に若い飲み方です。「あんた、馬鹿だね」って言われて、若気の至りで納まるのは20歳代です。三十路過ぎてこれでは様にならないですよ。もしも、普段から癖の悪い飲み方をするのであれば、6時間も付き合って一緒に飲んでいた同伴者が何故そのまま帰すかです。それと、今回のように何か面白くないことがあって飲んだにせよ、これが生き方だと思います。自分らしく生きるということがまだ見つからずに苦しい思いを抱えているのかなと推測しますが、どうか、自分をもっと解放して正面から向き合いなさい。生まれ変わるくらいの気持ちで出直すと良いです。
 名誉の為というのも変ですが、[草彅君は普段真面目な人格の持ち主だから、お酒に逃げる・・」などと、放じているのを耳にしたのですが、それ、名誉毀損に当たることです。こういった類の発言をよく平気で、しかも報道という公的な場で言えたものだと呆れます。これも私がおかしいのでしょうか。

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 さて、今日は先日頂いた筍と野菜を沢山入れた味噌汁です。具が沢山なのでちょっとした煮物のようですが、筍を味噌味にするのは、炒め物でも大変美味しく止められません。いつも食べ物の話をする友人と先日も筍の話をしたばかりですが、そうそう、彼女も食の事を中心にブログを始めたと言うので、一度訪ねてみてください(宮坂家の食卓☛)掘ったばかりの筍は糠で茹でる必要もなく、普通に茹でるだけでエグミ等残らなくて大変柔らかくて美味しいという話で盛り上がりました。知る人ぞ知る筍のお話しですが、香りの豊かな信州味噌で食感を楽しめるのが何よりです。

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 牛ヒレをサッと湯通しして牛ネギ丼を作ったので、残りのお湯をたぎらせて灰汁を除き、これを出汁に筍の味噌汁を作ったのです。ちょっと変わっているかもしれませんね。牛ネギ丼は、いつもなら豚肉で作る例の「男料理」からアイデアを拝借しています。両方一緒に作ったのですが、時間的にはとても短時間です(約30分)。牛肉の湯通しが終わって出汁ができた時、すぐに味噌汁に取りかかれるように野菜を切り揃えて別の鍋で少な目の水から煮始めておきます。牛肉を湯通しするための水はカップ2ほどですから、最終的に出来上がる味噌汁の水量からその分を差し引いておきます。

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 この料理でしたらアレンジは幾通りにもできるので、週末の冷蔵庫と相談して無駄に野菜を捨てたりしないで済むと良いと思います。

材料
筍汁

  • 茹で筍・・200g
  • 牛蒡・・1本
  • 人参・・50g
  • 大根・・5cm
  • じゃが芋・・1個
  • こんにゃく・・1丁
  • ブナシメジ・・1株
  • 長葱・・10cm
  • 水・・600cc
  • 牛肉の湯通しの残り汁・・カップ2
  • 信州味噌・・80g

少し残っていた鶏の胸肉を加えています(60g)。
牛ネギ丼の材料(2~3杯分)

  • ご飯・・3杯(多めに)
  • 牛ヒレ肉・・150g
  • 細葱・・大さじ4
  • ポン酢・・大さじ5~6杯
  • 水・・カップ2

作り方

  1. 長葱以外の筍汁の野菜を全て一口大に切る。
  2. こんにゃくはアク抜きの為サッと茹でて一口大に千切り、じゃが芋は水にさらして粉っぽさを除く。
  3. 鍋に筍汁の分量の水を用意し、ブナジメジと長葱意外を全て一緒に中火にかけて煮始める。
  4. 牛ヒレ肉は2mmほどにスライスして分量のお湯を鍋で沸かし、沸騰直前に軽く色が変わる程度に湯通しして笊に上げておく。
  5. 残った茹で汁を煮切って浮いた灰汁を取り除いたら3の煮汁に足して具に火が通るまで煮る。途中灰汁を掬う。
  6. 5の具に火が通って柔らかくなったらブナシメジを加え味噌を溶かし、長葱のスライスを乗せる。
  7. 大き目の器にご飯を盛り付け、4の牛肉を乗せポン酢をかけたら細葱の小口切りを乗せて出来上がり♪

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2009-04-24

赤のサラダ:パプリカの魅力:故郷に思う

 一昨日テレビで長崎県の軍艦島のことを放送していたのに目が止まって、ぐっと昔のことを考えていました。自分の記憶が確かな部分と、聞かされても全く覚えの無い部分と入り交ざっていて、随分後になって親戚筋から聞いた事を自分の記憶として現在思い込んでしまったような、なんだかごちゃごちゃしています。特別な事はないのですが、私が長崎生まれで、その後佐賀県の嬉野というところでしばらく暮らし、父親の仕事の都合で埼玉県に移り住んだという経緯は、いつだったかここでも折に触れて書いてきた通りです。
 軍艦島というのは、長崎半島の西側の近海に浮かぶ小さな島で、昔炭鉱町として栄えた頃の名残で、高層アパートが建ち並ぶ島のことです(参照☛)。この島が、軍艦のような形に見えることから誰もが「軍艦島」とそう呼ぶのです。 
 一昨年、佐賀国体の折に諫早の叔母宅でお世話になった時、この島を毎日見ながら佐賀の唐津まで高速を走ったのですが、実際は本土から眺めていただけで、この島の事で知っている事は、かつてこの島で育ったという方が、世界遺産にするためにNPO法人を立ち上げて運動をしていきたというくらいのことです。番組では、この世界遺産になるための候補として正式に登録されたという話でした。また、それらの運動により上陸が許可され、懐かしむ人や歴史的に興味のある人は、この島を見て歩く遊歩道が出来たということでした。
 この話と同時に思い出していたのが、私が崎戸という島(「妊婦たちの明日」井上光晴著)で多分2~3年育った当時の記憶です。島の様子は、軍艦島に良く似た高層のアパートも存在して、その近くで幼い私が映っている写真があります。自分の意識の中に、当時3歳くらいだった私のことがあるかというと、あるんですねこれが。ただ覚えているそのことというのが断片的で、写真でいうワンカットのような駒が出て来ます。でも、当時遊んだ友達や両親の顔が、当時の顔として浮かんできません。これが何となく自分の意識のものなのか疑わしくなる理由なんですけど。
 よく思い出すのは、自分でスイッチを入れてラジオを聞いている姿。そこから流れる「赤胴 鈴之助」のオープニングのテーマソング。父が育てていたメジロの餌のさつま芋を練って、こんもりと丸く小さな器に盛り付けている動作。温泉のお湯をやかんに汲む自分。洗濯板で洗濯をごしごしする人の手つき。長い髪の毛のお人形を抱いてホックの付いた三角形の折りたたみ式財布を持って「お人形さんごっこ」をしている自分。週末は両親と一緒に映画館に行き、いつもつまらないと思っていた自分。弟が家で生まれた時、隣の部屋で神妙にしていた自分。母に何かの嘘をついてバレた時、お仕置きの真っ暗な押入れが怖くて出してと泣いた自分。など、全てこの島の生活の中の出来事の断片です。昔、これらが本当のことだったかと、母に聞いて確認した事もありました。
 この島を後に、多分1年くらい佐賀県の嬉野(当時は嬉野町)に住んで、幼稚園に通っていたのも記憶がずっと鮮明で、九州に行った際、過去3回は嬉野の町を懐かしんで歩きました。よく遊んだお寺の境内とその周辺の堤はそのままでしたが、歩くというほどではなく、すぐ隣だったのです。でも、自分が子どもの目線で見ていた記憶ですから、凄く遠いと感じていたのですね。長く歩いて通ったと思っていた幼稚園は、大人の足で2分くらいのところでしたし。
 軍艦島の画像をテレビで見て、懐かしい故郷のようなものを感じました。そうそう、昨年の暮れに、母から大阪に住む母の知人に私が作ったパンでも送ってあげてと頼まれて、その方はあの島で、私とその方の娘さんを一緒に遊ばせてくれた人だという事を思い出しました。お礼のお電話を頂きしばらく話しましたが、3歳くらいだった私の記憶中の、懐かしいその人の早口なしゃべり方は、やはり記憶の通りでした(参照☛)。肺癌を患って、骨粗鬆層(こつそそうしょう)の為手術も出来ずに死期を待っているような生活を余儀なく送っていると聞いて、会いに行かれなくなった私です。
 これくらい生きてくると、いろいろな事が重なって歴史として長い時間を感じるというのもありますが、記憶の中のことを思い浮かべる時は、ついこの間のことのような気がしています。いつか機会があったら、この島に渡って、自分の記憶の中のことを現実の事にしたいとずっと思い続けています。

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 さて、今日は、お肉やお魚料理の付け合せとしてカラーピーマンの赤と新玉葱でさっぱりとした洋風の和え物です。
 このようなシンプルな材料の和え物を楽しむには香りが一番です。今回は、リンゴの甘い香りとオレガノを組み合わせてみました。りんご酢は、使い方を間違えると全く香りが生きなくて、使った意味すら不明になることがあります。繊細な香りなので、組み合わせに要注意です。

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 カラーピーマンと呼ばれて、国産のものも多く出回っています。通称パプリカで良いと思います。パプリカの肉厚の部分は、火が通ると甘くなって、少し酸味を感じます。周囲が真っ黒になるほどでも大丈夫ですから、丸ごとよく火で炙って冷水で冷まし、表面の厚皮を剥いて繊維に沿って切ってから味付けします。ツルンとした食感と玉葱のシャキシャキした食感は、楽しい食べ方だと思います。

材料

  • カラーピーマン(赤)・・2個
  • 新玉葱・・1/4個

ドレッシング

  • オレガノ(ホール)・・小さじ1/3
  • りんご酢・・大さじ3
  • 塩・・小さじ1/2
  • 砂糖(隠し味)・・小さじ1/2
  • オリーブオイル・・大さじ1

作り方

  1. カラーピーマンをオーブントースターか魚焼きグリルなどの直火で場所を変えながら全体を焦がす程度に焼き(約20分)、冷水で冷ます。
  2. 1の表面の硬い皮を剥き、繊維に沿って1cm幅のスライスにする。
  3. 新玉葱は繊維に対して直角に5mm幅にスライスする。
  4. 小ボールでオレガノ以下の材料全てを混ぜ合わせる。
  5. 2と3をサラダボールで混ぜて、4のドレッシングで和え、オレガノを振って出来上がり♪

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2009-04-23

牛ヒレカツサンドの全て

 ここを見てくれているという知り合いの娘さんから、サンドイッチのレシピを載せて欲しいとリクエストを頂きました。パンの作り方は載せていますが、サンドイッチはホットサンドをビタントニオで紹介したのみでしたね(レシピ参照☛)。と言いますか、あまりサンドイッチのレシピ自体に重きを置いていなかったぁと思った次第です。で、はたと考えてしまったのは、何を作るかです。彼女にしたら、参考にするためには、多分どんなレシピでもきっとよくて、画像を見たりすると何かアイデアでも沸いてくるのかしら?きっとそうですね。彼女の参考になるかどうかわかりませんが、サンドイッチの中では王様で、私が大好きなカツサンドです。それもヒレで作ったカツが一番好きです。
 ズバリ言ってしまうと、美味しいものを食べるとくだらないものはあまり食べなくなります。お口が贅沢になって、食べ方が上品になります。けして高価なものがいいという意味ではありません。その証拠に、私がここで紹介するものは、どちらかと言うと庶民が喜ぶ食材ばかりですし、パソコンのこっちにセレブなイメージも誰も持たれていないと思います。その私が、美味しいサンドイッチを勧めるとしたら、牛ヒレカツサンドです。この件、肉屋さんで話したら、クソミソに言われてしまいました。贅沢で勿体無いって。ま、この際無視します。

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 せっかくの牛ヒレですから、美味しく作って切り方まで教えちゃいます。とは言え、料理を普通に作ってきた方にとっては、普通以下のレベルかもしれません。たまにはこのようなエントリーもアリっつことでよろしくです。
 カツサンドは、挟む前にパンを香ばしく焼いてから挟むというあたりからです。で、牛ヒレは普通はカツなんぞにしないと言われるゆえんですが、日本人の好きな和牛、しかも黒毛のには非常に綺麗な霜降りに脂が乗っているので、これは牛刺し用にとなるからです。確かに食感がよく、それこそたたきなど最高に美味しいと言われる部位なので、火を通すのも良い加減にしておかないと、肉汁と脂が揚げ油に溶け出て、残るのは筋っぽい部分になってしまうのです。私が間違っていると言われそうですが、そういうお肉だからこそポワレにします。

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 そのポワレも、散々ここで紹介してきていますから今更ですが、炒め油よりも少し多目くらいの油で片面ずつ焦がさないように中火くらいでゆっくり焼きます。「ジューシーライン」を守って焼きます。この焼き方は、片面から焼いて、肉の厚みのほぼ中央位まで火が通ったら裏返し、その面から火が通って最初に焼いたラインと出合った焼き加減が肉の食べごろだと言われています。これが、ポワレが美味しいという理由です。私は、このことを活かして肉の厚みの半分で包丁を入れて、そこにピクルスと生玉葱のスライスを挟んで、肉の熱で蒸し焼き状態を作ります。この二つは必須です。牛肉がより一層美味しいくなるので、もしも無かったら、これも簡単に作ります。厚めにスライスしたキュウリを塩水に浸けて水分を出したら、リンゴ酢の薄めた液にしばらく漬けたのを代用します。
 次に、カツサンドと一緒に挟む葉物ですが、カツの予熱で温まると甘くなるキャベツが一番です。それも、ファインな千切りにするほど沢山挟めますのでできるだけ細かくします。

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 次にパンのことですが、私は自分で焼く酵母の食パン(参照)を丁度良い厚さに切ります。普通のサンドイッチ用よりも厚めの1cmくらいが良いと思います。焼くとどうしても熱で柔らかくなった分潰れやすいからです。また、バターを表面に塗るかどうするかですが、バターの風味の意味合いもありますが、塗る主な理由は、挟んだ具の水分をパンが吸わないようにブロックするためです。そう考えるとキャベツを挟む部分には必要ですし、肉の衣から水蒸気や肉汁が出ることを思うと、今回は塗ってあるのが良いということになります。
 最後にソースです。美味しい肉にはそれ自体の風味や味があります。当たり前のようにソースを付ける前に、粒マスタードやピクルスの酸味、玉葱の甘さに、肉の下味付けに使用した塩や胡椒だけで食べてみるのもよろしいと思います。ソースはお好みで食べる時に銘々で選択できるように、最初からはつけません。
 本当に最後に切り方ですが、大き過ぎると口に納まらない分がパンからはみ出て、ばらばらの事件になりますから、一口でお上品に口に運んで、噛み切れる大きさがベストです。長四角のパンが普通ですからその長手方向を三等分すると、丁度指三本揃えたくらいの幅になります。この幅が一番食べやすいです。牛肉を挟んだらすぐに2~3分袋に入れて軽く押さえてパンの形を整えます。取り出してパン切り包丁を1/3の場所に軽く置き、反対の手の平でパン全体を覆って軽く抑えながら切ります。包丁は何度も前後させずに3回くらいで切り終わるくらいにして、パンから具がすべり落ちないように切ります。
 ところで、ブレッドナイフですが、これがなかなか切れるのが見つからず、昔は大変苦労して何本も買っては無駄にしましたが、ここ10年ほどずっと使っていて切れ味が全く変わらないスイスのWenger社製のブレッドナイフがお勧めです。

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これから買うなら、このナイフが一番いいと思います(参照)。
 お皿に盛り付ける時には切り口を上にして、パンのお耳はお皿に当たるようにするとヴィジュアル的にもよろしいと思います。

【参考料理】我が家のサンドイッチ☛卵・野菜・ポークカツレツサンドイッチ

材料

  • 食パン・・8枚(1cm厚)
  • 牛ヒレ・・300g(1.5cm厚×4枚)
  • 玉葱・・1/6個
  • キャベツの葉・・2枚
  • 粒マスタード・・大さじ3
  • バター・・適宜
  • 揚げ油・・カップ1/2

ポワレの衣

  • 小麦粉・・大さじ2
  • 溶き卵・・大さじ2
  • 水・・・60cc
  • パン粉・・カップ1強

キュウリの即席酢漬け

  • キュウリ・・1本
  • 塩・・小さじ1
  • 水・・50cc
  • リンゴ酢・・大さじ3
  • 水・・大さじ2

作り方

  1. 牛肉は肉屋さんで半分の厚さで深く切り込みを入れてもらってくる。
  2. キュウリは長さを3等分に切り、3mmの厚さにそれぞれスライスし、分量の塩水に10分浸けて硬く絞る。
  3. リンゴ酢を水で薄めて2のキュウリを使う時まで漬け込む。(最低10分)
  4. 玉葱は繊維に対して直角に薄くスライスする。
  5. キャベツは水にさらしてから千切りにする。
  6. パン粉は擂鉢ですって、肌理を細かくする。擂鉢がなければボールなどに入れてコップの裏などで潰す。
  7. 溶き卵と水を混ぜて卵液を作り、小麦粉はまぶしやすいようにバットなどに降り掛けておく。
  8. 2の牛肉に3のキュウリの水気を絞って4の玉葱のスライスそれぞれの1/4を挟んで軽く押さえたら、両面に軽く塩・胡椒(分量外)を振る。
  9. 牛肉に小麦を軽くまぶして余分な粉を刷毛で落とし、卵液をくぐらせてパン粉をまぶし、ラップをかけて冷蔵庫で30分休ませてパン粉を馴染ませる。
  10. パンはオーブントースターで焼き色が付くまで焼く。
  11. パンを焼きながら同時に牛肉のポワレも始める。
  12. フライパンに油を弱火にかけ油を注ぎ、9の牛肉を表面積に対して2/3までの量を並べて焼く。
  13. 肉の周囲の色が変わって、焼き色が付いたら(5~6分)裏返し、全体がこんもりと膨らんで中央を押して弾力があれば引き上げて油を切る。
  14. 焼いたパンにバターを塗ってから粒マスタードを塗り、4枚並べてキャベツの半分量を均一において平らにならして軽く押さえておく。
  15. 焼けた牛肉を置いて、残りのキャベツを乗せたらパンで挟みポリエチレンの袋に入れて軽く押さえ3分ほどしてから取り出して切る。
  16. 皿に綺麗に揃えて並べて出来上がり♪

