鮎並(アイナメ)の片褄折り焼き・焼き霜・アラと蕪のスープ:アイナメづくしの三品
午前中、立石公園までジョギングで登りつめたところで、いつもの景色が全く違うのに驚きました。どう表現したらいいのか、天気は快晴でもなく、風も吹いていません。妙に空気が澄んだ感じで、諏訪湖の対岸の後ろに並ぶ山々の色がはっきりとした感じに見えます。手を伸ばすと、その山々が今にも掴めそうな距離感覚なのです。足を一歩踏み出すと、その山まで跨げそうな気がしてくるのです。とても不思議な感覚でした。これは、空気のせいでしょうか、目のせいでしょうか。しばらくその感覚に浸ってしまいました。幾分寒いせいか、誰にも合わずに帰宅したのは初めてのことでした。
今日は、ちょっと旬の時期を外れているとは思ったのですが、新鮮で良く太っていたのでアイナメにしました。もともとカサゴの仲間ようですから、岩場に多く潜んでいる魚らしいです。わりと脂の多い白身の魚で、から揚げや焼き物、煮物、何でもござれの魚ですが、魚屋さんに多くは出回りません。今日のは、40cmくらいでしたので、2尾を三枚に卸して皮をつけたまま直火で炙った「焼き霜」の刺身と、一方を内側に折って串を打って焼いた「片褄折り焼き」、残った頭と中骨で蕪のスープにしました。蕪は、火の通りが早いので、アラを水から茹でる時に一緒に煮ます。アイナメからは、まろやかで甘いスープが取れますので、シンプルに塩と白ワインだけで充分コクのあるスープになります。
焼き霜というのは、直火で硬い皮を炙って、冷水で冷まして刺身で頂く方法です。アイナメの皮はとても硬くて弾力がありますが、この様に炙ると柔らかくなって、香ばしさも追加されて美味しくなります。皮が縮んでしまうので、両側に串を打ってから炙ります。うちは、電気の熱源で、火を使いませんで、鰹のたたきや、牛肉のたたきなどは全部園芸用のバーナーで炙ります。材料を置いたまま炙れるので、大変綺麗に仕上がります。一つ備えると便利で重宝しますよ。
片褄折り焼きは、立体的になるので恰好がいいし、折り込んだ内側は、蒸し焼きのような仕上がりになるので、大好きな焼き方なんですよ。字の通りで、身の薄い尻尾の方を内側にたたむように折って串を打ち、軽く塩を振ってから焼きます。焼き上がりくらいに割り下を刷毛で塗ると、醤油が香ばしくなってとても美味しくなります。
2尾を捌いて、残ったアラに塩をしてしばらく置いてから湯引きします。こうして灰汁や余分な脂を流してから調理しますと、仕上がりに大きく差が出ます。蕪と一緒に水から煮て、アラと蕪のスープを作ります。これだけちょっと洋風ですけど、お澄ましよりは蕪に合うと思ったので。迷った挙句にスープにしたのですが、実は、アイナメの額の部分に沢山身がついていますので、頭を適当に潰して、から揚げにしてもおいしいのですよ。脂の乗りはどうかと半信半疑でしたが、アイナメは侮れませんね。とてもふっくらとして柔らかい肉質で、コシもありますし、何よりも身が甘いです。どれも美味しく出来上がったので大変満足な夕食でした。
材料
- アイナメ・・2尾(40cm)
- 割り下・・大さじ1(片褄折り焼き用)
- 蕪・・4個
- 水・・カップ4杯
- 塩・・小さじ1
- 白ワイン・・カップ1/2
- 胡椒・・適宜
作り方
- アイナメの鱗を卸して三枚に卸し、二枚は片褄折り焼き用に尻尾の方を内側に折り込んで串を打って固定する。
- 別の2枚には皮が縮んで丸まらないように縦に串を打って固定する。
- 2の両面をバーナーで炙り、表面が白っぽくなったら冷水にとって冷ます。
- 3をキッチンペーパーで押さえて水気を吸い取り、皮目を下に広げてしばらく型直しする。
- アラに塩を振り、10分ほど置いて塩が溶けた様になったら熱湯を回しかけ、表面を白っぽくする。
- 冷水で血合いの部分を洗い流し鍋に移す。
- 蕪の皮を剥いて縦に1.5cm位の厚みに切り、6のアラと一緒に中火で煮始める。
- 7が煮立つ頃に、浮いてきた白い泡と一緒に灰汁を救って取り除き、15分くらい煮込んで蕪が透き通ってきたら、塩・胡椒・白ワインで味を整える。
- 1に軽く塩を振ってグリルで焼き、焼きあがる頃、割り下を刷毛で塗って焼き色をつける。
- 9が焼けたら、直ぐに串を引き抜いて皿に盛り付ける。
- 4を厚めのそぎ切りにして、刺身用の皿に盛り付ける♪
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