鯖の揚げ焼き:醤油と酢と松の実でさっぱりと:苦笑の松笠武勇伝
天気予報どおり、極寒の強い風と共にまた凍り付いてしまった諏訪です。
雪解けの水が凍りついたアスファルトの道も、盛り上がった部分を踏むと、明らかに中が空洞でポコポコした音がします。初夏ともなると、こういう道は全てひび割れたようになって陥没してしまいます。諏訪に訪れた方ならきっと感じたと思いますが、大変道が悪く、アスファルトの道は何度も掘り返したと分かる継ぎはぎのような模様があって、天下の国道もup -and-downの連続です。一番最初に私がこの土地に来た時は車でしたが、インターチェンジを降りて国道20号線を岡谷方面に走った時の印象は、今でもそのままです。その当時はスパイクタイヤでしたから、道に轍(わだち)ができて、凍るとタイヤを取られて、非常に怖かったのを記憶しています。
住宅街の細いアスファルトの道にひび割れが起こり、やがてくねくねと歪んででこぼこな道になるのは、自然現象(地中の水分が凍って体積が増え、道路が盛り上がる)なのだと知った時、大変なところへお嫁に来たものだと、最初の3年は、過酷な自然との戦いのようなものでした。今、それに諦めがついたとも思えないのですが、なんとなく考えるのを避けて、見て見ない振りをしているのかもしれません。
今日は、いつも走る道から少し逸れて、といっても家に戻るルート上ではあるのですが、初詣に出かける神社入り口付近を通りました。階段の上り口に大きな松の木があって、棚から牡丹餅とはこのことでしょうか、10cm程の大きな松ぼっくりを発見(朝鮮五葉松)。これこそが私が今年探しに行きたいと思っていたものです。この松から取れる実が目当てです。落ちていたのは、朽ちたからと寒い山風に呷られたからか、目的の松の実がこんなに身近にあったとは全く気づきませんでした。嬉しい。
早速持ち帰って、綿手をはめてイザ解剖。感激の一瞬です。私がこの先生きていても、この松笠に御目文字できるとも思っていなかっただけに、感激しました。
昨年の暮れに、例の肉屋のご隠居が、店の奥で手袋して片手になにやら道具を持って、松毬から実を一つ一つ取っていたのです。小指の先ほどもないような小さな実を丁寧に慎重に取り出すその仕草は、真剣そのものでした。市内のあるところで拾ったというのです。勿論教えてなんてくれません。その時少し頂いたのですが、それがあまりに愛おしくて、食べるのが勿体無いのです。今までこんなに美味しい松の実は食べたことがありませんでした。あれだけ美味しいのですから、どんな労も厭いもせずに、山に散策に行く心積もりでいました。その貴重な松の実を両手一杯に頂いたのは嬉しかったです。それが、あろうことか、近所の神社にあったとは、灯台下暗しとはこういうことを言うのですね。
幾粒か失敗して、潰してしまったのですが、一個の松ぼっくりで大さじ1程ありました。これを、酢と醤油を絡めた鯖の揚げ焼きに一緒に絡ませました。韓国のチヂミのタレをこれと同じように作るのですが(☛参照)、揚げ焼きした鯖と松の実をフライパンに乗せて、鍋肌から醤油と酢を回しかけると、一気に蒸発し始めます。この強いインパクトの味を鯖に絡めて松の実と一緒に頂くと、角が取れたようになってマイルドになります。
材料
- 鯖・・1尾(三枚卸し)
- 小麦粉・・大さじ1
- 揚げ油・・カップ1/2
- 松の実・・大さじ1
- 醤油・・大さじ1
- 酢・・大さじ1
作り方
- 三枚に卸した鯖を一口大にそぎ切り、軽く小麦粉をまぶす。
- 醤油と酢を小さなボールで合わせる。
- 松の実を粗く切る。
- フライパンを中火にかけて油を注ぎ、菜箸の先から気泡が出る位の温度になったら皮目を下にして揚げ焼く。
- 両面を香ばしく焼いたら一度引き上げて、油を切る。
- フライパンの油を払って、松の実が焦げないように香ばしい香りが出るまで煎る。
- 5の鯖を戻して醤油と酢を鍋肌から回し掛けて鯖と絡めて出来上がり♪
▪ 松の実についての凄いサイト、見っけた!☛こちら
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