もやしと小松菜、エリンギの中華風炒め:「食」について思うこと:スロークッカーに学ぶ
最近の食事からちょっと思うことです。スロークッカーの面白さというのは、これまで話してきた通りなのですが、「食」が人を和ませたり楽しませてくれるという事を、違った角度で再確認したという感じがします。
予想外の驚きや感動があると、たとえそれが些細なことでも、一瞬にして食べたい気持ちが盛り上がるもので、強い印象として残る特徴があれば、その料理は成功といえると思います。例えば、ヒヨコマメが今までになく柔らかく煮えた時や、スペアリブの肉を箸で持とうとした瞬間に、骨がハラリと取れたというような事です。そして、次に「アレ美味しかった」とか「また作って」などという言葉を言わせたら、作り手としては、密かに嬉しいものです。「アレ」とか「また」という言葉が指しているのは、その時その人に残った印象の事を指しているのだと思います。そして、同じ感動をまた味わいたいと言っているように聞こえてくるものです。
こういうことだったのですね。これは友人の例ですが、ここのレシピでかなりの品数の料理を賄っていると言います。そして、うちで一緒に食事をするときも、楽しみだと言います。それは、普段の彼女とは違う味付けや料理方法に引かれるからで、求めているのは、家族の感動や喜びなのだそうです。目の付け所が、家族を喜ばせたいという観点なのも見逃せません。
今まで少し奇妙だと思っていた部分は、こういうことだったのです。私にとってはなんでもない料理が、人によっては新たな経験として、それは美味しいと表現されるものになったりするのですね。その逆を考えればすぐに分かる事でした。人それぞれ経験値が違っているからこそ楽しい、と言えるはずです。同じように、人間同士の付き合いでも、皆違うからそこに良さがあると、心から受容できたら世の中は平和ですね。率直に言うと、「区別」と「差別」を混同しないといいますか。
話が飛躍するようですが、食べ物に好き嫌いがあって偏食気味の人は、根本的に受け入れにくい何かがあってそうなっていると思いますし、争いが絶えないのも元は一緒だと思うのです。そこが払拭できたら、この世の中はきっと平和になるに違いないと、そう単純に願うのですよ。
もう一つ、表現についてですが、「不味い物」「美味しい物」「良い人」「悪い人」などの表現は、その「物」に偏った観念を形容して付けている言葉です。人を悪い気分にさせるようなことをわざわざ言う必要はないですが、美味しいという表現も、人によっては味わい方が違うので、押し付けるような意図を以っては禁物です。また、うっかり「美味しい」と褒めたつもりが、「こんな味も知らなかったの?」とか、逆に「まずい」と言うと、「美味しい感動を味わった事ないの?」などと捻くれたようなことは言いません。でも、「えーっ!どうしてー。」とは、軽く言ってのけているかもしれません。この、「えーっ!」のリアクションに含まれているものが怪しいです。これは、経験値の比較から優劣を見分けて、見下したものの言い方でしょうか。だとしたら、相手を否定しているのと等しく、前記した極端な例と同意という事になります。これは、本意ではないので、コミュニケーション上まずいですね。書きながら、大変な事に気づいてしまいました。以後気をつけます。
感動を与える料理かぁと、テーマが少し高尚になりましたが、柔らかさの感動をスロークッカーで味わっていますから、真逆にシャキシャキとした食感のものを一品添えることにしました。もやしと小松菜、エリンギ。これでどうでしょうか。どれも抜群な食感を楽しめる食材ばかりです。
味付けは塩味ですが、中国産の干し海老が入るとがらっと雰囲気が変わります。海辺で捕れたその場で干すのでかなり塩辛いのですが、貝柱の干物のように長時間水で戻す必要もなく、5分ほど水に浸して洗い流す程度で、程よい塩味が残ります。
炒める前に味見をしてから塩を加減すると良いと思います。市内では中国産が手に入らないので、知人の食材店Petit Chinois(横浜プチ・シノワ)から取り寄せます。
もやしは、根と芽を指で千切ります。そう、一本ずつです。買ってきたらすぐに根と芽を取り除いて冷蔵庫にしまっておくと、冬場なら1週間は保存に耐えます。夏場でも手早く処理すれば傷みも軽減できて、長持ちします。もしくは、酢を加えたお湯でサッと茹でて冷蔵庫に保存します。一袋を使い切れないないような時には、この方法で保存期間を延ばします。
野菜は炒める前に、誰でも必ず流水やボールで洗うと思います。でも、洗った野菜をシャキッとなるように少し長めに水に浸してから炒めると、野菜の食感が良くなります。
材料
- もやし・・1袋
- 小松菜・・1/2束
- エリンギ・・100g
- 中国産干し海老・・大さじ1.5
- 長葱・・5cm
- 生姜・・みじん切り大さじ1
- 塩・・小さじ1/2
- 胡椒・・適宜
- 片栗粉・・大さじ1
- 水・・大さじ3
作り方
- 干し海老は水に5分浸してから洗い流す。
- もやしは根と芽を千切って水洗いする。
- 小松菜は根元を十文字に切って土を洗い流し、3分ほど水に浸してシャキッとさせ、5cmにざく切りする。
- エリンギは、5cmの長さに揃えて短冊に切る。
- 長葱と生姜をみじん切りにして1の干し海老と一緒に、油を引いたフライパンで中火で炒めて香りを出す。
- 火を強めて2、3、4の野菜を一気に入れて炒め合せ、油が全体に回ったら塩・胡椒で味を整える。
- 水溶き片栗粉を回しかけ、手早くフライパンを煽って全体をまとめ、2分ほど片栗粉の粘りをつけて出来上がり♪
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