2008-11-22

笹の葉の中華粽(ちまき):今更だけど「人は生かされている」と明道尼さんから学ぶ:「ほんまもんでいきなはれ」を読んで

 村瀬 明道尼の「ほんまもんでいきなはれ」を読み終えたところで、朝のNHKテレビ「生活ほっと(08:35)」で、偶然インタヴューの様子が流れたので聞き入ってしまい、本書で語られていることと、自分の思いに触れて、少しだけ書いておこうかと思います。
AmazonNetShop  この間は、畑で長年放置状態だった渋柿の木から沢山の柿をもいだ話をしましたね(☛参照)。アルコールでさわしたので、すっかり甘く熟して、普通の柿よりもそれはそれは甘く、今ではありがたく頂いています。先週でしたか、ご近所で、よくお漬け物の作り方などを教えてもらう方に、少しお裾分けしたときの話です。柿が山のように沢山あることで気が大きくなった自分が、人様に差し上げると言うのに、ぞんざいな扱いで袋に詰めたのです。単に忙しかったからですが。差し上げる時もわざわざその言い訳をして、それで無罪放免だとしました。でも、ここがすでに正直ではないのですね。言い訳をして許されたいと思う元に、少なくとも、「このように沢山の恵みをくれた自然に感謝」している私で、その自然をお裾分けしているだけですから、ぞんざいな扱いをすること自体に既に後ろめたさがあるのです。そこを、忙しさで誤魔化した自分なのですね。
 少し前のこの出来事は、「ほんまもんでいきなはれ」を読んでから、自分が恥ずかしくて仕方なく、二度とこのような思いはしたくないと思いました。相手の方にしてみたら、もらっただけでも良かったのかしらと、私が思うのも変な話で、自然の恵みに感謝する気持ちをお裾分けすると思ったら、あなたもあたしも自然に感謝ですねと、同格の喜びのはずです。こういうことを昔の人は「お天道様が見ているよ」と、言ったのですね。
 このことは、「食べ物は天からいただく命の源。なおざりにしてはいけない」という道元の『典座教訓』の教えです。明道尼がほんまものの精進料理の作り手として極めるようになったのは、この典座(てんぞ)からだそうです。典座とは、一言でいいますと、寺の僧侶の食事係のことです。
 明道尼の話は、人間臭さく、それでいて厳しさが当たり前に認められて、すっきりと正直なのです。真っ直ぐで、鋭く言い当てたその言葉は、心に突き刺さるような鋭さがありながら、それでいて当たり前のことなのだとスーッと入って来るので不思議です。自己本位で生きるということではなく、人は生かさせているということが前提だからなのでしょう。それは生きてこの世に生を受けているもの全てが平等であるということです。大変気が楽になるお話しでした。
 明道尼が作る精進料理は、時には何百名分にもなる、その準備を大勢で作るそうです。その時の叱咤は、ものすごい大声で飛ぶそうです。それというのは、出来上がった料理の一番美味しい瞬間を逃すことなく食してもらう為に、命をかけて食材と向き合っている姿だからです。特に胡麻豆腐は、あっさりとした素朴な味付けで、素材の風味をそのまま味わえるようにと一番初めに出されるそうです。鱈腹頂いた後に、味わえるものではないからだそうです。誰もが舌鼓を打つ、そのような胡麻豆腐を作ってみたいものだと思いました。

 何かを求めて止まない姿と言うのは、叶えるためにそうするのではないでしょうか。明道尼さんは、命を全うさせる精進料理を叶うものにした人ではないかと思います。それで、最後に「本当は、生涯かなわなかった恋にあります」と仰るのです。「人間は一度しか死ねない。死に急がなくてもちゃんと一度はちゃんと誰でも死にますから、それまでは精一杯生きなはれ」という言葉が、すうっと入ってきます。だからブログでも料理でも仕事でも何でもいいんです。生き方は一つしかないのです。

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 今年、畑のそばで見つけた大きな笹の葉で、笹団子でも作ってみようかと摘んでおいたのを思い出して、中華風の粽(ちまき)を作ってみました。笹の葉は、熱湯にくぐらせて干しておいたので、水で戻してしなやかにします。葉を丸めて三角の頂点を作って、ここにもち米を詰め込んでから三角形に丸め、最後の葉の付け根の部分を差し込んで閉じます。もち米が柔らかくなるまで気長に蒸します。味付けしないうるち米を入れて軟らかく茹でるのが、秋田(☛参照)や新潟(☛参照)の粽です。私が作ったのは笹の葉一枚ですから、大変小さく、一口か二口で食べられるので、ちょっとしたおやつにいいかと思います。参考までに、蓮の葉の中華粽は☛こっちです。
 明道尼さんのお話しからいきなり中華風の手作り粽の話に飛びますが、初夏に山から採ってきた笹の葉に、もち米を詰め込みながら、山、畑、新潟、秋田、柿、人、生きるなどのことを沢山思いました。蒸し上がった粽が嬉しかったです。

材料

  • もち米・・1.5カップ
  • シナモンパウダー・・小さじ1/2
  • ココナツミルク・・大さじ3
  • 笹の葉・・10枚

作り方

  1. もち米は洗ってたっぷりの水に浸して一晩置く。
  2. 笹の葉を水に浸して何かで重石をしてしんなりするまで戻す。
  3. もち米を笊に上げて水をよく切り、シナモンとココナツミルクを加えてよく混ぜ合わせる。
  4. 笹の葉を手の平に、葉の先端を指先の方に置いて乗せ、その先端を手前に引き寄せて丸め、三角の頂点を作ったら3のもち米を匙で詰め込む。
  5. 手前の葉の茎の部分を蓋になるように刺し込み、飛び出した葉の先端も引き寄せて、米がこぼれないようにしっかり締める。
  6. 蒸篭を火にかけ、充分蒸気が上がったら5の粽を並べて、軟らかく蒸す。(約40分)

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