大根と鶏胸肉の治部煮:「治療」に対する新しい観点の発見!「治療をためらうあなたは案外正しい」を読んでみて
昨日は立冬でしたね。朝のうちは雨が降ったりして、生暖かい感じがしましたが、これからどんどん寒さが厳しくなるのですね。信州の冬にはまだ慣れない私です。
昨日、「治療をためらうあなたは案外正しい」が届いて、一気に読んでみました。極東図書館(☛参照)で紹介されてたのがきっかけですが、私自身の経験で、医療に関して未解決な部分が多分に過去にあって、それがあまりよい事として残ってないので、医者にかかることや、医者の処方で薬を服用することに非常に慎重になっています。その辺のことを少し話しておこうかと思います。特に、長男が幼い頃、小児喘息だったり、発熱による痙攣(けいれん)を起こしたりと、いろいろなことを通して、病院には大変お世話になったのです。でも、解決されない母の思いというのもあります。この思いが、著者が本書で言わんとするところと少し重なりました。だからといって、正しい解答を得られたというのもでもありません。詰まるところ、このような問題は、無知な自分が少しでも書籍や、人の経験から何かを学んで、そこから自分自身の答えを見つけるということと、この答えは一つではなく、常に変動するもので、アンテナを張りながら自らの力で人間の生きる力と、それを知って信じて生きて行く部分と、病理を治療していく化学の力が集結することが最高点なのだと。その最高点を見つけるために、よい相談相手としての医者にめぐり合うことも大事なのだと感じました。
私がこれほどまでに臆病になったのは、ってどれ程よですが、長男が3歳になる頃、熱性の痙攣を起こしたときのことです。休日当番医が市内の一番大きな総合病院で、運のよいことに歩いても10分とかからないほど近くなので、連れて行って直ぐに診療を受けることができました。何かの薬を処方され、息子の様子もぐったりした感じはあるにせよ、正気に戻って家に連れ帰ってからのことです。幻想を見ているらしく、布団から飛び起きて飛び跳ねながら、どうもチョウチョを見ているらしく、捕まえようとして、部屋中を大声を出して飛び跳ねるのです。1時間ほどして少し治まったのですが、興奮状態が長く続きました。結局医者につれて行き、様子を話すと入院することになりました。4日間小児病棟の個室で、ずっと付き添っていましたが、結局急変の時に対応する為の、様子を観察するだけでした。このとき、最初に処方された薬の副作用や、その後の入院の目的も何も説明されず、悶々とした気持ちはそのままになりました。その後、小児科に掛かり相談した結果、脳波と心電図にMRIで脳の写真を撮ってみるというのです。このために又、薬で催眠させるというので、それを拒否して、子どもに検査の間は動かないようにとよく言い聞かせてMRIを撮り、脳波の時は、お昼寝をさせての検査となりました。最初、医者は、それは無理だと言って応じませんでしたが、息子は、30分以上身動き一つせずにMRIを受けられたのです。これまでに、このような例はなかったと驚いていましたが、そのようなチャンスを患者に与えてもこなかったと思います。なんせ、私が強行に拒否したからだったわけですし、当時としては、医者に刃向かった患者もいなかったでしょうに。ただね、そこまで私を頑なにしたのは、最初の熱性痙攣のときに処方された薬の副作用について、何の説明もされなかったことを通して、医者への不信感だけです。医者の処方する薬を鵜呑みにして、飲んだ為に起こした息子の幻想を見るような反応に対処する入院のあれはなんだったのか、未だに謎なのです。このような経緯から、MRI検査の前に睡眠薬を飲まないと拒否した私をにらみつけて、厄介者扱いをしたあの時のあの医者からは、人としての温かみの欠片もなかった。今まで恨み辛みを持って、生きてきたわけではありませんが、鵜呑みにするしかない自分の無知と、説明要求しても納得のいく説明がなかった時に、どうしたら良いのかわからない自分を情けなく思うだけです。
時代と共に医療の考え方も変化して、今では要求しなくても薬の種類や、効果、効能などの説明を受けます。医者の処方の時に、副作用についての説明もしてくれますし、要望すれば薬を変えてくれたりもします。このようなことができるという世界ではなかった昔とはまるで違います。薬についてや診断についても医者からじっくり話をしてもらえますが、逆に、昔とは違うのですから、今の若いお母さん達は、もっと自分から率先して聞くべきだと思います。処方された薬の効果、効能、副作用の有無や特徴など、知るべき情報が沢山あります。今の医者は、親切に相談に乗ってくれます。