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2009-04-22

鯵のアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノに白ワインソース:鯵の三枚卸し:景気の動向がよくわからない

 昨日はものすごい風雨でした。夜中、目が覚めるほどの突風が吹き荒れ、それがほぼ終日続きました。低気圧の移動に伴って、不安定な天候になったそうですが、ちょとした台風のようでした。
 いつもの魚屋さんでは、相変わらず景気の良いラインナップでした。景気というか、けっしてお安くはないですが、種類は豊富で、お値段もそれなりです。どうしても近海ものは割高に思えるのですが、いつだったかの魚屋さんの話で、「輸入物の安さがあるからまだ、手ごろな値段で魚を口にすることができる。」という話ですが、売る方にしても買う側にしても、それぞれの都合で言うと確かにそうですが、そうやって安価な輸入物に飛びつくようになると、日本の漁業はどんどん衰退して行くように思うんです。不安定でも近海物をできるだけ買い続けたいとは思いますが、今日のように30cm程の真鯵が三百円くらいなら許せますが、六百円などと高値が付く時は、如何せん鯵なので引いてしまいます。
 魚の値段とはあまり関係ないかもしれませんが、インフレ傾向で経済に動きのある時には、漁業、農業、林業などの比較的キツイ仕事から若者が離れる傾向にあって、最近では、また戻って来つつあるようです。また、介護士不足でマレーシアからの人材を受け入れる傾向にあった昨年から一変して、日本人介護士が定着しつつある為、外国人を受け入れる為のリスクをあえて背負わない傾向に変化しているなどとニュースで聞きました。
 この両方は一見関係無い事柄ですが、どちらもデフレの底を意味する現象のような気がしていて、共通していると思います。就きたい職に恵まれないという現実や、廃業や倒産によって仕事が無くなっているという意味で、このような傾向が出てきたという事は、これからは、景気が少しずつ回復して行くのか、これ以上は悪くならないことと何らかの繋がりがあるのでしょうか。まあ、景気の回復が物価に反映されるのは、ずっと後の話になるのは間違いないとは思いますけど。気になりますね。
 また、大手のスーパーマーケットが値下げを発表してから一ヶ月が過ぎますが、効果の程ってどうなのでしょうか。家の近くの百貨店から広告が入って来る日は、駐車場が早い時間から満車状態になるので、その日なのだとすぐにわかりますが、それ以外の日は、閑散としています。その差が凄く極端で、財布の紐が何処も固いのだと感じます。
 これと言って結論が絞れているわけではなく、これらの事から今景気が良くなってきているのかどうなのか、推察するに足る情報が無さ過ぎで、自分でも良く分からないのです。知って掴みたいと思っているのですが。

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 さて、今日はここで手に入れてきた血抜きをした鯵です。魚屋さんがわざわざ「血抜き」というのは、どういう事かと言いますと、釣れてから直ぐに血を抜く事で魚に生臭みを残さず、美味しく食べられるという意味です。30cmほどの鯵でしたらその処理をしてあると、まず刺身が美味しいです。一押しは刺身ですが、せっかくの鯵ですから焼きました。このような鯵だからこそイタリアンな料理が食べられるというものです。

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 ゼイゴ(鱗)をそぎ切りして除き、頭と尻尾を落として内蔵を取り出したら三枚に卸します。皮目に浅く隠し包丁を入れておきます。ここまで下処理ができると、料理の七割が終了です。食べる直前までこの様にして冷蔵庫で置くこともできます。

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 料理の前に両面に軽く塩・胡椒をして5分後、キッチンペーパーで水分を吸い取り、両面にほんのわずかな小麦粉を振りかけます。この小麦粉をぼったりと沢山つけるてソテーすると、最後にスープを絡めた時に小麦粉が水分で戻って分厚い衣のようになりますので、本当に少なめに降り掛ける程度にします。フライパンに多めのオリーブオイルをひいてにんにくのスライスと種を取り出した鷹の爪を弱火でソテーし、香りと辛味をオイルに移します。もし、にんにくのオイル漬けがあればそれを使用するといいです。このオイルで魚をソテーします。海の魚は身から焼きます。周囲がうっすら白っぽく火が通ってきたら裏返し、皮目を焼き、全体がこんもりと盛り上がったら火が通った合図です。ここに白ワインとレモン汁を加えたら出来上がりです。レモン汁は、食べる時にかけてもいいのですが、白ワインと一緒に少し火を通すと、カドが取れたまろやかな酸味のソースとして味わえます。

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 残ったアラは、塩を振って熱湯をかけまわし、血や汚れを洗い流して水から茹でて、魚の出汁を取ります。アラの味噌汁が美味しいので、もし良かったらイタリアンの鯵のソテーに味噌汁というのも悪くはないです。

材料

  • 真鯵・・3尾(30cm)
  • にんにく・・2片
  • 鷹の爪・・1個
  • オリーブオイル・・大さじ1
  • 小麦粉・・少々
  • 白ワイン・・大さじ3
  • レモン汁・・半個分
  • 付け合せ野菜・・独活(ウド)

魚の二枚卸から三枚卸しの方法

  1. ゼイゴを包丁で削ぎ切りし、頭と尻尾を落として腸を取り出し、水で洗い流す。
  2. 頭を右に、尻尾を左にして横に置いて、手前の背側の、背ビレの真上の部分に包丁の先を入れて中骨に当たったらそのまま尻尾の方へ一気に包丁を引く。
  3. 魚の左右を逆にしてひっくり返し、腹の中の中骨に沿って包丁を入れ、尻尾の方から頭の方へ引く。
  4. 包丁の向きを変えて同じ場所に包丁を差し込んで、尻尾の方向へ引いて身と骨を切り離す。(ここまでが二枚卸し)
  5. 骨をまな板に当たるように頭を右にして寝かし、中骨の真上に包丁を寝かして入れて尻尾の方へ引いて身と骨を切り離す。
  6. 腹骨に沿って包丁入れ、薄皮ごと骨をそぎ切り、切り離す。(三枚卸し)

作り方

  1. 三枚に卸した鯵の背側に一本縦に隠し包丁を入れ、骨抜きで残っている骨を抜く。
  2. ウドの皮を厚めに剥いて繊維を取り除いたら水洗いして水気をふき取り、5cmに切り揃える。
  3. 塩・胡椒を軽くして5分ほど置いてにじみ出た水分をキッチンペパーで吸い取る。
  4. 小麦粉を軽く両面に振る。
  5. フライパンにオリーブオイルを引き、スライスしたにんにくと種を出した鷹の爪を焦がさないように弱火でソテーする。
  6. 油に香りが移ったら、鯵の皮目を上に並べて中火でソテーする。
  7. 鯵の周囲が白っぽくなったら裏返して皮目を焼く。ここでウドを加えて一緒にソテーする。
  8. 身が少し膨らんで、一回り縮んだら焼けたサイン。白ワインとレモン汁を加えて全体に回ったら皮目を上に返して身の方にもソースを絡める。
  9. 味見して、足りなかったら塩を加えて皿に盛り付ける♪

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2009-04-21

こごみ(草蘇鉄)の胡桃(くるみ)和え:香ばしい胡桃と豆腐の白和え:人生100年かぁ

 昨日は、市内の友人から「こごみ」を頂きました。長野県の中部、安曇野の方の山で採ってきたそうです。葉の先が前にかがんで、屈んだ(こごんだ)ようにしている様からそういう名前が付いているそうです。可愛い名前でしょ。山菜ですからアクが強いのではないかと思うと、全くありません。私が知る山菜の中でこごみが一番クセがないと思います。普通に茹でてマヨネーズをつけて頂くほどです。

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 私が10代の頃、両親が山歩きをして採ってきたのが食卓に普通に上がって、普段の食事のようにして食べていました。お陰で、季節の山菜や木の芽、木の実はいつも豊富で、よく食べていました。山歩きをする人にはわかると思いますが、山で山菜に遭遇すると、夢中で採るので、いつの間にか山のようなお土産になるのでした。
 そうそう、今月の初めに母が膝の手術をして、息子の入学式と退院がぶつかり、ゆっくり訪ねていられませんでしたが、少しだけ顔を出して様子を見たところ、大変元気でした。昭和三年生まれのお婆ちゃんで、本当ならこれくらいの歳になると可愛いおばあちゃんになるというものですが、とんでもなく元気です。矍鑠(かくしゃく)としていますので、ふんわり感がまだあまり漂わないお婆ちゃんです。この母が受けた手術は、膝に内視鏡とメスなどの器具を小さく開けた穴から三つ差し込んで、膝の内部の痛みの原因を探り、取り除くというものでした。大きく切開するわけではないので、身体にダメージが少なく、回復も早いのが内視鏡の良さですが、腕のいいお医者様にお願いするのが勿論良いです。膝の関節の専門医でお願いしたようです。
 話が逸れましたが、高齢の母が膝の手術を受けたというのも、山歩きを続けたい一心でということなのですが、いつか、また山菜が家にも届くようになるかと思ったのです。
 母の母親、つまり私の祖母は、79歳で大腿部の骨折をして、治療で寝たきりになってから、一ヶ月もしないうちに恍惚の人となってしまい、その後、体も急激に弱って三年後に亡くなりました。母は、その祖母と同じ歳に当たる一昨年も、膝の関節に骨の移植手術をしたりしていますが、祖母とはパワーが違います。今は長寿社会と言われていますが、明治生まれの人は老いが早く、寿命が短かったように思いますが、大正、昭和生まれのご老人達は、本当に元気だと思います。
 なんですか、私は生きても八十歳までとか適当に勘定していましたけど、もしかしたら人生百年と据えて、人生設計を考え直しておいた方が良いのでしょうか。ブルブル!そんなに長くなくていいよ。なのですが、可能性として100歳とすると、今、正に人生を折り返す地点に立ったということになります。そういう解釈でもう倍、自分の為に生きるとしたらと仮定すると、ちょっと思い切った事ができるかもしれないと、嬉しい気持ちにもなります。
 あれ、しまった。こごみの事からつまらない妄想に走ってしまった感じですね。

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 そのこごみですが、山菜と相性がいいのが胡桃(クルミ)和えです。お豆腐とオーブンでローストした(または、フライパンで炒った)胡桃をすり潰して少し甘い味付けにして、ここに出汁醤油に浸して下味を付けたこごみを加えて作ります。
 和え物で覚えておくと良いのが、胡桃のほかにピーナッツ、胡麻、荏胡麻(エゴマ)なども加える分量に関係なく、お豆腐と調味料の割合は同じでいいと思います。お豆腐をベースにしたものは普通白和えといいますが、他に醤油、梅、酢、木の芽、辛子醤油の芥子和えなど、食材に応じていろいろ楽しめます。

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 沸騰したお湯に1%の塩を加えてコゴミを茹で、軸の一番太い部分を親指の爪で押して柔らかくなっていれば笊に取ります。でも、ここは、山菜というもので全て均一に育っているわけではないので、中には苦かったり硬かったりします。もし、多くの軸が、そういう風に感じたら思い切って切り落として、短くします。筍などと同じで、採ってから時間が経つとアクが回ったり、強ばったりします。その辺は臨機応変に。

材料

  • コゴミ・・150g
  • 木綿豆腐・・150g
  • 剥き胡桃・・100g
  • 出汁醤油・・100cc(出汁90cc+醤油10cc+味醂10cc)
  • 砂糖・・大さじ2
  • 淡口醤油・・小さじ1

作り方

  1. 胡桃をアルミフォイルに広げてオーブントースターで140度で10分ローストする。(又は、フライパンで焦がさないように弱火で炒る)
  2. 鍋に2リットルほどのお湯を沸かす。
  3. こごみの表面の鱗片(鱗のような皮)を洗い流し、硬い茎の部分は切り取って粗方の掃除をする。
  4. 沸いたお湯で豆腐をゆらゆらするまで下茹でし、笊に上げたら続けて1%(この場合20g:大さじ1と1/3)の塩を溶かしてこごみを茹でる(茎の太い部分を爪で押してチェック)。
  5. 4を笊に上げ、水気を切ったらボールに移して出汁醤油を回し掛け、そのまま冷まして味を染み込ませる。
  6. 1の胡桃を擂鉢ですって4の豆腐を混ぜて滑らかにし、砂糖と淡口醤油を加えて味をならす。 胡桃は多少粒を残して食感に加えると味わいがある
  7. 5のこごみの出汁を切って6に加えてよく和えたら出来上がり♪

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2009-04-20

鶏のハーブ風味揚げ:米粉を混ぜた衣:小麦粉・片栗粉・米粉の性質をちょっと

 天気は少し下り坂になるというので、「雨前適期」です。天気予報を信じて早速、人参の種を蒔いてきました。えんどうの芽も、一箇所に三粒ずつ蒔いた内の1~2個、場所によっては三個とも芽が出揃っているのもあり、順調といったところです。
 今更ですが、二年目というのはとても気が楽ですね。子育てで言うところの二人目です。昨年は、ハラハラドキドキの毎日で、多い時は日に二度は畑に行って様子を見ていました。何故か、気になって家にいるよりも、何かが変わるわけでもないのに畑に腰掛けているのが安心で、そういう風に畑で時間を過ごす事が好きでした。今年は、よほどの天候変化か異変でもない限り、時々様子を見に出かける程度で、その頻度に合わせるように、というか裏切られない程度に育ち具合も順調と言えます。

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 ほうれん草の二葉ですが、細長くか弱そうな感じがしますね。この二葉が収獲する頃までしっかりと付いていて、気をつけていると、買ってきたほうれん草の根元にも時々残っています。この最初の芽を見つけると、この先の成長の姿が見えてくるというのが、畑二年生の私の始めて持つ感覚です。時々雨で湿りながら、天候がよければ二週間後くらいには食卓で間引き菜が食べられるのではないかと思います。あまり寒くならないようにお願いします。
 それと、今年は雑草が少ないです。四年ほど前まで、この土地に畑を作ってくれていた方が引越しをして、その後ずっと放置していましたので、荒れ放題でした。昨年は、それを綺麗に片付けてから畑にしたのですが、作物の芽よりもそれまで生えていた草の根の方が育ちが早く、どんどん出てきましたが、今年は非常に少ないです。近所のお婆様が「畑らしくなるには最低三年はかかるぇ」と言っていたのが、どうやらこういう事のようです。鍬を入れ、畑に空気を含ませて、途中草取りをするうちに、作物にいい環境になって行くのですね。だからでしょうか、畑を始めるとやめられなくなるというのは。時間をかけながらゆっくりですが、自分のやったことの成果を見ることができますし、達成感はあります。

Photo

 さてと、今日の料理は鶏胸肉のから揚げです。先日「壇流」のフリッターの衣に米粉を入れるとからっと揚がるということに触れましたが(参照☛)、その件とは別に、以前から私がよく作ってきた方法です。久しぶりにこの衣で揚げてみようかという事で、鶏肉にハーブの香りと下味を付け、オリーブオイルを揉み込んでしばらく寝かします。から揚げは、ここまでで全体の八割が終了です。あとは、衣をブレンドして、溶き卵を加えたら揚げるだけです。
 この衣ですが、実は別の方法があります。それは、米粉を入れるタイミングなのですが、下味付けの時点で粉粉も片栗粉も、溶き卵も全部一緒に加えて漬け込むall-in-oneの方法も仕上がりにほとんど差がないのです。理由は粉の性質にあります。
 ここで、ちょっと粉の事に触れておきます。小麦粉は水分によって、グルテン(たんぱく質)が形成されて粘りが出るので、粘りが出てしまった衣は、カラッと揚がらずにふんわりとしたパンのような感じになります。天ぷらの衣を作る時に、さっくり混ぜて粘りを出さないように注意するのはそのためです。片栗粉は、加熱によって糊化するので、片栗粉の分量を少なめにして、糊化を過ぎてからしばらく揚げる事でカリカリとした食感になります。が、鶏のから揚げの場合、衣がカリカリするまで揚げてしまうと、肉の水分を取られてパサパサになるのがマイナス要素です。特に胸肉は水分が少なく繊維質ですから、皆さん避けます。米粉(上新粉)は、お米の粉ですから、澱粉が殆んどで、たんぱく質は殆んど含みません。粘らないので衣に何割か加えると、その性質が、小麦粉や片栗粉の性質と一緒になって食感がサクサクするのです。米粉だけでは、上手く絡み合わないので単品では使用しません。

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 話を元に戻すと、下味付けの段階で、片栗粉と米粉の組み合わせなら長時間置いても変質しないと言えるのです。揚げる直前に粉をつける場合は、片栗粉と米粉、溶き卵、少量の水を混ぜ合わせ、肉に絡めてから揚げます。溶き卵を加える理由は、粉にとろみが付くので、肉と絡みやすくなるからと、揚げ油に粉が溶け出さないようにするためです。水だけだと片栗粉と米粉が上手くまとまりません。
 これらのことは、私の経験上、失敗を繰り返した事例からわかったことで、普通の常識的なことなのだと思います。粉の性質を生かした料理は、それこそじっくり取り組むともっと面白く、奥の深いものなのだろうと思いますが、そこそこ取り組んできた私は、何か刺激されないとエンジンが掛かりそうもありません。きっと、ここから先に物事を極める魅力があるのだろうと、今まで置いてきた気がする自分の越えるべき何かがあるのかもしれないと感じました。

材料

  • 鶏胸肉・・2枚(約700g)
  • 付け合せ野菜・・適宜
  • 輪切りレモン

下味付け調味料

  • 塩・・小さじ1
  • 胡椒・・適宜
  • ローズマリー(パウダー)・・小さじ1/2
  • セージ(ホール)・・小さじ1
  • 白ワイン・・大さじ2
  • オリーブオイル・・大さじ2

