2009-03-12

鶏胸肉の中華風サラダ:湯引きの鶏肉をいきなりタレに浸け込むという無謀?:最近の香料ってヤツは

 秋田から帰宅した長男は、4月からの自炊生活に備えてできるだけ料理を覚えたいというので、機会あるごとに一緒に作っています。一緒に料理した記憶といったら、長男が中学生の頃少しだけで、それもインスタントラーメンに野菜を入れる工夫とか、味噌汁の出汁の取り方や野菜炒め程度でした。
 下宿生活の2年目になる春に一念発起して、自室で炊飯し、おにぎりにしたり、野菜炒めをご飯に乗せてお弁当を持って行くようになりました。それというのも、下宿で用意してもらうのは朝夕の二食で、昼ごはんは、学食や売店のパンなどで賄っていたため、毎日同じパターンの昼ごはんに飽きてしまったのです。
 一般的な食事に対する意識は、「朝はお決まりのパターン」、「昼食はお楽しみ感覚のような選択メニュー」、「夕食は旨いもの」だと思います。あとで理屈をつけるわけではありませんが、昼に同じものばかりだと、朝のマンネリパターンと感覚的にかぶるので、お楽しみの部分が欠落してしまうということだったのかもしれません。
 ついては、三合半炊きの炊飯器を買い与えて、自分でお昼を用意するようになったというわけです。岐阜の友人に送ってもらっている、お米が大変美味しいので、定期的に息子に送っていました。
 息子の部屋は6畳間で、一間幅の押入れがあります。三年生になる春に、四畳半の部屋からこの部屋に引っ越したのでゆとりがあります。というか、何でも部屋でやってしまいます。例えば洗濯物は全て部屋に吊るし(何故か、外では干さない)、除湿機をフル回転して乾燥させます。食材の保管は押入れで(衣類も洗濯物も、けっ><)、炊飯も自室です。電気代の支払いが部屋ごとなので、個人用の電気製品は、全て自室に持ち込むという理由があるからだと思います。
 小さな部屋の「一家の主」をやってきたわけです。この経験は、非常に大きな力となったのも間違いありません。団体の連携や協調性を理屈で覚える前に、誰もが本当の意味で個人主義を確率していなければ、自立というスタンスを取れないわけで、それが元にあるから、全体主義が成立するという順序があるからです。
 卒業式と同時にこの部屋を引き払って、次の後輩に部屋を引き渡す為に荷造りをして待っていた息子の部屋に行くと、代々で染み付いたと思われる素晴らしい香りがします。間違えないでくださいね。この香りというのは、汗やホコリのそれではなく、ファブリーズ(匂い消しと称した匂い付け剤)や、洗剤、柔軟剤、シャンプーなどに添加された香りが全て混ざったような、「化学的ないい香り」が染み付いています。
 私の時代なら考えられない事です。昔の運動部の男子は、臭かったです。あれは青春の臭いと賛美すべきでしょうけど。男女共学の公立高校で、体育館の使用に制約があるため、練習も男子と一緒のバスケット部でしたから、今では信じられないでしょう、あの接触競技を年頃の男子と一緒なんてや・め・て・と、叫びたくなるような毎日でした。だからか、同じ学年で、同じ高校の男子と付き合うような気になりませんね。裏も表も見え見えの共学で、色恋が発生する訳がありません。とは言うものの、女子は女を意識しますので、お行儀は良かったです。言葉遣いも、身なりもそれなりに顰蹙(ひんしゅく)をかうよな恰好はしていませんでした。
 話戻して、どの子の部屋も皆綺麗に整理整頓されていて、言うようないい臭いがするのです。
 家にはその家の匂いというものがあるもので、息子の持ち物に染み付いた下宿の匂いは、うちとは異質のものとして一段と際立ちます。匂いフェチではありませんが、私は割りと匂いに敏感です。息子の部屋で、最後に残っていたお米は、蒸れないように厚手の紙袋に包んで送ったまま、例の押入れにしまってありました。それがかえって仇(あだ)になったのか、家で荷物を開けると、部屋の匂いと同じ匂いが紙袋にもして、もしやと思ったお米にも。息子は鼻がその匂いに慣れてしまったのか、臭くないと言います。感じないのならまぁいいかぁと思い、そのお米を炊いたら確実に例の匂いがします。捨てようかどうしようか迷いましたが、お米を捨てるとい事に対する罪悪感で、どうしても捨てきれず、夕食で頂いてみる事にしました。ここでやっと息子が、この匂いの事を認めました。だからって、捨てるのは憚り(はばかり)ます。結局、2kgほどなので何とか食べてしまおうということになりました。無くなるまで、ご飯を食べる度に下宿の思い出に浸るというのも悪くはないかということで、落着しました。無理矢理ですが。

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 匂いを誤魔化す為といえばそうですが、昨日のお昼に息子が始めて作った「男がまいる炒飯」です。傍で教えながら作ったのですが、いとも簡単にできるものだと感心していました。難しそうだというブックマークコメントも頂きましたが、ラードで炒め合わせる卵と一緒が、こうも美味しくできるのかと、そのパラパラとふんわりした出来上がりに、「旨い!」の連発でした。
 チャーシュウを切らしていたので、ここで必殺の代替品を紹介します。

 豚肉(どんな部位でも可)のスライス60g(一人分)を1cm幅に切って、ガーリック、ジンジャーパウダーを一振り、酒、醤油を各小さじ1程度加えて混ぜ合わせて下味を付けた肉をチャーシュウの代替品にします。炒めてしまうとチャーシュウとそっくりな香りがしてきて、炒飯にぴったり馴染みます。

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 今日の本題の鶏胸肉の霜降りのサラダですが、以前に紹介した鶏胸肉の霜降りとそぎ切りにした胸肉にサッと火を通す方法とは違って、たぎったお湯で30秒程茹でたら、あらかじめ作っておいた中華風のタレにいきなり浸します。鶏肉が冷めてるにしたがって味が染み込みます。半日ほど冷蔵庫で漬け込むだけで、香りの良い生ハムのような感じに仕上がります。くれぐれも鶏肉の扱いには注意して、サルモネラ菌などに対する配慮は、個人の責任の範囲でお願いします。
 五香粉を擂り込んで香り付けをした鶏肉はそぎ切りにして、野菜を挟んで、一口でぱくりと頂くのがとても美味しいです。五香粉は無くても、最低、シナモンとクローブか八角だけでもかなり中華風の香りになります。

材料

  • 鶏胸肉・・2枚(700g)
  • 塩・・小さじ1
  • 胡椒・・適宜
  • 五香粉・・小さじ1/3

無ければ山椒・クローブ・シナモン・八角を使用(必ず五香とは限らない)

  • 水菜・・適宜
  • 大根・・3cm
  • もやし・・1.5袋
  • 細葱・・適宜

タレ

  • 鰹出汁・・1カップ
  • 酢昆布醤油・・大さじ5
  • 胡麻油・・小さじ1

作り方

  1. 胸肉の皮を剥いで、塩・胡椒、五香粉をよく刷り込んで最低10分置く。
  2. 平らなバットでタレを作る。
  3. 鍋に1リットルのお湯をたぎらせ、胸肉を入れて30秒程茹でたら引き上げ、水気をふき取って2のタレに浸す。
  4. ラップで落し蓋をして冷蔵庫で半日漬け込む。
  5. 野菜を千切りにして、程葱は5cmに切り、水にさらして水気をしっかり切って、皿にこんもりと盛りつける。
  6. 胸肉をそぎ切りにして5の野菜に乗せて頂く♪

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