2009-03-27

茄子の瑠璃煮:ちょっと早いと思ったけどもう初夏の茄子:春という節目に子離れを思う

 昭和の育ちというのはこういうことなのかしらと、ちょっと思った事です。東京へ引っ越しする前の息子との会話からですが、本人がいなくなったので軽く書こうかと思います。
 東京へ行くのもあと2日を残すのみとなった夕食の準備中に、ふと、ぽろっと「あんたがいなくなると寂しくなるな」と、私が言った時の事です。
「同級生に、親が寂しくなるから遠くへ行くなって言われて、市内から出ない人がいたよ。」
 と、ここで私の手の内を明かすと息子の本心が聞けなくなると思ったので
「それを聞いた時どう思ったの?」と聞くと、
「そういう人もいるのかとびっくりしたよ。俺なんか、そんな事考えた事もないし、うちの親はそんなこと思わないのかと思っていたよ。だからちょっと意外だな。」
 やっぱり。
「どうして今まで言わなかったか分かる?」
「えっ、わかんないなぁ。どうして?」
「・・・・。あのさ、子どもに親の思いを伝える時、子どもだから言わない方がいい事ってあるのね。モロに寂しくなるなんて言われたら、したい事もできなくなるでしょ?お母さんは、心底そう思っていたら、言えないけど。」
「ふーん、確かに。大学だって、地元の大学に進学すると思っていたって、友達にも言われたけど、俺さぁ、全然そんなこと考えた事なかったな、親のためにだなんて。むしろ、自分が少し寂しい気持ちを吹っ切ったって事の方が大きいしね。五歳から親元を離れて学園で育ったのは、大きかったよ。それなりに乗り越えているし、自分で何でも考えてやったって事が大きかったよ。今の自分があるのは、あのお陰かな。」
 と、自分を振り返っての思いなど、初めて聞きました。そして、何より嬉しいのは、訳のわからない五歳の子どもに、「人と共に生きる」という事だけを願って、密かに泣きながら六年間、親元から離してその実学をさせたのです。この事が、このような形で、十八歳にして結実し始めているらしいと実感できた事です。家の子ども達は、早期に親離れを経験してきているので、親の重圧に負けないのです。これって、教えてそうできるものではないことです。Amazon Net Shop
 私も、息子が大人の考えが出来るようになったものだと少し安心したのか、気を抜いたからか「寂しくなるなぁ」なんて一端なことが言えたのかもしれません。
 今の時代の親離れ子離れは、それは潔く親が決めてこそ親らしくあるという事ではないでしょうか。それは、子どもとの心情の繋がりの中で、同時なのかもしれません。でも、早いから良いとかいけないという意味ではなく、息子の言うように、その経験をしているかしていないかの違いは、後の育ちに大きく影響するものだと思います。この辺の事をすっぱりやってのける親は、昭和の時代と共に、その微妙な育ちにもあるのかもしれません。
 前に紹介されて読んだ本ですが、「母が重くてたまらない 墓守娘の嘆き」信田さよ子を読むと、密着型の親子関係が赤裸々に書いてあります。昭和の生まれで、育ちの大半が昭和な私などにも、なんとなくぼんやり思っていたことの裏づけになって鮮明になりました。
 春のこの時期は、誰にとっても節目であると思いますので、自分の経験から思い出したついでのようですが、自分が育った時代を振り返ってみるのも一つです。

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 春と言えば、昨日大変新鮮で青々とした土佐産の茄子を見つけて、ちょっと早いかなと思いつつ買ってみました。高知県はきっともう初夏くらな暖かさなのでしょうか、夏に頂くような瑞々しい茄子でした。今では一年中見かける茄子ですが、冬には滅多に買わないので、久しぶりでした。
 揚げ茄子の煮浸しで、茄子の色は瑠璃色とも言われます。この色を残すためにいろいろな方法がありますが、煮浸しの時は、低温で素早く揚げて冷ますと色が綺麗に残ります。ミョウバンを溶かした水につける方法もありますが、氷水で冷まして油も絞ってしまう方が手軽です。

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 茄子のヘタを丸く包丁で切り取り、5~6ヶ所、茶せんに包丁を入れ(ヘタから先端に向かって縦に浅く包丁で切り目を入れ、火の通りを良くする方法)、160度の低温で揚げます。なすの大きさにもよりますが、静かに気泡が出ている状態で2~3分です。油を切ったら直ぐに氷水に入れてしごいて油を絞ります。こうすると出汁がしみこみやすくなります。薄く味付けした鰹出汁で1分煮て、そのまま器に盛り付けます。冷めても美味しいので、夏の食欲の無いような時の一品として作り置くのもお勧めです。
 お浸しなどの出汁の黄金比と同じで良いのですが、この場合のナスは、水分を絞りますので12:1:1の薄めにします。甘味が足りなかったら砂糖を加えて加減するといいです。

茄子の揚げ浸しの参考レシピ

◆ 秋茄子(水分の少ない秋茄子で)☛
◆ 初夏の蒸し茄子(ウー・ウェンパン使用)☛

材料

  • 茄子・・4本
  • ブナシメジ・・適宜
  • 鰹出汁・・360cc
  • 淡口醤油・・30cc
  • 味醂・・30cc(12:1:1)
  • 揚げ油
  • 氷水・・1リットル

作り方

  1. 鰹の一番出汁を取る。
  2. 鰹出汁、淡口醤油、味醂を小鍋で合わせて一煮立ちしておく。
  3. なすのヘタのガクを丸く包丁で切り取り、茶せんに包丁を入れる。
  4. ボールに氷水を用意する。
  5. 揚げ油を160度に熱し(菜箸を入れると、ゆっくり気泡が上がる)、2~3分揚げたら油を切って、4の氷水に浸け、優しくしごくようにして油を絞る。 茄子の中から熱い水分が出るので火傷に注意。
  6. 続けて、ブナシメジも素揚げして油を切っておく。
  7. 5の茄子と6のブナシメジを2の出汁で1分煮て、皿に盛り付ける♪

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