鶏もも肉のハーブ煮込みとオレンジの蜂蜜コンフィソース:アスパラガスのアーリオ・オーリオ・ソース:気になる段々畑
ジョギングの最中、全く何も考えないでひたすら走る時は、後の気分が爽やかで、瞑想などの後の感じに似ています。本当はそれが目標なのですが、景色の中の何かに反応して、気になって仕方がなくなることもあります。それがいけないということでもなく、かえっていろいろな事に気づかされて良いのですが、謎として残るのは困りものです。
折り返地点から家までずっと下りの山道で、カーブの多い道の途中の眺めに、段々畑があります。この畑のことでよく分からない事があるのですが、ここは、うちと170mの標高差にあります。うちの畑のある辺りの標高は、既に800m以上ですから、諏訪湖の対岸からこちらを眺めると、雲の中に隠れてしまうことも珍しくなく、山の中腹に位置しています。そういう理由で、天気も変わりやすく、温度差も激しいのです。このような気象条件だというのに、件の段々畑は、既に綺麗に耕されて、畝(うね)も出来上がっています。これって、直ぐに種蒔きをするのか、もう既に終わっているのかという意味です。うちの畑の周囲の方々は、4月の終わりくらいからしか始めません。というのも、時々4月の入学式を迎えるころに雪が降ることもあり、霜だって降ります。種蒔きが早過ぎて、台無しになることを怖れて、用心深くなっています。どう考えても、この辺りで3月の初旬に畑を耕して何かを植えるというのに合点がいきません。一体何を植えているのか?不思議でもあるのですが、その疑問は、どちらかと言うと私もやってみたい的、それ何?です。できることなら早く畑を始めたいのです。一番いいのは、その方々に直接話を聞くことですが、不運にも、その畑で一度も人を見たことがありません。これも謎。ジョギングは、時には昼近くだったり、夕方になったりと時間も様々ですから、どこかで一度くらい人影を見かけてもよさそうなものです。いつ人を見かけるか分かりませんので、毎日ここを通る度にきょろきょろしています。
田舎の風景が毎日変わらないのは、実は着実に人の手が入っているからで、その当たり前のような姿こそが、それは普段の丹誠の現れです。近隣の人々の結束が、その辺の風景を生み出し、里山の風情として感じ取る事ができます。心癒されます。
さて、今日のレシピは、どこにでもよくある鶏のもも肉の煮込みです。大変シンプルな材料と調味料ですが、骨から染み出す濃厚なスープに、オレンジの香りと酸味の効いた蜂蜜の甘さがプラスされると、何て美味しいんでしょう、我ながらうっとりという満足感が得られます。鶏の煮込みだけでも既に上等なご馳走ですのに、オレンジソースが加わることで非常に繊細な、お洒落なレストラン風の一皿になります。しかも手順は簡単です。腐してはいけませんが、フランス料理などは、仕上げのソースで決まるようなものなので、あまり込み入った調理方法はないと思います。日本料理のような繊細さは必要ありません。ついでに言うと、香水の文化にも表れていますように、あまりお風呂にも入りませんしね。日本人だけですよ、世界中でお風呂に毎日入るとか、温泉好きな人種は。体臭を香水でカモフラージュするのが文化だと言い切ってしまうと乱暴ですが、それに近いものです。料理のソースも香水と似て、仕上げです。これが決まれば、全体が良しです(こんなことを言うと誰かに叱られそうです)。
骨から美味しいスープが取れるように、お肉屋さんで骨付き鶏もも肉を3cm幅にぶつ切りにしてもらいます。臭みを残さないように、表面を流水で洗い流してからよく水気をふき取ります。軽く塩胡椒してから小麦粉を刷毛で叩いてからにんにくと一緒にソテーします。皮目の余分な脂がかなり出ますので、煮込んでからもあっさりとした仕上がりになります。フライパンの脂を払ってから玉葱をしんなりするまで炒めて、人参と一緒にスロークッカーで8時間煮込みます。加えるのは、水と白ワイン、塩、ピンクペッパーです。
