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2009年1月

2009-01-31

もやしと小松菜、エリンギの中華風炒め:「食」について思うこと:スロークッカーに学ぶ

 最近の食事からちょっと思うことです。スロークッカーの面白さというのは、これまで話してきた通りなのですが、「食」が人を和ませたり楽しませてくれるという事を、違った角度で再確認したという感じがします。 
 予想外の驚きや感動があると、たとえそれが些細なことでも、一瞬にして食べたい気持ちが盛り上がるもので、強い印象として残る特徴があれば、その料理は成功といえると思います。例えば、ヒヨコマメが今までになく柔らかく煮えた時や、スペアリブの肉を箸で持とうとした瞬間に、骨がハラリと取れたというような事です。そして、次に「アレ美味しかった」とか「また作って」などという言葉を言わせたら、作り手としては、密かに嬉しいものです。「アレ」とか「また」という言葉が指しているのは、その時その人に残った印象の事を指しているのだと思います。そして、同じ感動をまた味わいたいと言っているように聞こえてくるものです。 
 こういうことだったのですね。これは友人の例ですが、ここのレシピでかなりの品数の料理を賄っていると言います。そして、うちで一緒に食事をするときも、楽しみだと言います。それは、普段の彼女とは違う味付けや料理方法に引かれるからで、求めているのは、家族の感動や喜びなのだそうです。目の付け所が、家族を喜ばせたいという観点なのも見逃せません。
 今まで少し奇妙だと思っていた部分は、こういうことだったのです。私にとってはなんでもない料理が、人によっては新たな経験として、それは美味しいと表現されるものになったりするのですね。その逆を考えればすぐに分かる事でした。人それぞれ経験値が違っているからこそ楽しい、と言えるはずです。同じように、人間同士の付き合いでも、皆違うからそこに良さがあると、心から受容できたら世の中は平和ですね。率直に言うと、「区別」と「差別」を混同しないといいますか。
 話が飛躍するようですが、食べ物に好き嫌いがあって偏食気味の人は、根本的に受け入れにくい何かがあってそうなっていると思いますし、争いが絶えないのも元は一緒だと思うのです。そこが払拭できたら、この世の中はきっと平和になるに違いないと、そう単純に願うのですよ。
 もう一つ、表現についてですが、「不味い物」「美味しい物」「良い人」「悪い人」などの表現は、その「物」に偏った観念を形容して付けている言葉です。人を悪い気分にさせるようなことをわざわざ言う必要はないですが、美味しいという表現も、人によっては味わい方が違うので、押し付けるような意図を以っては禁物です。また、うっかり「美味しい」と褒めたつもりが、「こんな味も知らなかったの?」とか、逆に「まずい」と言うと、「美味しい感動を味わった事ないの?」などと捻くれたようなことは言いません。でも、「えーっ!どうしてー。」とは、軽く言ってのけているかもしれません。この、「えーっ!」のリアクションに含まれているものが怪しいです。これは、経験値の比較から優劣を見分けて、見下したものの言い方でしょうか。だとしたら、相手を否定しているのと等しく、前記した極端な例と同意という事になります。これは、本意ではないので、コミュニケーション上まずいですね。書きながら、大変な事に気づいてしまいました。以後気をつけます。

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 感動を与える料理かぁと、テーマが少し高尚になりましたが、柔らかさの感動をスロークッカーで味わっていますから、真逆にシャキシャキとした食感のものを一品添えることにしました。もやしと小松菜、エリンギ。これでどうでしょうか。どれも抜群な食感を楽しめる食材ばかりです。
 味付けは塩味ですが、中国産の干し海老が入るとがらっと雰囲気が変わります。海辺で捕れたその場で干すのでかなり塩辛いのですが、貝柱の干物のように長時間水で戻す必要もなく、5分ほど水に浸して洗い流す程度で、程よい塩味が残ります。20070524040951_3 炒める前に味見をしてから塩を加減すると良いと思います。市内では中国産が手に入らないので、知人の食材店Petit Chinois(横浜プチ・シノワ)から取り寄せます。
 もやしは、根と芽を指で千切ります。そう、一本ずつです。買ってきたらすぐに根と芽を取り除いて冷蔵庫にしまっておくと、冬場なら1週間は保存に耐えます。夏場でも手早く処理すれば傷みも軽減できて、長持ちします。もしくは、酢を加えたお湯でサッと茹でて冷蔵庫に保存します。一袋を使い切れないないような時には、この方法で保存期間を延ばします。
 野菜は炒める前に、誰でも必ず流水やボールで洗うと思います。でも、洗った野菜をシャキッとなるように少し長めに水に浸してから炒めると、野菜の食感が良くなります。

材料

  • もやし・・1袋
  • 小松菜・・1/2束
  • エリンギ・・100g
  • 中国産干し海老・・大さじ1.5
  • 長葱・・5cm
  • 生姜・・みじん切り大さじ1
  • 塩・・小さじ1/2
  • 胡椒・・適宜
  • 片栗粉・・大さじ1
  • 水・・大さじ3

作り方

  1. 干し海老は水に5分浸してから洗い流す。
  2. もやしは根と芽を千切って水洗いする。
  3. 小松菜は根元を十文字に切って土を洗い流し、3分ほど水に浸してシャキッとさせ、5cmにざく切りする。
  4. エリンギは、5cmの長さに揃えて短冊に切る。
  5. 長葱と生姜をみじん切りにして1の干し海老と一緒に、油を引いたフライパンで中火で炒めて香りを出す。
  6. 火を強めて2、3、4の野菜を一気に入れて炒め合せ、油が全体に回ったら塩・胡椒で味を整える。
  7. 水溶き片栗粉を回しかけ、手早くフライパンを煽って全体をまとめ、2分ほど片栗粉の粘りをつけて出来上がり♪

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2009-01-30

スペアリブの粒マスタード煮込み:スロークッカー編:下宿生活、いよいよ最終月

 息子から恒例の電話。月末になると仕送り金額の打ち合わせの為の電話がきます。この電話は、私にとっては息子の経済観念を知るために、暮らしぶりや出来事などを忌憚無く質問して、ゆっくり話が出来る時です。今月の振込みが、高校生活の最後になるということを確認して、感慨無量です。
 毎月、学費と生活費を仕送りすることで子育てを自覚しながら、親にしかできないこととは何か、事あるごとに問われた三年間でした。また、離れているということは、親の思いや方針を伝えても、実際それがどう行われているのかを確認することができません。伝えはするけど、やるかやらないか、またどう理解しているのかは貴方任せということです。これがお互いにとっていい距離なのだと思います。ある男性から、「男の子は、中学までは親掛かりとしても、後は男として育っていくと言う意味では、親はそばにいなくてもいい」と聞いた時から、肩の力が抜けて、すっきりやっていこうと思えたこともありました。
 成長期では、不安ながらも一つを選択して進んで行き、進みながら「これではない」と、道が間違って見えてきたら、そこからやり直すこともできるというのは、末の息子を見ているとそうも思います。無駄足を踏んだようでいて、実はそうではなく、軌道の修正をするということは物凄いエネルギーが必要な事で、どこで道を選ぶにも真剣そのものです。実は、軌道に乗って安心する事よりも、軌道を選択する意思や、軌道と言えるに相応しいものを試行錯誤しながら永遠に築こうとする行いが、人が育つという、そのものだと思います。物事に真剣に向かう気持ちというのは、純粋で潔く、清々しいエネルギーとして伝わってきます。中学高校のこの時期というのは、男子から男へと育っていく上で、乗り越えるものがいくらあっても、いくら挫折しても良いものです。その経験で自信をつけながら、一生を支えるだけの自分になって欲しいと願います。親はいつまでも生きてはいませんからね。
 息子も今春から自炊を覚悟の上で、卒業まで下宿で自炊をしたいという希望があるそうで、このブログも毎日見ているとの事。ほぅ、で、何か作っているのかと聞くと、「野菜炒めや焼きソバ」。ま、今のところ、ここを見て作っているわけではなさそうです。美味しそうな料理の画像を見るのは好きでも、だからと言ってそれを作るという意味でもないというのは理解できます。
 最近のスロークッカー料理も興味津々ということなので、クッカーくらい買ってあげます。大いに盛り上がって春からマイブームにしてくれたら良いと思いますよ。

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 今日は、スペアリブの和風煮込みの紹介です。豚肉の粒マスタード焼きを作ってみた方は、この味付けがどんな感じなのか分かると思います。ベースは醤油と粒マスタードで、隠し味に少し黒酢と黒砂糖を加えました。
 スペアリブの煮込みを作ったことのある人ならきっと了解すると思うのですが、凄い灰汁が出ます。原始的な方法は、煮込む前に一度茹でこぼして、あらかじめ灰汁を抜いてから味付けを開始します。それから1時間近く、更に出て来る灰汁や油を掬う作業があります。オーブンで煮込む場合は別として、かなり鍋に張り付いている必要があります。ですよね?で、スロークッカーだと、その作業が半分以下になり、料理としての裏切りもありません。むしろ期待以上の出来栄えです。レシピの本には無いので、今回初めてのオリジナルレシピです。

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 下準備として、肉を熱湯に入れて5分茹でて灰汁ごと捨てます(後で煮切って灰汁を除けばスープになります。)。半茹でになった肉に醤油をまぶして5分ほど置き、下味を付けます。この後、フライパンで10分ほど焼付けて、香ばしい醤油と生姜、葱の香りを付けます。ここまでで20分ほどです。後は合わせ調味料と一緒にクッカーで8時間煮込みます。例の如く、4時間目くらいから美味しそうな香りが立ち込めてきます。圧力鍋でも、普通の煮方で2時間やっても、こんな風にできたことがありません。箸で摘むと、骨から肉がこぼれてしまうほど、ほろほろに煮上がっています。調味料が少ない割りに、肉にはしっかりと味がついて、煮汁はそのままご飯にかけても塩辛くないのが不思議です。ゆっくり味が染み込むからなのでしょうか。めっちゃ美味しいです。

材料P1280009

  • スペアリブ・・550g(7個)
  • 生姜・・3cm
  • 長葱・・1本
  • 醤油・・大さじ1
  • 柚子胡椒・・適宜
  • 白髪葱用・・5cm
  • キッチンペーパーか灰汁取り紙

合わせ調味料

  • 水・・350cc
  • 醤油・・大さじ1
  • たまり醤油・・小さじ1
  • 黒酢・・小さじ1
  • 砂糖・・小さじ1
  • 粒マスタード・・大さじ1

作り方

  1. 鍋に2リットルのお湯を沸かし、沸騰したら肉を入れて、再沸騰してから5分間中火で灰汁出しして茹でこぼす。
  2. 肉をボールに移して熱いうちに醤油大さじ1を掛け回し、全体に和える。
  3. 湯気が落ち着いてきたらテフロン製の鍋に並べて、ぶつ切りの葱と厚めに切った生姜と一緒に中火で焼いて焼き色をつける。
  4. 肉の部分に焼き色が付いたら引き上げてスロークッカーの内鍋に全て移し変える。
  5. 合わせ調味料を流し込み、キッチンペーパーを丸くしてかぶせ、「8時間」「弱」でセットしてスイッチON。
  6. できたら浮いた油を掬って器に盛り付け、柚子胡椒と白髪葱をのせて召し上がれ♪

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2009-01-29

カッテージチーズサラダ(ギリシャのサラダ風):"私のおすすめサラダ"より:また漢字が増えた!

 昨日、新常用漢字の試案が承認されたと報じられてから早速、どれどれ。もうこの手のお話しには歴史があるし、議論も終わりそうも無いということですし、国が決めることなので私レベルで四の五の言うことでもありません。ただね、振り回されてしまうのですよ、真面目な私などはね。この速度についてイケません。ちょっとだけ思うのは、「情報機器の急速な普及に伴う漢字の多様化を踏まえた見直し」(信濃毎日新聞) ということですが、それがピンときません。一体どこで漢字が多様化しているというのでしょうか。どう見たら良いのかわかりません。毎日ブログを書いている私は、ひらがなを使うか漢字にするかよく迷います。漢字には意味があって、表現上あえて漢字を使いたくて使用している事が多く、ひらがなでは伝えられないものがあるというのは、私のこだわりなのかも知れません。が、漢字一文字にどれだけ多くの情報があるかと思うと、できれば使いたいのです。
 こうして書いているのは何を隠そう自分の漢字練習になっているかもです。それはさて置き、書き手のエゴですから、読み手がどう解釈するも読み手の勝手です。でも、変換の度に悩むのです。一番の理由は、こんな漢字書いても読めないだろうな、難しい漢字で書くと、ブログから皆が引いてしまうかな、とか。読まれればそれだけで良いのか?と自問自答したり。相手如何で自分在りきのような振り回され方で、なかなか自分がはっきりしません。この統一性のない使い方が、しっくりしないままです。
 強調する意味でわざとカタカナで書いてあったりするのも一つの表現ですし、漢字が少ない文章は、年齢的に幼いということもあるでしょう。けど、一般的に読めない漢字が使えないのは、知らない言葉は話せないのと同じです。変換文字に組み込んでも、それを選んで使うまでに至っていないというのが実状ではないでしょうか。
 情報機器が急速に普及しても、PCを操る年齢層も低年齢化してゆくのみで、高齢においては先細り化しています。どこに「多様化」が見えるのでしょうか。今まで画数が多くて除かれてきた漢字が、カムバックするようでもあり、そんな漢字は、使ったところで読まれるのかな?という疑問を益々持ちます。自分がついて行けないのでトホホで、情けない話です。

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 さて、ドレッシングを使わずに、手で和えるだけのサラダの紹介です。男料理を引っ張ってくるようですが、紹介されているのは、ギリシャのサラダが元で、ギリシャ産のフェタチーズが乗っていないと本来の姿ではないのです。少し気が引けてしまうのですが、あるもので出切る事をやってみたということで、いかがでしょうか。
 チーズサラダの本家と言っても良いくらい、ギリシャでは大きな塊のフェタチーズをサラダに乗せて、オリーブオイルとヴィネガーで和えて食べます。グリークレストランでは当たり前。ただ、残念な事にこのチーズ、日本ではあまり馴染みが無いのか、売っている量も少なめです。牛乳などで一晩塩抜きしてからでないと塩辛いチーズです。そのままトマトのスライスと一緒にパンに挟むだけで超美味しいチーズなのは間違いありません。
 で、このド田舎でフェタチーズを置くお店が有るわけがないと、探してもいません。代用するのは牛乳から作るカッテージチーズです。牛乳を温めながら酢を加えて分離させ、漉して、固形部分だけを取り出す為、ほんのりと酢の香りが残ります。それが、トマトとの相性を良くするのかと思います。牛乳のほぼ1/4が固形のカッテージチーズとして出来上がりますので、作りたい量を換算します。漉した紙で包んで、硬く絞ればフェタチーズの食感そっくりにできます。物足りなさは、クセのあるチーズ(スペイン産のヤギのチーズとか)を少し混ぜると良いかもしれません。気分はギリシャという事で。
 今が旬の伊予柑とセロリをたっぷり使ったカラフルなサラダとなりました。カッテージチーズには塩分がないので、少し塩を振って、ワインヴィネガーとトマトの酸味で充分満足できます。
 セロリは、軽く熱湯に通して冷ましてからスライスします。セロリの角が取れて、香りはグッと強くなります。柑橘類の実をきれいに取り出す為の剥き方がこちらにあります

材料

  • セロリ・・1本
  • ブロッコリー・・小1株
  • 人参・・小1本(100g)
  • 伊予柑・・大1個
  • トマト・・大1個(200g)
  • カッテージチーズ・・100g
  • (牛乳400ccと酢大さじ2.5)
  • オリーブオイル・・大さじ1
  • ワインヴィネガー・・大さじ1~2
  • 塩・・少々

作り方

  1. 牛乳を温め、酢を加えてカッテージチーズを作る。詳しくはこちら☛
  2. ブロッコリーと人参セロリを塩茹でして冷ます。
  3. ブロッコリーは小さな房にわけ、人参とセロリは斜め5mmにスライスする。
  4. 伊予柑の皮を剥いて実を取り出す。
  5. トマトを湯剥きにして一口大に切る。 
  6. トマト以外の野菜全てを皿に盛り付け、トマトを手で潰して全体に乗せ、オリーブオイルを回しかける。
  7. 一度ざっくり混ぜ合わせてからワインヴィネガーを振りかけ、カッテージチーズを乗せて、塩を振りかける♪

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2009-01-28

牛肉のキーマカレー:スロークッカーの威力でやってみた!マジ美味しい:苛立ちの在り処

 昨日は、何も起こらずに終わってしまった。特別な事を期待しているという意味ではなく、日常は普通に流れているのだけど、自分が密かに待ち望んだ事が起こることが楽しみで、そういうちょっとしたことが含まれた日常が、日々の活力になっているのかもしれない。何も無い今日を早く終わりにして、もしかしたら輝くかもしれない明日に早くなるように願って、この諦めの気持ちを埋めているだけなのかもしれない。
 平常心を失うほどの心の乱れや、どうにもならない事への苛立ちも、若い頃と違って占領されてしまうほどのものでもないとは思いつつ。でも、キツイものです。気分を変えようにもどうにも変わらないことが、更なる苛立ちとなってしまうものです。こういう気持ちと上手く付き合えないものかとつくづく思います。
 どうにもならない事というのは、どこまでをどうしたいと思っていることなのかと自分を振り返ってみた。究極、心の底にあるのは独占欲的なものかな。占有したい対象が、人だったり物だったり何かの願い事だったり。手に入った時の空しさを思うと、この苦しい苛立ちを温存していた方が、よっぽど独りよがりな幸せなのだと思う。その独りよがりの幸せは、贅沢な孤独なのだろうと思う。とても輝かしくは見えないけどなぁ。でも、ほんの些細な事が自分を支えているように思うし、その些細でささやかなちょっとした光が、もしかしたら明日見えるのではないかと、そういう気持ちを温存する事かな。

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 今日は、マイブームのスロークッカーで牛挽肉のキーマカレーを作ってみました。インドでは、牛肉は食べないでしょと、突っ込まれそうですね。そうかどうかは別として、私も牛肉で作るのは初めてです。牛挽肉カレーとしておきます。
 スロークッカーのお得意料理の煮込みですから、材料を準備したら内鍋に入れて水を加え、混ぜてスイッチをONするだけです。P1270002
 で、今回ちょっと気になったのが、かたまり肉ではなく、挽肉という点です。挽肉は、細かい肉ですが、以外に硬いのです。牛肉を部位別に精肉したあとに残った赤身と脂身を適当な比率で挽いたものなので、柔らかい部位はまず使用していないハズです。お肉屋さんの話では、精肉した後で、最終的に形が無くてもよしとする肉の残りをうまく集めたのが挽肉だ、ということです。そういう理由から、赤身は硬いのが然りなので、脂身を適度に施して肉質全体をソフトに仕上げてあるそうです。ですから、ちょっと肉が硬くなるのではないかと不安だったわけです。P1270003
 出来上がってみるとまったくそんなことはありませんね。肉の繊維を良く見てみると、拡がって、ふやけて火が通ったような状態になって、他の材料と混ざり合っています。脂は溶け出して、見事に浮いています。この脂を掬って廃棄するかどうかは好みの問題なのと、私は、カロリーを抑える意味で掬って廃棄します。
 ざっとこんな感じで、初めて食べるソフトな食感のキーマになりました。鶏肉で作ってもきっとこんな風に繊維が柔らかく、食べやすくなるような気がします。P1270006
 カレー粉に頼らずに、全てハーブだけで作ったせいか、スープが透き通っていて上品ですし、サラッとしたスープカレーといった仕上がりです。胃の負担が大変軽くなると思います。ご飯にはターメリック、バター、夏場に冷凍したコーンを加えて炊き込みました。

