Apple Turnover Pie(アップルターンオーバーパイ):未だに正体不明なリンゴパイ:カロリー、コレステロールが極端に控えめな焼き菓子
諏訪生まれの紅玉リンゴで久しぶりにアップルターンオーバーを作りました。これは、簡単に言うと、小麦粉の生地を薄くのばして、リンゴと砂糖シナモンパウダー、レーズンをくるくる巻きにして焼いた焼き菓子です。「ターンオーバー」というのは転がすという意味ですから、名前の由来は確かそのはず。ところが、東京の名の知れた焼き菓子屋さんでは、普通のパイ生地に包んだアップルパイを「アップルターンオーバー」という名前で売っています。それと、ホテルでデザートとして注文した時も、三角形のパイ生地にシナモンの風味のリンゴパイでした。以来、私は、このアップルターンオーバーの本来の素性と、名前の由来が気になっています。こういうことが気になる性分なので、厄介と言えばそうです。ただ、このように古くから伝わるものは、それなりの背景があることが多く、昔ながらの形を変えて、本来の名前や由来をうやむやにしているとすれば、それは、正しく知っておきたいと思うのです。昨日もネットでいろいろと探しましたが、このような作り方を紹介しているところに行き着かないので、これがきっと初公開です。(サムネイル画像ですから、クリックすると拡大します)
アップルパイのように生地を何度も折りたたむことで層を作るのでなく、薄く広げた生地にバターを塗ってフィリング(りんご・シナモンな
ど)を包んで、筒状にして転がします。これで生地が2~3層になります。この方法は簡単で、使用するバターもパイ生地の半分以下です。しかも生地を滑らかに伸びやすくするために加える油脂は、バターではなくサラダオイルです。カロリーも少なく、コレステロールもかなり低くなります。
作るに当たって一番の問題は、薄くのばすことにあると思いますが、形を気にしなければ(楕円や円形)、麺棒に巻きつけて転がしているうちにかなり薄く伸びます。まるで蕎麦やうどんを打つ時のようにです。伸ばす目安は、天板の大きさに丁度納まる長さです。私のオーブンの幅は内径で40cmですから、生地は40cm四方に伸ばします。昔話をしますと、使わなくなったシーツに(勿論きれいに洗って)生地を挟んで伸ばしたものです。今では、パンの成型後に休ませる時などに使用するキャンバス地を使って、ローラーに生地が張り付かないようにしています。最初は、挟んで伸ばしますが、最後の形を整えるときは、直に麺棒を転がします。適当な布が無かったら、オーブンシートでもできますが、その場合は、生地に打ち粉をするとやりやすくなります。で、ここまでして作るのか?という疑問も湧かないほどスルーされるレシピかもですが、一度食べたら忘れられなくなるほど、私にとっては美味しかったので、どうしても力が入ってしまいます。是非作ってみて欲しい一品なのです。
中のフィルングは、最初に教わった方法は、砂糖、シナモン、リンゴ、レーズンを軽く混ぜ合わせるのですが、リンゴから大量に水分が出て、砂糖もかなり解けてしまって、実際に生地に包む時には味が薄くなってしまいます。そこで改良したのは、切ったまま乗せて、シナモンも砂糖も直にリンゴに振り掛けます。出来上がりにあまり大差ありません。
熱いうちにポリポリ食べるのも、冷めてからサクサク食べるのもどちらも美味しいです。
材料(40cm)
生地
- 薄力粉+強力粉・・各60g
- 卵・・1個
- 水・・卵と合わせて78cc(65%)
- サラダ油・・小さじ2(10cc)
- 塩・・小さじ約1/3(2g)
フィリング
- リンゴ(できれば紅玉)・・2個(200g)
- シナモンパウダー・・小さじ1/3
- グラニュー糖・・大さじ2
- 干し葡萄・・50g
溶かしバター・・40g
作り方
- 小麦粉を笊などで2回ほどふるって空気をよく含ませておく。(または泡だて器で撹拌)
- 1をボールに入れて、その他の生地の材料を全て加え、最初は菜箸で混ぜ、まとまってきたら台の上で良く捏ねて滑らかにする。
- 2の小麦粉を最低30分休ませて、その間に、リンゴを8等分して3mmの厚さの銀杏切りにする。
- キャンバス地の中央に生地を置き、十文字に浅く包丁を入れて四方に広げ、厚みを均一にならしたら、残っているキャンバス地で閉じる。
- 時々様子を見ながら、麺棒をキャンバス地で転がして生地を伸ばし、最終的には40cm四方の正方形に伸ばす。
- 溶かしたバターを表面に塗って、手前の方に、リンゴ、シナモン、砂糖、レーズンの順に乗せて、手前の部分をかぶせ、そのまま包み込むような手つきで全体を最後まで2~3回ひっくり返す。
- 繋ぎ目の部分まで転がしたら、オーブンシートを置いて、転がして乗せ変えます。
- 180度に予熱したオーブンで35分~40分焼いて出来上がり♪
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コメント
久しぶりにGodmother様のサイトを見る時間ができました。美味しそうです~。時間ができたらまた挑戦します。
さて、このお菓子ですが、オーストリアのApfelstrudel(アップル・シュトゥルーデル)ではないでしょうか。子供の私は食べるの専門でしたので、カフェに行ってはその店毎に微妙に違うApfelstrudel味比べを楽しんだ記憶があります。他にチーズケーキ風のTopfenstrudel等もよく食べました。調べずに書いているので間違っていたらごめんなさい。
投稿: いもけんぴ | 2009-01-16 17:17
いもけんぴさん、こんばんは。
正解です。多分いもけんぴさんは、このグロテスクなケークの切った部分にカスタードソースをかけて食べたのでは?
アメリカでは「AppleTurnover pie」と命名していいて、ドイツ語の日本語直訳がアップルパイなんですよね。紛らわしいです。アップルパイというより、ひっくり返すの意が、作り方としては正解なのですけどね。
オーストリアの家庭で出来る焼き菓子は、素朴な作り方だからなのか美味しいですね。
いもけんぴさんの舌が肥えてしまうのも分かりますよ。
是非、素敵な味を再現してみてくださいね。
投稿: ゴッドマー | 2009-01-16 18:36