石垣芋:里芋と卵の春らしい蒸し物
汗ばむような日中の暖かさで、そこらじゅうの木々に蕾をもたらし花を咲かせてくれました。足元も若草色に芽吹く草花で一杯になりました。
そして、嬉しい事にいよいよ大手スーパーマーケット各社が値下げを始めましたね。消費者の勝ちーーー!じっと我慢していれば誰が折れるのかって、そりゃ売り手でしょうねぇー。ヨーカ堂が18日から、ダイエーは19~22日定額給付金セール☛ 。イオンもだー!☛ なんですか、春だし、ポカポカ陽気だし、値下げだし、イザ買い物へ、とか嬉しい気持ちになりますよね。
さて、こうも暖かくなるとどうしても行っておきたいのがMy畑。沢山の蕗の薹や、この間噂をしていた水仙の蕾、野萱草(ノカンゾウ)が、こっちだよこっち、と誘いをかけてきて、夕食のおかず用にせっせと摘んできました。蜜蜂は蕗の薹の花に、何かの幼虫が茎の部分で喉を潤いしていました。春の到来を皆で迎えたような日になりました。
野萱草は、新芽だけが美味しくて、成長するとニッコウキスゲのようなオレンジ色の花をつけますが、開花の時間が短く、めったにその花を見ることが出来ません。酢味噌でぬたや味噌汁のみにしたりします。シャキシャキした食感に少し甘さがあって、癖のない高原の野草です。
今日は、薄味で煮た里芋を固めの卵液で一緒に蒸して、海老餡を乗せたちょっとお洒落な蒸し物です。切り口の里芋が石垣のようなので、石垣芋と呼ぶそうです。手順通り、丁寧に順番に作るだけで、ちょっとしたおもてなしにも向く一品ですで、石垣に野萱草が生えているような、春の野原のイメージです。
使用する里芋は、一番小さな小芋のそのまた小芋で、コロンとした丸い形のものばかりです。2~3個を持って、手の平でモミモミするように擂り合せながら洗うと、泥も繊維も綺麗に落ちます。皮ごと5分茹でて水に放ち、冷ましたら皮をむいて、薄味の出汁で下味を付けます。鰹出汁と溶き卵を1対1の割合で混ぜ合わせ、薄口醤油で薄味に味を整えた卵液を作っておいて、煮汁から上げて、空気にさらして表面を乾かした里芋と一緒に、流し缶に入れて弱火で20分ほど蒸します。その間に、下処理した海老を叩いてお湯に当てて、野萱草をサッと茹でます。銀餡(濃い目の吸い地にとろみを付けた餡)を最後に回しかけます。
ちょっと本職の料理人が作りそうなお料理なので、教えてもらった人に聞きましたら、このレシピの出所が判明しました。野崎洋光さんのレシピでした。私が作ったのは、里芋が少し大き過ぎて、石垣のように見えないのであまりよい出来とは思えないのですが、鰹の出汁がよく効いているので、味付けの醤油や酒が少ない割りにしっかりした味がします。大変美味しい蒸し物です。
作り方は難しくはないのですが、注意するのは、卵の割合が多いので早く火が通りますから、かなり細い弱火で蒸すことと、里芋は小さい方が卵と馴染みますから、出来れば親指の先くらいの大きさに切り揃えるといいと思います。
材料
- 里芋・・250g(皮を剥いて)
- ブラックタイガー・・4尾
- 野萱草・・適宜
- 鰹出汁・・250cc
- 酒・・大さじ2
卵液
- 卵・・130cc(大2個)
- 鰹出汁・・130cc
- 淡口醤油・・小さじ1
銀餡
- 鰹出汁・・200cc
- 淡口醤油・・小さじ2
- 酒・・小さじ2
- 味醂・・小さじ2
- 水溶き片栗粉・・小さじ1(同量の水)
作り方
- 里芋を擂り合わせて水で洗い、沸騰したお湯に入れて再沸騰したら5分茹でて水に浸けて冷まし、皮を剥く。
- 1と鰹出汁、酒を一緒に、里芋が柔らかくなるまで茹でて、笊に引き上げて冷ます。
- 海老の殻と背腸を取り、肉叩きで潰してから包丁で粗く叩く。
- 野萱草を塩ゆでして水気を絞っておく。
- 卵を割りほぐし、分量の鰹出汁と淡口醤油で味を整えたら2の里芋と一緒に流し缶で蒸す。最初の1分は強火で、直ぐに細い弱火にして20分ゆっくり蒸す。
- 3の海老を笊に入れて沸騰したお湯にさらし、海老の色が変わったら引き上げて水気をきる。
- 銀餡の材料を小鍋で沸騰させ、水溶き片栗粉でとろみをつける。
- 5の卵が蒸しあがったら4つに切り分け、4の野萱草を沿えて7の海老を乗せ、銀餡を回し掛けて出来上がり♪
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