  • 片栗粉・・大さじ1
  • 米粉・・大さじ1
  • 溶き卵・・大さじ2
  • 水・・大さじ1

作り方

  1. 鶏肉の余分な脂を切り落とし、一口大に切る。
  2. ボールで下味付けの調味料を順番に肉に揉み込み、最後にオリーブオイルをまぶしてよくすり込んで30分以上冷蔵庫で寝かす。
  3. 溶き卵と水を混ぜ合わせ、そこに粉を加えて混ぜ合わせ、2の肉に加えて肉に衣が絡むように混混ぜ合わせる。
  4. 付け合せの野菜とレモンを用意する。
  5. 揚げ油を180度まで加熱し、最初に3~4個揚げてみる。
  6. 一つ味見をして、良かったら次のグループを揚げる。(味見をすると自信が付いて、揚げ物が楽しくなるのが道理。)

 気泡が静まり、音が一オクターブ高くなったら油から引き上げ、鍋の上で5秒ほど油を切ってから網などの上に置く。
※ 鍋の表面積の2/3までが揚げ物を入れても良い限度で、そこを守りながら一回ごとに引き上げては新しいグループを揚げること。途中で揚げ繋ぐと、温度が下がって衣が油を吸い、油切れが悪くなります。

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2009-04-19

バランスの良い三食混ぜご飯(鮭・小松菜・油揚げ):ガスがなくてもできますよ

 昨日は、娘の引越し先も概ね片付いた事だろうと連絡を入れてみましたらびっくりと言うか、呆れたと言いますか。誰があんなに我慢強い子に育てたのよと、今回という今回は人のせいにしたかったです。
 引っ越して一週間以上になるというのに、料理をするためのガス台が未購入だと言うのです。都市ガスだったところからプロパンガス用に変わったので、余儀なく買い替えになったのです。息子と二人分のご飯だけは炊飯器で炊いて、おかずは何処かから買って来て間に合わせているというのです。こんな時に、ありがたいものです。が、呆れたと言うのは、ガス台が高くて買えない言うのです。で、おいくら万円かと聞くと、四万円台だそうです。ここがなんとも涙ぐましい我慢の部分でもあるのですが、親に助けを求めてもよさそうなお値段だと思うのですが、これを絶対に言わないのです。何も言ってこないのですから「ふーん、大変ね。じゃー何とかしないとね」くらいのことをかまして、そ知らぬふりでもできたら私も一端の親と言うものです。が、こういう状況では、ダメ親になってしまいます。買ってきたおかずで侘しく食べているのではないかと、チラット想像が過ぎっただけで不憫に思えてくるのです。「こっちで何とかするから」と、口を衝いて出てしまいました。余計な事を言ってしまったと後悔しましたが、娘も待っていたかのように「じゃお願い」と、間髪入れずに返してきました。
 こういうのは、娘がのんびりした性格だからなのか、我慢強いからなのか、間に合わせのものがあるから困らないからなのか。
 引越し貧乏と昔の人は言いましたけど、今まで難なく使っていたもので、引っ越すと使えなくなるものに、カーテン、家具、仕様の違うガステーブルなどがあり、その買い替えと新たな家の賃貸条件への支払い等、当初の予算をオーバーする結果、蓄えがなくなってしまうものです。大家さんの都合で出立ち退きになったので、引越し費用の負担はないはずが、見えない部分での出費が意外にあったのだと思います。
 娘は二十二歳になりましたが、ここでいろいろな経験を積んで、いい勉強になったと思います。私もおなじ歳頃には、単身で渡英して全て自分で賄う生活をしましたし、それはその後の自分を支えてきた大きな力だったと思えるので、苦労を買うことはいい事です。ただ、昔と違うのは、今の人達は、恵まれて育っているので、ガツガツしていないというのか、割りと暢気です。その辺が、見ていてはらはらする部分なのかもしれません。成るように成って行くのでしょうか。

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 さて、まるで信号機みたいなご飯になってしまったのですが、赤、青、黄色の混ぜご飯です。作り方を工夫すれば、電子レンジでチンしても作れるご飯なのですけどね。娘か息子なりが、こういうものを作る元気があるかどうかです。
 甘塩の紅鮭を焼いてほぐします。レンジならそのままチンします。小松菜はみじん切りにしたら塩をして青汁を絞って青臭さを取り、フライパンで軽く乾煎りして火を通します。レンジなら、塩もみした小松菜を入れたボールにお湯を張って、さらにレンジでチンして水気を切ります。油揚げに味噌を塗って、香ばしく両面を焼いて1cm角に切ります。これもレンジでチンすれば、適当に水分が抜けてカリカリに成ります。または、オーブントースターやオーブンで、弱火で両面を焼きます。全て準備できたら、大きな器に移して炊いたご飯とさっくり混ぜ合わせ、布巾をかけてしばらく蒸らします。油揚げに塗った味噌が次第にご飯と馴染んで、美味しい混ぜご飯が出来上がります。

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 栄養のバランスも良いので、おにぎりにしてお弁当にも良いと思います。

材料

  • ご飯・・三合
  • 甘塩紅鮭切り身・・1枚(130g)
  • 小松菜・・100g
  • 薄揚げ(10cm程の小さいもの)・・2枚
  • 信州味噌・・大さじ2
  • 塩・・小さじ1強
  • 白炒り胡麻・・適宜

作り方

  1. 小松菜は洗って1cmに切り刻んだら塩で揉んで10分ほど置きます。
  2. その間に、鮭をグリルで焼いて骨を取り除いて身をほぐす。
  3. 油揚げの3辺に包丁の先を入れて切り離したら開いて内側に味噌を大さじ1ずつ二枚とも塗ってグリルで両面を香ばしく焼く。※オーブントースターでも焼けます。
  4. 1の小松菜の水気を絞り、フライパンでほぐすように炒り、軽く火を通す。
  5. 3の油揚げも1cmの短冊に切ったらさらに角度を変えて1cm角に切る。
  6. ご飯が炊けたらボールなどに移し、鮭、小松菜、油揚げを全て加え、湯気が飛ぶようにゆっくりとさっくり混ぜ合わせる。
  7. 布巾をかけてしばらく蒸らし、炒り胡麻を振りかけて頂きます♪

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2009-04-18

新筍と茄子の味噌炒め:inspired by 「ナーベラーンブシー(ヘチマの味噌炒め)」沖縄料理

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 昨日は、市内の友人から茹でた筍を沢山頂きました。昨年もこの時期に頂いた(参照☛)事を思い出して「あの、静岡からのでしょう!」と、下品にも先に手が出て、飛びついてしまったのです。掘ったばかりを直ぐに茹で上げたのは、この世のものかよと言うほど柔らかく、春の芽吹きを感じたという確かな記憶から、まるでそれは、目の前の筍に噛り付くのと同じ動物的な感覚でした。
 P9060003昨年頂いた時はどう料理したか、何品か炒め物で満喫した記憶が蘇ってきて、今回はどのように料理しようかと考えながら、ワクワク持ち帰りました。
 ここ最近の茄子の甘さを思い出して、ついでに沖縄の糸瓜(ヘチマ)の料理、「ナーベラーンブシ」が浮かびました。この料理の名前は、後から調べてわかったことです。とろっとした若い糸瓜の食感と甘さ程ではないにしろ、新鮮な茄子のあの翡翠色は同じものを連想させます。これに信州味噌が新筍に染み込むと美味しいのです。あとは脂の多いバラ肉と木綿豆腐、鰹節です。
 きっと沢山食べるだろうと、山のように作ったこの炒め煮は、本当に美味しくて、無心で食べてしまいました。茄子にベビー糸瓜のようなあのツルンとした食感を持たせる為に、最初、片栗粉を軽くまぶそうかと考えたのですが、いろいろする前にそのまま最初は作ってみてからと、自分に言い聞かせるようにして作りました。なんですか、結果として茄子を以って茄子をせよといった感じで、茄子には茄子のよさを感じるものです。糸瓜は糸瓜なりのそれと言いますか。逆に今年の糸瓜は何本植えようかと楽しみになりました。
 ヘチマの炒め物が劇的に美味しいと知ったのは、あのfinalventさんからです。あのというのは、この方、社会派のブログを運営されているのに、時々料理も取り上げる方で、外れが無い、当たりくじばかりなのです。その極東ブログに載せる、類稀な料理を作ってみないこっちがあんた可笑しいくらい、作るべきべきべきなのです。そのヘチマ料理を知ったお陰で、昨年ヘチマを植えて育てて、やっと口にした時の感動といったら、丁度この筍に匹敵します。ですから、茄子なのです。茄子の翡翠色がその印象にぴったりハマったのです。

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 作り方は至ってシンプルです。材料を全て切って用意したら、順番に炒めて、最後に味噌で味付けして鰹節を一掴み乗せるだけです。そうそう、作る前にちょっと懸念したのは、糸瓜でしたら豚肉の油が絡んで熱が入りだすとびっくりするほど水分が出て、炒め物があっという間に煮物のように変身するのです。また、その汁の甘いこと。あれが糸瓜の炒め物の美味しさの秘訣なのです。あれが茄子には期待できない気がして、鰹出汁か酒、または何?と両方とも傍に用意して、いつでも加えられるようにスタンバイしたのでした。ところが、その心配をよそに、筍と豆腐、茄子からそれぞれ適度な汁が出て、味噌を加えた時にはいい感じで煮汁が絡んだのです。さすがに気持ちが盛り上がって、食べるのが一層楽しみになりました。
 ま、そういうわけです。私が頂いた筍のような新しいものが傍にあるようなら、是非この炒め物を試してみてください。しっかし、お味噌は信州味噌に限りますよ!

材料

  • 茹で筍・・200g
  • 長茄子・・3本(約350g)
  • 木綿豆腐・・300g
  • 豚バラ肉・・200g
  • 信州味噌(1年物)・・大さじ2
  • 花鰹・・一掴み
  • ピーナッツオイル・・大さじ1

作り方

  1. 茹で筍は縦半分に切って寝かして斜めに5mm幅でスライスする。
  2. バラ肉は5cm幅に切る。
  3. ナスはヘタを取って皮を剥き、1cm幅に輪切りにしたら水にさらして笊に上げ、水気を切っておく。
  4. 大き目の鍋(ウー・ウェンパンがグー)を強火にかけ、ピーナッツオイルを引き、バラ肉を炒める。
  5. 肉の色が変わってきたら、鍋の上で豆腐を一口大にちぎりながら加え、一緒に炒める。
  6. 次に茄子を加え、全体に油が回ったら筍を加えて蓋をして2~3分蒸しながら火を通す。
  7. 水が出て、全体がしんなりしたら味噌を加えて馴染ませ、最後に鰹節を一掴み乗せて出来上がり♪

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2009-04-17

茄子と挽肉ジュレの冷たい中華風前菜

 小春日和というよりも、ぐっと初夏の陽気に近づいてしまった諏訪です。オオユスリカの大群もしばし落ち着きを見ているという感じです。秋口にもう一度ピークを迎えることになるとは思いますが、それだけ諏訪湖には栄養が豊富というか、トホホなお話しです。

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 三月の下旬に、まだ旬を迎えたわけでもなく、早いのではないかと懸念して作った「茄子の瑠璃煮」では、土佐のほうから届いた茄子が案外イケるというのがわかったので、今日は冷たい茄子のジュレ和えにしてみました。20080112035817_2加えて、新玉葱の季節到来でもありますから、みじん切りをそのままザーサイと混ぜ合わせて、トッピングします。私が使っているザーサイは、本場の塩漬けで、非常にピリッと辛く、ラー油の香りが効いています。水で塩抜きしますが、程よく味を残すとドレッシングの味付けの助けになります。抜きすぎない方が使い勝手が広がります。購入先東栄商行南京町本店です。 20080112041541
 最初は、「ピータン豆腐」のような感じに、お豆腐の代わりに茄子をイメージしたのですが、ザーサイと新玉葱のみじん切りにお肉のコクを加えたため、ジュレにして絡めて食べやすくして、丁度、中華風の前菜のような感じに作りました。
 ジュレというのは、英語でjelly(ジェリー)、フランス語でgelee(ジュレ)と書きます。音の響きがいい感じですね。他の料理では、寄せ物にゼラチンや寒天を応用したりします。 寒天は、かちんと硬く崩れ難く、暖めても溶け出したりしませんが、ゼラチンは、ゆるく固まって室温が20度以上に達すると溶けてしまいます。ですから、あくまでも冷たい状態で頂くというのが前提です。その代わり、口溶けが良いので喉越しがよくなります。
 濃度にもよりますが、普通は2%くらいの硬さに作るので、今日の料理のようなものは、全て準備が出来たらラップで覆って食べる直前まで冷たくしておく必要があります。この性質を活かして、食欲が落ちた時など、冷たい前菜や甘いデザートとして楽しめます。

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 今日の料理は、茄子と挽肉の組み合わせが基本ですから、これからの季節で茄子と相性のよい野菜に変化させると楽しい料理になります。茗荷(ミョウガ)や大葉など、夏に向けて出始めますね。
 また、ゼリーに混ぜた豚の挽肉も、下ごしらえが簡単です。笊にとってほぐし、少量の熱湯を回し掛けては混ぜてと、何度か繰り返して灰汁と余分な油を抜いて、そのまま味付けした熱いゼラチンに混ぜ込んで一緒に冷やし固めます。

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 ゼラチンは、最近のは便利にできていて、あらかじめふやかして解け易くする必要のないタイプがあります。いきなり粉末を加えて、しかも直ぐに溶けて馴染みます。もっとも、注意が必要なのは、寒天のように煮込まない事です。注意書きにあると思いますが、45度以上に加熱すると成分が分解してしまうので、固まらなくなります。その点にだけ注意するといいと思います。

材料

  • 豚挽肉・・100g
  • 長茄子・・4本
  • 新玉葱・・1/4個
  • 塩漬けザーサイ・・スライス2~3枚(30g)
  • 細葱・・3本

ジュレ

  • 鰹出汁・・150cc
  • 醤油・・30cc(大さじ2)
  • 味醂・・15cc(大さじ1)
  • 胡麻油・・5cc(小さじ1)
  • 粉末状ゼリー・・5g

作り方

  1. 鍋にたっぷりお湯を沸かし、1%の食塩(分量外)を加え、ヘタをつけたまま丸ごとの茄子を2~3分茹でる。茄子が表面にでないよう落し蓋をして、均一に熱がまわるようにする。
  2. 茹で上がった茄子をぼん笊に並べてバットなどの平らな面を当てて軽く重石をして(ボールに水を張るなどして)、冷ます。
  3. 小鍋に粉末ゼリーと胡麻油だけ除いたジュレの材料を一緒に火にかけ、45度くらい(お風呂の温度よりやや高め)になったら粉末ゼリーを加えて混ぜ合わせ、最後に胡麻油を加えて冷蔵庫で冷やし固める。
  4. ザーサイは、スライスのままたっぷりの水で約1時間塩抜きする。
  5. 食べる直前に、新玉葱とザーサイをみじん切りにして混ぜ合わせる。
  6. 固まったジュレを菜箸などでスクランブルして崩しておく。
  7. 茄子は縦半分に切り、一口大にそぎ切りして皿に綺麗に並べる。
  8. 5のザーサイと新玉葱を茄子全体にまぶし、ジュレをその上から回し掛け、最後に小さく小口に切った細葱を散らして気出来上がり♪

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2009-04-16

中華丼:「婚活とか愚考してみる」に愚考してみる

 今回はこのテーマですが、今回に限った事ではなく、常に「事実」に着眼点を持って、忠実にその本質を見極めるような力に引き込まれてしまうのです。極東ブログの「婚活とか愚考してみる」のエントリーでは、正にその力が活かされた結果だと感じます。
 「パラサイト・シングル」や「格差社会」という言葉の生みの親である山田昌弘先生が、今度は「婚活」(NHK金曜ドラマ「コンカツ・リカツ」の原作より)という言葉が誤解されて広まることに対しての懸念をエッセイに書かれたそうです。残念ですが私はまだ読んでいませんので、エントリーからその感じたままを率直に言いますと、finalventさんは、その懸念は的違いだと優しく指摘いるのです。
 このエッセイは、今月のVOICEに「婚活」というテーマで山田先生がこう書いていることに端を発しているようです。

 しかし、親と同居し、収入の高い人と結婚して専業主婦になる予定でキャリアを積まず、家事手伝いやアルバイトをしながら、親の年金に頼って生活している中年未婚女性の将来は暗い。

で、finalventさんの優しい突っ込みは、、

  だが、それは先の統計で男女半々とすると、その懸念に該当するのは、26万人くらいではないかな。社会動向として多いと言えるのだろうか。つまり、それは時代の趨勢というか変化のなかのライフスタイルの変化の許容のうちというだけといことはないのか。だとすると、そうした許容を社会不安にしないような社会設計(持ち家を担保にした年金とか)の問題ということではなのか、個人の婚活とかではなく。

と、括っている。
 私が、このエントリーをわざわざ取り上げたかった理由もこの下りにあります。自分を置き換えて語ることはできませんが、例えば私などです。結婚する予定もその気もなく、仕事が面白くて仕方がなかった頃、突然結婚に踏み切るにあたり、仕事が結婚にどう影響したかですが、全く別物でした。というか、今ほどキャリアーに拘るような時代でもなかったというか、個人的にそうだったということかもしれません。女性が自分のキャリアーで社会的に自立する問題と、結婚は本来は別だと、今は、切り離して考えられるようになったので、結婚が永久就職のようなことを言うのは、時代錯誤も甚だしいことです。山田先生の育った時代も私と同時代なので感じるのですが、元に結婚と社会設計をくっつけて言えるような時代でした。結婚=永久就職や、キャリアーを持つ=未婚、のようなことが平気で言えた時代です。今が違うのは、finalventさんが言うように、社会設計の問題が解決すると、人が生きるという問題が解決するので、結婚するかしないかの問題は別の事だとすっきり分けて考える事ができます。晩婚化、非婚化の直接の原因とは違います。と、私もそう思います。
 自分で生み出した言葉が、間違って広まる事を懸念するという一点にだけ言及するならば、偏ったところから分析して論理を発展されていること自体が、既に、自ら誤った広げ方を展開してしまうのではないかと心配申し上げます。「婚活」については、また別に思うところはありますが、その話題はまたの機会に。
 私は、このエントリーに触れて、世に名の通った方の書く物や語る事をどう読むかについて、警告のようなものを感じます。信じないで疑って、納得しないって、笑い話じゃなく、影響力のある人は、だからこそそれなりの自覚を持つべきというか。火の無い所に煙は立たないと言いますけど、かく言う私は、人のふり見て我ふり直せなのです。有名人でないだけに少し救われますけど。

