カリカリの揚げ豚肉と酢蓮の合体マリネ:中国の料理工程で今の日本では必要ない部分が判明:「単純がうれしい北京のおかず」より
中華料理から少し遠ざかっているなと思って「単純がうれしい北京のおかず」ウー・ウェン著をぺらぺらしていると、蓮の酢の物が、妙に日本のそれとそっくりなレシピだと感心していましたら、南蛮漬けの甘酢にそっくりです(☛参照)。と言うか、少し砂糖が多い感じです。ところが、仕上げに胡麻油で鷹の爪と豆板醤を炒めたもので和えていますので、これは甘さのインパクトに辛味が調和して良いのかもしれないと、少しその味が想像の範囲に入ってきました。本書のタイトルの「単純が嬉しい」という解釈は、作りやすさなのか、味わい方としてなのか、又はそれ以外にもあるのか?などと思うと、日本での酢蓮は「箸休め」的なポジションなので、もう一品欲しい時のおかずかと思いました。ここで他のページに移ったのですが、最後にどうしても気になって、再びいろいろ思いを馳せてしまい、とうとう豚肉のマリネ(☛参照)を合体させる案が、この詰まったパイプをすっきり通してくれました。
薄い豚肉に軽く片栗粉をまぶして(余分を刷毛で落として)、カリカリになるまで油で揚げます。この豚肉を手製の酢昆布醤油と砂糖で作ったタレに浸して、野菜と盛り付けるだけなのですが、盛り付け方や使用する野菜によっては、おもてなしにも向くという一品で、我が家では、玉葱のスライスを一緒に漬け込んだだけでもご飯が大変進む一品です。酢で味付けしたものは男性はあまり好まないという、アンケートからもそのような結果が出ているそうですが、我が家の男性陣もそうです。が、揚げて香ばしくなった豚肉のマリネだけは違いますし、これに付け合せた野菜でしたら酸っぱくてもよく食べます。豚肉は、しゃぶしゃぶ用くらい薄いものを使います。一口大に切ったら優しい扱い方で両面に片栗粉をまぶします。このあと刷毛で余分な粉を落とすと、肉がうっすらと粉化粧したような感じになります。揚げる油の量も非常に少なめでできるので、予熱時間も掛かりませんし、後始末も簡単です。豚肉のマリネを成功させるには、兎に角、肉が薄いことと、片栗粉は肉全体を覆うけど最小限にとどめるということです。ここがきちんとできると、カリカリのスナック菓子のようになって、油は減りませんし、終わった後に片栗粉のカスが殆ど残らない状態です。油の量も、鍋の底が隠れるくらいの量で充分ですから、揚げ物と言うには恐れ多いです。
この本では、蓮根をしっかり茹でることを勧めています。というのも、泥の中で蓮は育ちますから、滅菌の意味だそうです。うちに来日している中国の女の子達も、生野菜は食べませんわ、そう言えば。で、その意味で、しっかり茹でるとあるのですが、茹でるお湯に酢を入れるとシャキシャキした食感が失われないと書いてあります。これ、私はすっかり漂白の意味だと思っていました。と思って、「蓮根 ゆでる」で検索してみたら、やっぱり漂白の意味です。でも、食感を損なわない意味もあったのですね。レシピでは8分茹でるとあります。3mm厚の蓮根を8分も茹でたら、普通は、ポロポロ状態になると思います。ふーんってなわけでやってみましたら、白くて綺麗で、食感もそのままです。勉強になりました。
そうそう、ここでちょっと思い出したのですが、中国の畑には、人糞を撒くのでしたね(確か今でも指導の入っていない地域では?)。だからですね、野菜によく火を通すというのは。日本ではもうそんなことしていませんから、大腸菌やらの心配はないと思います。確か。以上のことから、このような茹で方は必要ないことが判明しました。それと、卵は気をつけた方がいですね、サルモネラ菌などは危ないですよ。冷蔵庫に安易に保管しないことと、卵を扱ったら必ず手洗いとか・・・。あ、スーパーマーケットのは、ちゃんと洗卵済みですね。(それが卵の劣化の元なんですけどね。)
で、話戻してと、蓮根は熱湯に入れて、再沸騰して2分茹でたら引き上げて、水に放します。ここで、冷ましてぬめりを取ります。下味は酢、砂糖、塩ですが、味が馴染んだら、熱した胡麻油で鷹の爪と豆板醤少々を炒めて回しかけるわけです。この段階でかなり中華な香りが部屋に充満して、お腹が空いて来ます。大変食欲をそそる香りです。続けて肉を揚げたら、マリネのタレに軽く通して蓮根と一緒に和えます。蓮根は1時間ほど味を馴染ませると良いようなので、早めに作っておくといいと思います。肉の揚げ方が上手にできると、時間が経ってもぐっちゃりしません。これがいい感じで、レタスと一緒にサンドイッチにすると、一風変わったネタになります。
では、材料から。
材料
酢蓮
- 蓮根・・300g
- 酢・・大さじ3
- きび砂糖(無ければ普通の砂糖)・・大さじ2
- 塩・・小さじ・・1/4
- 豆板醤・・小さじ1/2
- 鷹の爪のスライス・・1本分
- 胡麻油・・大さじ2
- 熱湯・・1.5㍑
豚肉のマリネ
- 豚もも肉のスライス・・180g
- 片栗粉・・大さじ2~3
- 酢昆布醤油・・大さじ1☛作り方へ
- 酢・・大さじ1
- 砂糖・・小さじ2
作り方
- 鍋にお湯を沸かし始める。
- 蓮根の皮を剥いて太ければ縦割りに、又はそのままで3mmのスライスにする。
- お湯が沸いたら蓮根を入れて8分茹でて、茹でこぼし、冷水に取る。
- 水気をよく切ってボールに移し、酢、砂糖、塩を加えて和える。
- 中華鍋に胡麻油を熱して、豆板醤、鷹の爪のスライスを加えて一混ぜしたら熱いうちに蓮根に掛けまわして馴染ませる。
- このまま最低一時間置く。
- 鍋、又はフライパンの鍋底がかぶるくらいの油を注いで180度まで温度を上げる。
- その間に、豚肉を一口大に切って、片栗粉を両面にまぶし、余分な粉は刷毛で払い落とす。
- 小さなボールに酢昆布醤油と酢、砂糖を一緒の混ぜておく。
- 油が適温(180度)になったら肉をカリッと揚げ、油を切ったらタレをくぐらせて網に上げる。
- 肉を揚げたら酢蓮に移し、全体を一緒に絡めて出来上がり♪
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