自宅でおもてなし(3月編):鯛の香草焼き・ターピンと鶏そぼろ・鯛チリソース・鯛あら汁ぶっかけご飯
昨夜は、岐阜から友人夫婦がやってきました。農家ではありませんが、代々から作っている田んぼを守りつつ、稲作で取れたお米を分けてもらい始めて、8~9年にはなるでしょうか、無くなると連絡すれば玄米か籾(もみ)の付いた状態で、車で飛んできてくれます。
この時は、我が家でささやかな宴を催す習慣となっていて、私の手料理を楽しみにやってきます。このことが年に何回かというくらいで、ゆっくりと交友が続いてきました。会話の中身も、熟年の夫婦ならではの話に変化しつつあって、この夫婦と知り合った15年ほど前からと今を比較して話せるほど、お互いの変化を見てきたと言えばそういう関係でもあります。
最近、彼女の変化に驚く事があります。以前は、一切、夫さんに対する不満を言う人ではなかったのですが、ご長男が結婚して、半同居
(同じ敷地で暮らし、日中の生活は経営する電気工事店を一緒に切り盛りしている)になってから、生活の変化と一緒に、いろいろと思うことが多くなったらしい。よくある、嫁、姑の同居問題ではなく、夫さんの変化に彼女が戸惑っているという内容です。その戸惑いが夫さんに伝わらないもどかしさと、この件で話をすると、二人が一緒にいる意味がないという結論に向かって、揉め事のように発展するそうです。(そうなる以前の問題か?)
昨夜も、犬も食わないと言われているその真相の一部を聞いて、最後の最後に出てきたのが、夫さんの幸福感に浸れない冷めた気持ちというのが浮き彫りになったのです。息子さん夫婦や同居生活が順風満帆過ぎるのが怖いのだそうです。誰にもある思いかも・・・、幸せ過ぎて、いつか罰が当たるのではないかというような恐怖心が、逆説的な考え方を基盤に心の中に常駐しているのだそうです。それを追い払うような行動が、その場のムードを悪くし、彼女が大いに引っ掛かる部分だということが始めて鮮明になったのです。、そのような思いが夫さんにあったというのも、昨夜始めて明かされた事で、彼女は、それにショックを受けたと言っていました。今までは、彼女の単純なまでの受け止め方があったからバランスがとれていたのではないかと思っていたのですが、夫さんの行動が理解できなくなった時点で、それが反動となって現れてきているようです。冗談で、綾小路きみまろのあの、チクリと風刺したような熟年夫婦にあるような話だと言いましたら、以前はあの言い方が嫌いだったけど、今は快感で楽しくさえ聞こえると言うのです。
彼女は、我慢強い人で、お姑さんに「長年仕えてきた」、という言葉で表現できるような生活をして来ているので、争い事を避け、自分さえ我慢すればこの場が収まるという考え方が強く、自分を出してこなかったと言います。だから、本来は非常に強い性格があって、最近、それが表に出ているだけだと言います。
どうなるというものでもないのですが、私は彼女や夫さんが、うちなら争うことなく話が出来ると言うので、それはよかったと思っています。奨励するわけではありませんが、自分の価値観を人にぶつけると、同等かそれ以上の相手の価値観が返ってきても然りなので、その時点で自分と相手が違う人間だと言う事がはっきりするわけです。それに対して一々好き嫌いを言っても始まらないというか、夫婦も民主的に話し合うと言う事が大事です。
私達世代は、上の年代に封建的な扱いを受け、心身にそれが染み付いてる半面、考え方としては民主的な考えを知っているので、これが昭和な育ちって思います。ですから、彼女がお姑さんに仕えるようにして嫁をやってきたという事も、そうせざるを得なかったわけです。そういう中で、「我」というものが主張したくなったりして、彼女の意思とは別に、彼女を困らせてるように見受けます。それというのも本来の自分の姿になろうとしているのだと思えますし、尊重されなかった事のツケが今頃回ってきただけで、暑くなったら、上着を脱いだらいいんじゃないの、と思います。
この歳になって昭和の生まれをこのように引きずるとは思いもしなかったことです。
さて、重苦しい話は、美味しいご飯に満たされた結果としてで、毎回楽しい会話をしながらの食事です。昨夜は、先日好評だった金目鯛の香草焼きを鯛でご馳走しました。和洋折衷(わようせっちゅう)な食卓になりましたが、ターピンに鶏の挽肉のそぼろと生野菜を包んで食べながら鯛をつまみ、鯛の頭の揚げ焼きチリソース、骨で取った出汁の味噌汁ぶっかけご飯でした。思いつくものを作って食べていくというだけで、特に気を使うようなこともないのが気楽で楽しいです。
◆ 鯛の香草焼き:材料を全て倍にして☛
◆ 鯛の頭のチリソース☛
◆ 大餅(ターピン):薄力粉600gで6枚☛
◆ 鶏肉のそぼろ:鶏胸肉の挽肉500g使用☛
◆ 鯛あら汁ぶっかけご飯☛
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