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 昨日は、夕方近くにどたばたすることがあって、こういう時に打って付けの料理って「丼物」だと、誰かが言っていたのを思い出して、事もあろうか、作ったのが中華丼です。温かいご飯の上に海鮮八宝菜のような餡をタラーッとかけて頂くあれです。
作ってみたらとんでもない。品数そろえて準備してと、作業が膨大だという事が判明。冷凍の海老や烏賊を使用したのもその準備に入れてだと、一時間近く掛かったかもしれません。作業量の多い料理だったのですね。その分、大変美味しいというのも頷けます。
 料理店などでは、野菜は種別に切ってあって火力も強く、必要なもの全てが用意されているという前提で、手際よくできるのであって、家庭で作るとなるとそうは問屋が卸さないのです。ラーメンに似ていますね。スープから始まってチャーシュウに至るまでのようなものです。改めてお店のありがたさを感じます。

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 幸いにして、ガラスープ、冷凍の海老や烏賊があったのと、買い置きの野菜で間に合ったので、それらしくできたと言うものです。愚作かな。

材料(3人分)

  • 冷凍紋甲烏賊(モンゴウイカ)・・150g
  • 冷凍ブラックタイガー・・150g
  • 白菜・・3枚
  • 生椎茸・・3個
  • 玉葱・・1/2
  • ビーマン・・2個
  • 人参・・5cm(50g)
  • 生姜・・1片
  • ご飯・・適宜

合わせ調味料

  • 鶏がらスープ・・400cc
  • 塩・・小さじ1
  • 醤油・・大さじ1
  • 砂糖・・小さじ1
  • 片栗粉・・小さじ2(同量の水で溶いたもの)
  • 胡麻油・・小さじ1

作り方

  1. 冷凍の海老と烏賊を解凍して、海老は、背中に浅く包丁を入れて背腸を出しておく。
  2. 白菜は、白い部分は斜めに3cm幅にそぎ切りし、葉は3cm幅にざく切りする。
  3. 玉葱は、縦に4等分して櫛型に切り、生姜は千切りにする。
  4. 椎茸は薄めにスライスし、ピーマンは縦に一口大に切る。
  5. 解凍した烏賊は、3cm幅のそぎ切りにして、薄い部分に細かく切り込みを入れて味が絡むようにする。
  6. 人参は、縦に3等分し、薄くスライスする。
  7. 小さめのボールに胡麻油以外の調味料を混ぜ合わせてる。
  8. 大きめの鍋に炒め油大さじ1強(分量外)を熱し、海老と烏賊を最初に軽く炒め、7割方火を通したら一度取り出す。
  9. 残った油で強火で野菜を炒め、油が全体に絡んだら軽く塩・胡椒(分量外)し、野菜がしんなりしたら海老と烏賊を戻して一緒に炒め、最後に生姜を加える。
  10. 7の合わせ調味料を回しかけ、手早く混ぜ合わせたら2分ほど煮込んで、最後に胡麻油で香りをつけて出来上がり♪

最後に2分煮込むのがとろみを滑らかにするコツで、時間が経っても水っぽくなりません。

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2009-04-15

筍ご飯(秋田の姫筍と油揚げ)

P4130014  昨日は、嬉しい雨が朝から降ってくれました。日曜日に畑に蒔いたじゃが芋の種芋の水分が気になり始めていた矢先の雨です。神様の存在は、普段は全く信じていない私ですが、困った時の神頼みと、嬉しい時の「神の思し召し」の時だけ神様を思います。
 まだ真っ暗な夜明け前に、新聞配達の人達が一番忙しく働く時間帯ですが、ジョギングに出るようになってから、月の存在の有無や空気の湿り加減、風の向きなどから、その日の気温と天候が予想できるようになって来ました。かなり当たります。最初の頃は、雲の早さや風の向きを感じて自然を楽しむ程度でしたが、毎朝記録しているうちに、終日の天気と照らして癖のようなものを見分けられるようになりました。
P4130019  昨日でしたら、月が完全に雲に隠れて、しかも何処にその月が存在するのかさえわからないほど雲に覆われて、かなり雲が厚いと察知できます。また、地熱が温かく感じる割りに、顔に当たる空気はとても冷たく、何処からか湿った風が入ってきていると推測できます。雨が降る気配だと感じていましたら、三時間後には雨になりました。自分で天気予報をして、その予報が当たったか外れたかなどを楽しむのは、本当に一人の世界ですが、何となく毎日楽しみになっている事です。
 雨のお陰で、庭の水仙も満開となり、ご覧の通りです。この水仙は、今年大学一年の息子の高校入学時に、秋田でお世話になった知人の庭から記念に頂いてきたもので、毎年、株を大きくしながら綺麗に咲くようになりました。軒下の暗い場所にひっそり植えているクリスマスローズも、育てるのが難しいと言われていますが、時々様子を見る程度で何も世話をしないにもかかわらず、毎年着実に株を大きくしています。毎年の事ですが、一本だけ切って時々眺めては楽しんでいます。
 今日の料理は、揚げ物やお肉の料理が続いたので、ぐっと和食の献立にしました。
 先日封を切った、秋田の姫筍の缶詰の残り半分は、炊き込みご飯で最後を飾ることになりました。そうそう、この筍の煮物の感動を頂いた友人に伝えるために電話で話しましたら、今年も堀に行くのでまた送ると・・・、嬉しいです。催促のつもりではないけど催促になってしまったので恐縮なのですが、本心が黙っていられませんので、早速お礼など伝えて心待ちな気分になりました。

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 香りと食感がなんとも言えず美味しいのが姫筍ですから、いろいろ加えずにシンプルに炊き込みました。コクを持たせるために油揚げを加えるにとどめたのですが、切り方に注目です。いえ、切ったのではなく、バーミックスのスーパーグラインダー( =grinder研削盤)という付属の容器に油揚げを入れて、スイッチを入れるとガーッと一瞬にして細かく砕いてしまうという代物です。胡麻をすったり練り胡麻にしたり、炒り子を粉末にしたりできる優れものです。藻屑のように変貌した油揚げを一緒に炊き込むと、ご飯に良く混ざってふっくらとします。食感も気になりません。何となく油揚げの味を感じるけど、姿は何処にあるのかなぁと存在を確かめておきたくなります。その分、姫筍の存在が浮き彫りになるので、油揚げの脇役ぶりが良い感じになります。
 調味料はいつもと変わりなく、ご飯一合に対して大さじ1の淡口醤油と酒に、鰹出汁で炊き込みますが、順番があります。炊き込んだご飯よりもほんの少し濃い味を感じる程度に具を下煮しておきます。残った煮汁に出汁を足して、お米を炊く分量にし、土鍋でご飯だけ最初に炊き始めます。最初は、強火で炊き始めるのが流儀です。7~8分して吹いてきたら、吹き零れない程度の弱火にして7分ほど炊き、具をのぜます。その後、極小の火に落として5分ほど炊いて火を止め、蒸らします。強7~8分→中弱7分→具入れ→極小5分→蒸らし10分。という感じです。最初から具を上に乗せて炊く方法よりも、下煮した具の味が残るので、下煮の意味がはっきりします。

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 炊き込みご飯は人気があるので、翌日のお弁当のご飯の分も含めて、五合は炊きます。息子が持って行くランチジャーは特大で、約二合分のご飯が詰められますので、きっと喜ぶ事でしょう。

材料

  • お米・・5合
  • 姫筍(茹でたもの)・・150g
  • うす揚げ・・2枚
  • 土鍋(又は炊飯器)

調味料

  • 淡口醤油・・大さじ5
  • 酒・・大さじ5
  • 鰹出汁・・残った煮汁を含めてカップ5

作り方

  1. 鰹の出汁を取る。
  2. 米は、炊く30分以上前に研いでおく。
  3. お湯をたぎらせて、油揚げを30秒程茹でて、油抜きし、水気を良く絞ってバーミックスで撹拌して細かくする。
  4. 姫筍は3mm幅で、斜めにスライスする。
  5. 醤油、酒と同量の鰹出汁(150cc)を一緒に小鍋を火にかけ、3の油揚げと4の姫筍を5分煮て笊に上げ、煮汁をきる。
  6. 土鍋に2の米、5で残った煮汁と鰹出汁を足してカップ5にして加え、蓋をして強火にかける。
  7. 蒸気が吹いてきたら(7~8分後)火を弱め、吹き零れない程度の火加減にして7分炊く。
  8. 具を表面に広げるように乗せ、蓋をしてさらに極小の火加減にして5分炊き、火を止めて10分蒸らして出来上がり♪

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2009-04-14

豚ヒレ肉のフリッター:壇さん、大竹のまことちゃんを越える肉天とは:高校生が喜ぶヘルシーな肉料理

 学校が始まった途端に、息子が肉、肉って騒ぎます。部活が始まると帰宅も遅くなり、腹ペコだーっと帰ってくるのが日常の幸せというものでしょうか。
 子育ての話とまで、然程深い話でもありませんが、子どもが学校での不満を言った時、親はそれをどう聞いてどうするかという話をちょっと。
 私の正しいとするところを話して、世間を正すという意味ではありませんが、高校生ともなると、学校での事を話したがらなくなるとよく聞きます。逆に、親は聞いても対処できないか、口を出し過ぎる結果に終わるかのどちらかでしょうか。お腹を空かしたと言って帰宅するような時は、あまり心配の要らないようなケースだと思いますが。
 息子の通う学校は、ちょっと特殊な科もあって、男子が多い学校なのですが、今年から女子の入学者数に大変力を入れたそうで、今まで一割程度だった女子の数がぐっと増えたそうです。女子を受け入れて行かないと学校として生き残れないといった考えでもあったのか。で、今まで同好会だった女子のバレーとバスケットが、正式に部として誕生したそうです。朝連が始まるというので、始業式の翌日から張り切って早起きし、いつものように体育館に出向くと、女バレが練習を始めていて男バスは入れてもらえなかったというのです。学校長決定で、女バレには朝連も許可が出ていると聞いた男バスが、理由も告げられず放り出されたと言って、怒ったわけです。練習に燃えている訳は、六月の高体連如何では、引退となるか県大会進出となるかが掛かっているからです。
 男バスの怒りは、翌日からミーティング、異議申し立て、担当教諭との交渉へと発展し、帰宅が連日遅くなっています(練習はそっちのけで)。そして、この怒り心頭の全てが、私に向けられてくるのです。八つ当たりとは違って、興奮して愚痴が多くなります。不平等で、公平さのかけらもないというような学校側の突然の取り決めに対して、不満と苛立ちです。
 これを親は、どう聞いて何をするのかが問題です。学校の問題となると、親は直ぐに口を出すか、関知しないか、子どもに何と言ってやるかです。うちの場合は、「バスケット命」の息子なので、親に話してくる殆んどのことは、息子の窮地です。普通は、学校に連絡を取るような親もいて然りで、虐め問題の早期発見が騒がれた時も、高校生の揉め事に親が学校側と話を持つ必要性を散々言われましたし。何かと手遅れはいけないというのがかなりインプットされた感もあります。
 今回の場合でしたら、息子は不公平な扱いを受けているということと、学校にそれを認めてもらって、できることなら自分達の朝連も体育館使用の許可範囲に加えてほしいということなので、これを息子が自分の主張を間違っていないと信じるなら、本人が、学校にお願いするということだと思います。こういうことを民主的に解決するにはどうしたらいいかと、感情問題よりも、頭を使って欲しいと思います。親は、そう口添えするしかできません。捉え方としては、子どもが外の諸問題に対処できるよう、教え過ぎず、本人が解決策を生み出せるように話を聞くというスタンスでしょうか。うっかり首を突っ込むと、乗り越えてゆくチャンスを無駄にしてしまいます。小学校の高学年くらいになると、早い子はそういう芽も出ますが、この辺から子どもの育ちを見守れる親だと、子どもが段々周囲の事を気配りできたり、人とどう付き合うかの練習を積んで社会性が身に付き始めるのです。もっとも、親子が何気なく「今日の出来事」を軽く話せる環境にあることが基本です。一つ言うと、夕食時が一番のチャンスです。老婆心ながら、今の若いお母さん達に、経験から伝えておきたくなったので。

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Amazon Net Shop さて、冒頭で触れたお肉の料理です。今日は、先日鱈で作ったイギリスの正統派ファーストフードと言われるFish and Chipsと同様に、豚ヒレ肉のフリッターです。思い出したのですが、大竹まことさんは、「肉天」と称して、下味を付けた豚肉を天ぷらにして、水分の少ない肉の天ぷらは失敗が少ないと紹介していますし、壇一雄さんの壇流クッキングでは、卵白と片栗粉や白玉粉などを食材に対して上手く使い分けしたフリッターを紹介しています。
 さて、私は、先日作ったビールの衣で小麦の線がよろしいという結論に達していますので、この方法で作ります。今回はヒレ肉なので、肉の繊維に旨味を落ち着かせるために、下味の調味料Amazon Net Shopにオリーブオイルをちょっと加えます。この方法は、鶏肉の下味つけなどでも作ってきている通りです(鶏の胸肉のハーブ焼き)。ヒレ肉は、脂を殆んど含んでいない赤身にもかかわらず、肉質としては柔らかいのですが、繊維は太く、味がしみ込みにくいと思います。また、水分も少なく、まことちゃんの言うような失敗しない肉そのものです。これに逆らうようですが、下味付け調味料と、保湿の為の油を繊維に染み込ませます。1.5cmほどの厚めのスライスにもかかわらず、大変ジューシーで柔らかく、表面はカリカリに仕上がります。もっとも、揚げ過ぎに気をつけないと、せっかくの水分を油に取られてしまいます。
 また、壇さんの言うような白玉粉もいつか挑戦してみたいのですが、鶏のから揚げに少量入れて作った事があって、確かにカラッと揚がるのですが、ゴワゴワした食感が印象的でした。あれ、何とかしたいと考えています。

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 味付けは、塩、生姜、酒に隠し味のお砂糖を少し入れ、オリーブオイルで肉を軽く揉んで30分程漬け込みます。溶き卵とビールをボールで混ぜて、小麦粉を加えたらさっくりと混ぜ合わせた衣を作ります。豚肉にたっぷりつけて、180度の揚げ油で揚げます。直ぐにぷっかり浮いてきますが、激しい気泡が落ち着いて、音が一オクターブ高くなったら引き上げて油をきります。

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 しっかり下味が付いていますので、さっぱりするレモン汁やモルトヴィネガーをかけて、さっぱり感をプラスすると良いと思います。大変美味しくできました。

材料

  • 豚ヒレ肉・・500g
  • 付け合せの野菜・・適宜

下味付け調味料

  • 塩・・小さじ1
  • すり卸し生姜・・大さじ2
  • 酒・・大さじ2
  • オリーブオイル・・大さじ1

  • 小麦粉・・100g
  • 溶き卵・・大さじ2
  • 黒ビール・・120cc

作り方

  1. 生姜をすり卸して他の調味料と一緒にボールで混ぜる。
  2. 肉を1.5cmの厚さに切り揃える。
  3. 1の下味付け調味料に肉を漬け込み、味がしみ込むように軽く揉んで最低30分、冷蔵庫で寝かす。
  4. 揚げ油の温度を上げる間に、付け合せの野菜などを直ぐに食べられるように準備しておく。
  5. ボールに溶き卵、ビールを加えたら小麦粉をさっくり混ぜ合わせる。
  6. 油の温度が180度に達したら5の衣に3の肉をたっぷりつけて、一枚だけ揚げてみる。
  7. 直ぐに肉が浮かんで来るのを確かめて、二個目、三個目と続けて投入する。
  8. 鍋の表面積の1/2~2/3位まで揚げ物を入れて、引き上げたら次を投入する。
  9. 油を切って、皿に盛り付けたら召し上がれ♪


 家庭で揚げ物をするのに、IHのように温度を一定に保てる熱源がありますから、利器を使いこなす事が重要です。一般的には、揚げ油の温度が下がると揚げ物が油を吸うので重くなります。適正温度で揚げれば、からっと軽く揚がるのは言うまでもありません。

Gmail画像直接貼り付けと95点の豚のフリッター  ulalaさんちの夕ご飯

画像をクリックすると、ulalaさんのページにジャンプします。

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2009-04-13

香辛料だけで作るホワイトチキンカレー

 昨日は、素晴らしい天気に恵まれて、畑をするには良過ぎたのですが、痺れを切らしてとうとう玉葱の植え替えと、じゃが芋の種芋を蒔いて来ました。本当は、雨が降ったあと、土に水分が多い時の方が発芽し易く、環境的には好ましいのですが、その代わりに近くの小川まで水を汲みに何度か往復して水やりをしました。ちょっと腕が筋肉痛で、凄く働いた一日でした。
 二週間前に蒔いたほうれん草と小松菜の芽が、きちんと一列に可愛い芽を出していて、ホッとしました。蒔いた翌日も、その翌日も霜が降りて、朝はマイナス四度前後を記録していましたので、内心ダメかと思っていただけに嬉しかったです。自信もつきました。大丈夫だと、一番の太鼓判を押されたえんどうの芽はまだのようです。
 結局、畑に蒔いた種の芽に遭遇して、とても勇気をもらったものですから次の物を蒔く気になったというものですし、水汲みもせっせと精が出たというものです。育てる楽しみというのは、こういうことを言うのですね。子ども達の成長も、作物の成長と同じように見る目があの当時あったら、きっと素晴らしく元気で楽しいお母さんだったに違いありません。