材料

  • 牛挽肉・・500g
  • 玉葱・・300g
  • トマトピューレー・・カップ1/2
  • にんにく・・3片
  • 生姜・・みじん切り大さじ3
  • ローリエ・・2枚
  • シナモン(粉)・・小さじ1/2
  • パプリカ(粉)・・小さじ1
  • ナツメグ(粉)・・小さじ1/2
  • カルダモン(粉)・・小さじ1/4
  • クミン・・小さじ1/2
  • コリアンダー・・小さじ1/2
  • ターメリック・・大さじ1
  • 水・・800cc
  • パセリ・・適宜
  • キッチンペーパー(灰汁取りようとして最後にかぶせる)

※ カイエンペパーは好みで最後に加えるか、銘々の皿で加える。

作り方

  1. 順番に切りながら鍋に入れていきます。生姜とにんにくのみじん切り、玉葱のみじん切り、ハーブ類、トマトピューレー、水、牛挽肉を全て内鍋に入れ、混ぜ合わせ、キッチンペーパーを覆いかぶせてタイマーで「4時間」「強」にセットしたらスイッチON。
  2. できた!パセリを散らして出来上がり♪

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2009-01-27

たこ焼き;中はとろーり外はパリパリの生地のレシピ:諏訪の朝鮮五葉

 一昨日、近くの神社で拾った松毬の話をしましたが、昨日、ジョギングの途中で、その神社の社務所に寄って、宮司さんと直接話をさせてもらいました。気になると調べたくなるしょうもない性格と、かるーいフットワークがまだ健在です。歳になると、動きが鈍くなり、気持ちの方も、もときめきが薄らいで何故かのんびりしてしまうそうですが、誰かが言ってたように、「両方とも努力すればいいのです」。ぁ、楽しみとしてです。P1240002
 何が気になったかと言いますと、食用の松の実が生る松は、寒い中国の「紅松」や「朝鮮五葉松」くらいなのです。そのことは、松の実を検索すると出てきました。ただ、諏訪も寒いですから、自生するものなのかと最初は思いましたので、散策するために里山歩きでもしようと考えていました。ところが、いつも買い物に行く肉屋さんのご隠居が、拾ったという話をしてくれた時に、ここら辺りで自生する松じゃないとはっきり言っていたのを思い出して、何故近所の神社に生えているのかが不思議になったのです。それに、そういうご隠居、あなた様はどこで拾ってきたの?とあまりに野暮(松茸とか岩魚とか栗、山芋、松ぼっくりもなどの在り処は、聞いても教えてくれるはずがありませんから)なので、質問しなかったのですが、諏訪のこの土地で、どうして生えているのかが疑問です。
 という訳で昨日行って、聞いて来た話で真相が分かりました。昭和天皇が昭和5年に下諏訪町にある諏訪大社秋宮をご参拝された時の記念の植樹だそうです。多分一本だけお持ちになったわけではなかったのでしょう、この神社から参加された宮司さんが頂いてきて、植えたそうです。例のご隠居が拾うのもその時のもので、別の場所(市内の小学校の校庭)だそうです。こうしてみると、諏訪には3本しかないわけです。樹齢80年にもなるこの木は、巨木で、地面から10m程のところから最初の枝が生えていますので、見上げてもその特徴である五葉に気づくはずもなかったわけです。
 宮司さんに、拾った松の実が大変美味しくて感激した話をしますと、それはとくいまれな話で、この松にとっては諏訪の気候は暖か過ぎるらしく、実には虫が入って、落ちたものが食べられた試がないそうです。私は、ひどくラッキーだったらしい。宮司さんは、神社の境内に、松を増やすために種を取り出そうと随分探したそうです。増やす方法は、挿し木では育たないため、種から苗を育てる方法で、全て失敗に終わったそうです。取り組む姿勢が、随分アカデミックな宮司さんだと感心して帰ってきました。私とは大違いです。
 胸のつかえもスッキリしましたが、昭和天皇の話や、知る人ぞ知るという諏訪の朝鮮五葉の事を知ったことは、実際の歴史に触れたという実感があります。テレビで、古墳の発掘などのシーンでその感動を伝えている場面がありますが、受け止める側に関わりが有るのと無いのでは、その感動も全く違うものです。たかが松の実ですが、この一粒と80年の歳月との引き合わせは、実感として残るものになりました。

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 さて、久しぶりのたこ焼きです。たこ焼き用の鉄板を直火に掛けて、火加減をコントロールしながら焼く方式です。我が家の好みは、生地が重くないタイプで、表面はパリパリで、時間が経ってもしぼまないような焼き具合です。この理想に近づけるために今まで何度なく繰り返して出来上がったレシピです。いつもは見分量、目分量でしたが、今回は、書く事を意識したので最初から全て材料を量りました。特殊な材料を使っているわけでもないし、関西では、たこ焼きにうるさい人が多いので笑われるかもしれません。が、めっちゃ美味しいです。

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 始めに断っておきますが、生地には濃い味付けはしません。卵を解いて、鰹出汁、小麦粉、浮き粉を混ぜてから、すった長芋を加えて、少量の塩で味付けします。また、野菜のみじん切りを入れるのが一風変わっているのですが、白菜やキャベツのみじん切りを花鰹と一緒にお醤油で和えておいて、焼く時に振り掛けます。具としては、この野菜のみじん切りと大きめに切った蛸です。出来上がったら、ソースやマヨネーズ、醤油などの好みのものを付けて食べる方式です。

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 生地に浮き粉と長芋を加えると、生地がトロリと透き通ったようになります。浮き粉というのは、小麦粉を精製して取り出す粉のことですが、これを加えると生地に弾力がついて、それでいて滑らかで舌触りが良くなります。海老蒸し餃子の透き通った生地に使う粉です。我が家のたこ焼きは、明石焼き(あかしやき)に近いかもしれません。

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材料(70個分)

  • 卵・・3個P1260006
  • 鰹出汁・・800cc
  • 小麦粉・・200g
  • 浮き粉・・50g
  • 長芋・・300g
  • 塩・・小さじ1
  • 蛸・・300g
  • 白菜(又はキャベツ)・・250g
  • 花鰹・・適宜
  • 醤油・・大さじ2

作り方

  1. 大きなボールで卵を良くほぐして塩を加え、鰹出汁を加えてのばし、浮き子と小麦粉を混ぜる。※順番を間違えないように。
  2. 最後に長芋をすって入れ、良く混ぜ合わせたら3分ほどねかして、生地を落ち着かせる。
  3. その間に、白菜を5mmくらいのみじん切りにして花鰹を手で揉みながら和え、醤油で味付けする。
  4. たこ焼きの鉄板を熱く予熱して、煙が出始めたら鉄板が焦げ付かないように油を良く回す。
  5. 穴が隠れてしまうくらい生地を流し込んで、蛸を穴に1個ずつ入れ、白菜を散らす。
  6. 表面が剥がれるようになってなってきたら、繋がった部分を分けて余分を穴に詰め込むようにしてひっくり返す。
  7. 両面が香ばしく焼けたら取り出して、好みのソースを付けて頂く♪

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2009-01-26

じゃが芋と玉葱の重ね蒸し:スロークッカーの熱源になるほど納得

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 スロークッカーの宣伝をしたい訳ではないけど、していますが、はまりますよこれ。何でもとても美味しくできるのが、お勧めの一番の理由です。次に手間の問題。じっくり時間をかけると美味しい料理は沢山ありますが、その根本を変えることなく調理できることが気に入りいました。スローフードの運動家でも何でもありませんが、触れて知ってみると素晴らしい伝統料理は、七輪のとろ火でことこと作ったりする物などがあります。例えば、煮豆や佃煮の部類ですが、そのような昔の料理法を再現するのは難しいですが、スロークッカーなら可能になります。それと、この調理器が楽しい理由は、創造性を大いに掻き立てられてしまうことです。調理器具としての専門性の幅が広く、思考の柔軟性を問われます。それがいい刺激で、私の場合は、ワクワクします。

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 こういうことにワクワクしてこない人も多くいます。創意工夫という思考自体が素地にない方です。でも、そういう方でも望みがないわけではなく、面倒臭がりなら、それは逆に、凄い素質をお持ちです。それこそが、物事を発明する為の動機になるのですから、こういう方からどんどんスロークッカーの新しい料理や調理法が生まれてくるのではないでしょうか。ただ、「面倒臭がり」は持って生まれた才能なのに、何がダメかと言うと、基本的にやらないで済ませる人が多いのです。ここが、発明の光が差さない所以でしょうね。それがとても残念です。私はダメです。私は、才能はありませんし、天才の素地もありません。小まめで面倒臭がらずにちゃちゃっとこなしてしまうので、頭を使うことが少ないです。因みに、我が家の子ども達は、全員素質はあります。まだ芽が出ていないだけです。きっと。
 さて、凡人の私は、未だにレシピの通りに作ってみて喜んでいます。今日は、じゃが芋と玉葱の重ね蒸しです。雛豆鶏肉を柔らかく煮る事はクリヤーしましたので、今度は蒸し料理です。P1210004_2
 このクッカーの特徴ですが、鍋の底には熱源はなく、側面から熱が内鍋全体に伝わります。ですから底を焦がすという失敗はない代わりに、側面の熱源に、調理する材料が当たっている必要があります。注意書きにもありますが、底から3cm以上の部分までです。側面から材料が加熱され、底の部分に溜まった水分がじんわり蒸発して調理するわけです。分量のワインも大変少ないので、じゃが芋と玉葱の水分主体で調理するに等しいです。こうなると、とびっきり美味しいじゃが芋で作ったろうか、ということに自然に気持ちが働きます。かといって、どこにそんなじゃが芋があるのかしりませんけど。マイ畑のじゃが芋は食べ尽くしてしまったので、地元の自由農園のじゃが芋と玉葱で作りました。

 じゃが芋の皮を剥いて、スライサーでじゃが芋をスライスし、玉葱は半分に切って、横にして薄くスライスします。鍋にバターを塗って、じゃが芋を敷き詰め、玉葱をパラリと乗せたら塩と胡椒を振ります。これを繰り返して、最後に白ワインを振って「強」で1時間半もすると竹串がスッと通るほどになります。ここで溶けるチーズを乗せて10分ほど加熱すると丁度食べごろになります。

材料

  • じゃが芋・・大き目の4個
  • 玉葱・・大1個
  • 塩・・小さじ1
  • 胡椒・・適宜
  • 白ワイン・・カップ1/4
  • 溶けるタイプのチーズ・・40g

 レシピでは固形スープの素を使っていますが、私は塩と胡椒だけで、少し多めに最後に振りました。要はこれだけですが、底の部分に熱源がないという設計で、蒸し料理がこの様に出来上がるのは納得です。この設計者は賢いですね。他のメーカーで、底の部分に熱源があるタイプの場合は、結果的に、水分の少ない蒸し料理はできないということでしょうか。もっと水分を多くする必要があると思うので、それは蒸し料理ではなく煮込みですし。例えば、このクッカーでプリンを作る時は、水を張るだけですが、底に熱源があるタイプのクイジナートのクッカーは、水を張って網を敷くようです。用途も考慮して、熱源がどこにあるか買うときに要チェックです。
 老婆心ながら、このタイプのスロークッカーは、メーカーも数社あって、安価なものや高価なものもありますので、どれを買うのかよく調べた方がよいと思います。用途によって選び方が決まると思いますが、使い勝手が幅広い方が、料理の幅も広がるのは言わずもがなです。

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2009-01-25

鯖の揚げ焼き:醤油と酢と松の実でさっぱりと:苦笑の松笠武勇伝

P1240005  天気予報どおり、極寒の強い風と共にまた凍り付いてしまった諏訪です。
 雪解けの水が凍りついたアスファルトの道も、盛り上がった部分を踏むと、明らかに中が空洞でポコポコした音がします。初夏ともなると、こういう道は全てひび割れたようになって陥没してしまいます。諏訪に訪れた方ならきっと感じたと思いますが、大変道が悪く、アスファルトの道は何度も掘り返したと分かる継ぎはぎのような模様があって、天下の国道もup -and-downの連続です。一番最初に私がこの土地に来た時は車でしたが、インターチェンジを降りて国道20号線を岡谷方面に走った時の印象は、今でもそのままです。その当時はスパイクタイヤでしたから、道に轍(わだち)ができて、凍るとタイヤを取られて、非常に怖かったのを記憶しています。
 住宅街の細いアスファルトの道にひび割れが起こり、やがてくねくねと歪んででこぼこな道になるのは、自然現象(地中の水分が凍って体積が増え、道路が盛り上がる)なのだと知った時、大変なところへお嫁に来たものだと、最初の3年は、過酷な自然との戦いのようなものでした。今、それに諦めがついたとも思えないのですが、なんとなく考えるのを避けて、見て見ない振りをしているのかもしれません。

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 今日は、いつも走る道から少し逸れて、といっても家に戻るルート上ではあるのですが、初詣に出かける神社入り口付近を通りました。階段の上り口に大きな松の木があって、棚から牡丹餅とはこのことでしょうか、10cm程の大きな松ぼっくりを発見(朝鮮五葉松)。これこそが私が今年探しに行きたいと思っていたものです。この松から取れる実が目当てです。落ちていたのは、朽ちたからと寒い山風に呷られたからか、目的の松の実がこんなに身近にあったとは全く気づきませんでした。嬉しい。P1240004
 早速持ち帰って、綿手をはめてイザ解剖。感激の一瞬です。私がこの先生きていても、この松笠に御目文字できるとも思っていなかっただけに、感激しました。
 昨年の暮れに、例の肉屋のご隠居が、店の奥で手袋して片手になにやら道具を持って、松毬から実を一つ一つ取っていたのです。小指の先ほどもないような小さな実を丁寧に慎重に取り出すその仕草は、真剣そのものでした。市内のあるところで拾ったというのです。勿論教えてなんてくれません。その時少し頂いたのですが、それがあまりに愛おしくて、食べるのが勿体無いのです。今までこんなに美味しい松の実は食べたことがありませんでした。あれだけ美味しいのですから、どんな労も厭いもせずに、山に散策に行く心積もりでいました。その貴重な松の実を両手一杯に頂いたのは嬉しかったです。それが、あろうことか、近所の神社にあったとは、灯台下暗しとはこういうことを言うのですね。

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 幾粒か失敗して、潰してしまったのですが、一個の松ぼっくりで大さじ1程ありました。これを、酢と醤油を絡めた鯖の揚げ焼きに一緒に絡ませました。韓国のチヂミのタレをこれと同じように作るのですが(☛参照)、揚げ焼きした鯖と松の実をフライパンに乗せて、鍋肌から醤油と酢を回しかけると、一気に蒸発し始めます。この強いインパクトの味を鯖に絡めて松の実と一緒に頂くと、角が取れたようになってマイルドになります。

材料

  • 鯖・・1尾(三枚卸し)
  • 小麦粉・・大さじ1
  • 揚げ油・・カップ1/2
  • 松の実・・大さじ1
  • 醤油・・大さじ1
  • 酢・・大さじ1

作り方

  1. 三枚に卸した鯖を一口大にそぎ切り、軽く小麦粉をまぶす。
  2. 醤油と酢を小さなボールで合わせる。
  3. 松の実を粗く切る。
  4. フライパンを中火にかけて油を注ぎ、菜箸の先から気泡が出る位の温度になったら皮目を下にして揚げ焼く。
  5. 両面を香ばしく焼いたら一度引き上げて、油を切る。
  6. フライパンの油を払って、松の実が焦げないように香ばしい香りが出るまで煎る。
  7. 5の鯖を戻して醤油と酢を鍋肌から回し掛けて鯖と絡めて出来上がり♪

▪ 松の実についての凄いサイト、見っけた!☛こちら

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2009-01-24

菜の花とボロニアソーセージのキッシュ風:じゃが芋を敷き詰めた方法で

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 この三四日、雨がふるほどの暖かい陽気で、春になってしまうのかと思うほどです。寒さはぶり返すというのですが、九州の方からどんどんやってくる春の野菜を見ると、つい手が出てしまいます。
 ここだけの内緒の話ですが、この歳にして初めて「しもやけ」というものが足に1個できました。これって、1個2個って数えるものなのかどうかしりませんが。12月から1月にかけて夏仕様のジョギングシューズでは寒くて、足が痺れるような感覚がありましたが、なんとなく痒い感じがあの後あって、しもやけになる下地があったのですね。痒みに痛みを伴うって、複雑ですが本当なのです。
 娘が小学生の頃、しもやけができて痛いと訴えてきた時に、「それは冬の元気な子どもだけがもらえる勲章よ」と、慰めた事があります。ですが、私にその経験がなかったので、重みのない言葉でした。しもやけは、摩擦するのがよいと口コミで聞いていたので、撫でたり、寝る前に唐辛子をガーゼに包んで靴下に入れたのを履かせたりして、民間療法を使いました。何をやっても、とても痛がるので困惑した記憶が蘇ってきました。確かに、ちょっと触れるだけで痛いです。そりゃーもう。勲章なんてすっ飛んでしまいます。この上、唐辛子なんてどれ程痛いか想像がつくので、私はこのままそっとしておきます。

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 ちょっと早いかなと思いつつも、菜花のほろ苦さと青菜の香りは、春の訪れを感じます。菜花は、単品ならお浸しや胡麻和えが美味しいく、卵や乳製品、ソーセージ、ハムなどとも抜群に相性が良いと思います。
 今日は、ボロニアソーセージと一緒にキッシュ風に焼いてみました。越冬して甘味が乗ったじゃが芋をスライサーで薄く切って、オリーブオイルを薄く塗った型に敷き詰めて、タルト生地代わりにします。混ぜ合わせた材料を流し込んでオーブンで焼くだけの簡単さです。キッシュというのは、材料を準備して放り込んでおくだけで出来上がるので、材料の組み合わせさえ間違わなければ、いろいろな種類が楽しめます。 本来は、タルト生地を最初に焼いて、その上に具材を入れて焼くのが正式なフランスのキッシュの作り方ですが、私は、カロリーを控える上でもタルト生地は使いません。長島亜希子さんがImpossible Quishe(まさか!のキッシュ)として紹介されたキッシュでは、Bisquick(ビスケットのプレミックス粉)を直接具材に混ぜ込んで焼く方法をここでも紹介しまたね(☛参照)。あれも正に驚きのキッシュで、南瓜などの甘い具にとても良くあいます。

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 今日のは、じゃが芋を火の通りが良くなるようにフライスして、キッシュ型に敷き詰めました。隙間に溶き卵が染みこんで、これもい感じです。
 菜花は、蕾だけの部分と茎と葉の部分と二種類売っています。蕾だけのは苦味がやや強く、菜の花の醍醐味を味わえますので和え物やお浸しに良いと思います。茎と葉だけのは、キッシュや炒め物、味噌汁の具などが良いかなと、個人的には思います。

