牡蠣の炊き込みご飯:土鍋でふっくら美味しく炊く:日本一静かな正月は東京ですね
実家に子ども達を連れて、新年の挨拶に出かけてきました。一緒に頂く為に、黒豆やお煮しめを大量に作って持ち込みましたが、取り分け母がそれを喜んでいました。諏訪の野菜が美味しいと喜び、諏訪の日本酒が美味しいと喜び、諏訪の馬刺しがたまらないと喜び。年に一度の親孝行の日ということで目出度いことでした。
「お正月」とういのは、年明けの3日(三箇日)のことで(☛Wikipedia参照)、昔は、新年を祝うという事で全てがお休みになったのですが、今年はそういう昔に戻ったような、懐かしい雰囲気を感じました。なんともしんみり静かで、空気が動いていません。活気というものから見放されちゃったような東京にいささか驚きました。帰りの中央高速では、反対の登り車線がめちゃ渋滞で、圏央道のジャンクションから、勝沼辺りまで、ひどい場所では全く動いていませんでした。東京は、田舎を持つ人が暮らすビッグな都市なのですね。昔からそう言われてきていますが、あの町の静けさは、特に今年はこれからどうなっていくのかと、今まで味わった事のない不況の影響を空恐ろしく感じます。
久しぶりの牡蠣の炊きご飯は、気分転換になりました。暮れに広島から沢山牡蠣を頂いて牡蠣三昧でしたが、飽きの来ない貝です。それを楽しむ料理の多さにも驚きます。美味しく作る勘所がいくつかあって、1)ご飯に牡蠣の出汁を効かせる。2)牡蠣が縮まないようにする。3)一緒に混ぜる具材で牡蠣の風味や旨味を打ち消さない。これ位のことは常に思います。
1)については、牡蠣と他の具材を醤油と酒で軽く火を通し、濃い目の味付けをした具を作ります。具と煮汁を分けて、米を炊く分量の水と足して、炊き込みます。
2)最初に味付けして煮汁を切った具は、お米が沸騰し始める時にご飯の上に乗せて炊きます。炊飯器でも土鍋でも同じで、勢いよくご飯が噴き始める時です。
3)は、おとなしい香りの茸や、インパクトのある三つ葉をぶつけてみるとか、嗜好を凝らして楽しめる部分です。油揚げを入れた炊き込みご飯が私は好きですが、必須ではないです。ただ、油揚げの油がご飯をべた付かせること無く、あっさり炊き上げてくれるので私は加えます。下煮する前に、熱湯で油抜きしてから短冊に切ります。
くるりちゃんから暮れに頂いたドイツのケーニッヒ製ハム類(☛参照)やゼリー寄せをオードブルに、あっさりしたお雑煮(☛参照)が夕食となりました。
このお雑煮について一言ですが、濃厚な出汁を取るでもなく、牛蒡や人参、筍などの根菜を加えるでもない、蒲鉾と鶏肉、御餅、青菜、飾り麩だけのシンプルなお雑煮は、お節料理や刺身などおご馳走の食卓で、ひっそりとした感じです。はっきり言って、こんなお雑煮は初めてでしたが、それだけに、そのシンプルさが際立つのです。逆に、他におご馳走でもなければ、お雑煮が賑やかでも良いのかもしれません。ご本人は、出汁について「ダシについてはうるさく言う人が多いがそんなことを気にしていては料理が煩瑣になるだけだ。」と話していますが(だって、ちゃんと出汁を取った方が美味しいんだもの・・・)、この辺が私が新鮮に感じる辺りで、何を主軸にこの料理を捕らえているか、価値の置く場所の違いです。味の観点からいうと、「そんな出汁では味気ない」と石でも飛んできそうです。でもね、観点が違うのですよ。男性の料理が面白いのは、ここです。とても新鮮です。ま、あまりお正月が好きではないようですし、2004年のお正月に公開されているお雑煮は、いまだに姿を変えずにそのままのようですね。もう少し年を食うと、もっとシンプルになるのでしょうか。嗜好というのは歳とともに変化するので、今後が楽しみです。
材料
- 米・・3合
- 牡蠣・・300g
- どんこ椎茸・・3個
- 油揚げ・・1枚
- 醤油・・大さじ2
- 酒・・大さじ2
- 味醂・・大さじ2
下煮調味料
- 醤油・・大さじ1
- 酒・・大さじ2
- 味醂・・大さじ1
作り方
- 米を洗って、笊に上げておく。
- ボールで500ccの水に大さじ1の塩を加えて(3%)溶かし、牡蠣の襞の内側などの汚れを綺麗に洗って、流水で洗い流す。
- 椎茸は薄くスライスし、油揚げは5mmの短冊に切って熱湯で油抜きしておく。
- 小鍋で下煮調味料を沸騰させ、2と3を一煮立ちさせたらボールの上で笊に上げ、煮汁と具を分けておく。
- 土鍋(又は炊飯器)に米と4の煮汁に水を足して、炊く米の分量の水にして中火にかける(炊飯スイッチをON)。
- 穴から蒸気が吹いて、米が沸騰したら4の具を均等に並べ、蓋をして火を弱くする(引き続き炊く)。10分加熱したら火を止め、15分蒸らして出来上がり♪
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コメント
ねえさん、おはようございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
牡蠣の炊き込み、美味しいですね。我が家も作る時に酒いり?します。ぷっくりとなりますね~。高知の浜手には「魚のごはん」と呼ばれるものがあります。それは醤油などの汁に魚を細かく刻んだものを漬け込み、ご飯が炊き上がった時に混ぜ込み、蒸らすだけのものですが、これがなかなか美味です。
最近の牡蠣料理のヒットは牡蠣フライのタルタルソースに「酒盗」なるカツオもしくはマグロの塩辛を入れた料理でした。小粋なお店で出てきた、ちょいと大人の味でした。
投稿: まるちゃん | 2009-01-03 05:46
まるちゃん、おはよう。
東京の牡蠣バーでは(たまたま昨年恵比寿へ行ったとき)、コキールや、コンフィ、ポワレ、ピカタと沢山の料理を味わったので、フランス風には何がベースになっているのか、結構興味深く勉強になりました。日本は和える、焼く、蒸す、揚げるなどの料理方法で、合わせる材料を良く吟味して調理していると思います。
コメントに書かれているような(見たことありませんが)食材はその土地でいろいろ変化して、郷土の美味しいものになっているのでしょうね。
投稿: ゴッドマー | 2009-01-03 06:52