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 暑くなると食べたくなるのがカレーライスでしょう。息子が、食べたがるのも無理はなくて、最後に作ったのはいつだったか忘れるというくらい、遠い前の事でした。
 ホワイトカレーって、何年か前に突然ブームのようにやってきたのを覚えています(参照驚き!Wikiさんにあった!)。クリームシチューのように見えて、食べてみるとカレーという、あれです。市販のカレー粉やカレールーの力を借りてカレーを作っていると、黄色くないカレーって不思議という事になるのか、カレーは黄色いと決めているからか、白いカレーをどうやって作るのか不思議みたいです。でも、出来合いのカレーの「素」を一切使用せずにカレーは本来作るので、というか本場ではそうなので、白だって緑だって赤だってできます。黄色のカレー粉の色はターメリックですし、緑はほうれん草、赤はパプリカと言った具合です。では白は?白は牛乳です。ホワイトシチューをつくるためのベシャメルソースを最後に加えてとろみが付けばホワイトカレーですって。

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 では、作ってみる事にしましょう。「ホワイトカレーの素」は使いません。
 材料は、カレー作るための定番の香辛料と、玉葱の甘さにバターの風味と牛乳があればとりあえずオーケーかな。お肉は、豚でも鶏でも良いと思うのだけど、骨から適度なコクが期待できる鶏の手羽元。食べやすいように骨の内側の薄い皮に包丁を入れて開きます(先日、手羽元の照り焼きで捌いたように☛)。
 手順は、鶏肉を皮目から焼いて軽く焼き色をつけ、余分な脂を出します。取り出したら同じ鍋で、クミンシードとローレルを香ばしく炒め、玉葱のみじん切りを加えます。玉葱が半分の量になるくらいまで炒めます。もっと炒めて狐色になるまで炒めると凄く甘くなりますが、ホワイトカレーが目的なので、今回はそこまで炒めません。ここに水を加え、鶏肉を戻して煮立ってきたら火を弱め、10分程煮込んで灰汁と油を掬い取ります。別の鍋に作ったベシャメルソースと、残った香辛料を加えたら10分ほど煮込んで出来上がりです。ホワイトソースで仕上げるので、にんにくや生姜、トマトなどは加えませんが、作り方の手順は殆んど同じなので、スリランカのカレーレシピを見てください。

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 カレーライスでは定番の人参とじゃが芋は一緒に煮込まずに、別に茹でて、火を通してから同じお皿に盛り付けます。じゃが芋は、丁度新じゃが芋の小芋が出ていて、この小芋のねっとり感と甘さが美味しいので洗って皮を剥かずに丸のまま茹でて付け合せました。
 スロークッカーで作るとしたら、今までの経験から推測するとですが、できると思います。鶏肉を焼いて、香辛料、櫛型に切った玉葱と人参やじゃが芋と一緒にホワイトソースと水を加えて「4時間」の「弱」で、できると思います。スロークッカーでは、野菜の形は原型のまま残るので、玉葱をみじん切りにするよりも、大きく切った方が味わえるのではないかと思います。機会があったらこのレシピで作ってみたいと思います。
 味付けは塩だけでしたが、野菜と鶏肉の旨味がスープに染み出ているのでコンソメなどの力は不要だと思います。美味しくできました。

材料(5~6人分)

  • 鶏の手羽元・・800g
  • 玉葱・・大2個(500g)
  • 塩・・大さじ2
  • 胡椒・・小さじ1
  • クミンシード・・小さじ1/2
  • ローレル・・1枚
  • コリアンダー・・小さじ1/2
  • ナツメグ・・小さじ1/2
  • シナモン・・小さじ1/3
  • カルダモン・・小さじ1/3
  • 水・・900cc
  • 炒め油・・大さじ1
  • 鷹の爪・・1個

ベシャメルソースの材料

  • 小麦粉・・大さじ3
  • バター・・30g
  • 牛乳300cc 

付け合せ野菜

  • 人参・・3本
  • 新じゃが芋の小芋・・500g
  • アスパラガス
  • トマト

作り方

  1. 香辛料を全て用意する。
  2. 玉葱を見人気切りにする。手羽元の内側の薄皮の方に縦に包丁で切れ目を入れ、骨から身を離して開く。
  3. 深めの平鍋に炒め油を引いて、鶏肉の皮目を下にして軽く焼き色が付くまで焼いたら裏返して完全に火を通し、一度引き上げる。
  4. 同じ鍋でコリアンダーとローレルを焦がさないように煎って、香りを油に移し玉葱のみじん切りを炒める。
  5. 玉葱の量が半分くらいなるまで炒めたら、鶏肉と水を加えて沸騰したら火を弱めて10分程煮込む。途中、灰汁や油をよく掬う。
  6. 別の鍋にバターを溶かし、小麦を炒めて一度火を止める。
  7. 牛乳(冷たいまま)を少しずつ注ぎ入れて木ベラなどでよく混ぜ、小麦粉がダマにならないようにのばす。
  8. 牛乳を100ccくらい混ぜたところで鍋を弱火にかけ、さらに牛乳を加えながら木ベラでひたすら混ぜて滑らかなソースを作る。
  9. 5に出来上がったベシャメルソースを加え、一度火を止めて、ゆっくりソースが馴染むように温度下げる。
  10. 同時進行で、洗った人参とじゃが芋を丸ごと芯に火が通るまで茹でる。
  11. 9のベシャメルソースが全体に広がったら弱火で加熱し、混ぜ合わせて全体にとろみを広げ、種を取り出した鷹の爪を加えて10ほど煮込む。
  12. 付け合せのアスパラとトマトを切って用意し、出来上がったホワイトカレーとご飯を皿に盛り合わせて召し上がれ♪

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2009-04-12

真鰯(マイワシ)の丸揚げ

 昨日は、東京の娘と息子が一緒に住むアパートの引越しでした。全て娘が段取りをして、一度は泣きを見ることもあったのですが、とうとう一人でやり遂げたと言う感慨も深く、引越しの日を迎えて満足げでもありました。
 当初から手伝う必要はないと言っていましたが、新しく引っ越す先では不用な物が出たと言うので、引き取りに急遽の出動となったのですが、お花見がてらちょうどいいなと、ほくそ笑んでしまいました。
 諏訪の桜は、三分咲きから五分咲きと言ったころでしたが、夕方帰宅する頃にはさらに色を付けて、もう少しで満開といったところまで一日で開花してしまったようです。途中の甲府では既に満開で、東京の府中では、花吹雪でした。花が終わる頃、新芽が出て少し花が残っているくらいの桜も涼しげで綺麗なものです。荷物を引き取って来ただけでしたが、往復の道のりは桜を楽しみながらのいいドライブでした。

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 今日の料理は、久しぶりの真鰯(マイワシ)のから揚げです。どちらかと言うと素揚げに近いのですが、油は鰯が半身浸る程度の分量です。
 実は、真鰯はとても久しぶりなのです。旬と言えば、夏から冬にかけて脂が乗って大変美味しくなる時期ですが、昨年の秋口にも姿を見せず、懐かしいと感じるほど手の届きにくい魚になってきたのでしょうか。特に、昨年は輸送費の高騰で、一時期市場がパニック状態だったこともあります。漁船が漁に出ない日が続いたと言う事もありましたね。現在は、値下げの傾向になってきていますので、あの高値を付けたガソリンが嘘のようです。
 また、これと関係なく、鯨の食べ物になっているからという理由で収獲量が減ったのでしょうか。こういうことがとても気になるのですよ。庶民の食べ物の代名詞のような秋刀魚や鯵、鰯などが段々消えてゆくのかと思うと、とても寂しく思います。以前でしたら、揚げ物にするにしても頭などはスポンと落として、綺麗さっぱりと身だけにして食べやすくしていましたが、今は何となく勿体無くて、鰯も高級魚扱いの尾頭付きです。

P4090032

 捌き方ですが、鱗を落とすだけで特にありませんが、内蔵の取り出し方は「壷抜き」(参考☛)にします。以前にも説明しましたが、ここでもう一度。割り箸や竹箸のような表面がツルツルしていないお箸を用意します。お箸を持たない方の手の人差し指と親指で鰯の口を広げて持ちます。箸を一本利き手に持って口から注し込み、エラを内側に、エラ蓋に沿わせるようにそのまま腹の中に差し込みます。反対側のエラも同じように残っている箸を注し込み、箸でエラ、内臓をすっぽり挟んだ感じに持ったら、捻りを入れながら引き抜きます。エラが口元から外れる時だけ、少し力を加えてしっかり箸を持つようにしますが、あとは簡単に綺麗に内臓が取り出せます。鰯の腹は、身が崩れやすいのが特徴ですが、この方法だと無傷で綺麗な出来栄えになります。
 すりおろした生姜と酒、醤油に漬け込んで下味をつけたら、小麦粉を軽くまぶして揚げ焼きします。
 久しぶりの鰯が嬉しいというだけでも、ひどく満足でしたが、意外に脂が乗った鰯でちょっと驚きでした。まあ、最近の自然環境の変化に伴って、食材の旬もよくわからなくなってきました。難しいです。

材料

  • 真いわし・・5尾
  • 小麦粉・・適宜
  • 揚げ油・・カップ1/2
  • 付け合せの野菜

漬け込み用調味料

  • すり卸した生姜・・1片
  • 酒・・大さじ2
  • 濃い口醤油・・大さじ2

作り方

  1. 漬け込み用の調味料をバットで合わせる。
  2. 鰯の口から箸を差し込んでエラと内臓を挟んで捻りながら引き抜き、内臓を綺麗に洗ったら調味料に漬け込む。
  3. 揚げ油を深めの厚手鍋に引いて、中火で加熱して温度を上げる。
  4. 鰯に小麦粉を軽くまぶす。
  5. 最初、盛り付ける側を下にして色よく揚げ、裏返して完全に火を通したら油を切って出来上がり♪

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2009-04-11

手羽元の開きで焼き鳥(みたらし):ブログの人気って?

 あるきっかけで、人からブロガーとして質問を受けました。その内容は、私自身何度も自問自答してきた事で、たまたま違った角度から問われたと感じた事です。もう一度振り返って、少し書いておこうかと思います。
 「どうして「レシピブログ」に参加しないのか」と、問われたのですが、登録は今でも健在です。こうやって二度引越しをしても、スタイルを変えて登録は継続しています。質問者は、私のブログのエントリーにレシピブログのバナーが貼っていない事で、参加していないと思ったようです。それというのも、参加して、自分のブログのランキングが上位になる事が人気度に繋がり、認知度も高くなるというのが道理だからでしょう。
Cache_wwwrecipeblogjp  ここで、何の話をしているのかですが、「レシピブログ」という名称の、ブロガーが登録して、自分の更新エントリーを紹介してもらうサービス(ポータルサイト)です。他にも沢山ありますが、ここが最大手でしょうか。メリットは、ここに登録することで、自分のブログを多くの人に知らせ、訪問してもらう為に広告してもらう訳です。また、ここでのランキングを上位にすることで、より多くの人の目にとまるよう、自分のエントリーなどに右上の画像のようなバナーを貼り付けて、クリックするとその数もランキングに反映されるという方式をとっています。
 このバナーを貼って自分のランキングを上げる事は、普通に考えると、自分のブログの「人気度」「認知度」を知る手立てとなるのだと思うので、レシピブログを腐すわけではけしてありません。ただ、私にはそういった考えがありません、と言いたいだけです。
 ブログを始めたころは、せっかくの公開だし、人に見てもらってこそかなという理由でレシピブログに参加し、今でもそれは変わりませんが、バナーをエントリーに貼り付けるという事はしません。貼り付ける事に抵抗はあったのですが、最初の頃はそれがはっきりとわかりませんでした。何度か自問自答しているうちに、率直に言うと、自分がランキングに興味があるということを読者に知らせているに過ぎないと思ったからです。で、じゃー、私はそのランキングということに興味があるかと問うと、全く無しです。人の評価というのは気になりますが、ランキング自体は、それとは意味合いが違うものです。
 自分の心にないことを何故しようとしたか、それは、ポータルサイトに乗っかってしまったらその流れで、というだけの話です。でも、ここでよく考えるべきは、読み手になにが伝わるかです。一般的な言い方をすると、ブログを楽しみに訪れた方が、「クリックしてね」と、運営者が訪問者を当てにしてしまうと、興醒め(きょうざめ)すると思います。私は、読み手には、あくまでも自分が書いている内容を読んでしいので、その評価としてバナーをクリックしてねとはよう言わんと申しますか。(この辺の感覚は、若い人には伝わらないかもしれません。)読んで貰える事と、できれば日々の献立のお役に立てることが願わくばと、あえて言うならそういう気持ちだけです。こういう気持ちで、毎日書き続けているのは不器用者なのかもしれませんが、心は豊かと申しますか。
 finalvent氏も言っていますが、

山本七平の言葉 

AmazonNetShop人間はカネにならんことを一生懸命やっている限り堕落しないと私は信じているのだ。

しかし、このカネにならない仕事を長期間継続することは、相当の決心と持続力がいる。問題は「餓え」より安易につきたがる心情だろう。

私は常に楽観的なのだ。いずれ人びとはそれに気づき、自らを少しでも貧しくするため、「金にならないことは何でも」一心に行い、それで心の空白を満たすようになるだろうと思う。それは根拠なきことではない。江戸時代にはそういう人はいくらでもいたのだ。

この言葉が励みと言えばそうですが、言葉を励みとするのではなく、この言葉を感じる自分の心が正直で本心で、これを裏切るような自分は、きっと許せなくなるでしょう。そういう類の事で、これが生き様というか。人が私の呟きをどこかで読んでくれて、結果何かのお役に立つのであれば、それが私の喜びなのです。金じゃ買えないものなのです。そういうところからこのブログは続いていますから、ランキング云々のような世俗的なことは、私からは非常に遠いのです。
 影で私を応援してくださる方の存在を感じつつ、自惚れない自分でありたいと思いました。

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 さてと、今日の料理は手羽元の照り焼き風です。実際、タレを付けて焼くわけではなく、片栗粉でとろみを付けたタレを焼きあがった手羽元にたっぷりと付けて頂きます。
 鶏肉の足の先の関節部分ですから、しっかりとした骨で、周囲の肉は筋肉質です。もも肉を広げた時に、筋の多い方がここの部分です。骨付きは美味しいのですが、食べにくいからあまり売れないのだと肉屋さんから聞いた事があります。好きな人は、骨を持ってガブリと噛り付くのが美味しいのだと言います。私も食べやすくするために様々な工夫を凝らしてきました。「手羽元と豚挽き肉のコンビネーションロースト」なんて、大変美味しかったですが、あれよりももう少し肉を骨からはずして、骨付きの開きにします。軽く塩と胡椒をして、小麦粉を両面に軽くパラパラと振りかけて焼きます。ここまで来ると、かなり料理が簡素化した感じですが、焼き上がりに「みたらし」をたっぷり刷毛で塗ったら完成です。
 ところで、軽く小麦粉を振るというのは、言うほど簡単ではなく、なかなか難しいものがあると感じます。粉がサラサラしていないのでそれもそのはずですが、私は使わなくなった市販の胡椒などの蓋つきの瓶に、小麦粉を詰めて利用しています。これがとても使い心地がよいです。で、肉に軽く小麦粉が振ってあると、肉汁が流れ出てきませんから、美味しさに違いが出ます。軽く振るだけです。小麦粉をまぶしてしまうと、ちょっと重くなる感じがあるので、場合に寄りけりだと思います。

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 みたらしの作り方ですが、これこそ好みです。分量は参考までということで、味見をして砂糖と醤油の量で調節します。基本的には、鰹出汁を煮立てて、砂糖、酒、醤油を加え、味が調ったら片栗粉を同量の水で溶いて加えます。鍋を回しながら菜箸でよくかき混ぜます。とろみは直ぐにつきますが、ここで2分ほど弱い火で煮ます。これが片栗粉のとろみが滑らかになるコツです。片栗粉の分子がよく結びつくのだそうです。
 自分の配合で「割り下」を作り置きの調味料としていますので、これを鰹出汁と同量加えるだけでも簡単にできますし、煮物や炒め物、炒り煮などに一度で味付けができる優れものです。
 出来上がりは、串に刺していない焼き鳥といったところですが、大変美味しいです。暑くなってきてビールが美味しくなりますね。お供にどうぞ。

材料

  • 鶏手羽元・・10本
  • 塩・胡椒・・適宜
  • 小麦粉・・適宜

みたらし(割り下の分量の換算比です)

  • 鰹出汁・・50cc
  • 醤油・・25cc
  • 味醂・・25cc
  • 砂糖・・12.5g(大さじ1弱)
  • 片栗粉・・小さじ1/2(+同量の水)

※ 割り下のストックがない場合の分量です。割り下のレシピ☛

作り方

  1. 手羽元の皮の薄い方(足の内側部分)を上にしてまな板に置き、骨に包丁を当てて縦に切り目を入れ、身を開く。(上下の関節部分の身は、丁寧に包丁を入れて切り離す。
  2. 塩と胡椒を軽く振って、焼く直前に小麦粉を振る。
  3. 小鍋に片栗粉以外のみたらしの調味料を入れて煮立たせ、味を整えたら水溶き片栗粉でとろみを付け、2分弱火で煮て火から下ろす。
  4. テフロンのフライパンを中火にかけ、直ぐに2の肉の皮目を下にして、時々場所を変えながら焼き色がつくまで焼いたら裏返す。
  5. 中まで完全に火が通ったら取り出して刷毛でみたらしを付けて出来上がり♪

