大根と槍烏賊(ヤリイカ)の煮物:烏賊を軟らかく煮る勘所
町内のお茶の先生が亡くなった。明け方のまだ真っ暗な時間に、いつものように走り出すと、そのお宅だけ家中の部屋に明かりが燈っています。不吉な予感は当たるものです。実は、来年からお茶と、お習字を始めたいと思っていて、習いに伺いたいと考えていた矢先でした。私の歳になると、80歳過ぎくらいの年齢のお師匠さんが落ち着きます。これから始める習い事というのは、その技量がどうかではなく、お茶と会話したり、硯(すずり)で墨をすって気持ちを穏やかにするのです。やっと始められると思っていた矢先でした。ご冥福をお祈りいたします。
さて、うちの畑の大根が遅かったと聞こえちゃったのでしょうか、包丁を入れるとピキッと亀裂が走るようなみずみずしい大根を沢山頂きました。甘味が乗った美味しい大根です。最近は、使う使わないに関係なく、輪切りにした大根を米のとぎ汁で茹でてストックしておく事にしています。ちょこちょこ出してはお味噌汁の具にしたり、煮物したり。大根をお米のとぎ汁で茹でたらそのまま冷たくなるまで放置するだけで、透き通って柔らかく、灰汁もなくなります。何と何が作用してこんなに灰汁が抜けるのか不思議ですが、昔からお米のとぎ汁で下茹ですると決まっています。
今日の大根は、15cm程の小振りなヤリイカと一緒に煮ました。少し手間をかけて軟らかい烏賊と、味のしみ込んだ大根に仕上げます。烏賊は、長く熱を加えるとかなり硬くなってしまいます。一方、大根は長く煮ないと味が染み込みません。こういう時は、味を含ませたいイカを最初に煮汁と一緒に軽く煮て、味を出してから一旦取り出します。その煮汁で下茹でした大根を煮て、20分ほど置きます。大根に味がしみ込んだところでもう一度火にかけ、イカを最後に戻して一煮立ちします。この方法を覚えておくと、肉や蛸などでも同じように、軟らかくできます。
下準備は、足と内臓を胴から引き抜いて、軟骨も引き抜きます。内臓を洗い流して胴体は3~4つにぶつ切りして、足は、先の細い部分を切り取っていくつかに切り分けます。たっぷりのお湯を沸かして、イカをくぐらせると、臭みが残りません。
気忙しい師走の折、下茹でした根菜などがストックしてあると、夕方軽く仕度にかかれるのでありがたいです。
▪ 蛸と根菜の煮物☛こっち
材料
- 下茹でした大根・・600g
- ヤリ烏賊・・5杯
- 小松菜・・適宜
- 鰹出汁・・カップ2
- 醤油・・大さじ3
- 砂糖・・大さじ3
- 酒・・大さじ3
- 鍋・・大根が並べられるくらいの大きさ
作り方
- 米のとぎ汁で大根を下茹でして、軟らかくしておく。
- 鍋でお湯を沸かす。
- 烏賊の足と内臓を取り出し、水で洗って一口大に切る。
- 2のお湯で小松菜を軽く茹でて引き上げ、残ったお湯で3の烏賊をくぐらせ、笊にあげて水を切っておく。
- 分量の調味料と出汁を鍋で煮立たせ、烏賊を加えて色が変わる程度に煮たら一旦取り出す。
- 同じ煮汁で10分ほど大根を煮て火を止め、蓋をして20分ほど予熱で味をしみ込ませる。
- もう一度火にかけ、煮立ってきたら烏賊と5cmに切った小松菜を戻し入れて一煮立ちして出来上がり♪
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