材料

  • 菜花・・1袋
  • ボロニアソーセージ・・3cm
  • じゃが芋・・180g(大1個)
  • 卵・・2個
  • 牛乳・・150cc
  • 塩・・小さじ1/2
  • 胡椒・・適宜
  • サボリー(又はナツメグ)・・適宜
  • ピザ用チーズ・・80g

作り方

  1. 菜花はたっぷりのお湯で硬めに塩茹でして水気を絞り、3cmにざく切りする。
  2. ボロニアソーセージは5mmの輪切りにして更に短冊に切り揃える。
  3. じゃが芋は、皮を剥いてスライサーでスライスしながらオリーブオイルを塗った型に敷き詰める。
  4. ボールで卵を溶き、牛乳を混ぜ合わせてから他の具材を混ぜ込んで、3の型に流し込む。
  5. オーブンを200度に予熱して、15分から20分焼いて出来上がり♪

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2009-01-23

鶏の胸肉アドボー(Adobo=フィリピンの鶏肉煮込み):スロークッカーの威力でやってみた!マジ美味しい

         【画像は全てサムネイルですから、クリックして詳細を見ることができます。

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 昨日の雛豆のトマトスープが好評で、自分の手柄でもないのに大変気分が良く、調子付いて、頭にあるのがスロークッカーの手腕で何を作ったろうかばかりです。
 いつものように献立を考えずに肉や魚をぽんぽん買う私ですから、あるもので献立を考えるのは得意なはずです。今、冷蔵庫に在って使い切りたいのが鶏の胸肉。食べたいのが、あっさりした物。さて、しばらく思考が止まっちゃうんですけど、スロークッカーの煮込みの手腕で胸肉というのは如何なものかという疑問です。これまでも、ビックル液に漬け込んで蒸してハムを作ったりはしていました。硬くなってもハムだしなぁと、妥協の線も出るのですが、なかなか決まりません。こういう時にスロークッカーのおじ様ならすぐに、ポンポン、ポーンってレシピが飛び出すのでしょうけど。あーぁ、けっこう頭硬いかな私、それに女だし、と。
 あっさりとした味付けというと酸味です。酸味で鶏肉といえばアドボーという訳で、試しに作ってみることにしました。ジューシーで、肉質が柔らかく出来上がらなければ意味が無いので、どちらかと言うとこの料理も胸肉での実験です。
 決まれば簡単です。下準備としては、料理のコツに書いてあるとおり、かたまりの肉は下茹でした方が良いらしい。ふーん、それは、きっと「灰汁が染み出し、それと一緒に濁った味付けにならないためじゃないかしら。」とか、けっこう独り言を言いながらやっている自分です。茹でると言ってもサッと熱湯にくぐらせるだけで、お湯はすぐに白濁します。この程度。あとは、内鍋に並べて、にんにくを包丁の柄でブチッと潰してのせて、味付け液を流し込んでスイッチONです。

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 で、出来た!
これだけですが、アドボーの香りがたまらなくいい。最初、8時間で「弱」かしらとセットしたのですが、下茹でして肉が温まっていたからだと思うのですが、その良い香りの時に蓋を開けて弾力を調べると「もう少しだ」という声が聞こえてきました。意外な速さで出来ると悟った次第です。結局、都合2時間で加熱をやめて、冷めながら味が入っていくという料理の原理に期待し、そのまま冷ます事にしました。
 午前中にこんなことをしていましたら、娘からメールで、病院でA型インフルエンザだと診断され、初めてかかったインフルエンザの感想等、実況で知らせてきました。こちらは購入したばかりのスロークッカーの威力などを伝えましたら、「何その劇的な器具は!」と、網に掛かったもよう(ぅしし)。こんな時にこそ、ご飯と牛乳でミルク粥とか寝ている間に出来るのにと、ひどく残念というか、欲しがっていました!一家に一台ではなく、うちのばらばらな暮らしでは、一人一台の孤食の道になりそうな気配ですけど、その先にこの美味しさが拡がるのではないかということも期待します。
 にんにくが青緑色に変色している件ですが、これは毒なんじゃないのか?調べてみると、こう☛Wikipedia 

ニンニクを摺り下ろすと、稀に青くなることがある。これはクロロフィルの色であり、体に影響はない。

ニンニクは通常休眠状態で流通されるが、保管状態が悪い(野積みした場合など)と芽だし寸前の状態になり、この状態で摺り下ろすと光に反応してクロロフィルが生成され、これが青く見える。

らしい。

もう一つ☛Web「にんにくの里」

丁度芽が出始める時期に当たった為でしょうか。

 材料は、私のアドボーのレシピ(☛参照)を参考にしましたが、その時の鶏のぶつ切り500gに対する調味量よりもぐんと少なめな比率です。並べた肉がかぶる程度であれば良いので、見分量で酢と水を最初に加えてみた結果です。今回の胸肉は2枚で780gで、肉の嵩というよりも、質量は多く、それに対する味付けを思うともっと多くなってもよさそうですが、実際は半分以下の酢と水を半々でカップ1杯です。ナンプラーも大さじ1だけです。アドボーの食べ方として、この煮汁をご飯にかけるので、嬉しい分量でした。

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 ご飯と野菜にアドボーのスライスを添えて、煮汁を掛けてワンプレートディッシュです。ちょっと!ご飯を食べ過ぎないで!って言われそうなくらい、実に美味しいアドボーが完成しました。
 お試し料理で少しずつコツを掴みながら、展開が楽しくなってきました。何かの歌に、「退屈な毎日が急に輝きだした・・・」みたいな歌詞があって、はて、誰の歌だっけ?思い出せないので落ちがつかないという惨めな終わり方ですが、そんな感じ。専業主婦の私のささやかな楽しみです。

材料

  • 鶏胸肉・・2枚(780g)
  • にんにく・・2片
  • 酢・・90cc
  • 水・・90cc
  • ナンプラー・・大さじ1
  • 付け合せのサラダ
  • クッキングシート・・適宜

作り方

  1. 1リットルの水を沸かし、沸騰したら胸肉の皮目を下にして、10秒くぐらせて下湯でする。
  2. 1の引き上げた肉の水気をふき取って、皮目を下にスロークッカー並べ、潰したにんにく、酢、水を加えてクッキングシートをかぶせ、「弱」で2時間にセットする。
  3. 出来た!スイッチを切って冷ましながら味をしみ込ませる♪

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2009-01-22

雛豆(ひよこまめ)のトマトスープ:スロークッカー編:マジ美味しい!

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 先日、スロークッカーの注文をすると呟いて、もう届いたのですよ。最近のAmazonのサービスは充実してきたと思います。勿論、仁義として最初に紹介してもらったところのアフィリで購入しています。そうそう、ここでアフィリについて言及しておきます。 アフィリエイト【affiliate】☛参照 

Webサイトやメールマガジンなどが企業サイトへリンクを貼り、閲覧者がそのリンクを経由して当該企業のサイトで会員登録したり商品を購入したりすると、リンク元サイトの主催者に報酬が支払われるという広告手法。

のことで、私もGoogleとAmazonの広告をこのブログにも目立たないように張っています(沢山張るとウザイので)。商品紹介のブログエントリーを通して商品を知り、購入する場合は、その方に広告マージンが入るように、その方のリンク先から商品を買うのが筋だと思っています。その後、私も自分のエントリーで紹介する事があれば、その時は自分のアフィリエイトとしてリンクを張ります。これでマナー違反していないと思うのですが。一応、今までもそのようにしています。
 で、何度となくスロークッカーの威力の程を見せ付けられていましたので、昨年から、いえ、もっと前からかもしれません、欲しいと思っていました。あ、ブログでは、2007年の12月に、牛すね肉のポトフのレシピ(☛参照)で少し触れていますから、その頃、意識の中には既にあったもようです。それよりも、20歳代の頃、知り合いのアメリカ人が持っていたのを見ていますし。ま、2年以上の歳月迷っていたわけではないのですが、「スロークッカー」の文字を見る度に、物欲が盛り上がり、ここでピークを迎えたということでしょうか。
 私のことですが、書籍と料理関連の物以外で欲しい物が殆どありません。私の年代の女性なら少しゆとりが出てきて、ブランド物の貴金属やバッグなどの小物。化粧品、香水、車などに興味をもつ人が多いと思います。私は、殆どそういった物には興味無しです。かといってボロを着ているというわけでもありませんが、洋服を買っても、買ったことを忘れて、着ないで仕舞い込んであることが多く、いつだったかそういう自分に呆れたことがあって、必要性で買うようになったのです。20061204042014
 話を戻して、前宣伝効果もあって、届いたらすぐに何でも作れるような気になっていたので、特別なものを何か作ろうと思っていましたが、最初はこのお鍋の力を見るのに、比べやすい自分のレシピ(☛参照)を試しました。

材料

  • 雛豆・・カップ2杯弱
  • 缶詰のカットトマト・・300cc
  • ベーコンブロック・・100g(1cm角のサイコロ)P1210002_2
  • 玉ねぎ・・1/2個(粗微塵・あらみじん)
  • にんにく・・1片(微塵切り)
  • 塩・・大さじ1
  • 胡椒・・適宜
  • ローリエ・・1枚
  • セロリ・・1本(1cmの小口切り)
  • 水・・カップ6杯

作り方

  1. 豆をよく洗い、野菜を切ったら材料を全てクッカーに入れ、タイマーを8時間、火加減は「弱」でスイッチON。
  2. できた!

 大袋で購入した雛豆(ひよこまめ)の残り300g弱は、いつ買ったのだったか、多分3年は既に経っています。そう、古いお豆は二晩かけて戻してもよいくらいなのですが、この超乾燥古ヒヨコマメを8時間、「弱」(110w)の火加減でセットして作ったトマトスープです。

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 結論から言いますと、あっさりクリヤーです。鍋の様子を時折見ていたのですが、沸騰したりコトコトするでもなく、静かに静かに熱い温度をキープしているのみです。3時間後くらいからとてもいい香りが広がってきたのですが、刻んだ野菜は浮いてまだ生の状態でした。ヒヨコマメは芯が少しある程度で生の味がしました。こうしてゆっくり時間をかけて、素材の旨味を引き出しながら調理してくれる優れものです。
 付属しているのは、タイマーと調理の温度加減が3段階で、複雑な調整がないのは、この手の調理に大げさな温度差の必要がないからなのか、とてもシンプルです。また、代表的な料理レシピが数点掲載された冊子が付属しています。
 作った実際の分量は、以前圧力鍋で作った時のレシピの2/3で、画像のように調理できる限度量に調整しました。大人がたっぷり食べる一回分のスープで5~6杯分は出来ました。
 息子が今春から本格的な自炊生活を始めるので、まずは私が使ってみてからという親馬鹿ちゃんりんしゃんだったりします。実際は息子が作るのかどうか半信半疑ですが、どうしても手作りに拘ってしまう私です。
野菜や豆のスープがこんなに簡単に美味しく出来るとあれば、一つ備えたいと思うのではないかと期待しています。

購入の際はこちらから☛Amazon ¥15,750 ¥8,800

追記 

インゲン豆についての毒性の件で、コメント欄にご連絡頂きましたので追記します。今のところインゲン豆についての情報ですが、今後もこの関連の情報には気を置きます。

 インゲン豆の系統はスロークッカーの弱が80℃だと毒性が残る可能性があり、100℃の10分の継続過熱が必要になります。

 ⇒厚生労働省:白インゲン豆の摂取による健康被害事例について(参照
 ⇒Disadvantages : Slow cooker - Wikipedia, the free encyclopedia(参照
 ⇒Slow cooking red kidney beans : Cooking safely with slow cookers and crock pots(参照

追記

加熱による毒性に関する新たな考察(参照)

結論から言うと、同研究での実験では、保熱性のよい魔法瓶で沸騰後3時間経過すると、毒性は「特段の問題はない」となるらしい。

 注意したいのは、この結論は、この研究の結果であって、総合的な指針とはならないことだ。実験に使った魔法瓶の状況が、この本の状況と完全に一致しているとも断言できない。

 でも、概ね、本書の指示どおりに使えば問題はなさそうだなという印象はもった。なかでも、この本の指針で面白いなと思ったのは、豆を入れて魔法瓶に入れるというのではなく、豆を最初沸騰した熱湯で洗う点だ。これで豆の温度が上がる。

 私としては実は、豆を茹でるのに魔法瓶は使わない。スロークッカーを使うのだが、それでも豆の毒性が消えるか不安だったので、白インゲン豆や同系の金時豆を使うときは、水でふやかして10分沸騰させてから使っていた。が、以上の経緯をみると、どうもそのままスロークッカーに入れて、6時間もすれば問題なさそうだなと思い、やってみると、まあ、問題ないです。もっとも、自分の使っているスロークッカーはAL Colle(参照)。なお、このスロークッカーベースの「スロークッカーでつくるはじめてレシピ」(参照)にも、白インゲン豆の調理が掲載されている。

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2009-01-21

高野豆腐のシンプルな煮浸し:日本の教育の「根本」とは

 息子の同級生が、英語圏ではないヨーロッパの国に一年間の交換留学生として、昨年の秋から行っています。ご両親と私は、割とさばさば何でも話せる間柄で、特に母上は、東京からこちらに嫁いできた方なので、私と同じ境遇です。こちらのパパちゃんと、昨日ばったり会って、私を見つけるや否や矢継ぎ早に飛び出す話が、その今外国にいる息子さんのことでした。あちらでは、週末は酒びたりの生活になっているとか、脳がアルコールでおかしくなっているんじゃないかとか、楽しいのは週末だけで、週休5日制の暮らしだとか、修学旅行がイギリス、フランス、イタリアだから旅費を出して欲しいなど・・。他にまだありましたっけね。ってくらい、やれやれとほほな話だという愚痴を聞いてきました。
 彼は、小学中学とかなり成績がよかったし、大学へ進学する気持ちも旺盛だとは思いますし、そこそこの大学へ入学するに足る成績だと思います。でも、この一年が何の為になるのか、交換留学の趣旨に親子で賛同しての参加だとは思いますが、その家庭によって、活かし方は様々だと思います。当初行かせたくないとはっきり言っていたのはパパちゃんだったはずなのですが。どうしたものか。
 我が家の子ども達は、高校から家を離れていますし、私も昔渡英の経験もありますから、そういう親として話も早いのですが、こればかりは親の養育方針そのものなのではないかと思うので、返答に少し困りました。というか、これが養育方針の問題だと思う私と同じ価値観の上で話しているものとはとても思えなかったので、意識的にサラッと聞こうとしたのです。パパちゃんにしてみたら、単に愚痴りたかっただけなのかもしれません。つい真面目に聞いてしまうので、何かの相談事のように思ってしまうわけですが。
 ところが、帰宅してこの *英語学習についていうとたぶんこちらのエントリーとリンク先の内田樹大学教授の入試「改革」のご提言について☛こちら)のエントリーに触れて、他人事には出来ないような、危機とした思いがこみ上げてきました。良くまとまらない気持ちのままなのですが、このざわめきの元は何か。うーむ。「その根本のところに日本の教育はもう一度立ち戻らなければならない。」と最後を結ばれています。さて、この主語は誰?というシンプルな疑問が残るのが、ざわざわした気持ちの元のようです。誰がその「根本」に立ち戻るのかと問われた(誰も問うてはいませんが)私に出来る事は、親としての立場でそれを考え、「根本」に立ち戻るという解釈です。内田先生は、ご自身のキャリヤーから大学ではもはや出来ないと(そこまで極端ではない表現にしろ)言われています。理由は、

厳密に言えば、今の日本の子供たちは学習意欲や動機づけが「不足している」のではない。話は逆である。「学習しない意欲」「学習しないことへの動機付け」が「過剰」なのである。彼らが専門知識も基礎教養も身につけないのは、そう「したいけれど、できない」からではなく「そうしたくない」からそうなっているのである。

からだと。子ども達を見ている私もそう思えていて、何とかしたいと思うので気持ちが騒ぐのです。finalventさんは(大学で英語を教えていらした)、

「習得達成された状態を具体的に実感するため」

として、具体例に触れていらっしゃる。日常の会話なら、どんなに乱れた文法でも、単語を並べるだけでもネイティブスピーカーは察して理解してくれるので、コミュニケーションツールとしての英語は、実生活では机上の学習はさほど必要としないと思います。むしろ無い方が英語会話習得には有利かもしれません。
 大学というところで語学を学ぶというのは、学問としてや教育者としてなどの専門性をもった方向が必ずやないと、学習する意味がないわけで、それは自分の意思の元で選択されているべきです。ただ、その学び方も机上の英語として叩き込んだ指導者なりが、その習得を持って学生に教えるという循環は、英語に関しては改革が必要なのかもしれません。使えない英語と言われている由縁ですし。
 なんだか良くまとまらないままですが。件の息子さんは、一年間海外の風に当たって、果たして今の日本に帰ってくるのかさえも怪しくなってきます。知性の高い子は、貪欲なまでに自分の事を考えていたりするからです。本当に自分はどうしたいのかを考える上でも、ニュートラルになる良いチャンスとして、この一年を謳歌してくれたら良いと願います。お酒を飲むことなどは、行った先の国では18歳からですから別によろしいのではないかと思ってしまいますが、問題は、親としての立場で「根本」に立ち戻って子どもの育て方を見直すということだと思います。
 さて、その根本とは。これを多くの人とやらないと意味がないと言われそうですが、まずは自分からできることを実行する事が、その大きな原動力だと思います。さしあたって、私は息子の話を聞いて、潜んでいる問題を見つけなくてはなりません。それからですね。
 良い問題提起をしてくださってありがたいです。しかも大学の教授のお二人からですし。このようなエントリーに自論をぶつけるような思考よりも、如何に生かすかが急がれていると思います。せっかくのエントリーを無駄にしたくないと思いました。

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 今日は、高野豆腐の短時間煮浸しです。
 高野豆腐というのは、凍み(しみ)豆腐とも呼ばれて、文字通り豆腐を凍らせては乾燥させるということを繰り返して作り上げる、寒天と同様にこの土地の気候を活かした産物です。昔ながらの製法で、藁の間に挟んで吊るすのは、全て人の手によって作られているのだと、テレビで紹介しているのを見たことがあります。昔から、寒いこの地方の女性の仕事だったようです。20071219040917
 いつも私が買うのは、藁に挟んで乾燥させたままの状態で袋に入ったものですが、工場で大量生産されたものもあって、倍位の厚みがあり、袋にバラで入っていてお値段は三分の一程度です。数百円の違いですが、フワフワしたスポンジのような感じでコシがなく、お豆腐の味も残っていません。この違いを思うと、手作りの対価として良心的なお値段だと思います。
 料理の勘所としては、高野豆腐は上手に戻す事がまず一番で、吸っている汁は絞らないのが鉄則です。この汁が乾燥した豆腐の持つ独特の甘味ですから、この戻し汁を全部使い切ることを思ったら、できるだけ必要最低限の熱湯で戻します。こうして戻し汁を濃厚な状態にして、好きな味を含ませるのが高野豆腐の醍醐味です。