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2009-04-10

茎若布の佃煮:春のこの時期ならでは

 すっかり春めいてきた諏訪です。一方、東京地方では初夏の陽気だと聞いて、先週息子の大学の入学式で満開だった桜のことを思っていました。
 当地の桜はといいますと、とっても開花にばらつきのある土地柄と言いますか、高原での標高差の100mというものがどれほど違うかというのを、花の開花が正直に物語っています。ジョギングで訪れる立石公園では、本当に小さな蕾で、遠目に見ると、枝全体が赤く色づいているだけですが、諏訪湖半の日当たりの良いところでは3分から5分咲きです。まあ、開花の違いを追いかけて歩くのも楽しいものです。
 それと、今年は異常なほど「ユスリカ(ウンカ)」が多く発生している感じがします。理由はよくわかりませんが、諏訪湖半の道路や壁の色が変わるほどです。私の住む場所は、湖畔から2kmほど離れた少し高台にあり、例年なら、オオユスリカはさほど飛んでこないのですが、今年はかなり多く見かけます。
 昔のことを思い出したのですが、東京から始めてこの土地に来て、ホテルに泊まった時、暑いので窓を開けて外出から戻ったら、部屋に大きな蚊の大群がいて、フロントに緊急電話したところ、逆に「窓は開けないでください。」と注意を受けたことがありましたっけ。窓の横に「解放厳禁」の大きな張り紙があったのに、逆に大き過ぎて目に入らなかった程でしたが、他所から来た人は誰でも驚くのは間違えなしです。こんなところでオオユスリカの自慢をしてもなんですが、来諏の折には、お気をつけくださいね。

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 さて、この春を待っているのが、若布です。魚屋さんに行くと、必ず「生若布」の出物が目に入ります。青々とした鮮やかな色に釣られて、つい衝動的に買いたくなります。昨日の姫筍と一緒に「若筍煮」もよかったなと、内心、後悔の念が過ぎりましたが、今日は、変わったところで、若布の茎の太い軸の部分だけを買ってきました。お惣菜などに良くある佃煮の再現をしたくて、お醤油で甘辛く煮てみようかと思います。あの独特の甘さは、あれはお砂糖甘い感じですが、毒々しいともいえるほど甘辛く、これがまた憎いほどご飯によく合いますね。あれです。あれを作ってみたくなったのです。以前、煮物を作るのにそう言えば使ったことがあったっけなと、これです
 当然、作る前からわかっていることですが、買ったものの色は、食紅の緑を入れているはずです。家で作る時は加えませんから、そこでこの料理の課題になるのは、若布の鮮やかな色を出来るだけ残すにはどうしたらよいかです。長く火にかけなければ残せるのですが、長く煮ないと佃煮になりません。今回の出来栄えも、大して素晴らしい色だとは思えませんが、これでも最小限の加熱に抑えたと思います。
 まず、出汁と調味料を合わせて鍋で煮つめます。最終的には、蜂蜜よりも少しゆるい程度の粘りに仕上げました。塩蔵の茎若布は、塩を抜く為にしばらく水に浸して塩抜きします。薄くスライスして味見をして、塩気がなくなっていたら水から上げます。次に、全て1mmの厚さにスライスします。これを最初に作っておいたタレと一緒に煮ます。中火で約10分程で煮汁が無くなってきますが、色を残すためにフーフーと、息を吹きかけながら混ぜて、全体に空気を当てます。煮汁がすっかり無くなったら出来上がりです。

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 簡単に作れますが、色は期待したほど鮮やかではありませんね。でも、味はというと、鰹出汁の風味と醤油の香りが若布の磯の香りと一緒になって、ご飯が美味しくなりました。できれば、ここに紫蘇の実の塩漬けなどがあれば、塩抜きして加えるとベストです。
 昔、私が確か高校生で、お弁当だった頃、この若布の茎の佃煮を入れて欲しくて母に頼んだら、毒々しい色だからと嫌がって買って貰えませんでした。今はその気持ちが分かるのでこうして自分で作る気になるのですが、結構、執着していますよね、私。だって、美味しいんですもの。

材料

  • 若布の茎の塩漬け(一番太い部分)・・300g
  • 鰹出汁・・大さじ3
  • 砂糖・・大さじ4
  • 淡口醤油・・大さじ1
  • 酒・・大さじ1

作り方

  1. 茎若布をたっぷりの水に浸して、塩気を抜く。
  2. 調味料を小鍋に取り中火で煮詰めて(約10分)、蜂蜜よりもやや緩い程度の飴状のタレを作る。
  3. 1の茎若布の水気をふき取り、1mmのスライスに切ったら2のタレと一緒に中火でかき混ぜながら煮る。
  4. フーフー息を吹きかけながら空気を当てて、煮汁が無くなるまで煮詰めたら出来上がり♪

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2009-04-09

秋田の姫筍と里芋の味噌和え:結婚おめでとう

 ネットの仲間だからネットでお知らせ?ってわけでもないのですが、少し驚きも含めてちょっと。
 私が、ここに引っ越してくる前に住んでいたはてな村の住人さんで、同じ長野県に住む娘さんから、昨日結婚の知らせを頂きました。いつだったか、finalventさん繋がりで私のブログにも訪ねてこられたことから知り合ったのです。その後、Twitterでも交流があって、家も同じ県内と近いので、いつか逢おうねとそんな話になっていた彼女から、突然の知らせで驚きました。
 私は、昨年の秋口から息子の転学の件やもろもろで忙しくなってから、Twitterから離れがちで、現在は殆ど姿を消したような状態になっていますので、彼女とも勿論、長いこと音信が途絶えていました。で、何に驚いたかといいますと、彼女が彼と知り合うよりも多分半年以上前に、私は彼に会っていたのでした。それもひょんな事で、埼玉県の春日部にある、「地下神殿」見学ツアーの計画に乗って、ネット上の希望者数名と一緒に行った時でした。その数名の中の一人だったのです。これが驚きというか奇遇だったのです。この二人が知り合うきっかけとなったのは、結局その後のTwitterだったのです。すごいですね、ネットも。しかも今流行のスピード婚です。
 私は、パソコン通信といわれる時代の前からコンピューターを使っていますが、ここ数年で、急激にブログ(weblog=ウェブ上の記録)が流行りだしてから、増殖を繰り返す細胞のような勢いでネット人口も増えてしまって、その勢いについて行けないと感じています。というのは、Net上での人間関係が、最近では犯罪の手段や、そのきっかけを作る為になったり、全く罪もない善人が不特定多数の書き込みによって、傷ついたり、自殺に追い込まれたりするツールにもなっています。Net上で知らない者同士が、徒党を組んで一人の善人を徹底的に潰すというような悪が横行する場でもあるのです。「思ったことを書いたのがいけなかったのか」などと、ボケたことを言う大人もいます。他人に対して思ったことだからと、何を言ってもいいなどとは、リアルでもしないことです(そんな事当たり前)。でも、いい意味で男女が知り合い、思ったことを交わすからこのようなカップルも誕生するわけで、捨てたものではないですね。ネットのそういう面、侮れません。
 賢い娘さんなので、きっと彼とはTwitterで充分な意思の疎通をし、本当に会ってみたい気持ちが熟した形でこのようなおめでたい運びになったのでしょう。お幸せにね。
 ついでのことで何ですが、娘から、彼氏が出来たという報告を昨日受けました。なんですか、七歳年上だそうです。四年ほど前から知っている人物で、当時から特に恋愛感情は無かったそうですが、相手の方から申し出があったそうです。良いんじゃないでしょうかね。年頃の娘に彼がいてもちっともおかしくないですし、全く正常だと思います。草食系男子でない事だけは確かでしょうし。それと、これははっきりと断言できませんが、女は男性から惚れられた方が幸せです。そして、男性は「自分の好きな女性から選ばれたのだ」という自負を持っていると、相思相愛というおめでたい事になるのではないかな?半分以上は、運命的なものでしょうけど。これが逆になると、性差というものの道理から外れてしまうので、非常に苦しい関係になり易く、背負うものも大きいです。とだけ今は言っておきます。
 おめでたいのだか何だかよくわかりませんが、自分が育てた娘が選んだ相手なのですから、娘を信じて、親がとやかく言うのだけは止めにして、娘の応援をしてあげたいと思います。
P4080002  さてと、このようなおめでたい日に因んでというのも変ですが、いい意味で、何かにかこつけてではないと開けられないというのが、秋田の友人から頂いた姫筍の缶詰です。特別な缶詰で、友人が自分で掘った筍をその場で茹でて缶詰にしたそうです。ご存知でしょうけど、筍は掘った直後が美味しいのです。時間が経つと灰汁が回ってきて、風味も食感も薄らいでしまいます。
 この缶詰は、昨年頂いたので丸一年前のシーズンパックというわけです。因みに消費期限は23年になっています。いつ封を切ろうかと、そのチャンスをうかがっていたのですが、なんですか昨日はおめでたい事が重なったので、思い切ることができました。そうそう、長野県のお布施というところで採れる「根曲がり筍」というのが見た感じとても似ています。秋田で姫筍と呼ばれているだけで、もしかしたら同一の物なのかもしれないと思ったのですが、調べる手立てが無いので保留にしています。どうなんでしょうね。

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 歯ごたえがあって、それだけで味わいたい筍ですから、あまり味付けを濃くしないで薄い出汁で煮て、里芋の甘味噌和えと一緒に頂きました。非常にシンプルですが、里芋の食感と対照的な筍の食感で一つずつ味わっているうちに、あっという間になくなってしまいました。

材料

  • 里芋・・600g
  • 姫筍・・150g
  • 鰹出汁・・400cc
  • 淡口醤油・・大さじ1
  • 酒・・大さじ1

里芋の味噌

  • 信州味噌(3年熟成)・・大さじ2
  • 酒・・大さじ2
  • 砂糖・・大さじ3

作り方

  1. 里芋は、泥と表面の繊維を綺麗に洗い流す。
  2. 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、1の里芋を入れて再沸騰したら5分茹でて冷水で冷ます。
  3. 里芋の皮を剥いて、分量の鰹出汁から300cc取って竹串がスッと通るまで煮る。
  4. 別の鍋で残りの鰹出汁と酒、醤油で姫筍を10分ほど煮て、そのまま冷まして味を含ませる。
  5. 鍋に味噌、酒、砂糖を一緒にして火にかけ、ふつふつと煮えてきたら、混ぜながら空気を含ませて照りを出す。
  6. 5の味噌に3の里芋を入れて味噌を良く絡めて火から下ろし、姫筍と一緒に盛り付ける♪

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2009-04-08

葱三昧な献立:葱と鶏肉の鍋うどん・焼き葱の蟹玉とじ

P4070003 今日は葱の切り方で気づいた事についてです。
 この地方では、春の今頃は、地元産の葱は殆ど出回らなくなります。かろうじて食べられるのは、昨年収穫したものを腐らないように表面だけ乾燥させて保存したものか、畑に植えっぱなしでそのままにしてあったものです。生の強い葱は、根が付いているとどのように保存しても、春になると薹が立ってきます。そのうち花が咲いて種ができたら、次の年の準備にかかるという訳です。
 先日、岐阜の友人が、自分の畑から抜いてきた葱を持ってきてくれたので、さっさと食べなくてはと思っていた矢先ですが、ご覧の通り、蕾が付いています。AmazonNetShopそんな訳で、今日は葱三昧な夕食となったのです。
 長葱を大きく切って料理する時、今まで私は、斜めに細長く切って、縦方向の繊維を出来るだけ短くなるようにして、食べ易くしていました。この切り方が一番良いと思い込んでいたのです。ところが、ぶつ切りにして斜めに包丁目を入れるだけという方法を知ってから、その食感が、今までに味わった事のない柔らかさと食べやすさなのに驚きでした。
 暇な時に目の保養にと買ったこの本ですが、写真が美しくため息が出るような綺麗なお料理が満載の野崎洋光さんの「野菜料理」という本があります。真似て作ろうというよりも、眺めて楽しみたいと思って買った本ですが、この本の中の葱料理のところで発見した切り方です。初めに断っておきますが、レシピは掲載されていても、切り方や作り方に関して殆ど詳しい説明の無い本です。画像で見て、いろいろ想像を働かせないと、味が浮かんで来ない感じの本です。まあ、だから楽しいのですけどね。で、葱の切り方に目が止まってから一度やってみたいとは思っていたので、今回はそれを試す丁度良い機会になったのです。

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 本書では「ねぎま鍋」と称して、葱と鮪の尻尾の部分を使った煮物風です。分量を見ると、かなり濃い目の味付けなので、私はうどん用の下地にして、勿論鮪の尻尾部分はありませんから、鶏のもも肉を湯通して、葱と一緒に軽く煮てみました。

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 それと、私の大好きな「焼き葱の炒り卵絡め」を蟹玉風に卵と蟹でとじてみました。蟹は、頂き物の缶詰のです。こういう時、自分では缶詰はあまり買い置きしませんから助かります。それに、ある程度の味が付いているので、そのままでも充分ですが、どちらかというと甘いので、焼いた葱の方に醤油を少し効かせて、バランスを取ります。卵に焼き色が付いたように見えますが、これは、葱に味付けした醤油がフライパンから卵に移ったもので、これが香ばしい美味しさの元になっています。
 うどんをつけ麺で頂くその器に、ゴロンと大きな葱が横たわっているのは豪快です。で、一見蟹玉のような炒り卵から、大振りの葱が現れるのは、ちょっと驚きかもしれませんね。本当に柔らかくて、それでいて食べやすいのです。ぶつ切りにした葱に包丁目を何本か入れただけなのに、こうも食感を変えるというのは不思議なものです。
 長年家庭料理を作ってきて、このような気づきに触れると、如何にマンネリに陥っていたかと思い知らされます。プロの料理人で、本を出版するほどの腕前になると、日々の料理に対する姿勢が只者ではないのだと想像します。ほんの些細な切り方が、どれ程の感動を人に与えるかと思います。この切り方に惚れ惚れです。

材料(うどんの下地)

  • 鶏もも肉・・1枚
  • 長葱・・2本
  • 鰹出汁・・500cc
  • 濃い口醤油・・100cc
  • 酒・・100cc
  • (5:1:1)
  • 稲庭うどん・・320g(2袋)

蟹玉

  • 卵・・3個
  • 蟹缶・・1個(110g)
  • 牛乳・・大さじ2
  • 塩・胡椒・・少々
  • 胡麻油・・小さじ1/2
  • 油・・大さじ1

焼き葱

  • 長葱・・2本
  • 酒・・大さじ1
  • 醤油・・小さじ2
  • 油・・少々

うどんの作り方

  1. 鶏のもも肉の余分な脂を取り除き一口大に切る。
  2. 1リットルほどのお湯をたぎらせて、肉の表面が白濁するまで軽く下茹でし、笊にあげて水気を切っておく。
  3. 葱の太い軸の部分を5cmの長さに切り揃え、横にして斜めに包丁目を浅く5~6本入れ、裏返して同じように包丁目を入れる。
  4. 鰹出汁に分量の醤油と酒を加えて火にかけ、沸騰したら3の葱の半量と2のもも肉を加えて一煮立ちさせる。
  5. お湯を沸かしてうどんを茹でる。

焼き葱の蟹玉とじの作り方

  1. 蟹缶を開けて余分な水分を払う。
  2. 卵をボールに割り入れ、調味料を加えて、菜箸で10回ほど解きほぐす。(卵のコシを残すために、あまりしっかり解さない)
  3. 2の卵に1の蟹の身を解して混ぜ合わせる。
  4. フライパンに油を少々引いて、葱に焼き色が付くまで時々転がして焼き、最後に酒と醤油で香りをつける。
  5. 4の葱の周りに大さじ1の油を回して馴染ませ、3の卵を回しかけ、大きな動作で葱と卵を混ぜ合わせるように2~3回掬う。
  6. 卵が半熟よりやや硬めになったら火から下ろす♪

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2009-04-07

Fish&Chips(フィッシュ・アンド・チップス)イギリスの正統派ファーストフード

 なかなか実現しなかった真鱈のフライを遂に作りました。と、言いますか、今日のはイギリスの街中で簡単に手に入って、直ぐに食べられる伝統と歴史のあるフィッシュ・アンド・チップスです。真鱈の大きな剥き身(すきみ)がないと本格的なサイズに作れないので、何となく今まで作るチャンスに恵まれませんでした。

