もやしと鶏肉の蒸し鍋:胸肉のスライスを柔らかくジューシーに仕上げるコツ:久々に凹んだな
ここ数日で、すっかり3月頃の陽気になってしまいました。体感温度も暖かく、この時期に二日も雨が降るのが信じられません。山間地方の特徴で、夜間はぐっと冷え込み、日中雨を降らせた雲は大概、雪雲に変わるところなのですが、今年はどうした事でしょうか。
午前中に雨が上がったので、喜び勇んでジョギングに出ましたら、途中の景色に映る山間から、まるで湯気のように霧が立ち上がっていました。零下にも及ばないここ数日の気温で、地熱が上昇したからでしょうか、朝の冷たい空気に触れた山々の襞(ひだ)から湿気を含んだ空気が、湯気のように見えるのでしょう。その霧が陽に照らされてキラキラと輝いて動く様は、飽きのこない美しさで、ジョギングを忘れてしばらく見とれてしまいました。
このコースは、日々の景色の変化を楽しめて、そして、それに触れている時間がなんともマッタリとしていて大好きです。
ある事で気持ちが落ち込むことがあって、誰もいない居間のテレビのスイッチを付けて、重たい気分をやり過ごそうとしたのですが、画面を見ているのに、気持ちが行きません。心ここにあらずのような状態がしばらく続いていたにもかかわらず、何故か一場面にだけ反応して、ひどく気持ちが動いて泣けたのでした。
それは悲しい涙ではなく、まるで自分が優しくされたような嬉しい感覚で、そのことに感動しているのです。私の年代の独特の事なのでしょうか、それとも私に限った事なのでしょうか、気持ちを閉じ込めるというか。番組に入っているわけではなく、部分的に反応しているだけなのです。
理屈では納得できていることでも、暗く落ち込だ時の気持ちのやり場に困惑して、途方に暮れているだけなのだと思います。一種の寂しさが、深いところに存在しているのだけど、それを癒すのは、周囲の誰かといったことではない。そういう寂しさではない類のもの。いろいろ我慢してきたことや、押し殺して蓋をしてきた部分も重なって、自分を癒す術がないのです。
このような時の気持ちを解放した経験が、自分の成育期になかったことが致命的です。幼い頃の記憶の中に、親に甘えをゆだねたということがありません。もしもそれがあったとしたら、このような気持ちを抱える事は無いのだと思います。だから、この手の寂しさとの付き合い方がいつもぎこちなく、それを打ち消す気持ちが同居していて苦しいのです。
打ち消してしまいたい気持ちというのは、憎しみではなく、何か、自分の持つ変な思いを人の行動に付けて見ている気持ちで、事実を事実として受け止められない部分です。素のその人を丸ごと受け止める事が出来ないのです。と言っても、人の「素」って何なのか、そもそも分かりませんが、そんな風に傍観している自分への罪悪感のようなものもあります。だから言葉を無くして、沈黙してしまうのです。もうこれはどうする事もできないと思うので、このまま放置しておくしか方法はないのでしょう。なんですか、とうとうきちゃったのかしら。
なんか可笑しいぞ、自分。て、思います。
くゆくゆ棚引く霧を見た影響から、夕食はもやしと韮の鶏蒸し鍋にしました。以前ここで紹介した「もやしと豚肉の蒸し鍋」の、鶏肉ヴァージョンです。しかも、その部位は胸肉です。蒸し過ぎると硬くなる部位ですから、ちょっと下ごしらえに細工をします。できるだけ薄く削ぎ切りにして、肉の繊維にオイルが入り込むように指先で揉んで15分ほど置きます。塩で下味を付けて長く置くと、肉から水が出て締まってしまうので、鍋をセットする直前に塩と酒で下味を付けます。
いつも買う天狗肉店では、地鶏しか扱っていませんので、私が料理に使っているのは殆ど地鶏です。特徴は、弾力のある肉質の割りに、火を通しても硬くなりにくく、脂は濃厚でしっかりとした味があります。ブロイラーの約倍くらいの大きさですから、部位もそれなりの大きさです。そういう肉質ですが、スライスして蒸す場合は下準備がないとそれなりにパサッとします。オイルを最初に揉みこむと、繊維に入り込んだオイルが肉の水分を閉じ込め、結果、柔らかな食感を残すようです。
もやしはいつもの事ながら、芽と根切りをして、韮も5cmにざく切りしておきます。昨日も同じ組み合わせの炒め物でしたが、もやしは殆ど毎日、何かの料理で食します。毎日、山のようなもやしの下処理をしていますが、これも後の美味しさを思うと苦になりません。人には良く驚かれるのですが、こればかりは、どう考えても合理性を生み出す方法はなさそうです。このような単純作業は、そうするものと思えば、それが当たり前のことになるのです。いちいち何も考えません。いろいろ工夫を試みた事はありましたけどね。
豚バラの時とは違って、鶏肉に下味がついていますから、今日はウー・ウェンパンの中敷きを使って蒸しました。
材料
- 鶏胸肉・・1枚(360g)
- もやし・・2袋
- 韮・・1束
- オリーブオイル・・大さじ2
- 塩・・小さじ1/4
- 酒・・大さじ2
ポン酢
- 酢昆布醤油(☛作り方)と鰹出汁を同量適量
作り方
- 鶏肉の皮を剥がし、できるだけ薄く削ぎ切りにしてからオリーブオイルを揉み込んで15分置く。
- もやしの芽と根切りをし、韮は洗って5cmのざく切りにする。
- ポン酢を作る。
- ウー・ウェンパンに水300ccを張って蓋をして蒸気が上がるまで加熱する。
- 中敷きにもやしと韮を適当に混ぜてのせ、1の肉に塩と酒で下味を付けてから全体を覆うようにかぶせて4に乗せ、蓋をして蒸気の穴「1」で加熱する。
- 蒸気が吹いてきたら出来上がりのサイン。ポン酢を付けて頂く♪
| 固定リンク
コメント
今日は、珍しく一人の休日。1日どう過ごしてもいいのだけど。いつも家に居るのにやっぱり今も家に居ます。でも気持ちは、とても開放的。お昼は、野菜のおかず2品と常備菜3品。好きな器にのせて、Norah Jones聞いて、意識して背筋伸ばしてお行儀良く頂きました。それだけの事だけどとても癒されてる。日常を丁寧に過ごす事、好きだな~なんて改めてかんじてる
投稿: setu | 2009-02-01 13:50
setuさん、こんにちは。
コメントありがとう。
休日に一人でいるというようなことを「チャンス」って思う時、setuさんのような過ごし方は、本来一番落ち着くのかもしれませんね。自分にとって、演じるということではなくて、ありたい姿っていうものがあると思います。そういう姿でいられる事が、本当は一番清々しいのかもしれません。
今日は、昨日とは打って変わって零下5度くらいまで気温が下がり、冬に相応しい北からの風が強く、体感温度も寒く感じる日です。温泉がありがたいです。
投稿: ゴッドマー | 2009-02-01 15:53