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 今日の味付けは、鰹のだし汁に塩と胡椒だけです。といっても、長葱の甘味と風味に豚肉というお供があってこそですが、調味としては、塩だけというのは一風変わっていると思います。シンプルな作り方にシンプルな味付けですが、非常に美味しいです。高野豆腐をしっかり戻すのがポイントで、誰にでも失敗なく出来ると思います。
 豚肉は、もものブロックで自作した塩豚のスライスを使用しています(☛レシピ)。塩をまぶしたブロック肉を低温のオーブンで焼くだけのシンプルな作り方です。無い場合は、脂の多いばら肉のスライスかベーコンでも美味しいと思います。

材料

  • 高野豆腐・・5枚
  • 塩豚・・80g
  • 長葱・・1本
  • 鰹出汁・・カップ1.5
  • 塩・・小さじ1/2
  • 粗引き胡椒・・適宜

作り方

  1. 高野豆腐はボールで、ひたひたに浸かるくらいの適量の熱湯を注ぎ、蓋をして冷めるまで蒸らして戻す。(室温で2~3時間)
  2. 豚肉は2mmのスライスに切って、一口大に切り揃える。
  3. 葱は斜めに7~8mm幅で切り揃える。
  4. 鍋で鰹出汁を取って別鍋に分量の出汁を移し、塩と胡椒を加えて4等分した1の高野豆腐を中火で5~6分煮る。
  5. 4に味が染みこんで、柔らかくなっていることを確かめてから2と3の豚肉と葱を加え、2~3分煮て塩で味を整えて出来上がり♪

塩豚やベーコンの場合、最初に加える塩を少し控えめにして最後に味を整えると塩辛くなりません。

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2009-01-20

鱈と野菜の甘酢あん:御神渡りは恋の道しるべ:今日は大寒ですね

 昨日は、小春日和と呼ぶに相応しいぽかぽか陽気でした。一昨日から朝方にかけて降ったかに思われる雪は、この暖かさで雨に変わっていました。そして、昼頃には、屋根から雪解けの水が雫となって忙しく音を立てて、道路端に寄せられていた雪の小山は、ずっと小さくなってしまいました。
 家を出てすぐに角間川という川が流れています。この川沿いの道を200m程登って行くと、うちの畑があります。いつものようにこの道を歩いていましたら、川の水の音が、異常に大きな音を立てて激流と化していました。冬のこの時期ですと、山は雪に閉ざされて凍り付いていますから、本来なら、水量も大変少なく、川の音など全く無い、静かな通りなのです。河口近くの町でこれだけの水量は何を意味するかと言いますと、山の雪解けがかなりの速さで進んでいるという事です。源流の山は霧が峰高原で、標高1925mです。途中の山から一斉に集まった雪解け水が、川となって流れ降りてくる時のこの音は、紛れもなく春の知らせです。脇の山肌に、蕗の薹が現れてもよさそうなのどかな昼下がりでした。なんだか開高 健さんの世界のようです。(☛釣り人語らず
 慌ててカレンダーを確かめると、今日が大寒です。先日、全面結氷した諏訪湖の氷(☛参照)は、一部が解け始めていましたが、ここが凍らないと残念な事になるのです。この時期になると、町の人達も御神渡り(おみわたり)の事を気にし始めて会話します。この御神渡りが気がかりなのは、この土地の寒さのバロメーターでもありますが、伝説では諏訪神社上社の男神が下社の女神のもとへ通った道筋といわれているからです。七夕の織姫と彦星の、年に一回の逢瀬の天の川と同じような神話です。神事としては厳かな風景に映りますが、ロマンティックな神話の背景を思うと、ちょっと複雑です。この御神渡りの記録は500年以上も続いているというのですから、世界遺産級の記録簿です。☛諏訪湖の御神渡り 

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 さて、今日は鱈と野菜の甘酢あんです。50cm程の鱈を3枚卸しにして、そぎ切りにした身に片栗粉をまぶして両面を焼きます。鱈を一度引き上げて、炒めた野菜と一緒に片栗粉を溶かし混ぜた合わせ調味料で煮絡めます。鱈は身が崩れやすいので、野菜と炒め合わせるという感じではなく、甘酢の合わせ調味料を一気に加えて、味を馴染ませるような感じに扱います。片栗粉のとろみに充分粘りを出すために、3~4分弱い火加減でくつくつ煮ます。(☛ためしてガッテン:とろみワールド

材料

  • 鱈・・1尾
  • さやえんどう・・50g
  • 玉葱・・1/3(80g)
  • 乾燥木耳・・5~6枚
  • 片栗粉・・大さじ1

合わせ調味料

  • 水・・180cc
  • 酢・・大さじ3
  • 砂糖・・大さじ1.5
  • 醤油・・大さじ2
  • 塩・・小さじ1/3
  • 胡椒・・適宜

作り方

  1. 木耳をたっぷりの水で戻して、千切りにする。
  2. 鱈の鱗と頭を落として、三枚に卸し、3cmのそぎ切りにして軽く塩(分量外)を振っておく。
  3. さやえんどうは、両端の筋を取り除き、玉葱は1cmのくし切りにしてほぐしておく。
  4. ボールで合わせ調味料を混ぜ合わせておく。
  5. 鱈に刷毛で片栗粉を薄くまぶし、多めの油をフライパンに引いて皮目から焼き、焼き色がついたら裏返してカラッと揚げる。
  6. フライパンの油を払って、木耳、サヤエンドウ、玉葱をしんなりするまで炒め、軽く塩・胡椒(分量外)をする。
  7. 鱈を戻し入れ、合わせ調味料を加えてから2~3分中火より弱めの火加減で煮絡める。

片栗粉は弱火で長めに煮ると、粘りが出て良く絡む。時間が短いとサラッとしてしまうので要注意。

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2009-01-19

鞍掛豆(くらかけまめ=ひたし豆)の浸し豆:スロークッカーだって!

Kurakake  地元ではアバウトな表現で充分通じるのに、書くとなると所在や名前をきちんと明記したいので、公開するまでに大変時間が掛かったこの豆の正体ですが、「鞍掛豆(くらかけまめ)」です。ここでは「ひたし豆」と呼ばれていて、その名のとおり、浸し豆の為に生まれてきたような豆です。大豆の一種で、煮ている最中や食べていると、ほんの少し海苔のような香りもしますので、海苔豆とも呼ばれたり、黒い丸がパンダの目に似ていることからパンダ豆という愛称もあるそうです。鞍掛豆とわかってからやっと調べたことですが、いろいろなサイトに沢山にヒットしました。殆どが浸し豆用のようです。ふやけると長い径が2cm近くになりるので、食べ出があります。スーパーマーケットではあまり見かけることがなく、この辺では、地元野菜を置く八百屋さんや農家が持ち込むお店などに、多種多様の豆と一緒に必ず見つかります。

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 そう言えば、野菜の仕入れルートもどんどん変わってきているらしいです。というか、販売店が直に農家と契約して直売しているというか。市場と違うのは、相場があるようでないということと、地元の野菜が主なので、旬の新鮮な野菜が豊富だということです。
 昨日は、甲府方面で八ヶ岳に近い、蓼科山の山麓にある野菜屋さん(☛参照)まで足を伸ばしました。甲府の農家からも入荷していて、わずかとは言え、八ヶ岳よりも気温が高目で安定している山梨の野菜には、青物が沢山ありました。農家から直接搬入もあれば、零細で人手もないような、お婆ちゃんお爺ちゃん農家などは、取りに来てもらうそうです。このお店には、地元では名の通った漬け物、ワイン、味噌なども並んでいて、ちょとしたご当地産物専門店です。目と鼻の先に大きな農協系列のスーパーマーケットがあるのですが、別荘に住む都会の方のショッピングエリアになっている為か、調味料などは、東京の百貨店並のラインナップです。両店舗共にいつも賑わっています。
 高齢化の折、地元で暮らす方々の仕事として、地場の良さを活かした野菜や産物をきめ細かに売り出せるというのは、張り合いのある生活を維持し、保障するものだと思います。高齢の方に活気があると、若者が元気になると思います。その実、仕事を持って家を守ってくれている爺婆のお陰で、外で働く若夫婦という三世代の所帯も多いわけです。私は、こういうお店の出現が嬉しく、応援したくなります。家に戻って調べたら、ネットで注文が出来るようです。あいにくこの時期の野菜は少ないようですが、昨日見たところでは、大根やほうれん草、白菜、牛蒡、茸類、リンゴ、干し柿、長芋、豆類(多種)などがどーんと目に飛び込んで来るくらいの量でした。そうこうしている内に、春野菜が出回るのでしょうね。このお店の背景が見えるので、なんだか嬉しい気持ちです。
 ひたし豆に戻りますが、作り方は青大豆で作ったのと同じ方法で作りました(☛参照)。一番原始的な方法です。炊飯器の保温で戻す方法(☛スペアーリブと花豆のスープ)などもあります。また、豆料理の偶然ですが、昨日極東ブログでエントリーされていたポークビーンズ(☛参照)を作るのに

当然ながら、当ブログでのレシピにありがちで、野蛮で原形的で簡単で、そしてまじうまいやつということで。 必要な調理機材はスロークッカー(1万円はしないです)。二人前か三人前というか、二食分というか。

と紹介されています。この「スロークッカー」は、前から気になっているアイテムで、finalventさんは頻繁に料理に使われています。いつもながら、「放り込むだけ」のようなコメントが光ります。確かにシンプルで美味しく、文明の利器をフル活用したアーバンボーイ的なのです。魅力です。以前にも買おうか、どうしようかなと迷った事があるのですが、スロークッカーでライフスタイル自体が変貌するというわけでもないので、今回は先様のアフィリで購入しようかなと思います。お値段的には、高価だとは思いません。
 ひたし豆から話があっちこちに飛びましたが、地場産業のことなどを考え直すいい機会でした。

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2009-01-18

かきひき大根「残したい 伝えたい 諏訪の味と食文化」より:大根の素朴な炒り煮

 長野県は「教育県」と呼ばれていたというのは戦前の話ではないのかな?という疑念はあるのですが、人は「昔はそうだった」と言って、今でも誇らしげにする部分なのだと感じます。他県から来た私には、生活の中での実感は残念ながらありません。長野県がそうだったのは遠い昔の事で、戦後はその誇りを固持できるような精神もなく、徐々に薄らいでいるにもかかわらず、人が「長野は昔は教育県」と言うのは、古にしがみついた薄っぺらな部分だけのように感じます。腐して申し訳ないのですが。
 2002年に田中県政によって、教育に梃入れのような改革を試みたという節もあります(☛信濃毎日新聞)。その辺りを前後して、「箱物」とも言われていますが、市内にも美術館や展示館などが建てられ、温泉地という事もあって、市の財政を活性化させようという向きもあったと思います。そして、問題が出てきて見直しをしようというところで政権交代となり、康夫ちゃんは国会議員を目指したのですが。その後私も、情報から遠ざかってしまった気がします。
P2030001  この土地の事を知るという意味で、暇を見つけてはぶらりと資料館などを訪ねていますが、先日行ってみた工芸館に付属している食べ物屋さんで、「諏訪の味と食文化」という冊子を見つけました。語り伝えられずに姿を消してしまう、田舎の食文化を残したいという気持ちがこもっているのを感じます。私にとっては嬉しいことに、知らない食べ物が満載です。この土地ならではの呼び方の物や作り方が、なんだか優しく気取らない感じで書いてあります。
 その土地の文化や教養を伝承するというのは、このような人目に着くか着かないかのような小さなものにその願いが凝縮されているように思います。
 物がなかった時代に、様々な工夫をしておやつにしたという「おかるこ」は、米選機で出たくだけ米で作り、「やこめ」は、苗代の種もみで作るそうです。今では、このような材料さえ手に入りそうもありません。そのことにも触れながら、他のもので代用して作れるようにレシピに書かれています。

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 沢山紹介されている料理の中から、今日は素朴な「かきひき大根」という、大根の炒り煮を作りました。

 祖母が煮てくれた、この大根の味がわすれられなくて、秋になるとこの料理を作ります。ちくわ。さつま揚げ、油揚げなどをいれるとおいしい。(昔はいれなかったが)。

と、添え書きがあります。大根をピーラーで皮を剥くように削った物を炒めて味付けするだけです。材料にカップ1の水を加えるように記してありますが、結局入れるのをやめました。夏大根と違って冬大根は水分もかなり多いので、その違いだと思いますが、作っている最中、大根から沢山水分が出たので、大根が柔らかく煮えるのに充分な水分量だと判断しました。
 他はレシピ通りで、作り方もそのままです。鍋を火にかけてから15分くらいで出来ます。大根だけで作ったせいか、始めの量の半分くらいの嵩になって、その分味も凝縮され、素朴で大変美味しいです。あっという間に1本分の大根を平らげてしまいました。

材料

  • 大根・・1本(850g)
  • サラダ油・・大さじ1
  • 砂糖・・大さじ2
  • 醤油・・大さじ2
  • 削り節・・1/2カップ

作り方

  1. 大根は、皮むきでむくように削っていく。
  2. 鍋に油を入れて大根を炒め、水を加えてから柔らかくなるまで煮る。
  3. 分量の半分の砂糖を入れ、5分程煮てから残りの砂糖、醤油、削り節を加え汁がなくなるまで弱火で煮る♪

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2009-01-17

汁かけご飯:ぶっちゃけ信州味噌と鮭の猫まんま:謎の軍団

 ジョギングの時間ををシフトして、明るい時間に走るというのもいいものです。明け方、人っ子一人いない真っ暗な静けさで走るのとは全く違って、目に飛び込んでくる景色に心を奪われてしまうので、時間の経過や距離感を忘れてしまいます。夏場に走っていた時よりも、自然に触れて感じることが、なぜか、より敏感になった感じがします。

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      【正面の奥の雪山が木曾駒ケ岳立石公園より

 ウォーキングしている人とは、大体同じ時間に同じ人とすれ違います。不思議な感覚ですが、ただの通行人とは違って、二度もすれ違うと、仲間意識のようなその独特の感じが相手にあるのが伝わってきます。私にもあります。私は、挨拶は誰にでもしますが、声をかけて話し出すという程でもなく、それは苦手なので、あまり率先してしません。直ぐに「ここの人じゃないね。どこから?」って聞かれるのです。よそ者って直ぐに分かるのは、言葉がこっちのアクセントではないからだと思います。自分が旅行者なら許せるのですけどね。ま、ゆっくり一人でいたいというかですが。
 昨日は、立石公園に到着して、バランス運動など始めていましたら、次から次に沢山の車が駐車場に入ってくるのです。何の騒ぎかと思ってしばらく様子を見ていると、どうやらバードウォッチングのお仲間らしい会話です。諏訪湖が前面結氷したので鳥の様子を見に来たらしく、会話は、目当ての鳥がどの辺にいるかとかでした。どうも結氷すると鳥の生活に何らかの影響があるらしく、安否を気遣っての集合だったようです。その会話から、熱心に関わっている感じが伝わってきました。ある人が、諏訪湖の岡谷側からきた様子を話しているかと思えば、下諏訪から回ってこっちに登ってきたとか。仲間同士の会話はほぼ隠語化しているので、聞き耳を立てて聴いても、何を目的としての行動なのかが私にはちっともつかめません。諏訪湖を一望できるこの公園が、最終的な確認の場であるらしい事は、なんとなくわかってきました。地元の人なら、絶対に「どうしたー?」と軽く聞くところでしょうけど(ぅぅ、話しかけたらいいやんか。)。見えてこない隠語をひたすら追うのですが、ダメでした。そのもどかしい気持ちに追い討ちをかけるように、双眼鏡で眺めながら大きな声で歓声が上がって、私の好奇心もピークに達し、身の入らないバランス運動などしながら益々聞き耳を立ててしまいました。出来る事なら、覗いているものを見せてもらいたかったな。その人のところへお仲間が集まったかと思うと、蜘蛛(くも)の子を散らすように一斉にそれぞれの車に乗り込んで、駐車場から下りの道を降りて行ってしまったのです。あっという間の出来事で、取り残された私は、ちょっと寂しかったな、あれは。

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                   【右の奥が乗鞍岳

 双眼鏡で観ていたものが気になって仕方なく、明日は私も持ってきて観てみようと思ったのですが、待てよと。それじゃあジョギングにならいという。何かをやりたい気持ちが逸る時というのは、童心にかえるといいますか、とてもワクワクします。我を忘れてしまう瞬間なのですが、これが爽快感というのでしょうか、ストレスなどすっ飛んでしまうのです。
 あまりに良い天気だった事もあって、デジカメを持っていたので何枚か撮ったのですが、画像ではその結氷の様子が分かりにくいですね。

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 今夜は、温かいご飯にたっぷりのお汁をかけた熱々の汁かけご飯です。夏の食欲の無い時や、一杯呑んだ後の締めに冷汁(☛レシピ)というのを作りますが、これは正に冬ヴァージョンです。新巻鮭の切り身が残ってたので、その使いきりとして焼いてほぐしました。なかったら、鱈などの白身魚でもよいと思います。
 擂鉢で粗く胡麻を擂り潰し、骨と皮を取り除いた鮭を加えて細かくするつぶし、信州味噌と熱々の鰹出汁でのばします。どんぶりの真ん中にこんもりとご飯をよそって、小口に切った長葱とキュウリのスライスを乗せてお汁をかけたら出来上がりです。ご飯をかまずに飲み込んでしまうので、消化に良くないですから、ご飯は少し軟らかい水加減で炊きます。お代わりする人が必ずいますので、多めに作ります。出汁は、一杯分で200ccが目安です。

材料(4~5杯分)P1160001

  • 温かいご飯
  • 白煎り胡麻・・大さじ4
  • 信州味噌・・大さじ4(約100g)
  • 甘塩鮭・・一切れ
  • 鰹出汁・・800cc
  • キュウリ(又は青物野菜)・・1本
  • 長葱・・1本

作り方

  1. 鮭を焼いて骨と皮を取り除く。
  2. 葱とキュウリはスライスする。
  3. 擂鉢で胡麻を粗く擂り、1の鮭を潰すように細かくし信州味噌をくわえて混ぜ込む。
  4. 沸騰した鰹出汁で3をのばす。
  5. 炊いた温かいご飯をどんぶりにこんもり盛り付け、2の葱とキュウリを乗せたら4をかけて出来上がり♪