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 今までにも、何かの料理で思い出しては触れてきたような気もするのですが、兎に角、ラージサイズで20cm程の肉厚の鱈の切り身を、独特のカリカリの衣で豪快に揚げたものです。そこに同じくらいの量のチップス(アメリカではフレンチフライ)をガサガサした無漂白のわら半紙のような紙に包んでくれます(これは昔の方法)。受け取ったら、カウンターの上に置いてあるモルトヴィネガーやマヨネーズ、ウスターソース、ソイビーンソースなど、好みのソースをたっぷりとかけて歩きながら頂きます。これが流儀です。すれ違った人がこの包みを持って食べていると、その香ばしい香りとモルトヴィネガーの香りに釣られて、ついお店を探したものです。外国人が多くいるPiccadilly Circusあたりでは、食べながら歩く人の姿が印象に残っています。殆どの人が、モルトヴィネガーを好むのですが、それは、香ばしい衣と、薄塩を施した鱈にぴったりの酸味、モルト特有の甘さ、それとワインの様な香りがマッチするからでしょう。何年か前になりますが、市内の友人がロンドンに出張すると言うので、このヴィネガーを頼んで買って来てもらいました。後から調べたら、ネットでお取り寄せもできるようですP4060002
 この酢の特徴を総括すると、日本の米酢とワインヴィネガーを足して二で割った感じでしょうか。独特なのですが、日本ではあまり人気がない気がします。フィッシュアンドチップスの時くらいしかこのモルトヴィネガーの出番が無いのかもしれません。揚げ物にはとても合って、美味しいのに・・・
 さて、もう一つの特徴は、衣です。日本ではフリッターと言うと直ぐにピンと来るのではないでしょうか。表面がゴワゴワするほどカリカリのサクサクです。何を加えて作る衣かと言いますと、ビールです。ビールの発砲が、衣の食感をこの様にしてくれます。私は時々、天ぷらの衣に重曹を加えるくらいですから、多分重曹もありです。栓を抜いたばかりの元気なビールでお願いします。日本酒の燗冷ましを料理用にするというのがありますが、残り物のビールだけはやめて下さい。上手に衣が出来ませんよ。ビールの種類は何でもいいのですが、個人的には黒ビールが好きです。黒ビールのコクと、あの細かい泡が、衣の質を向上させてくれるような気がします。 f:id:godmother:20070601042818j:image:left
 この衣は、意外に油切れがよく、天ぷらのような感じで具を包み込むので、鱈がふっくらとジューシーに仕上がります。以前、鶏のささ身やブロッコリーでフリッターを作った時は、ベーキングパウダーや卵の白身を泡立てたものを衣に混ぜていました。一番手っ取り早くて、安心なのはビールの泡かもしれません。
 最後に、じゃが芋の方ですが、チップスと呼びます。8mm角の棒状に切って素揚げします。ただ切ってそのまま揚げてもできますが、かなり時間がかかる上、油の量が少ないとからっと揚がりません。時間が経つにつれ、冷めると同時に水分が戻って来るのでべちゃ付きます。
 方法は工夫次第でいろいろあると思いますが、私は、半茹でにしたものを冷まして、蒸気を飛ばしてから冷凍にします。食べる分だけ冷凍のまま掲げる、という方法です。茹でてから直ぐに掲げる方法も試したのですが、水分が充分飛ばないのか、あまりGoodな出来栄えではありませんでした。冷凍する事で確実にサクサクとしたチップスになります。その時その時のじゃが芋にも寄るのかもしれません。
 もう一つの方法は、揚げる油を火にかける前に、冷たい油にいきなりじゃが芋を入れ、それから加熱します。油の温度が上がるうちにじゃが芋の水分もゆっくり飛ぶので理屈は同じです。但し、時間が掛かるのと、その間じっと鍋に張り付いていないといけませんので、忍耐が必要です。
 おっと、そう言っているうちにヴィネガーをチェックしたら残り少なくなっていました。頼んでおかないと。

材料

  • 鱈(剥き身)半身・・600g
  • じゃが芋・・300g(半茹で後、冷凍保存したもの)

  • 小麦粉・・100g
  • 溶き卵・・大さじ2(卵半分)
  • 黒ビール・・60cc(残りは飲む)

作り方

  1. 剥き身の鱈を斜めに三切れに切り、真ん中の長い身をさらに三つに切り分け、塩・胡椒(分量外)を軽く振っておく。
  2. 油を180度まで加熱し始める。
  3. 小麦粉を笊等で振るって、空気を含ませ軽くし、溶き卵と混ぜ合わせながらビールを加えて滑らかにする。
  4. 1の鱈の水分をキッチンペーパーで吸い取り、3の衣をつけて揚げる。(揚げ油の温度が下がらないよう、一切れ揚げて様子を見る)
  5. 冷凍のじゃが芋を香ばしく揚げて、鱈と一緒にモルトヴィネガーを掛けて頂く♪

 掲げる具の大きさによって、油の量も比例します。基本的には、ケチらないで多めの油で揚げるのが、成功の秘訣です。

フリッターとじゃがいも  ulalaさんちの夕ご飯

画像をクリックすると、ulalaさんのページにジャンプします。

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2009-04-06

えんどう豆と松の実の中華風の炒め物:親として失敗を感じる時

 自分が我が子に言って遣れる言葉として、果たしてこれでいいのだろうか、というような疑問を持つときは、自分の生き方に問いかけてみていない未知の部分で、そこには向き合っておく必要を感じます。と、いきなり本題から入るのも何ですが、子ども達が成長すると、親として、ううっと引いてしまうような、なんとなく返答にどうしようかと少し時間を要することが増えてきます。
 可笑しなもので、我が子が二十歳くらいまでは、日常的な細かい問題が山積みで、片付けても片付けても後から追ってくるような目まぐるしさでしたが、子どもの成長と共に、大人扱いして行く配慮を意識して、少し遠目に子ども達を見守ろうとするせいもあってか、何かの説明などをする時も、具体的に細かな事を省く時も多くなりました。結局それで後に、迷いや悔いを残すということもわかってきたのですが。
 今の娘の問題は、アパートの立ち退き問題です。そう、この間長男が引越しを終えた先のアパートのことです。着実に事は運んで、やっと新しい住処が決まるという段取りまで漕ぎ着けたのですが、昨日、娘がこのところの疲れからか、急な発熱で体はキツイは心は弱くなるは、という状態だったのを知りました。一応、立ち退きに応じたという事もあって、約束の期日までに引越し完了を目標に、本人一人で一生懸命奔走してきた一週間だったそうです。片方で事がスムースに運んでいるにもかかわらず、体調を崩すと、兎角文句を言いたくなるもので、というのはそれだけ未熟なだけですが、引き受けて了解したはずの事でも、こんなに大変な思いをするのは○○のせいで、と言いたくなるわけです。娘の言い分を聞いて、娘がもう一歩大人になれたらいいなぁと願っての事ですが、「何かのせいにしたくなる時の自分の心に聞くと、何がしたいのかが見えてくるかもしれないよ」と言いました。すると、まずわいて出てきたのが、数々の何かのせいにしているような話。やっぱりここを出し切らないと、次に行かれないのかと思って、黙って聞いていました。ボロボロ泣きながら、その苦しかった思いや乗り切った事を話し終わった頃、やっと最初に私が言った言葉に反応するような考えが出てきて、解決の糸口が掴めた様子でした。
 言ってしまった後で、これはどうなのかと自問自答しても、もう後の祭りなのですが、何となく、教え過ぎたような気がして、良かったとは言い切れない物が残ります。
 今回のような言い方では、本人にとっては方法というか、手法のような手段を教えてしまったような気がするのです。本当は、自分で悩み苦しんで見つけるべきことなのではないか、と何処かで思っているのです。そこが、なんだか親としての甘さというか、数学の溶き方を全部教えておいて、「ほら、この通りにやってごらん、ね、出来たでしょう、良かったね」みたいな感じです。手取り足取りとはこの事でしょうか。負んぶに抱っこをやっちゃったかしら、と気になるのです。子どもが苦しんでいる時に、それを見守って応援こそすれど、心の問題を軽くしてやるような直接的な言葉を言ってしまったら、成長のチャンスを水の泡にしてしまったような悔恨の念に駆られます。あーあ、またやっちゃいました。

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 今日は、えんどう豆と松の実の炒め物です。えんどう豆は、グリーンピースの赤ちゃんというか、成長の途中の莢のことだと思いますが、その段階で少し実が太ったのが、炒め物では食感が楽しめるので好きです。このようなえんどう豆を探すとなるとなかなか普通にはないのですが、八百屋さんに頼んでおくと、市場で出た時に仕入れてくれます。規格外なので、P2010002ホテルなどに卸している八百屋さんではわざわざ仕入れない物なのだそうです。いろいろと無理を聞いてくれるので嬉しいです。もう少ししたら、My畑にえんどう豆が芽を出すと思うので、しばらくの我慢です。
 松の実は、肉屋のご隠居が市内で探して取ってきたものです。ナッツ類は何でもそうですが、必ずローストしてから料理に使います。温度と時間は、その大きさや量にもよりますが、アルミフォイルに広げて140度で10分ほどです。
 えんどう豆の炒め物は、えんどう豆に直接味が染み込む訳ではないので、表面に味を付けるという感じに炒めます。最後に醤油と酢を同量加えますが、フライパンを回すようにして水分の蒸発を早めて、濃くなった味がえんどう豆に馴染むようにします。中の豆の甘さと丁度よくなり、美味しい炒め物が簡単に出来ます。

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材料 P9110002

  • えんどう豆・・200g 
  • 松の実・・大さじ2
  • 塩・胡椒・・少々
  • 醤油・・大さじ1
  • 酢・・大さじ1
  • ピーナッツオイル・・小さじ1

作り方

  1. 松の実をオーブントースターで140度で10分香ばしくローストする。
  2. えんどう豆の莢の両側の筋を、端から千切っては引いて取り除く。 
  3. フライパンにピーナッツオイルを引いて熱し、えんどう豆の色が鮮やかになるまで炒める。
  4. 塩・胡椒を軽く振って炒め、全体に馴染んだら、鍋肌から醤油と酢を回しいれてフライパンを揺すり、えんどう豆に味付けする。
  5. 水分が無くなってきたら松の実を加えて、混ぜ合わせて出来上がり♪

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2009-04-05

スペアリブとトマトの醤油煮:スロークッカー編:世知辛い世の中での入学式

 長男の入学式を終えて、やれやれな一日でした。そして、高速道路の思い切った値下げが施行されて二度目の週末だったというのも、渋滞を思うと気が重かったにせよ、少しわくわくな気分でした。
 通いなれた東京までの高速道路料金が千円というのは、気持ち悪く感じるものです。これが二年後には元に戻るというのです。そんな事、今の市民感情では許せない気がします。スーパーマーケットで数十円の値下げ商品に群がる買い物客の光景や、高速道路料金値下げの週末にどっと繰り出す車の混み様は、異質のものであるにせよ、生活の厳しさを物語っているようです。
 華やいだ入学式の光景も、心から喜べない、なんというか、気持ちのどこかにこの日を迎えられなかった人の影を感じました。入学式の式辞には全く関係ないことかもしれませんが、諸先生方の長い長い挨拶の中で、誰一人、この世相に触れて話す先生がいなかった事が意外でした。学生や親が勇気や元気をもらえるような温かい言葉というのが、一言くらいあってもいいのじゃないかなどと思ったのは、大学の発展と反映の軌跡を語りたかったからなのか、素晴らしいお話しばかりだったからです。途中、自分の気持ちがずしっと重くなるのを感じた時、最初はその違和感が何処から来ているのか分かりませんでしたが、帰路について、道路の込み合いやサービスエリアでの食事風景などを見て、はっとしたのでした。普通の生活で華やいだ部分なんて、何処にもないのです。この格差が顕著に浮き彫りになる今、この狭間で苦しむ人が他人と比べてしまったら、そりゃ生きていく希望も未来も無くなるというか、どこかに消えてなくなりたくもなるような、そんな社会現象でもあるのだとしんみり思いました。
 幸い、人とは逆行の動きであった為、渋滞に巻き込まれることはありませんでしたが、土曜日とあって、一般道路はかなり混雑していて、特に高速道路の出入り口付近1~2kmは渋滞が多かったように思います。帰宅時間も少し遅れ、途中、末の息子に夕食準備の指令を出したのでした。スロークッカーにスペアリブを仕込んで出かけたので、メインのメニューは良しとして、ご飯を炊飯器にセットする事と、野菜サラダを準備する事を頼みました。助かります。

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 彼は、人参の千切りが大の苦手です。本人はどうして細く切れないのか原因が分かっていません。そこまで熱心さがまだないというか。ですからその度に、ある程度緊張しているというのが伝わってきます。昨夜は、水菜とピーマン、人参のサラダがお題でしたが、どうなっているかと楽しみに帰宅しましたら、なるほど千切りというのではなく、スティックキャロットになっていました。そして、一生懸命自分でフォローするその言い草が「千切りができるのに、わざとしないでスティックにするのと、千切りができないから、スティックにしか切らないという、この違いだよなー」なのです。本人の名誉の為、画像は取りませんでしたが、別に違和感無く食べられるものだと思いました。

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 さて、スロークッカーお得意の煮込み料理で、昨夜も帰宅後、直ぐに温かい食事にありつけたわけですが、今日の味付けは醤油系で、少しトマトの酸味と甘味を効かせただけの、白いご飯にも合う味付けです。レシピも、出来上がりの味のイメージがはっきりしていれば、組み合わせは自由自在です。
 息子の作った野菜サラダとご飯に助けられてほっとしたのも、食事ができるということは、ありがたいものだとつくづく思いました。

参考

◆ スペアリブの粒マスタード煮込み:スロークッカー編☛
◆ スペアリブのマーマレード煮☛ 
◆ スペアリブと白花豆のこっくり・あっさりスープ
◆ スペアリブの紹興酒と蜂蜜煮


材料

  • スペアリブ・・800g
  • 塩・・小さじ1
  • 胡椒・・適宜
  • 醤油・・カップ1/2
  • 酒・・カップ1/2
  • カットトマト(缶詰)・・カップ1/2
  • ケチャップ・・大さじ2
  • 砂糖・・小さじ1
  • 水・・カップ1と1/2
  • 灰汁取りシート・・1枚

作り方

  1. スペアリブに塩と胡椒をよく揉み込んでから、フライパンに脂身が当たるように並べて中火で焼く。
  2. 時々場所を変えて焼き色が付くまで焼いたらスロークッカーの内鍋に肉を移す。
  3. 材料の醤油から以下を全てクッカーに入れて灰汁取りシートを乗せ、「弱」「8時間」にセットしてスイッチON。
  4. できた!

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2009-04-04

シャキシャキしたじゃが芋と烏賊下足の中華風和え物:川越っていい街 NHK連ドラ「つばさ」

 この春からNHK朝の連続テレビ小説「つばさ」が始まりました。という書き出しをすると、まるで私がこの系統の大ファンのようですが、実はそうでもないのです。ただ、この「つばさ」だけは、始まる前から楽しみにしていたわけがあって、物語の舞台が埼玉県の川越なので、懐かしいという理由です。だからと言って、特別に川越に何かがあるということでもありませんが、私が小中高育った実家から、今なら圏央道であっという間に行かれるという近いところでもあるのです。
 県立高校の校区は四つで、そのうちのもっとも東京に近く、道を隔てて向こう側は東京都のような西部地区の外れに位置したところから通っていましたので、当時、川越に出るのにバス、電車、徒歩と小1時間は掛かりました。川越に行く機会といえば、バスケットの県大会の開催が浦和、大宮方面(現在のさいたま市)でしたから、川を越えて行くから川越で。と、いうのは伝説的に言われているそうですが、川越市の名前は、鎌倉時代にこの地を統治していた御家人河越氏に由来しているそうです。話が長くなるので端折ると、川越出身の恩師が自分の苗字と同じだという理由から、自己紹介では必ずこの語り草でしたから、記憶に残っています。30年以上も経って、この事が忘れられないインパクトになっているというのは、そういう意味では、上手な自己紹介ですね。そんなわけで、県を西から東に横断する時は、川越経由というのが理由で、必ずここの商店街を通り抜けてJR川越駅に乗り継いだのでした。今朝もドラマで川越祭りの画像が映し出されていて、懐かしく「時の鐘」を見ましたが、久しぶりに訪ねてみたくなりました。
 ドラマは始まったばかりでまだ良く分かりませんが、キャスティングが面白いメンバーで、今の社会にありがちな、世代の特徴を醸(かも)し出す為の工夫のようなものを、ダイアログから感じます。また、NHK朝の連続ドラマというのは長い歴史があるので、この歳まで生きていると、思い出のようなものを引き出されてしまいます。
 ちょっと変わったキャスティングと言うと、吉行和子さんかな。お兄さんは、私の大好きな小説家の吉行淳之介さんです。昔なら沢村貞子(1996永眠)AmazonNetShopさんあたりがこの役をやったら、商売屋の女将としてかなりの貫禄だと思います。もっとも、沢村貞子さんは、自分が書き下ろした「私の浅草」をモデルに、「おていちゃん」という連続ドラマ小説にもなったほどです。吉行さんは、何となく柔和な感じで、女将というイメージからちょっと遠く感じます。それというのも、若い頃の彼女の演技や役柄のイメージが私に強く焼付いているせいか、今の役柄上、そう演じているのか。
 先日、他所で知ったのですが、主人公のお母さん役の高畑敦子さんは、1954年生まれだそうで、げげげっと激しく驚きました。おばさんなのに、おばさん化していない感じの身のこなしや口調やテンポが非常にリズミカルでコミカルです。
 いろいろ書いていたら長くなるので、この辺にしておきますが、川越に行ったら、食べてみて欲しいものが一つあります、くらづくり本舗の「店蔵」という最中です。で、お蔵の形をした皮の中に粒餡がぎっしり入っています。甘さは上品で、大きいのに一人で一個食べてしまうくらいです。大昔からこの最中が好きです。見てみたら未だに一個百円です。今でもきっと変わらない味だと思います。
 そうそう、今日はこれから長男の大学の入学式なので、時間に余裕があったら川越まで足を伸ばしたいと思っています。人に勧めている場合じゃないですね、もしかしたら古(いにしえ)の最中にありつけるかもしれません。そうだったらいいのになぁー、そうだったらいいのになぁー♪失礼しました。夕方には勿論、クイックリターンで帰宅します。末息子が帰宅して、お腹を空かしていることでしょうしね。

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 さて、今日の料理は、じゃが芋が続きますが、シャキシャキした食感のじゃが芋と烏賊下足の中華風サラダです。
 下足は、烏賊の料理で下足を使わない時に、冷凍でストックしておきます。ある程度たまると解凍していろいろな料理に使います。今日は、烏賊三杯分の下足をサッと塩茹でして、千切りにしたじゃが芋も、湯通ししてシャキシャキした食感を残して中華風の味付けで和えます。じゃが芋が、いわゆるじゃが芋っぽくなく、新鮮な食感に出会えること間違いなしです。こうした食感にするコツは、あまり火を通さない事です。じゃが芋の成分の澱粉は、熱を加えてα化すると固まります。じゃが芋がホクホクするのはこの状態ですから、その手前で加熱をストップします。見分け方は、お湯を加えて透き通った状態がベストです。これを過ぎて火が通った状態になると白濁します。熱湯に浸して1~2分です。その変化は目視できますから見逃す事はないと思います。

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 次に味付けですが、笊にあげて水気を切ったらボールに移し、酢をまぶしてよく和えます。千切りですから冷めるのも早いので手早くします。これで冷めながら酢が染みこんで、下味が付いた状態になります。あとは、塩、醤油、胡麻油、少量の砂糖を隠し味に加え、胡椒で風味を付けたら、下足と一緒に和えて小口にした細葱を散らします。
 沢山作っても、食感が楽しいのであっという間に食べてしまいます。

