鶏肉のソテーとベシャメルソース・マッシュポテト:息子の為のお料理教室:それぞれの出発
子どもが高校に入学すると、途端に子どもとの関わりが少なくなるものです。部活があると、朝早くから夜遅くまで、学校生活中心のライフスタイルになりますから、私のように朝が早く、夜早寝をしていると、ゆっくり子どもの話も聞けず、翌日の予定も知らずにいる事が多いです。非常に子どもが遠く感じるようになります。これが、子離れの練習のようなもので、高校を卒業すると、殆ど、親の関与する部分はなくなるわけです。
そうなる事が分かっているという自分の思い込みもあって、県外の高校へ進みたいという息子の希望を受け入れやすく、賛成するのにあまり難義しなかったように思います。、ちょっと背伸びがきつくなるのではないかという懸念や心配が多分にあったのも事実です。
末の息子は、昨年の秋、秋田の高校から地元の高校へ転学しました。親の事情ではなく、本人の希望する進路の変更に伴い、そのような結論に至ったわけです。結果的には、今の息子は学業に自信を持ち始め、毎日張り合いを持って生き生きと通学しています。中学の高校選考時点でも、相当な決意を以って決心したにもかかわらず、変更するのも早い決断でした。この時、私は、自分というものを痛いほど思い知ったのでした。
私の育った時代や私自身が、「継続する事の意味」を美徳にしている考えがあって、まあ、その道しか歩んでこなかったからそうなのでしょうけど、途中で進路変更するということに違和感があります。だからと言って、これを「一つの道」として教えることはできても、子どもの意思を自分の思い通りに押さえつけることは出来ません。いえ、高校生くらいならまだ、騙し騙し出来るような気もしますが、逆に、失敗や挫折感を乗り越えるのもこの時期に通っておくと良いというのもありました。と、この様に素直にそう思えるまで、自分と向き合う事が続き、息子どころか、自分をここで誤魔化さない努力を強いられました。それは、きつかったです。息子の幸せを思った時、何を以っても、決断は、本人によるものでないとダメなのです。そこに、微塵でも親の圧力を加えて、他力本願になっては本人の為にならないのです。その邪魔をしてはいないかと、自問自答するというのがきつかったです。如何に、自分本位に物事を進ませてきたかを思い知ったのは、この苦しさが教えてくれたのです。順風満帆に事が進んでいる時には気づかないことです。
転学に伴って、自分の希望とは言え、息子には計り知れないほどの苦労があったことと思いますし、それなりに乗り越えてきたとは思うので、想像以上のことを味わったに違いありません。が、学校からの成績連絡票では、息子の人間性がクラスに齎していることや、生活態度など事細かに良い知らせを頂き、心配で見守る親への先生の配慮だと感謝しています。益々本人にやる気が漲り、(ぁぁ、なんと単純な奴なんだよ、おまえはよ)よかったと思います。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」的、楽天的性格の持ち主なので、父親の良い所を受け継いだ感もあります。
この一連のことについて、殆どここで触れてこなかった理由に、いろいろ配慮する部分があり、長男と同じ学校だったと言う事もあって、ここで公表できない時期でもありましたが、長男の卒業を機に、晴れてここに一言私の気持ちの休まりの分だけ書き記す事にします。
さて、長男との料理教室もあとわずかとなってきました。今日の料理は、全て彼が作ったものです。私は、いつも通り傍についてお手伝いです。これから多くなると思われる、鶏肉料理の展開がスムーズに運ぶように、その練習も兼ねてもも肉のソテーと、先日作ったコンフィで出来たオリーブオイル(アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ)でシメジと玉葱を炒めて作ったベシャメルソースです。息子は、以前このオリーブオイルでソースを作っていますし、お昼にはブロッコリーとハムのスパゲッティーを作ったのですが、その香りに魅了されていました。鶏もも肉をコンフィーにしたあとに残った油の使い道として、これで三品できたわけです。
手順としては、マッシュポテトを作り、布巾をかけて冷ます間にベシャメルソース、ソテーの順に作ります。ソテーは、塩と胡椒を効かせて中温以下で皮目からゆっくり焼きながら油を出し、狐色に焼けたら裏返してジューシーラインまで焼き上げます。
とても長男が一人で作ったとは思えないほど、上品な味付けでした。お肉を焼くよりも、マッシュポテトを丸くして盛り付けることに苦労していましたが、それが、理解できないのですね、私には。でも、玉葱を細かく刻むのと同じように、手馴れていないというだけでしょうか。そこらへんが面白いのですね。男子だったら、丸くして飾る事も無いと思うのですが、私がいつもするように真似ているのには苦笑です。
材料(4人分)
- 鶏もも肉・・2枚
- ベシャメルソース
- マッシュポテト
- 茹でたブロッコリー
ベシャメルソース(ホワイトソース)の材料
- オリーブオイル(にんにくと鷹の爪を漬け込んだもの)・・大さじ1
- 小麦粉・・大さじ山盛り1
- 牛乳・・180cc
- 塩・胡椒・・適宜
- ブナシメジ・・1/2パック
- 玉葱のみじん切り・・1/4個
- パセリのみじん切り・・大さじ1
マッシュポテトの材料
- じゃが芋・・4個(600g)
- バター・・10
- 冷凍枝豆・・100g
- 玉葱・・1/4個
- 酢・・小さじ1
- 塩・胡椒・・適宜
- カルダモン・・適宜
- ナツメグ・・適宜
作り方
- じゃが芋を洗って皮を剥き、4つに切って水にさらす。
- じゃが芋がすっかりかぶるくらいの水に塩3%(分量外)を加えて、水からじゃが芋を茹でる。
- 枝豆を塩茹でして鞘から豆を取り出し、薄い皮から出す。
- 玉葱を千切りにし、辛いようなら少量の塩で揉んで水にさらし、水気を切って酢で下味を付けておく。
- じゃが芋が茹で上がったら水だけ流し、再度10秒火にかけて蒸気を飛ばし、バターを加えてマッシャーでよく潰す。
- 塩で味付けし、胡椒、カルダモン、ナツメグを加えて布巾をかぶせておく。
- ベシャメルソース用のブナジメジを1cmに切り、玉葱をみじん切りにする。
- フライパンに分量のオイルとブナシメジ、玉葱のみじん切りを炒め、玉葱が透き通ってきたら小麦粉を加える。
- 粉っぽさが無くなったら火を弱くして、牛乳を3回くらいに分けて少しずつ加えながら馴染ませ、滑らかなベシャメルソースにする。
- 最後にきざみパセリを加えて混ぜ合わせる。
- 塩・胡椒で味付けする。
- 鶏肉の皮の下に付いた油を取り除き、筋目に包丁を浅く入れて2つに切り、塩・胡椒をまぶして軽く手で押さえる。
- テフロンのフライパンに、皮目を下にして中火で焼き始める。
- ジュージュー音がしてきたら火を少し弱め、皮が焼き色が付くまで焼いて、裏返す。
- 竹串を刺して、透き通った肉汁が出てきたらマッシュポテトと一緒に盛り付け、温めたホワイトソースを回し掛けて出来上がり♪
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