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2009-01-16

焼きビーフン:メンマとキクラゲのおかず感覚な中華炒め:「書く」ということ

 ブログで書くということが心地よいというのに、自分の解放になるというのは然りです。私は私を受け止めてゆく手段として、ここに書く意味というのは大きいです。勿論、それだけではないのですが。
 時として、自分が自分から遠ざかって行ってしまうような感覚というのがあって、それが無責任でいい時もあります。でも、往々にしてその見て見ない振りは長く続く事は無く、どこかで合致しないといられなくなる性分でもあります。そして、それは、まるで書くことによって救われるというように、ブログを所有してしまうのです。自分の心の訴えのような事があって、それをここに書かないことがあるとストレスになります。これは、かなりキツイです。一種の不自由感として縛られます。実際に全部は書いていないし、書けない事もあります。ですから、そのことがどれ程大きな事か、逆にどれ程些細な事かはわかりませんが、不自由な気持ちに占領されると、すごく狭い部分の、まるで余白で自分をハンドルしているような感覚になります。「いい歳して、こんな事に引っ掛かっていてどうするの、あんた。」と、軽くあしらってしまおうとする気持ちや、じっくり考えつくして納得のいく結論を出すように思ってみようとする不自然な気持ちが、右往左往します。
 そう言えば、使い方の問題だと思いますが、例えば、TwitterやWassrをしなくなって(単に忙しく遠のいただけですが)みて、物事を反射的に発して済ませるというような、自分自身の中のツールはなくなってきているように思います。実際は発しても、発しなくても問題が大した事ではないという論より証拠に、必要性を感じません。ただ、outputすることで気持ちが解れると、物事を冷静に見つめられるという循環は良くなるようには思います。また、それは結果論であって、それを目的にしてしまうと、限の無い人間の気持ちをずっと追いかけるようになるのではないかな。私には、じっくり考えてみるような間の取り方の方があっているようにも思います。そもそもエッセイのようなことの書き出しから、日々の料理を日記として書きとめるというだけでよかったのです。
 そのエッセイですが(横文字で書くと曖昧語になって、はっきりしない時に使う言葉のようになってしまいがちですが)、率直に言うと「随筆」のことです。随筆といえば、まず「枕草子」、作者は清少納言で「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」。次いで、徒然草。作者は吉田兼好で、「つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。」。その後、方丈記で作者は鴨長明。「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。」ですよ。古いですが、随筆というものには権威があります。「エッセイ」だと許せるというものでもないか。自分のはちんけな日記なんだから、そう硬くなる必要もないと。もう少し気楽に、あまり考え込まないでゆっくり生きるという循環にしたいです。問題は、書く事や書かない事にあるのではなく、生き方ですね。やっぱり、そうか。

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 ビーフンと乾物の炒め物です。ビーフンの量が多いと主食のようになりますが、逆に具の割合を多くして、おかずのようにメンマや木耳と一緒に頂きます。ボリュームのあるおつまみにもなります。
 ビーフンの味付けで経験した事があると思いますが、適度な味付けをしても、時間と共にどんどん吸ってしまうので、結構な量の塩分を使いがちです。それでも、家族が食卓でお醤油を足したりすることがありました。これは、味付けの順番を間違ったからで、後で喉が渇く料理になってしまいますね。
 炒め油が満遍なくビーフンに絡むように、充分炒める必要があります。かといって、油を多く使用するということでもなく、強火で炒めます。その上で味付けをするというのが鉄則です。でも、もう一つの問題は、炒め過ぎるとビーフンのコシが無くなり、短く切れてしまいます。その後、べちゃべちゃ鍋にくっ付いて焦げてしまったりもします。ですから、熱湯で戻す時に時間を長くしないことと、その後、流水で洗い流して表面をサラッとさせ、締めてコシを付けます。この二点さえ気をつければ、半透明のコシのある炒めものに仕上がります。

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 塩漬けのマンマは、付属の説明の通りに塩出しして戻して置きます。一度戻したものを冷凍できませんので、多く戻した場合などは、メンマだけを中華風に炒めたおかずに作ったり、ラーメンの具にします。

材料P1160001

  • ビーフン(乾麺)・・100g
  • 木耳(干しきくらげ)・・5~6枚
  • メンマ(塩漬けをもどして)・・100g
  • 豚肉スライス・・100g
  • 千切り生姜・・大さじ1
  • 塩・・小さじ1/2
  • 胡椒・・適宜
  • 醤油・・大さじ1強

作り方

  1. 乾燥ビーフンはボールでたっぷりの熱湯を注いで5分蓋をして蒸らし、流水で揉み洗いして笊にあげておく。
  2. 水で一日塩抜きした塩漬けメンマは、指先で摘んで引き裂き、細く均一にする。
  3. 木耳は20分ほど水で戻して、5mmの短冊切りにする。
  4. 豚肉は5mmの短冊に切って、塩と酒少々(分量外)で下味を付けておく。
  5. フライパンに油大さじ1(分量外)を引いて豚肉の色が変わるまで強火で炒める。ビーフンを加えてしばらく炒めたら、続けてメンマ、木耳、生姜の千切りを加える。
  6. 全体に火が通って混ざったら最後に醤油を鍋肌から注し、炒め合わせて出来上がり♪

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2009-01-15

モッフルの中華おこげ:Vitantonio ワッフル&ホットサンドベーカー使用:政府管掌のドック健診に思う

 昨日は、年に一度のドック健診でした。40歳に突入してから始めた全身チューンナップのつもりというのはそうなのですが、若い頃と違って、だんだん結果が気になるようになったのも事実です。私は、相変わらずの安全数値で、ボーダーラインを割ることはないのですが、夫は、やはりコレステロールが300を越えない程度の横這い状態です。何年か食事に取り組んできている成果として、悪化しないだけましなのかもしれません。薬を飲むほどでもない数字なので良しとするところです。
 文句のような事になりそうですが、社会保険関連の実例として、ちょっと書いておこうと思います。今回は、毎年ドック健診を受けている病院では人数制限で受け付けてもらえず、隣の茅野市の「諏訪中央病院」というところで受けました。毎年いろいろ微調整があるそうですが、病院がどうしてあのような対応になるのか、その理不尽な感じが拭えません。制度事態を良く理解していませんから、そこがいまいち不安定な気持ちになる部分なのだとは思います。
 社会保険で、政府管掌として給付金が出るドック健診というのは、自費ドックと違って、検査に使用できる薬品や手法に違いがあるそうで、そりゃそう、国費を必要最低限に抑えて、社会保険の適用が多くの人に行き渡る為の予算の範囲ということでしょう(建て前はそうでも、加入して保険料を支払っているのは個人ですが)。でも、昨年まで受けていた大きな病院では、受け入れる人数が減って、かなり制限しているようです。多くの人が受診できるような国の計らいと、病院が希望者を受け入れにくい問題の関係が良く分かりません。このことを全国社会保険協会長野支部に問い合わせると、病院には出来るだけ多くのドック健診希望者を受け入れてもらうように要請しているそうです。が、病院の都合ということで、件の病院ではかなり受け入れ人数が少ないという事です。それは、病院の規模に対して、受け入れ可能な人数よりも少ないという意味です。実際、自費だったら予約できるのかと聞いたところ、できるという返事が返ってきたのです。どうして政府管掌のドックは受け入れたくないのでしょうか。病院にとってマイナス要素があるからなのは歴然で、理由を聞いても電話の窓口では、しどろもどろな返答でした。このような質問に答えるマニュアルがないのでしょう。
 何故このような事を書くかといいますと、素人ながらに心配するのは、毎年受けている病院には自分のデータが残っていて、何かの時には、それが役立つという事と、気持ちの上でも安心なのです。それに、もしも再検査したり最悪手術を受けたりするような展開になった場合、自宅から近い病院が便利で、家族の負担も少なくなります。いざとなったら病院を移ればいいというのはありますが、そこで検査を繰り返すという二度手間になります。
 利用者の為のシステムとは言えないというのが政府管掌の場合の印象ですが、病院にとってもそうなのでしょうか。例えば、関わると儲からないとか。何か割に合わない問題があるとしか思えませんし、釈然としません。

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 今日は、ビタントニオのワッフル用プレート(☛参照)を使用したレシピなので、誰にでも出来ると言うものではないのですが、お餅の応用で、中華おこげを作りました。
 本格的な作り方は、ご飯を薄く潰して乾燥させたものを香ばしく揚げて、野菜あんかけにするのが中華おこげですが、以前からお餅でやってみたいと思っていて、お正月のお餅の残りがあったのでチャンス到来。因みに、ビタントニオのワッフル用プレートで作るお餅のことを「モッフル」と呼んでいるらしいです(☛参照)。

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 あんかけにする野菜は、基本的には何でも良いと思います。今でしたら白菜を主に、赤色、青色の野菜に蒲鉾や竹輪などの練り物。旨味の要素で、肉や烏賊などを一緒に炒め合わせてとろみを付ければモッフルと良く絡みます。

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 モッフルは、餅を挟んでから5分で焼けますが、少し香ばしくしたかったので8分焼きました。それでも焼き色がつかなかったので、もう少し長く焼くと良いのかもしれませんね。薄くなってパリパリに焼けた部分には早くタレが染み込み、次第にお餅に戻ります。そこがすごく美味しい部分です(って私が好きな部分です)。揚げないのでカロリーも抑えられます。

材料(2皿分)

  • 白菜の葉・・4枚
  • 玉葱・・1/4個
  • ピーマン・・1個
  • 人参・・50g
  • 竹輪・・1/2本
  • 豚肉スライス・・40g
  • 海老・・4尾
  • 長葱・・1/2本
  • 生姜・・適宜
  • 餅・・適量
  • 塩・胡椒・・少々
  • 片栗粉・・大さじ1.5(同量の水)

合わせ調味料

  • 鶏がらスープ・・300cc
  • 塩・・小さじ1/2
  • しょうゆ・・大さじ1
  • 味醂・・大さじ1
  • 酒・・大さじ1

作り方

  1. ワッフル型に餅を並べて焼き始める。
  2. 白菜は、白い部分はそぎ切り、葉は3cmのざく切りにして、他の野菜もスライスして適当な大きさに切る。
  3. 海老は殻を取って背腸を抜き、豚肉も一口大に切っておく。
  4. 合わせ調味料を小さなボールで合わせておく。
  5. 炒め油を鍋に引いて、みじん切りにした生姜と豚肉、海老を最初に炒め、海老の色が変わったら野菜を全部一緒に強火で炒る。
  6. 野菜に油が回ったら、軽く塩・胡椒をして、野菜がしんなりなったら合わせ調味料を加えて煮立てる。
  7. 野菜を混ぜながら水溶き片栗粉を加えて、1~2分煮込こむ。
  8. 大き目のスープボールに移し、テーブルで食べる分だけ注ぎ分けて頂く

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2009-01-14

鶏肉と茸のマリネ風:ジョギング歴1年未満が過酷な冬を走破できるのか

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             【画像の左手が東京方面、ここから朝日が昇ります

 諏訪は県内でも雪の降る日が少なく、北アルプス、中央アルプス、南アルプスを境に、太平洋側ですから、気候は関東や東海地方と似ています。ただ、標高が高い為、冬は極寒になります。昔は、北部に近い白樺湖に次いで二番目に最低気温を記録する寒さでしたが、近年では入れ替わることも多く、何でも凍りついてしまいます。凍って嬉しいのが野沢菜漬けだったりしますが、朝、温泉に入った後の濡れた髪の毛も10秒ほどでシャーベット状に凍ってしまいます。この一週間で二日ほど雪に見舞われ、降った後に好天になると気温がグッと下がり、道の雪は雪解けの水と一緒にバリバリに凍ってしまいます。同時に、日本海側は逆に湿気が多くなって、大雪になります。
 快調に続いているジョギングも、真っ暗な朝は雪道が危険で、休みがちにってしまいます。こんなことをしていると、冬は走れなくなりそうなので、ここで生活リズムを変えて、お昼前の時間に走れるように組んでみました。走り始めた時と同じの山間コースに戻したのですが、山の中を走って小高い山の中腹にある立石公園(標高933m)まで自宅からずっと登りです。170mの標高差を4キロの道のりで30分かけてゆっくり走ります。元々、冬は熊が出ると怖いので朝の暗いうちは走るのを止めたのですが、昼間だからといって熊が出ないとも限りません。ただ、少し車の往来があるので大丈夫かなと思っています。
 昨日走りながら、滑りやすいことが気になって、ジョギングシューズに雪道仕様のものは無いのかなとか、スタッドレスランニングシューズとかあるのではないかなどと思ったので、もしやと思い、ネットで検索してみたのですが、あるものですね。北海道のランニング愛好家の方が紹介しています(☛参照) 。私のは、昨年の初夏に買ったので夏仕様なのか、周囲がメッシュになっていて風がスースー入ってきます。爪先が冷たくて感覚麻痺になって、痺れたような感じになるのです。Oh、そしてオーダーのお店もあるのですね、問い合わせてみるのもいいのかな(☛参照)。
 この間、マイナス10度を記録した朝は、顔や手足が無感覚になり、驚いたのは、目は、瞼を閉じると目玉の冷たさを瞼の裏で「冷たい」と感じるのです。さすがに参りました。瞼の裏側が冷たいので目を閉じるのも嫌になるくらい寒いのです。余談ですが(って、既に内容といえるような内容ではないのですが)、バスケットのコーチをしていた時に、中学生のお母さんが、息子が寒がるので冬は外のランニングは止めませんか?って懇願されたことがあって(内心、何それ、喝!)、「お母さん、ランニングって正に冬のスポーツなんですよ。」と言ってのけた自分を可笑しく思い出しました。長野の冬のジョギングは今年初めての経験ですが、瞼の裏が冷たいというのは驚きです。感じない目の玉の寒さの訴えは、こんな風に瞼で感じることができるなんて。
 靴や手足の防寒を整えて、今期の冬をなんとか乗り切りたいと考えています。

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 さて、今日のお献立は鶏と茸のマリネ風です。肉とトッピングという考え方で、別々にソテーして、味付けも違います。といいますか、どちらも塩と胡椒には変わりありませんが、茸と赤ピーマンのトッピングには、ワインヴィネガーを使ってアクセントをつけています。酸味が染み込んだ茸は、鶏肉と一味違うので、かえって鶏肉の印象を強くします。冷めても美味しいので、お酒のおつまみにも合うと思います。
 鶏肉の繊維に対して90度に包丁で筋切りします。こうすることで、厚みが違う部分も均一に焼けるようになります。最初から最後までずっと弱火で、皮目から焼き始め、狐色に焼けたところで裏返し、ジューシーライン(☛参照)に気を置いて全体に火を通します。
 カラーピーマンは皮のままオーブントースターかグリルで全体に焦げ目が付くまで焼き、水にとって皮を剥きます。ほぐした茸と一緒に強火で炒め、塩・胡椒して火を止めてからワインヴィネガーを回し掛けて蒸気を飛ばします。

材料

  • 鶏もも肉・・1枚(350g)
  • ブナシメジ・・1パック
  • エノキダケ・・1/2パック
  • 赤カラーピーマン・・1個
  • パセリ・・適宜
  • 小麦粉・・適宜
  • 塩・・1/2
  • 胡椒・・適宜
  • ワインビネガー・・大さじ2
  • オリーブオイル・・大さじ1.5

作り方

  1. カラーピーマンは丸ごと250度に設定したオーブントースターで20分、時々場所を変えて表面が黒く焦げるくらいに焼いて水に放ち、粗熱が取れたら皮を剥いて一口大に切る。
  2. 1と同時に、鶏肉の筋をところどころ切って、両面に塩・胡椒(分量外)をふり、薄く小麦粉をまぶして、弱火で皮目から焼き始める。
  3. 2の皮が狐色に焼けたら裏返し、ジューシーラインまで火を通す。
  4. 茸は適当な大きさにほぐし、1のカラーピーマンと一緒に強火でオリーブオイルでソテーする。
  5. 塩・胡椒して火を止め、ワインヴィネガーを回し掛けて鍋を煽りながら味を絡める。
  6. 3の鶏肉を一口大にそぎ切りにして皿に並べ、5の茸を乗せ、パセリを散らして出来上がり♪

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2009-01-13

鶏の土鍋炊き込みご飯(おこわ風):就職戦線まっしぐら(したくないのぉ)

 昨日のまたこれ☛finalventの日記でリンクを貼られていた先を読んで、若い人の感性ならではの記事だなと、時代の違いや受け止め方の違いを感じました。それにもまして、このエントリーのブックマークの増殖に目を見張ります。表題に人が関心を寄せるのも無理はありません。だからといってそれに対して何か言いたいということではなく、この世知辛い世の中を生き抜くために、強く逞しく更に尖って頑張るというよりも、

 あの、なんつうか、たとえばレジで並ぶとき、普通はレジなんて誰でもいいやってことに見えるけど、いや、仮説だけど、実は、人柄で作業のパフォーマンスに差が出ているんじゃないか、と、そんな気がしていますよ。宅配はリスクとの関連で差が出始めていると思うし。
 ユニクロとかでも、ちょっといいかたが悪いけど、小デブのやさしいお姉さんの店員とかグーですよ。by finalvent

 というかんじ、なんとなく分かるなぁ。
 娘が高校三年で、上の学校への受験の時の事を思い出したのですが、娘は、本当は自分に自信が無く、比較される事に弱く、劣る事を恐れるという性格を内包しています。あ、これは本人の名誉の為に付け加えますが、特別にそうだというわけでなく、普段は明朗快活な性格で誰からも明るく楽しい子だと言われるのです。ただ誰にでもあるようなコンプレックスの一種としてです。人生の修羅場とも言えるような場面では、、緊張や焦り、怒り、喜びなどが、これまで経験したことの無いくらいのボルテージに達して、内包している負の性格に苦しむことになるのだと思います。私の世代は、それを乗り越えろと頑張ってきた自分を評価しますから、って、私はですが、悩みが比較や競争というものになり難いです。言うなれば、自分がこんだけやってなんぼの人生感です。
 この価値観を以って娘の受験の時です。A判定のお墨付きをもらった先を受験すると言い出し、手続きを踏んで書類も送付した矢先でした。ふっと気になるなと思って娘に「どうして、A判定の学校にしたの?本当はこっちを希望していたじゃない?」と何故B判定の(危ない、合格率50%)受験を止めたのか聞くに、「だって、もう頑張りたくないんだもん」と、あっけらかんと返してきました。もしかしたらですけど、件の引用にあるように、娘としてフワッと穏やかに優しい子に育てたかったら「そうね。今まで頑張ってきたんだし、そんなに背伸びしなくてもいいよ」と優しく受け答えしてあげていたらよかったのかもです。今ではそう思うのですが、あの時は、入学する前からやる気の無い子が推薦を受けるのは間違っていると思う。そんなんだったら上の学校へ行くのは止めたら、と言って、「合格しない確率が50%でも、行きたい学校に本気でチャレンジするものだ」と言って、割り切りを迫ったのです。過酷な試練を言い渡す、強くて厳しい母です。娘に厳しくというよりも、やりたいことを選びなさいと言いたかった訳ですが、そう伝わらなかったような気がしています。娘は、結局行きたい学校に合格しましたが、棘の道を選択したことには違いなく、大変辛く厳しい中に自ら飛び込んだわけです。ま、私は、推薦の取り消しはあるまじき事として、学校長印のあることだけに、ひどくお叱りを受け、平に謝った程度で済みましたが。
 リンク先のエントリーでコメントを頂いたように、仕事が人の生き方とどう調和するのかは、見えづらい時代になったと私も思います。人間性や精神性を成長期に築きながら、その成長段階である20歳代に普通は就職をしますが、もはや人が育つ職場というものは、特に都会には無くなってしまい、それを期待できいない時代でもあるようです。企業も、如何に生き残るかという究極の課題と共に、非常に過酷な競争の渦に巻かれているわけです。このような時代で生き残るには、どれだけ専門性に優れているか、如何に即戦力になれるかだと思いがちですが、もう人は疲労の限界になってきているような気がします。これ以上は誰も戦えない、ピークが訪れれば後は下るだけではないかとさえ思います。インフレとデフレのような関係ですね。そういう時に人が求めるのは、温かい焚き火のような場所で、一緒に手足をぬくめる仲間だったりするような気がします。
 娘は最近、東京の流れは目まぐるしく、テンポが速いので疲れたと言います。だからと言って、田舎に帰りたいとは言いたくない(言いますが)ようですが、まだもう少し模索を続けてみるそうです。自分に納得するのはいいのですが、くたくたになって倒れたりするなよと、少し案じます。