材料

  • 烏賊下足・・3杯分
  • じゃが芋・・大2個(250g)
  • 細葱・・小口切り大さじ2
  • 米酢・・大さじ3
  • 塩・・小さじ1/3
  • 砂糖・・小さじ1
  • 醤油・・大さじ1
  • 胡椒・・適宜
  • 胡麻油・・小さじ1

作り方

  1. 烏賊下足は凍ったまま、塩茹でして水気をきり、先端の細い部分を切り落としておく。
  2. 鍋に2リットルくらいのお湯を沸かす。
  3. じゃが芋は皮を剥いて薄くスライスし、斜めに重ねて細い千切りにし、直ぐに水にさらして澱粉の粉っぽい感じを流して笊に上げる。
  4. お湯がたぎったら3のじゃが芋を入れて軽くかき混ぜ、全体が透き通ったら笊に引き上げ、水気を切ったらボールに移す。
  5. 分量の酢を加え、全体に行き渡るように和えたら続けて塩、砂糖、醤油、胡麻油の順に加えて、胡椒を振って味付けする。
  6. 5に1の下足を加えて和え、最後に細葱を散らして出来上がり♪

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2009-04-03

Rosti(リュシティ)またの名をロスティー:じゃが芋のお焼:油を控える焼き方

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 Rosti(リュシティ)が食べたいなぁ、でもカロリーが凄く気になるな。と、ずっと置いてあったスイスのじゃが芋お焼。日本では、発音上「ロスティー」と書くのかな。スイスのドイツ語圏ではリュシティと聞こえます。って、カタカナで書いているうちは、ずっと日本語ですね。
 でかいソーセージとロスティーがあれば、ドイツの白ワインでお昼ご飯が終わるというか。とても香ばしくて美味しいです。特に朝食メニューというわけでもないです。もともとは、ラクレットやマッシュにするじゃが芋を大量に茹でるので、余った時についでに作るような感じの手ごろな家庭料理です。
 茹でたじゃが芋をチーズ卸しのような専用の卸し器で太めに卸し、たっぷりの油で焦げ目が付くように焼きます。これにはコツがあって、最終的には焦げ色の付いた小さなピースが、生地の中にも混ざってこそで、表面だけ焼き色がついたのはブー。で、どうやって作るかというと、最初、両面に焼き色が付くまでそこそこ気長に焼いて、途中で内側の部分と一緒に混ぜ合わせます。最後に丸く形を整えて仕上げます。

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 で、問題だと思うのは、火の通ったじゃが芋は油を凄く吸います。水分が抜けているので油の熱と反発しませんから原理としては順当です。これだから美味しいものは困りものです。で、時間は少し掛かるのですが、生のじゃが芋で試してみようかと思ったのが今日のレシピです。基本的には、油を多く使わずに焦げ付きのないテフロン効果に頑張ってもらいます。最初の実験として、ポテトは少なめにして作ってみました。
 鍋に大さじ2のオリーブオイルを引いて、中火より一段強めの火加減にします。シュレッダーにかけたようなじゃが芋を隙間なく敷いて、表面を平らにならし、しばらくそのままで蓋をして焼きます。油が弾けるような、プチプチという音がしてきたらそっくり裏返して、さらに蓋をして焼きます。焼き色が付いてきたら形を崩して、焼き色が付いた部分が全体に散らばるように混ぜ合わせ、丸く形を整えて両面が焼けたら出来上がりです。
 油は、最初の量の半分程残ったので、普通に炒め物をするのと変わらない量の油でできたと思います。食べた感じもあっさりしています。焼く量と鍋のサイズ、温度のバランスが良かったのかもしれません。じゃが芋の甘さに所々混ざった焼き色の付いた部分が香ばしくて、ロスティーならではの味わいです。これは、茹でたじゃが芋で作るのとは大違いです。本場では、揚げ物をするかと思うほどの油を使って、それも全てじゃが芋に吸わせてしまうので、じゃが芋が油で飽和状態になります(でも、美味しい)。  
 ロスティーととてもよく似ている、ハッシュドポテトというのがアメリカの料理にありますが、みじん切りのポテトを小麦粉でつなげて、小判型にしたもの。あれもかなり油が多くないとカリッと焼けません。いずれにしても、鍋の温度が一気に下がらない量と、鍋の厚みなどを加味して火加減を操れば、相当に美味しいロスティーが焼けます。f:id:godmother:20070303043505j:image
 また、じゃが芋の焼いたのといえばとびっきり美味しいチーズお焼もあります。これはチーズが焦げて、じゃが芋は蒸されたような感じの仕上がりになります。うちでは人気のある一品です。良かったら参考にどうぞ☛
 今回は、別途カリカリに焼いたベーコンと甘酸っぱく味付けしたリンゴを添えて頂きました。これがまた抜群に相性がよく、朝食メニューとしてもいいと思います。

材料(3人分)

  • じゃが芋・・大3個(450g)
  • オリーブオイル・・大さじ2
  • リンゴ・・1個
  • レモン汁・・大さじ1
  • 砂糖・・大さじ1
  • ベーコン・・6枚
  • パセリのみじん切り・・大さじ1

作り方

  1. リンゴの皮を剥いて8等分し、芯を取り除いて薄くスライスし、砂糖と一緒に鍋で蒸し焼く。
  2. リンゴが透き通ってきたらレモン汁を加えて火を止め、そのまま冷ます。
  3. じゃが芋の皮を剥いてチーズ卸しの太い方で卸し、水気を切る。
  4. フライパンに油を引いて中火よりやや強めの火加減にし、熱くなったらじゃが芋を入れて平らにならし、蓋をして焼く。
  5. プチプチ音がして、じゃが芋に焼き色が付いたら裏返して同じように焼く。
  6. 両面に焼き色が付いたら混ぜ合わせて焼き色の付いた部分を散らし、丸く形を整えて両面に焼き色をつける。
  7. ロスティーを引き上げ、ベーコンをカリカリに焼いたらパセリを散らす。
  8. ロスティーを切り分けてリンゴとベーコンと一緒に皿に盛り合わせる♪

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2009-04-02

蕪を一束買ったら大きな肉団子と蕪のスープ:同時に浅漬けも:お腹の痛みについて

 今、野菜を求めに買い物に出かけると、もれなく目に入ってくるのが葉付きの蕪です。冬場と違って今の蕪の葉は傷みが少なく、また、甘味が乗っていて大変美味しいです。つい欲張って沢山買ってしまうのですが、お値段もかなりお安いと思います。
 今日は、この蕪で、浅漬けと蕪と肉団子の中華風スープにしました。そして、木耳(キクラゲ)と蕪をどちらにも使いました。
 これと言うのも、ちょっと経緯を説明するのですが、東京で息子の引越しを手伝った時に、一緒に買い物に行った時の会話からです。私があれこれ目に付いたものを買い置きの為にどうかと、相談する品物の殆どが却下されたのでした。P4010008 理由は、二人(姉と一緒)で食べるのに、食品の量が多くなると使い切らないうちに期限切れになったり、腐らしたりするからだそうです。無駄をなくしたいのは当たり前の話ですね。で、母としては、旬の美味しい野菜を安価で食べられるに越した事はないですし、是非食べて欲しいので、今日のような組み合わせになったのです。つまり、蕪の浅漬けは、買ってから直ぐに2~3個で作ると、翌日には生野菜の緑黄色と淡色野菜として、加えて昆布と茸が少しですが補えます。残りの蕪で肉団子のスープを作れば、二日で蕪が一束使い切ってしまいます。そして、木耳は、乾燥ですから戻して適量使うだけです。

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 蕪に限った事ではありませんが、春から夏にかけて、野菜が瑞々しいので浅漬けに適した水菜、、セロリ白菜などがお奨めです。
 母として願うのは、沢山だと食べきれないから買わないという考え方は止めて、何でもどんどん料理に活かす、柔軟な考え方で食生活をおくって欲しいということです。子どもが事情で、妥協してコンビニ弁当でもインスタントラーメンでも良いかという場合もありますが、長きに渡って考えると、健康面でも侮れないのもがあります。
 以前書いた、栄養面のお話し満載のページでもめくって、もう一度よく読んで置くように☛こっち
 それと、たまたまですが、昨夜のNHKためしてガッテンで、「過敏性腸症候群」と呼ばれる、下痢や便秘が長期間続く病気を取り上げていました。昨日ここに書いた息子の腹痛と関係があるのかと思って、見たのですが、今回は関係なさそうです。理由は、腹痛もなくなり、昨夜から普通に食べられるようになったからです。秋田のカノジョとメールでもしたのかな?と思ったのですが、その辺は本人の問題なのであまり深追いしないでおきます。
 また、ちょっと前にもfinalventさんが取り上げていたのですが、ここだけ見ても分かり難いので、ちょっと解説をすると、腹痛や下痢などを伴う長年の体調不良をメンタルヘルスとして、食事療法から克服した人の話というのが基本にあって、これに対してfinalventさんの説明が、以下に

というか、精神の健康というのは、まさに精神の健康なんで、つまり、よほどメディカルな状況でなければ、「自分はどう生きるのか?」という普通の人生の問題に、きちんと頭を使って考えることではないのか。

 自分とは何か。なぜ生きているのか。自分が不幸だと思うのはなぜか。そうした問題に向き合って、一生懸命自分なりに考えていくという正攻法がなぜ重視されないのだろうか。

と、続きます。抜粋部分より以下に、数人がブックマークコメントした非科学的な内容に対して、悉く(ことごとく)潰しをかけていますが、言葉の含みをきちんと読み分けて間違えを指摘し、解説しているのが良く理解できるのではないかと思います。
 私が思うのは、体調に変調をきたした時は、然るべき機関で科学的にその病理を究明し、原因を見つけた上で適切な治療を受けるか、メンタルヘルス部分として、先に抜粋したような、正攻法な考え方で、生きることに積極的になることかと思います。簡単に言うと、くよくよ、うじうじする自分とはさっさとおさらばして、前向きに生きる生き方になるということではないかと思います。
 「お腹」のことに触れておきたかったので、蕪の話から遠くなってしまい、話が散漫になってしまいましたが、ここで戻します。

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 肉団子スープと言えば、「ウー・ウェンの台所革命」にも紹介されていますが、「中華鍋」「スープ鍋」「土鍋」だけのシンプルな道具と、AmazonNetshopへそれを合理的に使いこなす柔軟な頭脳さえあれば、料理を作る為の本来の台所になる、という考え方を話しています。これに準じて、今日の肉団子スープの特徴は、まず具材が大きい事。そして、土鍋で煮る意味に、遠赤効果を狙っているからか、とても柔らかな仕上がりになるということです。一人分が75gの肉団子というのは、小振りのハンバーグに匹敵します。器にゴロンと一粒、それに私は蕪を添えました。 見た目のインパクトも豪快な感じで、私好みです。
 蕪は、米のとぎ汁で下茹でします。大根と同様の理由ですが、灰汁の苦味だけを米糠に吸着させる上、それを戻さない効果があります(って、昔の人の知恵です)。本来の旨味は逃がしませんので、下茹でと言っても大根や蕪の下茹で自体は、料理として必須だと思います。P4010004但し、蕪は大根と違って、火が通るある時点を過ぎてしまうと、とろけて形がなくなってしまいます。タイミングとしては、蕪を半分に切った場合ですと、米のとぎ汁に入れて加熱し、沸騰してから1分で火から下ろし、流水で洗うと同時に冷まします。画像は、表面がうっすら透き通ったように火が回った状態です。中ほどは硬いです。このように下茹でした蕪を、肉団子を煮ている後半の10分で加えて一緒に煮ます。

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 最初の10分で肉団子から染み出したスープが出来上がり、ここで蕪を加えて味付けしていきます。蕪の大きさや硬さによって、料理の時間に差があると思います。蕪が柔らかくなるまで煮込むと美味しいです。

材料

  • 豚挽肉・・220g
  • 蕪・・3個(皮を剥いて、葉の付け根を3cm残して250g)
  • 乾燥木耳(キクラゲ)・・10g
  • 水・・カップ1と1/2
  • 酒・・大さじ2
  • 淡口醤油・・大さじ1
  • 胡麻油・・小さじ1

挽肉団子の調味料

  • 生姜のみじん切り・・大さじ1
  • 胡椒・・適宜
  • 酒・・大さじ2
  • 塩・・少々
  • 生パン粉(なければパン粉に大さじ1の水でしっとりさせる)・・大さじ3(約25g)

作り方

  1. キクラゲを水で戻しておく。
  2. 蕪の茎を3cm残して葉を切り落とし、先端から付け根に向けて十文字に皮を剥き、続けて残った皮を剥いてきり終わりを綺麗にする。
  3. 1の蕪を半分に切り、米のとぎ汁の濃い部分と一緒に火にかけ、沸騰してから1分加熱後水にとって洗い、そのまましばらく冷まして笊に上げる。
  4. ボールで挽肉の粒が無くなって、粘りが出るまでほぐすように練る。
  5. 調味料を順番に加えながらそのたびに練リ混ぜ、3個の丸いボールに丸める。
  6. ウー・ウェンパンに少量の油を引き、転がしながら肉の表面を焼き付けたら土鍋に移す。
  7. 分量の水と酒で煮立つまで加熱し、煮立ったら蓋をして弱火で20分煮る。
  8. 7の途中10分後2の蕪を加え、火を強めて再沸騰したら蓋を戻し、弱火で蕪が柔らかくなるまで(約10分)煮込む。
  9. 最後に1の木耳を加え、醤油、胡麻油で味付けしたら出来上がり♪

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2009-04-01

ミルク粥:恋煩いにはこれ

 うちの末息子の話が続いてしまうのですが、これも将来本人が見たら笑えるだろうし、一連の事は、育児日誌のような感じで収まる部分も多分にあるので、一応記録のようなつもりで書いておきます。
 息子君、頑張って、依然携帯電話のスイッチを切ったマンマです。その頑張りはいいのですが、実は、どうもこれが原因で神経性の胃炎らしいのです。一昨日の夜から少し胃が痛いとは言っていましたが、昨日の朝は、軽く朝食を取ってからずっと休んでいて、昼ごはんの後、本当は部活に行く予定だったのが、それも決行できず、どうやら本当に痛みがひどいらしい。昨年も一度、ストレス性胃炎を起こしているので、症状が良く分かるのだそうです。医者に行く事を勧めたにもかかわらず、「こんなことで行っても勿体無いよ、どうぜ点滴しかしないんだし、食べられる程度なんだから大丈夫。」と言います。
 思い詰めてることがあるのか、何か心配事でもあるのか・・など、いろいろ話しているうちに、たった一つだけ「それはあるかもしれない」にヒットしたことがありました。内心、ガハハッと大笑いしてしまって、本人を傷つけまいとお芝居するのに大変でした。それは、転学前の高校の県内の他校にカノジョがいるそうなのですが、この子と連絡を絶っていることがストレスだそうです。こういうことをペロッと言ってしまうのが、まだ幼いというか。なので、ここも笑えるのですが、その馬鹿げた決断を自分がして、親にも公言して、で、苦しんでいる姿なんか見せんなよ的で、冷やかされるようなネタの提供です。末の息子に関しては、こういう類のコケルお話し満載なんですがね。真剣にお芝居して、「早く乗り越えて、大人になりなさいね」と、やっと言えた私です。
 笑っている場合じゃないのは食事です。胃が傷み出すと吐きそうになると言うので、それは酷く痛々しいのです。こうなると食べたいものしか喉を通りません。お粥なら大丈夫だと言うので、ミルク粥を作りました。これは、美味しいと言って、かなりの量を食べることができたので、やれやれ。
 私は、神経性胃炎の経験が無いのでよく分かりませんが、息子が言うには、お腹は空くし食べたい気持ちもあるのに、食べ始めると段々胃が痛くなると言うのです。それって、もしかしたら、食事中の会話の内容が障ったのかしらと思ったのですが、可愛そうにー。

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 さて、肝心のミルク粥のことですが、これ好きな人ー?って聞いて、日本人で食べたことのある人自体が少ないかもしれませんね。魔女の宅急便のおそのさんが、キキが風邪を引いた時に作ったお粥はミルク粥でしたね。覚えています?そのレシピは特にありませんが、ミルク仕立てのリゾットのような感じです。昔住んだイギリスでは、ライス・プディング(Rice pudding☛)と呼ばれる、歴としたデザートが有名で、ミルク粥を甘くしたような感じです。
 いろいろとアレンジするのも簡単で、ハムや根菜を入れたり、コンソメ味にしたりと楽しめるものです。また、チーズの風味がとてもミルクと合うので、最後にパルメザンチーズや、コクのあるエダムチーズなどを削って乗せると、栄養的にも優れますので元気が出ます。息子に作るのは初めてなのでどうかなと半信半疑でしたが、美味しいと言ってよく食べました。恋煩いのようなものですからね。オーカワイソウ、オダイジニー。

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 私の作り方は、土鍋でお米から炊きますが、最初から牛乳で炊いてしまうと牛乳が分離して、滑らかさが無くなりたんぱく質も破壊されて栄養価が下がってしまうので、最初は水で固めのお粥を炊きます。炊き上がったら温めた牛乳を加えて、お粥をゆるくのばすようにします。最後に塩とチーズを加えて好みの味にします。今回は、炊き上がる直前に空豆を乗せました。

材料(全粥米1、水5) お粥のかたさ参照☛

  • お米・・75g(半カップ)
  • 水・・225g
  • 牛乳・・150cc
  • 塩・・小さじ1/2
  • パルメザンチーズ・・大さじ1
  • 空豆・・3粒
  • 一人炊き用土鍋、又は厚手の小鍋

作り方

  1. 水でお米を研いで分量の水に30分程浸し、中火にける。
  2. 沸騰して吹いてきたら極小の火加減にして、20分ほど炊く。
  3. 温めた牛乳を加えて軽く混ぜ合わせ、空豆を乗せて4~5分炊いたらパルメザンチーズをまぶして出来上がり♪

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