旬の蕪を丸ごと味わう中華サラダ:「おく霜の 一味付けし 蕪(かぶら)かな」一茶
なんて暖かなんでしょう。外にいると汗がにじむような陽気になったことに驚きです。でもまだ二月ですから、油断は禁物だとは思いますが。
ジョギング先の立石公園には、いつもになく人が多かったです。突先の特定席でごつい望遠レンズを突き出し、高級そうなカメラを据えた三脚を並べてスタンバイしている人達が、静かにそのときを待っているようでした。前に諏訪湖が前面結氷した時には、人のざわめきに大いに興味をそそられたのですが、昨日は、人が興奮するような動きが全くありませんでした。諏訪湖を覗き込んだら、鳥の姿もありません。天気が良く、絶好の撮影日和に限って被写体が無いというのはよくある話ですが、これがまた楽しみの一つです。こういう時に、無関心を装うのが良いのかなと思うのですが、どうも苦手。東京ではそれが普通でしたのに、田舎暮らしが長くなると、変に抵抗するのが疲れるようになりました。それにもう歳なのか、こっちから先に挨拶して、抵抗するような気持ちをほぐしてしまうに限ります。とは言え、ご自慢のカメラと腕前の自慢話や功績、経験などの話がなかなか終わらなくていささか閉口しました。
今日は、蕪とキューリ、人参だけのさっぱりした中華風サラダです。春の七草「すずな」は蕪の事で「鈴菜」とも書きます。長野県生まれの小林一茶も「おく霜の 一味付けし 蕪(かぶら)かな」 と、霜が降りるごとに蕪に甘味が乗ることをこんな風によんでいます。とは言うものの、こんなに暖かくなってしまってこれからどうなるのでしょうか、日本の四季は。それに加えて農業技術が進んで、野菜の旬もいつがどうなのか分かりにくい時代になってしまったものです。一年中見かける蕪ですが、一茶の句でも覚えておくと、蕪のことを忘れずに思い出せます。
肌理が細かいので生だと少し硬く感じますが、その蕪の一番甘味の乗った旬を丸ごと生で味わう、取って置きのレシピです。こんな前置きが申し訳ないくらい簡単です。
戻した干し海老を加えた中華風のドレッシングで和えます。日本では桜海老が主で、あまり身が入っていませんが、中国産の干し海老は、しっかりと身が入っていて硬く、塩辛いのでしばらく水で戻してから使います。
戻し過ぎると味気なくなるので5分程度にして味見をします。市内では中国産が手に入らないので、知人の食材店Petit Chinois(横浜プチ・シノワ)から干し貝柱などと一緒に取り寄せます。
蕪、キューリ、人参を切ったら薄く塩を振って、少し長めに時間を置いてしんなりさせます。後で水気を絞らなくてもいい程度にしんなりさせるのがコツです。塩が染みこんで薄塩の下味がついたところにドレッシングで和えます。中華風のドレッシングには、長葱や生姜などを入れると味が複雑化して、胡麻油との相性もいいのですが、蕪の味が消されてしまうのでこの食べ方では入れません。ちっとも難しい事はありませんが、最初に薄塩で下味がつくようにじっくり待つと言うのが案外できないかもしれません。つい塩を多くしたくなるものです。
鮪のカマを塩焼きしたので、蕪の和え物がさっぱりとして良い組み合わせでした。
材料
- 葉付きの蕪・・4個
- 人参・・10cmの縦半分
- キューリ・・1本
- 塩・・小さじ1/2弱
中華ドレッシング
- 中国産干し海老・・大さじ1.5
- 米酢・・大さじ2
- 砂糖・・大さじ1/2
- 胡麻油・・小さじ1
- 白入り胡麻・・大さじ1
作り方
- 蕪の葉を3cm程残して切り、水にしばらくつけて葉の付け根の土を綺麗に洗い流し、皮を剥く。
- 蕪は櫛切りで8等分、人参は斜めに、キューリは小口にそれぞれ2mmくらいの厚さにスライスする。
- 2をボールに移して、分量の塩を振ったら全体に行き渡るように煽って、そのまま20~30分しんなりするまで置く。
- 海老をカップ1の水で薄く塩味が残る程度に戻し、水気を吸い取る。
- 小ボールでドレッシングの調味料を混ぜ合わせ、海老を加えて味を馴染ませておく。
- 3の野菜の味見をして、5のドレッシングで和えたら出来上がり♪
| 固定リンク
コメント