また、それとは別に、治療しない治療だってあります。例えば虫歯などです。インレイをかぶせる為に、大きな穴を空けて逆に歯を脆くするくらいなら、小さな虫歯を大きくしないようにした方が良いという考えを持つ歯科医を知っています。当然儲かりませんよね。でも、歯のことを思ったらそうした方がいいよと言われて帰されます。
「最良の治療とは何か」いろいろな観点があるものです。少なくとも自分以外の誰かの違う意見を取り入れて、自分が選択できる治療というのも今では存在するのですから、本書などは取り掛かりとしていろいろなことを教えてくれています。
長くなりましたね、いつか息子がこの下りを読むようなことがあったら、母さんは、こうやって育ててきたんですよ。ということと、もし親の立場になっていたなら、親の自分が納得の上で子どもの治療を受けなさいね。と、言い添えておきます。
さて、今日は大根と鶏肉の治部煮風です。治部煮については以前豚肉のスライスと聖護院蕪(しょうごいんかぶら)で作ったものを紹介しています(☛参照)。醤油ベースの出汁で煮込んだ大根スープに、片栗粉をまぶした鶏肉を加えて、更に煮込んでとろみの付いた煮物にします。立冬の声を聞くと、土鍋料理はありがたいです。鍋からの湯気が、また乾燥しがちな部屋にはありがたいお湿りとなりますね。
我が家では、治部煮は土鍋で作って、食卓で銘々が好きにお代わりしながら頂きます。鶏肉の部位ですが、脂も多く旨味のあるもも肉や脂が少なくあっさりした繊維質の胸肉を使います。鶏肉は長く加熱すると硬くなりますが、治部煮に関しては、片栗粉が肉を覆って、肉汁を閉じ込めますから、非常にジューシーで柔らかな状態です。今日のレシピでは、脂を押さえた胸肉です。
材料
- 鶏・・胸肉1枚(約300g)
- 塩・・小さじ1
- 酒・・大さじ1
- 片栗粉・・大さじ2
- 大根・・600g
- 米のとぎ汁・・2ℓ
- 鰹出汁・・600cc
- 醤油・・大さじ2
- 酒・・大さじ2
- 味醂・・大さじ2
- 塩・・小さじ2
- 砂糖・・小さじ2
- 長葱・・5cm
作り方
- 大根を2.5cmの厚さの輪切りにして、皮を剥き、米のとぎ汁で冷たいうちから一緒に茹でる。
- 沸騰したら火を弱めて、最小で沸騰させながら5分茹でて、最低30分予熱煮する(保温をしながら)。
- 大根が透き通るほどになったら、取り出して流水で洗い流し、鰹出汁と一緒に煮る。
- 沸騰してきたら調味料を加えて大根に味付けをし、保温をしながら予熱煮する。(弱火で煮るよりも早く味が染み込む様な気がします。)
- 胸肉の繊維の合わせ目で切り分け、繊維に対して直角に一口大に削ぎ切る。
- ボールで切った鶏肉と塩、酒、片栗粉を混ぜ合わせておく。
- 大根に味が染みこんだら、再び火にかけ、煮立ったら鶏肉を少量ずつ加えながら火を通す。
- 鶏肉に火が通ったら5~6分煮込んで出来上がり。葱の小口切りを乗せて頂きます♪
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コメント
こんばんは、姉さん。まるは病気で驚いたことが、ありました。結婚後、婚家には薬の買い置きがほとんど無かったのです。まるは熱が出たら解熱剤、風邪のときは風邪薬を飲むのが当たり前として育ってきました。父ちゃんが風邪で寝込んだときに言った言葉で「風邪は病院で治るんじゃない。」には、なるほどと思いました。体の中のウイルスをやっつけるために熱が出てるのに、薬や注射で熱を下げたら、ますます風邪が長引く。しっかり水分を摂って、寝るのが一番と言って病院には行きませんでした。そうやって、義母に育てられてきたんだな~と思います。薬には必ず、副作用があります。まるも出来るだけ薬に頼らないような体作りを心がけたいものです。東洋医学のいうところの未病ですね。先月から針灸治療を再開しました。そういうことを考えると、食も医と同源ですもんね。大事にしなくっちゃ!
投稿: まるちゃん | 2008-11-09 21:48
まるちゃん、おはよう。
風邪は万病の元と言われていますので油断は禁物ですが、その風邪も、自分の具合の悪さを例えば、皮膚の神経が過敏になって、触れられたくないとかだとかなり熱がある状態だし、インフルエンザの熱だと、体中が痛くて歩くのもままなならないなどの、特別なかんじを感じ取るのも自分ですね。
良いかどうかは別として、自分が自分の健康状態をある程度観られるというのは、薬で症状を見えなくした状態で経験がないと、きっと不安なことだと思います。
この本は、糖尿病、癌などのいくつかの病気を取り上げて具体的に書いてあるので、分かりやすかったです。
認識もある程度変わるかもしれませんし、より一層自分の体と向き合う必要性を感じるのではないかと思います。
投稿: ゴッドマー | 2008-11-10 09:19