イギリスの伝統料理ミートパイ:アスリートのサポートは国がやるという妄想:案外よいかも
昨日は、箱根駅伝の復路が放送されていました。毎年恒例のお正月番組ですが、今までこんなに真剣に観た事が無く、人が走っているのを楽しく観た経験がありませんでした。スポーツとは、自分でやることに意味があると思ってきましたので、観戦する面白みというのがさっぱり理解できませんでした。唯一、自分がこれまでに経験したスポーツだけは、観戦というよりも、技術的な細かい部分に目が行ったり、ベンチワークを聞いたりして、どちらかと言うとコーチング目線への興味はあります。でも、走るというのは、そのどちらでもないというか、楽しんで観ている人が不思議でした。
ところが、この半年、自分がジョギングをしているので、なんとなくTVに目が行って、見ているうちに面白くなってきたのです。勝ち負けではなく、ペース配分や、走力についてのコメントがなんとなく興味深くて勉強になるのです。毎朝走っていても全く考えもしなかったキックのこと。「足の裏でしっかりキックして、安定した走り」などとコメントが入ると、実際はそれはどのような走りなのかと、走者をじっくり観察してみたり。「けしてスマートな走りではない」と聞けば、「なるー、かっこ悪いな、この選手。」と画面で綺麗なフォームの選手を探すとか。教材は画面いっぱいに次から次へと映っているので、目の保養でした。これは、自分が関係しているスポーツなのに、観戦しているというのとは違って、あくまでも教材としてですから、楽しむというのとは異質で、目的が無いと見てもつまらないということは、依然として変わりないです。
そう言えば、イギリスのサッカー観戦は、地域同士の張り合いがベースにあるというのは歴然としています。エスカレートすると、熱くなって喧嘩や地域の権力闘争に発展することが良くあります。応援席も、ベンチと同じように別れて着きます。中途半端な席が無いので、驚いた事があります。
ああ、なんとなくですが、ちょっと分かってきたような気がします。日本に今、サッカーやバスケットのプロリーグを充実させようとする動きがありますが、全て地元に基盤を持っていますね。というか、地元から生み出されてくるような組織になっています。基盤が地元にあるということは、地元の応援やサポーターで運営して盛り上がるとなるように仕掛けているのだと思います。もしそうだとすると、その裏側には、既に権力争いの基盤上にあるという事なのですね。なんだかスポーツを介して戦国時代に戻っているというようなイメージですが。もっと飛躍してしまうと、この不景気なご時勢では企業がスポンサーを辞めて行くので、例えば、西部のホッケーチームはこの間廃部が決定しましたが(☛参照)、企業や地域では限界も出てきます。となると、日本は、国がスポーツをサポートして行かないと、オリンピック出場も出来なくなるような事態に追い込まれそうですね。国の代表選手を国が養う時代になるのかしら。いいかどうか分かりませんが、国の代表選手を国が養ってサポートすれば、国民は一つになって応援しますよね。そういった感覚は、中国などと同じだと思うのですが、日本は、共和国化にでもなるのか?いや、すごい妄想もいいとこ。たかがスポーツ、されどスポーツの世界になってきました。
日本のアスリートにとっても、今年は大変な年になるような予感がします。国の代表となるような実力の持ち主のサポートが不十分で、選手生活を余儀なく止めざるを得ないという事態になる事はもはや必須です。日本というよりも、世界単位に、オリンピックや世界選手権のような大会の維持やそこに向けての参加は、今後どうなっていくのでしょう。もしかしたら、無くなる年が発生するというような事態がこるのでは無いでしょうか。この際、国単位でスポーツの在り方を再検討するとよいのかも知れません。
昨夜は、牛挽肉でミートパイにしました。なんだかおやつのような献立になってしまったのですが、お節料理が二日も続くともういいという感じですし。
ミートパイというのは、イギリスではかなりポピュラーな食べ物で、パイ生地を使わないシェパーズパイ(☛レシピへ)やコッテージパイと並んで、パブのランチでは必ず見かけます。また、スーパーマーケットの冷凍品売り場でも、大量に安価に買い求められます。昨年イギリスに行った知人から聞くに、昔と変わっている様子も無く、相変わらず歴史や昔ながらの風習を硬く守る国民性そのものだったようです。このミートパイをかじりながらサッカー観戦に、そう言えば一度行って懲りたのでした。皆熱くなるので、観戦どころではなくなるのでした。
暇に任せて作ったパイ生地を20cm角に切って冷凍保存しています。室温に置いて解凍しますが、まだ冷たいまま成型すると扱い易いです(無ければ市販で)。パイの生地の層が薄く出来ないと悩んでいる方が多いですが、麺棒で伸ばして薄くしてから成型します。また、形も様々で、丸型に二枚使ってカップ型にしたり、半月にしたり自由自在です。私は、パイ生地に無駄が出ないように長方形が多いです。半分に切って、生地を伸ばして薄くしたら、パイの底にする方にはフォークでところどころ穴を開けます。蓋にする方は、一回り大きめに伸ばして二つ折りにし、周囲を2cm残して和になっている方に2cm間隔に切れ目を入れます。こうするとオーブンで焼いてる最中に蒸気が抜けて、パイ生地がパリッと焼き上がります。飾りの要素でもあります。
ミートソースは、牛肉の風味をパイに生かすような、シンプルな味付けにします。基本は、牛挽肉、玉葱、にんにく、塩・胡椒ですが、人参やじゃが芋のみじん切りや、フレッシュトマトなどを加えると酸味と甘味が加わって美味しくなります。また、表面に溶き卵を塗ると、焼き色にアクセントがついてこれもまたlovelyですね。アレンジはいろいろできますが、イギリスではシンプルなミートパイが主流です。
材料(10×20cmを2枚)
- 冷凍パイシート(市販品でも可)・・2枚(20×20cm)
- 牛挽肉(赤身の多い部分)・・300g
- 玉葱のみじん切り・・100g
- 人参のみじん切り・・60g
- にんにくのみじん切り・・大さじ2
- 塩・・小さじ1/2
- 胡椒・・適宜
- ナツメグ・・適宜
- 溶き卵・・少々
作り方
- 冷凍のパイシートを取り出して室温に置いて解凍する。
- その間に、野菜を全てみじん切りにする。
- フライパンを中火にかけ、にんにくを少量の油で炒めて、香りが立って来たら玉葱と人参を加えて、玉葱が透き通ったら挽肉を加える。
- 肉に火が通ったら、塩、胡椒、ナツメグで調味し、一旦火から下ろして肉の脂が多いようなら吸い取る。
- 1のパイシートを半分に切って、底になる部分にフォークで数箇所穴を空け、蓋になる方は二つ折りにして和の方を2cm間隔で直角に切り込みをれて広げる。
- 底の部分に4の肉の半分を中央に乗せて、周囲に刷毛で水を塗ったら5の蓋をかぶせて周囲をフォークで押さえる。
- あればとき卵を表面に塗って、200度に予熱したオーブンで15分焼いて出来上がり♪
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