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 今日は、鶏の炊き込みご飯です。牛蒡と人参を一緒にセットというのが定番だと思います。お茶碗から鶏肉と牛蒡の香りがフワーッと広がると、本当に幸せな気持ちになれるので癒されます。私は、おこわのような弾力が大好きなので、餅米と白米を半々に、少し固めの水加減で炊きます。土鍋を使うと火の通りが良く、水分が良く抜けますので、べちゃつかずに美味しいく炊き上がります。
 牛蒡と人参は2cmくらいのささがきにして、小さく切り刻んだ鶏肉と一緒に分量の調味料で下煮をして、濃い目の味を付けます。今日の人参は小さかったので、ささがきでなく短い短冊です。鶏肉に半分ほど火が通る位に加熱して、笊で煮汁を切ります。この煮汁をご飯を炊く時の水の分量に合わせて炊き込むと、美味しい出汁になります。米は洗って笊にあげて30分置いた後、土鍋で炊きます。中火で加熱し始め、土鍋の蓋の穴から蒸気が出始めたら、 素早く均一に具を乗せ、再び蓋をして炊きます。蒸気に勢いがついてきたら火を極小にして10分炊き火を止めます。15分ほどそのまま蒸らしたら出来上がりです。作為的におこげを作る場合は、火を止める前にP1120007強火にして、鍋の底からプチプチ音がしてきたら火を止めます。そうですねぇ、多分2~3分です。味醂や砂糖が多いと、焦げやすくなり、勝手におこげは出来ます。
 白身魚のすり身で、お吸い物も出来ました。
具:すり身、豆腐、飾り麩、長葱、四万十の青海苔
☛簡単な雑煮のレシピへ

材料

  • 餅米・・2合
  • 白米・・2合
  • 牛蒡・・1本
  • 人参・・100g
  • 鶏もも肉・・350g
  • 白煎り胡麻・・適宜

具材の下味付け

  • 醤油・・大さじ5
  • 味醂・・大さじ3
  • 酒・・大さじ3

作り方

  1. 米と餅米は、一緒に水で洗って笊にあげて、水を切っておく。
  2. 牛蒡と人参は洗ってささがきにする。
  3. 鶏の皮についている余分な脂を取り除き、2cmくらいに細長く切ってから更に細かく切る。
  4. 下味の調味料と2と3を一緒に鍋で中火にかけ、菜箸で混ぜながら炒め煮し、鶏肉の色が変わったら笊にあげて煮汁と分ける。
  5. 4の煮汁を良く切って、米を炊く水の分量に合わせて米と一緒に土鍋で中火にかける。
  6. 蓋の穴から蒸気が出始めたら、4の具を素早くご飯の上に均一に広げて蓋をし、そのまま更に加熱する。
  7. 蓋の穴から激しく蒸気が吹き始めたら火を極小にして10分炊き、火を止めて15分蒸らす。
  8. 茶碗についで、白煎り胡麻を振って召し上がれ♪

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2009-01-12

蛸(タコ)とじゃが芋のスターター(スペイン料理):父親自身の親離れ子離れに思う

 父親の息子に対する愛情として、ちょっと言いそびれてしまいました。
 友人夫婦の話からですが、奇怪な行動だと家族から非難されても、我関せずでいられる夫の態度が理解できない、と憤慨している話から始まったことです。
 夕食後の家族団欒の時に急にスッと姿を消して、どうしたかと思ったらお風呂にも入らずにそのままご就寝。家族は最近、少し心配になってきているのだという話。この行動の裏に何があったか、私を前に始めて明かされたその心境というのを知って、率直な感想は、なんてぎこちないく不器用な愛情表現なんだろうと思いました。ま、ここで私が友人夫婦の話を暴露するみたいで気が引けますが。どこにでも良くある話ですが、ちょっと触れておきます。
AmazonNetShop この問題の解決の糸口は、「男親の子離れ親離れのテーマ」だということなのでしょうか。息子の子どもに対するその扱いを見ていると、それに意見したくなるというのです。息子の親育ちのことだからと、できるだけ意見がましく口出ししないようにと思っても、そばにいるとどうしても何か言いたくなるそうです。自分が母親に言われて、嫌な思いをしたのを繰り返したくないというトラウマの存在も大きな理由だと思います。この話の途中で、母親の話が頻繁に出てくるのは、自分の親子関係に決着が付いていないからだとは思います。彼の心の中では、非常に痛い痛烈な思いなのかもしれません。母親としての自分の子離れと、自分自身の親離れは、私自身のことでもあるので納得できるものが沢山ありますが、同世代の父親のその苦悩というのは、身近では始めて知りました。ちょっと思い出した本ですが、平井信義(児童心理学者)の「孫育て保爺」は、お爺ちゃん目線で孫と接している自分自身の思いを楽しく語っているものでした。AmazonNetShopまた、山本七平の「父と息子の往復書簡」では、ニューヨークに暮らす息子に語りかけるようにいろいろな事を手紙を介して語っている父親の愛情の深さに触れました。
 父親からその子を思う辺りを書いた書籍も少ないのか、沢山は知りませんが、同じ立場の体験やその思いを書籍を通して知る時、気持ちがとても落ち着くものです。自分では語れない部分を代弁してくれているような、そんな感覚になるほど、その本にのめり込むような読み方をしたのを思い出します。何かの参考になるのかもと思いました。
 そう言えば、今日は成人の日ですね。15日がそうだったのはいつまでだったか、繰り上げてその週の最初の月曜日になったのでした。そうこう言っている間に、孫が成人式を迎えるまで、一足飛びに20年なんて過ぎ去りますね。

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 スペイン料理のスターターで「蛸のじゃが芋のっけ」。本式にはなんと呼ばれているのか良く分からん酒のつまみ系です。スペインのバル(バー)では、必ずメニューにあります。作るのも簡単ですからレシピを聞くまでもなく一度食べれば簡単に家庭で再現できます。日本では、年を越したじゃが芋は、甘味が乗って非常に美味しくなります。また、蛸もこの時期には北海道から水蛸がお目見えして、いよいよ旬を迎えます。
 水蛸は大小様々な大きさによって、その足も短く切って売っています。今日のは蒸した状態で、17~8cmの長さの直径5cmという部分買いでした。お刺身用でしたが、下味と香り付けの為にローズマリーとローリエ、塩を少し多めで、強火で一気に5分ほど茹でます。弱火でぐずぐず時間をかけて茹でると、蛸の旨味が茹で汁に溶け出し、硬くしまってしまうので、表面を素早く茹でます。笊に引き上げてから、塩がゆっくり冷めながら染み込むようにします。

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 じゃが芋は、洗ったら皮のまま茹でて直ぐに皮を剥き、熱いうちに7~8mmの輪切りにして木のお皿に置きます(又は網の上など)。こうすることでじゃが芋から出る蒸気を逃がして、ホクホクのじゃが芋になります。冷めたじゃが芋に、同じくらいの厚さにそぎ切りした蛸を乗せて、塩、胡椒、パプリカ、オリーブオイルを回し掛けて頂きます。岐阜の友人が到着してから、まず始めにこの蛸とじゃが芋をつまみながら、真澄の「あらばしり」で乾杯。甘い日本酒にはなんとなく味が足りないというので塩を少し多めに振ってレモン汁をたっぷりと、ガーリックパウダーなどもかけながら好みの食べ方で頂きました。

材料

  • じゃが芋(北あかり)・・中3個
  • 蒸し水蛸刺身用(足)・・5cm直径で17~8cmの長さ
  • 塩・胡椒・・適宜
  • パプリカ・・適宜
  • オリーブオイル・・大さじ2

茹で汁

  • 水・・500cc
  • 塩・・大さじ1.5
  • ローリエ・・1枚
  • ローズマリー(枝)・・10cm1本

作り方

  1. じゃが芋を洗って皮を剥かずに茹で、熱いうちに皮を剥いて7~8mmの厚さに切ったら蒸気が飛ぶように木のお皿に並べる。
  2. 茹で汁に材料を入れて沸騰させ、強火で水蛸を5分茹で、笊に引き上げて冷ます。
  3. 2の蛸をじゃが芋と同じくらいの7~8mmの厚さに斜めそぎ切りにして、じゃが芋の上に乗せ、塩、胡椒、パプリカ、オリーブオイルを回し掛けて出来上がり♪

※現在の諏訪の国道20号の状況(雪のため)liveカメラ by LCV提供☛こっち 

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2009-01-11

南瓜とエリンギのバターソテー:解決できる問題とそうでない夫婦の問題

 同世代の夫婦が交わす会話として、ここまで突っ込んだ話は普通はしないのではないかと思うような、触るとタブーのような話題について、赤裸々に話が出来るのが岐阜の友人夫婦です。時には、鴨葱というような、私と彼女に都合よく話が展開する場でもあります。というか、女が二人寄ると、倍の数の男性相手でも黙らせてしまうのではないかと。改めて、男性にはフェミニストが多いことなのだと内心は理解しています。決して私達が強いのではないのです。逃げるが勝ちということでもあるのでしょう。女を相手に喧嘩するものじゃない、ということを確固として持ち合わせる知能犯なのかもです。
 昨夜の話題は、歳を重ねるごとに頑固になってくる夫は、夫自身が嫌う自分の親の姿そのもに近づいて来ている、というような話と、それに振り回されている妻が、家族(息子夫婦、孫、姑の四世代家族構成)との間を取り持つ事への限界を感じ、これ以上我慢を強いられても所詮、我慢は我慢、どこかでこの問題を断ち切りたいと、そう切望する。このような問題を解決しようとする時、誰かのせいになって、その人が全てをかぶった形になるのが一番円満ですが、誤魔化しが利かなくなっているのが、今の問題です。この夫婦の良いところは、最終的には「自分が何が出来るか」という思考を辿りながら自分が出来る解決策をそれぞれが見つけて結論付けるということが素晴らしいのです。こういうのを研鑽態度と呼ぶのだと思います。
 喧嘩を勧める訳ではありませんが、個人的な訴えとも聞こえるよな、価値観を思いっきり前面に出し合うと、まずは相手が持っている問題を知ることが出来ます。これは、相手の問題を知るために「聞くという態度」のことですが、これが難しい。誰しも「我」というものがありますから、文句を言われたぐらいにしか聞けないあんたが、本当にここでお利口さんにならないといけません。あんたって自分の事ですが。興奮度が高いと、売られた喧嘩を買うという状態になるので、こういう場面に第三者が一人でもいると、少し理性的に冷静に話が進むと思います。相手の「言う」という状態(=聞いて欲しい)がどれ程長く続いても、気を長く、じっと「相手の問題を知るために聞く」という態度だったら、いつかはこの話にも終息が訪れるはずです。ところが、ここをドンと構え切れずに右から左になったり、中座するようなことがあると、「あんたが観念するまで話をするよ」となるか、「聞く気がないならいいわ。じゃー私も止めた」となるのです。というか、ここまで来ないうちに話しにならないと結論してしまう夫婦が多いので、離婚は後を絶ちません。ここから先の話が出来たら、それこそ自分にはこの人しかいないのだと思える相手だったりします。きっと。たぶん。
 辛抱が足りないというのは、相手に対してではなく、話を諦めたり、途中嫌気が差して放り投げているのは自分かもしれないと気づくべきです。そして、それは幸せになる事を放棄しているのだと知るべきです。貪欲なまでに幸せになりたいと、自分がどこまでも願っていれば、それに近づこうとするものです。そうならないのは、なるように考えて行動しないからです。これは運命を変えるという話ではなく、かく言う私は、このような思考をする運命にあるのだということです。このことから逃げられないのですから、どうする事もできません。この運命を感じる相手かそうでない相手かということは、いつかその啓示を必ず知る事になるのでしょう。それがいつかは、誰も知る由もないことですが。

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 ものすごく嬉しそうな顔で帰宅した息子が、夕食はお肉だと思い込んだのも無理はありません。換気扇から外に漂っていたのはお肉の焼く匂いだと言い張ることに幼さを感じて笑えて、違うとわかってがっくりした、そのあどけなさのリアクションにも笑えたのが南瓜とエリンギのソテーです。南瓜だけでもバターでソテーするとホクホクで美味しいのに、エリンギを入れたらどうかって、食感は言わずもがなで、大変香ばしくなります。エリンギだけではこうはならないのが不思議です。南瓜の甘味(澱粉)と、バターが上手く絡まって、エリンギを香ばしくさせ、最後に振り掛けるパルメザンチーズがまろやかな風味を残します。お肉などの付け合せにと思ったのですが、単品のおかずとしても、お酒の友としても合います。息子が錯覚しただけのことはあるので、是非お試しを。

材料

  • 南瓜(種のない状態)・・1/4個(350g)
  • エリンギ・・1パック
  • バター・・15g(大さじ1)
  • 白ワイン・・大さじ2
  • 塩・胡椒・・適宜
  • パルメザンチーズ・・大さじ1

作り方

  1. 南瓜は放射線状に厚み1cmに切り揃える。
  2. エリンギは、長さ5cm、厚さ5mmに切り揃える。
  3. フライパンを中火にかけて、バターを溶かし南瓜を全体に並べて、焼き色をつける。
  4. 3を裏返して、エリンギを全体に散らして塩・胡椒を振り、ワインを鍋肌から注ぎ入れ、蓋をして中火で2分蒸し焼く。
  5. 蓋を外して水分をすっかり飛ばしたら皿に盛り付け、パルメザンチーズを振り掛けて出来上がり♪

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2009-01-10

広島の老舗「ひろ柿」:ウェッジウッド再建を願う

 1月6日ウェッジウッドが破綻したというニュースが流れた時は、驚きとがっかりな気持ちでしたが、先ほどネットのニュースで、米投資ファンド「KPSキャピタル・パートナーズ」が買収する方向になったそうで、一安心というものです(☛毎日JP)。と、思ったら、日本の会社にもこんなに大きな影響があったらしい(☛産経ニュース)。

ウェッジウッド破綻で大損失か 石川の陶磁器会社
石川県白山市の陶磁器メーカー、ニッコーは6日、英国の高級洋食器メーカー、ウォーターフォード・ウェッジウッド(本社アイルランド)の経営破綻(はたん)に伴い、同社グループへの売掛債権2億8800万円に回収不能の恐れが生じたと発表した。 

 ウェッジウッドには少し思い入れがあって、言うまでもなく、イギリスにしばらく住んでいれば分かる事ですが、アンティークの革張りの置物用のテーブルに、小さなコレクションを飾って部屋の隅などに置いて眺めるような暮らしが普通にあります。そこに、さりげなく置いてある小物の中に、ターコイズブルーやブラックの絵皿などが似合うのです。これは、ジャスパーウェアという陶器と磁器の中間的な焼き物で、ウェッジウッドを代表する技法です(☛Wikipedia)。一つだけ10cm程の長方形のブルーのボックスを持っていますが、いろいろな思い出があって大事に仕舞い込んでいます。
 創業250年の歴史を持つウェッジウッドでも本当にどうにもならなかったのかと、残念で仕方がありません。100年に一度の大恐慌ではなく、250年に記録されるのです。これは、ヨーロッパで老舗ブランドが破綻するという口火を切ったわけです。ウェッジウッドだから売却の見通しがつくのであって、例えば、日本の銀座に店を構えたばかりのファッションブランドだって、本店様が今後どうなるか分かりません。
 私は、煌びやかなファッションや、高価な物に対する物欲的なものはありませんが、歴史を持つものには、紐を解いて覗きたくなるような魅力を感じます。ですから、それそのものが目に触れる必要があります(極、個人的ですが)。ロンドンに住んだ頃、The British Museum(大英博物館)のレクチャーに、多い時は週に2回ほど通った時期もあります。歴史的な美術品を目の前にその背景の説明を聞きながら、いろいろな感慨に浸ることが豊かなことなのだと、体感した感覚として身についたのは大きかったです。
 個人的に残念なのは勿論ですが、今後、ヨーロッパの老舗ブランドが消えて行かないことを切に望みます。

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P1030001 お正月のお節料理の後にどうぞと、送ってもらった「ひろ柿」。こういう気遣いがとても嬉しく、歳のせいかほろっときます。
 広島のお茶うけの求肥飴(ぎゅうひあめ)ですが、こちらも明治からの創業で、老舗の風格を感じるお菓子です。かめばかむほど柿らしい甘味が味わえて、コシのあるしっかりした求肥です。息子にお抹茶を立ててあげたのは初めてでしたが、美味しいと喜んでいました。

B462651a58d2b6cd14d486ef061e4365 久しぶりの雪で、昨日はなんとなく嬉しい気分でした。沢山振ると嫌気も差しますが、こうも降らないと寂しいものです。 この雪が解けるまで、ジョギングはお休みになりますが、市内の高島城の御堀も氷が張って、354bb1b86c0347cab64a1cb64d8475be住み着く鴨は、凍っていない場所で雪に降られてご覧の通り。





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2009-01-09

海老とグレープフルーツのサラダになぜか蕎麦粥:意外な隠し味

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 蕎麦粥を食べるのに、なぜ理由をつけたくなるか。そうなんです。最近、おじややお粥のようなものが無性に食べたくなるのです。噛むのが面倒だとかの理由は一切ないのですが、あまりに年寄り臭いものを好んで食べたがっているようで、この際「最近歳かしら・・」と、意識して言い添えるようにしています。そういう言い訳に疑いを持たれなくなるというのも違和感があるのですが、白いご飯が好きな家族から文句を言われない為の非常線を張っておくのです。こういう話はニュアンスが微妙で、同世代でないと理解されないかもしれませんね。Sobanomi001
 市内には粉屋さんと呼んで、昔ながらの木造の佇まいで、入り口が正に「土間」と呼ぶにふさわしい店構えの歴史の古い製粉所が何件かあります。そのうちの一件で、ここへ行くと石臼で挽いたそば粉や蕎麦の実を量り売りしてくれます(☛参照)。蕎麦粥は蕎麦の実を軽く煎って水から5分(倍の水)か7分(7倍の水)のお粥にします。お米のお粥と違って、水分を含むのが早いので、沸騰後10分で直ぐに食べられるほどです。湯気と一緒に蕎麦の香りが漂って、それはなんとも言えず癒される香りです。
 カップに1杯(200cc)の煎った蕎麦の実を7倍(1400cc)の水から中火で煮始めます。沸騰後火を弱めて、弱く沸騰した状態を維持しながら10分炊きます。ご飯茶碗でお代わりをして、4人分くらい出来ます。

