胡麻鯖(ゴマサバ)と大根の味噌煮:「父と息子の往復書簡―東京‐ニューヨーク: 山本 七平, 山本 良樹」読み始めたよ
【ヒャクニチソウ】
昨日は、注文した山本七平さんの「父と息子の往復書簡―東京…ニューヨーク」が届き、午後はしばらくこの本を読みふけってしまいました。これが親子の手紙の内容だということをうっかり忘れてしまうほど、読ませるんですよ。リアルに起こる日々の出来事から、視野の広がりが社会問題や政治、自治問題などに触れながら、父親のありのままの考えを率直に述べていく辺りに、山本の人柄が見え隠れして、そこを深く読ませてくれます。じっくりと辿りながら読むうちに、まるで私の父親から自分に宛てられた手紙を読み返しているような錯覚に陥ってしまうほどの、近いものを感じます。いえ、話す内容は男同士ならではの内容です。どちらも自分の価値観を赤裸々に語っているのが、手紙のやり取りだということを忘れさせるのです。んーん、じっくり読みたいと思います。
山本七平の本は、極東図書館(☛極東ブログ)で紹介されていた中から数冊ピックアップして読んだのが始めでした。この人の本からは、私自身の親の時代の事や、親からは語り継がれなかったその時代のいろいろな考え方を裏付けるかのように、まるで自分の父親から話してもらっているように読み入ってしまうのです。気になる場所へ何度も戻っては読み返し、まるで親に聞き返すように。人生の道標にでも出合ったように。 なぜそのような読み方なるのかと考えてみるに、私の親の時代は、生きることに精一杯な時期で、親子が密接に寄り添って生活していない時代だったと思います。特に父親というのは、あまり家にいない存在でしたから、父親から直に学ぶような機会に恵まれなかったというのがあります。夏目漱石の「坊つちゃん」に登場するような父親が羨ましくて、何度も読み返したことがあります。私には、坊つちゃんにとって、肉親として唯一愛情のあった存在のように映ったのですね。
山本七平は、私が父親とまるで対話でもするような、そのような懐かしさと親近感のもてる人で、童心に返る事ができると言うと恥ずかしいのですが、まるでそんな感じなのです。私が男なら、「父親の背中」に匹敵する、生き方の道標になるのではないかと思います。この本を読み終えて、感想を書けるかどうか疑問です。これまでに読んだ山本の本もそうですが、感想をかけるほど読み込めていないのです。と言うか、もっと読み込んでから書きたいと思う本です。
さて、昨日触れた胡麻鯖(ゴマサバ)の大根の味噌煮です。体長30cmほどですから、潤目鰯によく馴染んで、選別されなかっただけの奴。気の毒に、潤目鰯から見たら、まるで童謡の「みにくいアヒルの子」で、種類が違うと捨てられてしまうという運命だったのです。あんたを捨てようとしたあの人は、許してあげたよと話しかけて家に帰りました。いや、ほんとうに!
頭と内臓を取り除いて筒切りにしたら塩で〆て臭みを抜きます。魚の臭みの元は、内臓や血液ですから、下処理でしっかり取り除きます。あらかじめ軟らかく茹でておいた大根を最初にしばらく煮て、味が染みこんでから鯖を10分ほど煮ます。
味噌は、大豆と麹を混ぜ合わせた段階の味噌の原料を、自宅に置いて熟成させるタイプの仕込み味噌です。このような味噌ですと、好きな段階で蔵出しして、味噌の変化に合わせて楽しむ事ができます。私は、仕込んだ年の夏場を越したばかりの甘い白味噌が大好きで、特に魚と麹の若い香りが良く合うと思います。画像の白い方が年内の味噌、茶色の方は15年ほど前の仕込み味噌です。
大根は米のとぎ汁で下茹でしますが、沸騰してから5分茹でたら余熱煮ができるように新聞紙や発泡スチロールの箱、バスタオルなどを利用して最低30分置くと、すっかり軟らかく、透き通る白さになっています。もし、米のとぎ汁が無かったら、米を大さじ1ほどで水から茹でます。
- 胡麻鯖・・1尾(30cm)
- 大根・・600g
- 信州麹味噌・・大さじ3~4
- 水・・300cc
- 味醂・・50cc
- 生姜・・1片
作り方
- 大根は、米のとぎ汁で下茹でしてから、あらかじめ火を通してから水洗いする。
- 大根を余熱煮している間に、鯖の頭と内臓を取り除いて水洗いしたあと、3cm幅の筒切りにして塩を振る。
- 塩が溶け出したら熱湯をかけて、笊に上げる。
- 平鍋に分量の調味料と大根を煮始める。
- 10分ほど煮て、大根の色が変わってきたら鯖を隙間に並べて生姜を散らし、落し蓋をして煮汁が半分になるまで中火で煮る。
- 途中煮汁を掛けまわして、満遍なく味をしみ込ませて出来上がり♪
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コメント
こんな綺麗な胡麻鯖が捨てられようとしていたなんて!!!
そうやって自分がいるいらないで捨てられてるものって多い気がしますね。
鯖味噌って本当に美味しいですよね。ご飯が進んで。
私は父とはあまり色々話す機会がありませんでした。一番話したのはもしかしたら父が入院中だったような気がします。なんとなく父のことを思い出して少し感傷に浸ってしまいました。
投稿: tomo | 2008-11-01 09:27
tomoちゃん、こんには。
潤目鰯から見たら、鯖は民主党って感じかな。で、胡麻鯖から見たら、鰯は自由党かな。
あ、これはどうも。お父様・・・。ともちゃんは年代が全然違うけど、親子のあり方としても、父はジャ-ナリストでもある作家さんだけど、息子さんは詩人だから、この二人の書く手紙の内容や表現が秀逸だと思います。言葉に含みがあって大変読み応えがあると感じました。
ともあれ、ともちゃん、お時間がないじゃーないですっか!ねー><
投稿: ゴッドマー | 2008-11-01 11:14