私は、香り付けの目的で、煮込みにピンクペッパーをよく使います。正確にはこれは胡椒ではなく、いろいろ説はあるようですが、GABAN製はウルシ科のコショウボク(胡椒木)の実で辛味はなく、胡椒に似た香りが素敵です。
食べ始める30分くらい前になったら、オレンジの皮を剥き始めます。薄皮も一緒に剥きとって裸んぼにしたら、包丁を薄皮に沿って「V」字に入れ、櫛型に切った身を取り出します。芯と薄皮を手で握り潰して、残った果汁を絞ったら、飴色に煮詰めた蜂蜜に果汁だけ加えて煮詰めます。どろっとしてきたら、果肉とクッカーの煮汁を加えて2~3分中火で煮てから塩・胡椒で薄めの味に整えます。最後に火を止めてからバターを予熱で溶かしでオレンジソースが出来上がります。鶏肉とスープや野菜を皿によそい、オレンジソースを回し掛けてから頂きます。
今日のグリーンサラダは、茹でたアスパラガスのアーリオ・オーリオ・ソースです。息子の力作で、大変さっぱりと美味しいソースです。茹でてから直ぐにこのソースに浸すと、味が染みこんで美味しくなります。
先日、スロークッカーについてコメント欄で質問を受けましたが、このような骨付きの煮込みは、勤めていると週末のお料理になったりしがちですし、週末と言えばいろいろな用事をまとめて片付けたい日でもあります。下準備を済ませて鍋に放り込むだけで料理か出来上がり、しかも一流の味が楽しめるとあれば、この鍋があるに越した事はありません。多めに作って、冷凍保存しても良いわけで、使い方は様々です。長男がこのブログを見て興味津々で、実際にうちで食べた料理で、鍋の威力に納得しています。また、料理方法も簡単で、何よりも美味しくできるのが魅力のようです。
材料
- 骨付き鶏ももぶつ切り・・1kg
- 玉葱・・大1個
- 人参・・1本(130g)
- セロリ・・20cm
- にんにく・・1片
- 水・・600cc
- 白ワイン・・100cc
- 塩・・小さじ2
- ピンクペッパー・・小さじ1
- ローリエ・・1枚
- 小麦粉・・大さじ1
- 灰汁取りシート・・1枚
オレンジソース
- オレンジ・・3個
- 蜂蜜・・大さじ2
- 煮汁・・50cc
- バター・・15g
- 塩・胡椒・・適宜
作り方
- 鶏肉は洗って水気をよくふき取り、塩・胡椒(分量外)を全体に軽くまぶし、小麦粉を刷毛で薄く叩く(はたく)。
- フライパンにオイルを塗り、鶏肉の皮目を下に並べ、大まかに切ったにんにくを肉の間に忍ばせ、中火で焼く。
- 軽く焦げ目が着いたら裏返し、両面を香ばしく焼いたらスロークッカーの内鍋に並べる。
- 人参を3の鶏の隙間に入れる。
- 鶏肉から出た油を払ったフライパンで、玉葱がしんなりと透き通るまで炒めたら鶏肉の上乗せる。
- 分量の水で塩を溶かして加え、5cmに切ったセロリと白ワイン、ピンクペッパー、ローリエを加えて灰汁取りシートをかぶせ、「弱」「8時間」にセットしてスイッチON。
- 食べ始める30分前になったらオレンジの皮を剥き、実を包丁で切り出して残った果汁を絞り取る。
- 小鍋で蜂蜜を中火にかけ、飴色になるまで煮詰めたラオレンジの果汁だけ加えてどろっとするまで煮詰める。
- 果肉とクッカーの煮汁を加えて2~3分煮たら塩・胡椒で薄めに味を整え、火を止めてバターを加え、予熱で溶かす。
- 鶏肉や野菜を皿に注ぎ分けたら9のオレンジソースを回し掛けて召し上がれ♪
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