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 もう一つ、塩ゆでした殻つきの海老のさっぱりサラダです。
 私のように家で過ごす人は、みかんやリンゴなどの果物は食べ放題で、ビタミンが欠乏するようなことは殆どありませんが、朝から夜まで出かける人は、とかく欠乏気味です。特に男性は、食べること事態を面倒だという人が多いです。乾燥が続く天候で、喉の調子がおかしくなったり風邪を引き易くなるので、料理に果物を活かすことを意識しています。P1080004
 今日は、出来れば食べて欲しい果物だけど、「半分に切ってスプーンで食べるというのが面倒で」と言われてしまうグレープフルーツです。薄皮を剥いて、果肉だけをセロリと一緒にソースで和えて海老サラダにしました。隠し味は手製のガリのみじん切りと漬け汁(☛レシピへ)です。そう、お寿司を食べるときに、山葵がツーンと来た時に慌てて口に含むアレです。ケッチャップとマヨネーズを混ぜ合わせたソースを一般的にはオーロラソースと呼びますが、味のインパクトを強くする為にガリが非常にいい役割をします。
 柑橘類の薄皮を綺麗に剥く方法は、房の外側に浅く包丁で切り込みを入れ、切り込みに沿って二つに割ります。果汁を無駄に潰してしまったり種を取り損なうことなく綺麗に剥けます(☛美生柑参照)。
10171_2 そう言えば、ガリガリ君にグレープフルーツ味!また、夏場にお世話になります。あまり甘くないので好きなアイスチャンディーです。

材料

  • 海老の殻つき・・8尾
  • グレープフルーツ果肉・・半個分
  • セロリ・・1本

特製オーロラソース

  • マヨネーズ・・大さじ2
  • ケッチャップ・・大さじ1
  • ガリ君・・千切り大さじ1
  • ガリ君の漬け汁・・大さじ1

海老の茹で汁

  • 水・・200cc
  • 塩・・小さじ1/2
  • 酒・・大さじ1

作り方

  1. 海老は背腸を抜き取ったら沸騰した茹で汁入れ、赤身がさしたら火を止め、そのまま冷まして殻を剥き取る。※硬くなるので茹で過ぎに注意
  2. グレープフルーツの薄皮を剥く。
  3. セロリの葉をむしとり、軸だけ軽く塩茹でして斜めに5mmの厚さでスライスする。
  4. ソースの材料をボールで混ぜ合わせたらグレープフルーツとセロリの軸を和える。
  5. 皿に1の海老を円を画くように並べ、4を中央にこんもり置いてセロリの葉を乗せて出来上がり♪

※現在の諏訪の国道20号の状況(雪のため)liveカメラ by LCV提供☛こっち 

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2009-01-08

豚肉のトマト煮込み:材料を重ねてことこと10分料理:派遣社員も正規社員も皆食べて生きるのは平等

 派遣労働の禁止を盛り込んだ労働法案の再検討をする、とニュースで聞いて、非常に飛躍した案件として世論も黙っていないのではないかと思いました。私もちょっと驚きました。というか、呆れたと言いますか。
 うちは、零細ながらも会社を経営するオーナーですが、少し変わっていて一般的な考え方とは違います。ですから口を開くとトレンディーな流れとは思えない、とんでも発言に聞こえちゃうかと思うのですが、少し思うことがあります。
 正規雇用を出来るだけ最小限にして、出来れば外注展開、もしくはパート雇用というのが企業存続の為の順当な考え方で、それが実情だと思います。派遣労働に対する企業の持つ雇用責務は、期間を設けた上での「ゆるいお約束上の雇用関係」で、(正直にぶっちゃけ言ってしまうと、)「いつでも首を切れる従事者」、というのがその利害に対する表現で良いかと思います。ここ数年、この雇用関係が良好だったということでもなく、派遣で仕事をしている方々は、会社都合で真っ先に首切りになってきたと思います。が、次の働き口があって、需要と供給のバランスが取れていたので、問題が表面化しなかっただけだと思います。ところが、景気が悪化して次の働き場所や、またその予備の、そのまた順予備の企業が今は無いわけです。企業存続第一義を考える時に、真っ先に何らかの措置を講じ、その影響を受けているのが今の騒ぎの状態で、今までここまで悲惨な状態は、無かったかに思います。
 昔(昭和40年代:1965年頃で東京オリンピック以後)、「派遣労働」がなかった頃は、「パート雇用」が同じような性質を持っていたはずです。ところが、パート従事者にも権利が与えられ、正規雇用のように社会保険の加入や労働条件の適用がきびしくなった為、というかパート雇用の労働条件を実質格上げした為、企業の身勝手が出来なくなったのです。そのしわ寄せが派遣労働に移行したようなものです。ただ、ここで派遣社員の方々の不満が噴出す元にあるのは、正規の就職が困難で、致し方ない選択の末の就職だったからではないかと思います。既に景気はよろしくなかったですね。
 うちの会社にも現在、中国人の研修生(と呼ばれる、実質は中国からの出稼ぎ)が、3名います(☛参照)。以前にはブラジル人の派遣の社員も大勢いたことがあります。規模は小さいですが、派遣だかといって給料が安いわけではなく、派遣会社が受け取る手数料が含まれていますので、非常に高い賃金となります。この仕組みは、トヨタ自工が最初に率先して始めたそうですが(この話は置いといて)、それも承知の雇用関係ですから、その約束を無下に破る事は、逆に派遣社員にまんまとやられてしまうことが仮にあったとしても、目には目を歯には歯をのような事を、わが社はしません。これは、会社という仮面ではなく個人のモラルとしてしません。できません。では、今起こっているような事態をうちならどうするかですが、正規もパートも派遣もみな同じように、例えば就業時間を繰り上げるとか、仕事が無い時は休んでもらうなどの措置をとります。全員が同じように働けなくなり、同じように給料も目減りしますが、仕事があるうちは、それでも全員が食い繋ぐ事は出来ます。労働契約は違っても、仕事をして食べて生きるということは、会社という社会では人は平等だと思うからです。この当たり前が、どうして大きな企業では出来ないのかが不思議です。いずれ社員も、胡坐をかいてはいられなくなるとも思いますが、これくらいのことを社員が納得できるように、どうして話し合わないかなぁ、と思います。「仕事をして支えてきたじゃないか」という訴えの元は、人を人として尊重してこなかった企業のあり方が、水面下にあったということだと思います。
 ここへ来て政府が、派遣制度を禁止するというのは、問題が違うと思いますが、これは、今後議論されるという話ですから見守るとします。

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 さて、今日のお料理は、豚肉で短時間で出来る煮込み料理です。煮込みといっても10分ほど弱火でくつくつして、玉葱がしんなり柔らかくなったら出来上がりです。

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 短時間で玉葱の甘味を出すために、かなり薄いスライスにします。豚肉は、少し脂身のある肩ロースのかたまり肉を厚めに一口大に切ります。フライパンにオリーブオイルを引いて肉を並べ、にんにく、塩、胡椒、玉葱、トマト、塩、胡椒と順に乗せて火が通ったら、最後にチーズとパセリを乗せるだけの簡単な作り方です。

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野菜から染み出した水分とわずかなワインだけの、甘くてコクのあるスープで体がポカポカ温まります。強火で煮込むと肉が直ぐに縮まって硬くなるので、火加減に注意するといいです。温かいままテーブルで取り分けられるように、耐熱で直火でも使用できるガラス製のフライパンを使用しました。ない場合は、土鍋で代用できると思います。また、透明のフライパンの底が赤く写っているのは、熱源がハロゲンの為です。

材料

  • 豚肩ロース5mmスライス・・360g
  • 玉葱・・1個
  • にんにく・・1片
  • トマト缶(カット状)・・400g
  • 白ワイン・・50cc
  • セミハードタイプチーズ・・60g
  • パセリ・・適宜
  • オリーブオイル、塩、胡椒

作り方

  1. 肩ロースかたまり肉を5mmの厚さでスライスし、一口大に切る。
  2. 玉葱は、薄くスライスする。
  3. フライパンにオリーブオイル大さじ1を引き、肉を平らに並べ、塩、胡椒を振る。
  4. 玉葱のスライスを全体に広げてトマトを汁ごと平らに乗せ、もう一度塩、胡椒を振って蓋をして中火にかける。
  5. 煮立ってきたらワインを加え、火を弱めてくつくつした状態で10分煮込む。
  6. 厚めに切ったチーズとパセリを乗せて2~3分、チーズが溶けるまで煮込んだら出来上がり♪

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2009-01-07

七草無くして一草粥(大根と大根葉だけの7分粥):身長差による視野と着衣着火の問題

 昨日のニュースで聞いた着衣着火によるお年寄りの焼死事故ですが(☛参照)、ずっと前に何かの番組で着衣着火(☛参照)のメカニズムを見たことがあって、衣類の繊維素材よっては数秒で火達磨(ひだるま)になるというのを知りました。また、恐ろしさで慌てて動き回る事で、衣類が酸素を含み火が伝播し易くなるというものでした。衣類の内側を青白い火が走って行くのを見た時は驚きました。
 この事故で亡くなった女性は、81歳という高齢ですが、私の母と同じ年齢で昭和3年生まれです。母は、東京の老いらく山岳会の会員で、山行を企画して人を集う側で、まだまだ矍鑠(かくしゃく)としています。どちらの同年の方よりもはるかに若々しい母ですが、このような火災はうっかりした隙に発生するものです。高齢の方に多い事故だとは思いますし、離れて暮らしていますので少し心配になりました。
 更に気になった事があります。Cocolog_oekaki_2009_01_07_03_32それは、火元を見る角度です。私の身長は169cmですから、調理する火元やまな板などは、約80度斜め上の目線で、全体が視野に入ります。一方母は145cmですから、母の身長ですと45度以下の角度になります。この角度だと、キッチンの台や火元を見ながら料理をしている時の手元は、かなり手前の範囲ということになります。特に袖口の内側は死角に入り、ましてや高齢ですと注意力の点でも衰えています。この場合のように、23cmの身長差では視野に大きな違いがあり、判断基準に加えてるべきだと思いました。
 心配になってきたので、早速難燃素材でアームカバーを作って送ってあげようかとネットで探すのですが、ヒットするのは出来合いのカバーでした。(製品の宣伝ではないのですが)防火の対策を施してある布で作ったアームカバーは、案外いいのではないかと思ったのがこれです(☛参照)。ま、試しに。40200435

Protex
Protexは「他素材とのブレンドができる」全く新しいタイプの難燃素材です。天然素材の風合いや吸湿性も損なうことなく極めて高い難燃性が得られます。
Protexは繊維そのものが難燃性ですから洗濯や漂白後も難燃性の低下がみられません。B

もう一つ、こんなのも☛こっち

普通の綿素材ですが、私が愛用しているのは☛こっち 
 誕生日や母の日のプレゼントにと言っている間に、大事に至るといけませんので、早速送る手配をしましたが、母の日頃の口癖は、「私はずぼらだから」と言って、確かに面倒臭がりです。せっかくのアームカバーは、椅子の背もたれの辺りに丸まっていそうな気がしますので、くれぐれも気をつけるように念押ししないといけません。

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 さて、今日は1月7日の七草粥(☛参照)を頂く日です。昨日、この極寒の地にも七草のうちの一種でも生えていないかと探しに出かけましたが、収穫はゼロ。枯れ草の下になりを潜めてちょっこりあるのはハコベ?いや、ホトケノザ?春に見つけて、画像に収めた(☛参照)場所に間違いはないのですが、全く違う草です。実は、その草も食べてみようかと一度は思ったのですが、七草粥の日にはやめておきます。変わりに、畑で凍っている小さな大根と葉っぱだけの一草粥になりました。
 お粥の固さは好き好きがあると思いますが、7分粥にしました。お米の量の7倍の水で炊いたお粥です。因みにお粥の呼び方と水との容量の割合です。

重湯        米1:水10のお粥の上澄みまたは漉したもの
3分粥(15倍粥)     米1:水15
5分粥(10倍粥)     米1:水10
7分粥(7倍粥)     米1:水7
全粥(別名5倍粥)     米1:水5(重湯はできない)

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 作り方は、まず水でお米を研いでから分量の水に30分程浸し、中火で炊きます。鍋は、土鍋がお勧めで、遠赤外線効果でふっくら艶々に美味しく炊けます。なければ厚めの鍋を使います。沸騰して吹いてきたら極小の火加減にして、20分ほど炊くと鍋に張り付いたようになります。ここで薄く切った大根を加えて蓋をして、4~5分炊いたらみじん切りの葉を散らします。数十秒後、葉の色が鮮やかに変わったら出来上がりです。畑の大根は、直径5cmほどですから縦十文字に切って銀杏切りにました。

材料(茶碗で4~5杯分) 

  • 8分粥
  • 米(150g/1カップ)・・1.5カップ(225g)
  • 水(180cc/1カップ)・・10.5カップ(1890g)
  • 大根・・200g
  • 大根葉・・適宜

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2009-01-06

信州味噌で三平汁:新巻鮭の使い切りに:吉本隆明さんの講演会に寄せて

 昨日大騒ぎしたワンセグの録画で、吉本さんの講演会観ました(☛参照)。ここに書こうかどうしようか迷ったのですが、吉本隆明翁の潔さを称える意味で、少し感想など書き記しておこうと思います。いきなりですが、講演会の内容は横に置いて、兎に角、痩せこけたご老人からぽつりぽつり出てくる言葉とその間合や仕草は、恍惚で弱っている普通のおじいちゃんでした。期待したほどの若々しさは微塵もなかったです。私との年の差を埋める手立てがないのが残念です。今の姿を見てしまった以上、これまでの想像での姿を映し出す事は、もうないだろうと思います。ここで糸井さんがこの講演を実現させたのは、長年の功績を労うかのような深い思いやりの念からではないかと思います。良くある話ですが、講演会の内容が良いとか悪いとかの批評。これはやめておきましょう。そういうことではなく、これまで多くの影響を与えた一人の思想家の最期を飾るという幕引きとして。
 お向かいのおじいちゃんが、実はKJ法(☛参照)による幸福社会の実現を世の中に説く活動をされていました。何冊か本も出されてる東大卒のインテリで、名の知れた方です。今は、体調を崩される時が多くなり、入退院を繰り返されています。一昨年の秋に、「僕の講演会によかったら来て」と、直にお誘いを受けたので出かけたのですが、今回の吉本さんの講演会と同じような感想を持ちました。関係のないお二人ですが、インテリと言われてその功績も多々あるにせよ、ご本人は、その自覚する自己の存在が現実であって、過去と照らして周囲がどのような観方をしようとも、本人に変わりはないのだということ。過去を栄光と見る観方や、今を朽ちたと観るのも私の単なる観方に過ぎないということ。

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 すっかり忘れていた新巻鮭、のアラ(アラ!なんつって)。保存の為の塩漬けの魚としては究極の歴史があって、捨てるところがないというわけです。が、最近は、魚を捌けない人が多く、しかも身以外はどんどん捨てられてしまうと聞きます。ここで掘り起こすわけではないのですが、捌いて切り身にした鮭を更に冷凍保存したり、三五八漬け(☛参照)として保存用に切り分けたら、残ったアラはというと三平汁ですね。この汁物を最初に作った人の名前が、この名の由来だそうですが、北海道の海の産物と山の産物を、これまた昆布の出汁で塩仕立てで作るというのだそう。アラで作るものだとは限らないのでしょうけど、私は新巻き鮭の解体後に作ります。これには理由があって、中骨の周囲や頭の内側は、塩があまり効いていないので、煮汁が塩辛くならないからです。熱湯を回し掛けて、冷水で洗い流すだけで生臭みが消えて直ぐに料理できます。
 昆布の水出汁の昆布も、充分ふやけたら短冊に切ってそのまま使います。根菜類をこの出汁で最初に茹でて、九分通り火が通ったら湯通ししたアラを加え、火が通ったら味噌で味付けします。味噌で味付けする以外に、塩や酒粕もありですが、私は信州味噌が大好きなのでもっぱら味噌味です。分量は、鮭の塩気で大きく違いますので、味を見てから足してください。それと長葱をお忘れなく。

材料

  • 新巻き鮭のアラ・・1尾分
  • じゃが芋・・150g
  • 人参・・中1本(100g)
  • 大根・・200g
  • こんにゃく・・1袋
  • 豆腐・・1丁
  • 長葱・・1本
  • 昆布出汁・・1500cc
  • 信州味噌・・80g

作り方

  1. 鮭のアラはぶつ切りにして熱湯を回しかけたあと冷水で洗い流す。
  2. 人参は3mmのスライス、大根は5mmの銀杏切りにし、こんにゃくは人参と同じくらいの大きさに切り揃え、じゃが芋は5mmの銀杏切りにして、水に浸しておく。
  3. 分量の水に昆布を浸してこぶ出汁を取ったら2を加えて中火にかける。
  4. 九分通り野菜に火が通ったら1のアラを加えて火を通す。
  5. 味見をしてから好みの分量の味噌を溶き混ぜ、斜めの小口に切った長葱を加えて出来上がり♪

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2009-01-05

土鍋で作る中華風おじや(雑炊):お米から炊くのがやっぱり一番:ワンセグでNHK放送録画に成功!初

 夢の中で今日のエントリーの下書きが出来て、その書き出しがとっても気に入ったというところで目が覚めました。起きるにはちょっと早かったのですが、早速パソコンに向かって書こうとした途端にどうした事か、全部忘れています。何も出てきません。がっかり。忘れた夢の断片を思い出すのって苦しいですね。あぁ、しっかし残念。
 もう一つ夢の中で気になっていたのが、ワンセグの録画予約です。昨日、極東ブログで知って(☛参照)、NHKの22時に開始の89分の録画予約を入れたのです。その辺りの内容は、実際とダブっているので鮮明に覚えています。起きて直ぐに確認しましたら、ちゃんと録画が出来ていて嬉しかった。それも夢で一度嬉しかったので、起き掛けに二度嬉しい思いをしたのでした。えぇとそれと言うのもこの番組は、NHKの教育でETV特集「吉本隆明 語る ~沈黙から芸術まで~」(参照)の放映だからです。

 戦後思想界の巨人と呼ばれ、日本の言論界を長年リードしてきた吉本隆明(よしもと・たかあき)さん。84歳になった今も、自らの「老い」と向き合いながら、思索を続けている。

「僕の本なんか読んでいない人に、どうやったら分かってもらえるかが勝負です。」

吉本さんの肉声を聞いたこともありませんが、84歳にしてこのバイタリティーですから敬服です。本は読みましたが、読んでも良く分からない部分や、自分の中で繋がって考えられない部分が多々あります。この意気込みを知っただけで、分かりたい気持ちが逸ってしまいました。もしかしたら、感想は後で書くかもです。
 録画を確認して、気持ちが落ち着いたところですが、あの素晴らしい書き出しが思い出せません。気持ち悪いものです。ブログの書き出しに頭を悩まされている私が、事もあろうか、その夢では確か物書きだったような気がします。

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 ふー、お正月のお料理というほど作ったわけでもないのですが、やっぱり人間が贅沢になってしまったのでしょうか、二日同じものを食べるとダメになってしまったのは、私です。さーせん。お正月のお煮しめがトラウマになってしまった夫は、4日が限界だと言いますが、流石、信州生まれだけあります。未だに四日もそれが出来るのか~、なるぅ。
 今日という今日は、あっさりとした何か、うーん、七草粥?ちぃと早いですね 雑炊いやおじやにしました(おじやの響きが好きです)。おじやが美味しいのは、お米から炊くのが一番。二番は、冷ご飯を洗ってから入れる方法です。鍋などのあとにこうやっておじやを作った経験はあるでしょう。今日のおじやは、一番美味しいお米からですが、鍋物のあとではないので、作為的にスープを取って、根菜とお米を一緒に炊いて具をトッピングします。非常に滑らかに仕上がります。一人鍋で分量を気にするのなら、こうやって、野菜とお米を一緒に炊き込んだら良いと思います。今回は、鶏肉ですが、浅蜊や牛筋肉などでも同じような考え方で、出汁を応用するといろいろなパターンが楽しめます。
 土鍋で鶏の手羽中を大量(1リットル以上)の水から茹でながら、灰汁を掬ってスープを取ります。これは、沸騰してから約10分間。で、鶏肉を取り出して大根と人参を加え、洗って笊に上げておいたお米を加えて中火で沸騰させ、お米を茹でるというのもおかしな表現ですが、実際そんな感じです。くつくつしてきたら弱火にして、お米の芯が無くなって指先で軽く潰せるくらいの柔らかさになったら、白菜を加えて塩、胡椒で調味します。取り出した鶏の手羽中の粗熱が取れたら、骨を掴んで身をしごくようにして外し、醤油と胡麻油をまぶしておきます。この鶏肉を最後にトッピングします。それと、ローストした松の実を乗せました。これだけで、すごく中華風になるのです。

材料

  • 米・・1.5合
  • 大根・・200g
  • 人参・・100g
  • 白菜・・100g
  • 松の実・・大さじ1
  • 鶏手羽中・・5本
  • 水・・1500cc
  • 塩・・大さじ1
  • 胡椒・・適宜

合わせ調味料

  • 醤油・・大さじ1
  • 胡麻油・・小さじ1

作り方

  1. 米を洗って笊にあげておく。
  2. 松の実は140度のオーブントースターで6分ローストして冷ましておく。
  3. 土鍋に分量の水と手羽中を入れて中火にかけ、灰汁を掬いながら沸騰したら火を弱めて約10分茹でて、鶏肉だけ取り出して冷ます。
  4. 厚目にスライスした大根と人参を加え、沸騰したら1の米を加えて蓋をし、中火で沸騰させ、火を弱めて約10分炊く。
  5. その間に、取り出した鶏肉の骨を外して解し、合わせ調味料で和えておく。
  6. 米が軟らかくなったら、ざく切りの白菜を加えて火を通す。
  7. 注ぎ分けたら5の鶏肉と2の松の実をトッピングして出来上がり♪

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2009-01-04

イギリスの伝統料理ミートパイ:アスリートのサポートは国がやるという妄想:案外よいかも

 昨日は、箱根駅伝の復路が放送されていました。毎年恒例のお正月番組ですが、今までこんなに真剣に観た事が無く、人が走っているのを楽しく観た経験がありませんでした。スポーツとは、自分でやることに意味があると思ってきましたので、観戦する面白みというのがさっぱり理解できませんでした。唯一、自分がこれまでに経験したスポーツだけは、観戦というよりも、技術的な細かい部分に目が行ったり、ベンチワークを聞いたりして、どちらかと言うとコーチング目線への興味はあります。でも、走るというのは、そのどちらでもないというか、楽しんで観ている人が不思議でした。
 ところが、この半年、自分がジョギングをしているので、なんとなくTVに目が行って、見ているうちに面白くなってきたのです。勝ち負けではなく、ペース配分や、走力についてのコメントがなんとなく興味深くて勉強になるのです。毎朝走っていても全く考えもしなかったキックのこと。「足の裏でしっかりキックして、安定した走り」などとコメントが入ると、実際はそれはどのような走りなのかと、走者をじっくり観察してみたり。「けしてスマートな走りではない」と聞けば、「なるー、かっこ悪いな、この選手。」と画面で綺麗なフォームの選手を探すとか。教材は画面いっぱいに次から次へと映っているので、目の保養でした。これは、自分が関係しているスポーツなのに、観戦しているというのとは違って、あくまでも教材としてですから、楽しむというのとは異質で、目的が無いと見てもつまらないということは、依然として変わりないです。
 そう言えば、イギリスのサッカー観戦は、地域同士の張り合いがベースにあるというのは歴然としています。エスカレートすると、熱くなって喧嘩や地域の権力闘争に発展することが良くあります。応援席も、ベンチと同じように別れて着きます。中途半端な席が無いので、驚いた事があります。
 ああ、なんとなくですが、ちょっと分かってきたような気がします。日本に今、サッカーやバスケットのプロリーグを充実させようとする動きがありますが、全て地元に基盤を持っていますね。というか、地元から生み出されてくるような組織になっています。基盤が地元にあるということは、地元の応援やサポーターで運営して盛り上がるとなるように仕掛けているのだと思います。もしそうだとすると、その裏側には、既に権力争いの基盤上にあるという事なのですね。なんだかスポーツを介して戦国時代に戻っているというようなイメージですが。もっと飛躍してしまうと、この不景気なご時勢では企業がスポンサーを辞めて行くので、例えば、西部のホッケーチームはこの間廃部が決定しましたが(☛参照)、企業や地域では限界も出てきます。となると、日本は、国がスポーツをサポートして行かないと、オリンピック出場も出来なくなるような事態に追い込まれそうですね。国の代表選手を国が養う時代になるのかしら。いいかどうか分かりませんが、国の代表選手を国が養ってサポートすれば、国民は一つになって応援しますよね。そういった感覚は、中国などと同じだと思うのですが、日本は、共和国化にでもなるのか?いや、すごい妄想もいいとこ。たかがスポーツ、されどスポーツの世界になってきました。
 日本のアスリートにとっても、今年は大変な年になるような予感がします。国の代表となるような実力の持ち主のサポートが不十分で、選手生活を余儀なく止めざるを得ないという事態になる事はもはや必須です。日本というよりも、世界単位に、オリンピックや世界選手権のような大会の維持やそこに向けての参加は、今後どうなっていくのでしょう。もしかしたら、無くなる年が発生するというような事態がこるのでは無いでしょうか。この際、国単位でスポーツの在り方を再検討するとよいのかも知れません。

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 昨夜は、牛挽肉でミートパイにしました。なんだかおやつのような献立になってしまったのですが、お節料理が二日も続くともういいという感じですし。
 ミートパイというのは、イギリスではかなりポピュラーな食べ物で、パイ生地を使わないシェパーズパイ(☛レシピへ)やコッテージパイと並んで、パブのランチでは必ず見かけます。また、スーパーマーケットの冷凍品売り場でも、大量に安価に買い求められます。昨年イギリスに行った知人から聞くに、昔と変わっている様子も無く、相変わらず歴史や昔ながらの風習を硬く守る国民性そのものだったようです。このミートパイをかじりながらサッカー観戦に、そう言えば一度行って懲りたのでした。皆熱くなるので、観戦どころではなくなるのでした。

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 暇に任せて作ったパイ生地を20cm角に切って冷凍保存しています。室温に置いて解凍しますが、まだ冷たいまま成型すると扱い易いです(無ければ市販で)。パイの生地の層が薄く出来ないと悩んでいる方が多いですが、麺棒で伸ばして薄くしてから成型します。また、形も様々で、丸型に二枚使ってカップ型にしたり、半月にしたり自由自在です。私は、パイ生地に無駄が出ないように長方形が多いです。半分に切って、生地を伸ばして薄くしたら、パイの底にする方にはフォークでところどころ穴を開けます。蓋にする方は、一回り大きめに伸ばして二つ折りにし、周囲を2cm残して和になっている方に2cm間隔に切れ目を入れます。こうするとオーブンで焼いてる最中に蒸気が抜けて、パイ生地がパリッと焼き上がります。飾りの要素でもあります。
 ミートソースは、牛肉の風味をパイに生かすような、シンプルな味付けにします。基本は、牛挽肉、玉葱、にんにく、塩・胡椒ですが、人参やじゃが芋のみじん切りや、フレッシュトマトなどを加えると酸味と甘味が加わって美味しくなります。また、表面に溶き卵を塗ると、焼き色にアクセントがついてこれもまたlovelyですね。アレンジはいろいろできますが、イギリスではシンプルなミートパイが主流です。

材料(10×20cmを2枚)

  • 冷凍パイシート(市販品でも可)・・2枚(20×20cm)
  • 牛挽肉(赤身の多い部分)・・300g
  • 玉葱のみじん切り・・100g
  • 人参のみじん切り・・60g
  • にんにくのみじん切り・・大さじ2
  • 塩・・小さじ1/2
  • 胡椒・・適宜
  • ナツメグ・・適宜
  • 溶き卵・・少々

作り方

  1. 冷凍のパイシートを取り出して室温に置いて解凍する。
  2. その間に、野菜を全てみじん切りにする。
  3. フライパンを中火にかけ、にんにくを少量の油で炒めて、香りが立って来たら玉葱と人参を加えて、玉葱が透き通ったら挽肉を加える。
  4. 肉に火が通ったら、塩、胡椒、ナツメグで調味し、一旦火から下ろして肉の脂が多いようなら吸い取る。
  5. 1のパイシートを半分に切って、底になる部分にフォークで数箇所穴を空け、蓋になる方は二つ折りにして和の方を2cm間隔で直角に切り込みをれて広げる。
  6. 底の部分に4の肉の半分を中央に乗せて、周囲に刷毛で水を塗ったら5の蓋をかぶせて周囲をフォークで押さえる。
  7. あればとき卵を表面に塗って、200度に予熱したオーブンで15分焼いて出来上がり♪

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2009-01-03

牡蠣の炊き込みご飯:土鍋でふっくら美味しく炊く:日本一静かな正月は東京ですね

 実家に子ども達を連れて、新年の挨拶に出かけてきました。一緒に頂く為に、黒豆やお煮しめを大量に作って持ち込みましたが、取り分け母がそれを喜んでいました。諏訪の野菜が美味しいと喜び、諏訪の日本酒が美味しいと喜び、諏訪の馬刺しがたまらないと喜び。年に一度の親孝行の日ということで目出度いことでした。
 「お正月」とういのは、年明けの3日(三箇日)のことで(☛Wikipedia参照)、昔は、新年を祝うという事で全てがお休みになったのですが、今年はそういう昔に戻ったような、懐かしい雰囲気を感じました。なんともしんみり静かで、空気が動いていません。活気というものから見放されちゃったような東京にいささか驚きました。帰りの中央高速では、反対の登り車線がめちゃ渋滞で、圏央道のジャンクションから、勝沼辺りまで、ひどい場所では全く動いていませんでした。東京は、田舎を持つ人が暮らすビッグな都市なのですね。昔からそう言われてきていますが、あの町の静けさは、特に今年はこれからどうなっていくのかと、今まで味わった事のない不況の影響を空恐ろしく感じます。

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 久しぶりの牡蠣の炊きご飯は、気分転換になりました。暮れに広島から沢山牡蠣を頂いて牡蠣三昧でしたが、飽きの来ない貝です。それを楽しむ料理の多さにも驚きます。美味しく作る勘所がいくつかあって、1)ご飯に牡蠣の出汁を効かせる。2)牡蠣が縮まないようにする。3)一緒に混ぜる具材で牡蠣の風味や旨味を打ち消さない。これ位のことは常に思います。
 1)については、牡蠣と他の具材を醤油と酒で軽く火を通し、濃い目の味付けをした具を作ります。具と煮汁を分けて、米を炊く分量の水と足して、炊き込みます。
 2)最初に味付けして煮汁を切った具は、お米が沸騰し始める時にご飯の上に乗せて炊きます。炊飯器でも土鍋でも同じで、勢いよくご飯が噴き始める時です。
 3)は、おとなしい香りの茸や、インパクトのある三つ葉をぶつけてみるとか、嗜好を凝らして楽しめる部分です。油揚げを入れた炊き込みご飯が私は好きですが、必須ではないです。ただ、油揚げの油がご飯をべた付かせること無く、あっさり炊き上げてくれるので私は加えます。下煮する前に、熱湯で油抜きしてから短冊に切ります。

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 くるりちゃんから暮れに頂いたドイツのケーニッヒ製ハム類(☛参照)やゼリー寄せをオードブルに、あっさりしたお雑煮(☛参照)が夕食となりました。

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 このお雑煮について一言ですが、濃厚な出汁を取るでもなく、牛蒡や人参、筍などの根菜を加えるでもない、蒲鉾と鶏肉、御餅、青菜、飾り麩だけのシンプルなお雑煮は、お節料理や刺身などおご馳走の食卓で、ひっそりとした感じです。はっきり言って、こんなお雑煮は初めてでしたが、それだけに、そのシンプルさが際立つのです。逆に、他におご馳走でもなければ、お雑煮が賑やかでも良いのかもしれません。ご本人は、出汁について「ダシについてはうるさく言う人が多いがそんなことを気にしていては料理が煩瑣になるだけだ。」と話していますが(だって、ちゃんと出汁を取った方が美味しいんだもの・・・)、この辺が私が新鮮に感じる辺りで、何を主軸にこの料理を捕らえているか、価値の置く場所の違いです。味の観点からいうと、「そんな出汁では味気ない」と石でも飛んできそうです。でもね、観点が違うのですよ。男性の料理が面白いのは、ここです。とても新鮮です。ま、あまりお正月が好きではないようですし、2004年のお正月に公開されているお雑煮は、いまだに姿を変えずにそのままのようですね。もう少し年を食うと、もっとシンプルになるのでしょうか。嗜好というのは歳とともに変化するので、今後が楽しみです。

材料

  • 米・・3合
  • 牡蠣・・300g
  • どんこ椎茸・・3個
  • 油揚げ・・1枚
  • 醤油・・大さじ2
  • 酒・・大さじ2
  • 味醂・・大さじ2

下煮調味料

  • 醤油・・大さじ1
  • 酒・・大さじ2
  • 味醂・・大さじ1

作り方

  1. 米を洗って、笊に上げておく。
  2. ボールで500ccの水に大さじ1の塩を加えて(3%)溶かし、牡蠣の襞の内側などの汚れを綺麗に洗って、流水で洗い流す。
  3. 椎茸は薄くスライスし、油揚げは5mmの短冊に切って熱湯で油抜きしておく。
  4. 小鍋で下煮調味料を沸騰させ、2と3を一煮立ちさせたらボールの上で笊に上げ、煮汁と具を分けておく。
  5. 土鍋(又は炊飯器)に米と4の煮汁に水を足して、炊く米の分量の水にして中火にかける(炊飯スイッチをON)。
  6. 穴から蒸気が吹いて、米が沸騰したら4の具を均等に並べ、蓋をして火を弱くする(引き続き炊く)。10分加熱したら火を止め、15分蒸らして出来上がり♪

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2009-01-01

元旦に故郷の神社を詣でるその意味:年越す蕎麦(手打ち)

Img_137582_20648250_0  明けましておめでとうございます。
 神社では、二年参りといって、年越し前に神社で初詣を待ち、年明けと共にお参りをします。境内では、市内の造り酒屋さんが、甘酒を振舞ってくれ、中央では、高さが10mにもなるような大きな焚き木を囲んで暖を取るという姿が毎年の風景です。息子達にとっては恒例のお参りで、お参りをするというよりは、ここにこの時間に仲間と集うという意味のようです。初詣を待つ列から、同級生が訪れるのを待ち構えては声を掛け合って、仲間との再会を喜こんでいる姿は楽しそうです。このようなことを毎年繰り返すうちに習慣化して、暮れに帰省すると必ずお参りに行くようになるのでしょう。年配の方々の様子を見ていると、知り合いとここで新年の挨拶を交わしている姿が多く、きっとその昔からこうしてきただろうと想像します。
 このような事を毎年繰り返すうちに、ここを故里と呼ぶ一齣になるのでしょう。私にはこのような背景が自分の生い立ちにありませんから、私は、いつになっても人のそうする姿を傍観者として見ているという感じです。ここで生まれ育っていない私にとっては、ずっとそうで、私の分身のように思っていた子ども達は、もはや自分の生い立ちの中に確実に自分の歴史を刻んでいるのだと思います。境内に見るお年寄りと、息子達の姿をそのまま20年スライドさせると、果たして私は、このお年寄り達のようになるのかと想像しようとするのですが、何も浮かんできません。きっとこうなるのではないかと、少しでも想像できれば、気持ちは安らげるだろうに。孤独感とも違うのですが、一寸先の自分がどうなっているか何かを抱くことも、想像すらできない、というのも不安定でいいのかもしれません。「今を生きることをずっと繋げてゆくのが人生」だと、浮き草暮らしのような事を言っているな、自分。と思うけれど、これがなんとも新鮮で好きです。

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 年明けのレシピとして公開するものじゃないとは思いつつ、夜更けに食べた年越し蕎麦です。今年は、塩尻という町で採れた「赤蕎麦」のそば粉で打ってみました。赤蕎麦を知ったのは、昨年の秋口に小さくて可愛いピンク色の花に魅せられてのことです。若干、薄いピンク色に染まったそば粉のようですが、期待したほどではありません。伊那谷の箕輪村(みのわむら)にある、信州大学農学部がこの品種の開発に関わったそうです。これも村おこしの一環でしょうか。広域農道と呼ばれる田舎の一本道にずっと広がるピンクの絨毯がその正体です。ここへ来ると、全てを独り占めした気分になれるので、実は大好きな場所。実生活では、何一つ独り占めできないのが悲しいかな。L_hana
 蕎麦が含んでいる水分にも寄りますが、粉の50%くらいの水の半分をそば粉全体が均一に湿るように混ぜます。残りの水でまとめるのが最初の作業です。手の平で押し付けては場所を変えてと、蕎麦の粒子がきっちり結びつくように念じて5分もすると艶々になります。蕎麦打ちの良いところは、ここで直ぐに製麺できるところです。生地を休ませる必要がないのです。ま、寝かしていたら香りも飛んでしまいますけどね。ですから、そば粉をうち始める時には、茹でるお湯やそばつゆなどを全て準備する必要があります。そのお湯も、多過ぎるという事は蕎麦に関してはありません。できるだけたっぷりのお湯を滾らせて、茹でている蕎麦が沈まないようにするのがコツです。茹でる温度が下がって、蕎麦が沈むと短く切れてしまいます。
 岐阜の友人夫婦が来た時に、あれは一昨年の秋でしたか、手打ち蕎麦を振舞ったのですが、のばす技術が今一足りなくて、非常に太い蕎麦になってしまいました(☛参照)。今年は、大丈夫。大変良くできました。

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 お煮しめ用に沢山用意した、椎茸、昆布、鰹の出汁で鶏肉に火を通して、醤油、味醂、塩で調味した汁で掛け蕎麦にしました。ほうれん草と、なると巻き、葱の小口切りを乗せて。手打ち蕎麦をつるつる啜る音が心地よく聞こえたのは初めてでした。
(せっちゃん、信じられないと思うけど、今回のお蕎麦の出来は、最高でしたよ。二度と同じ事はこの世に起こり得ないので、悲しぃかな。)

 これからお雑煮を頂いて、実家にお正月の挨拶に行ってきます。もしかしたら、明日の更新はお休みになるかもです。ご心配なきよう、一言お断りです。

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