2008-08-06

スモークサーモンの押し寿司

 昨日は、息子二人が帰省ということで遠方の寄宿先から帰ってきました。文字通り盆暮れ正月の年に二回の貴重な帰省です。世話を焼くほどの年齢ではない二人ですが、気になってつい口をついて出る言葉が「どうするの?」です。そして、だからと言って、ああして、こうしてと要求してくる二人では全くありません。もうすっかり親離れしてしまったようです。私は、久々にいつもの感覚が戻って、大量の食事の準備とそれをぺろりと平らげる逞しい息子を眺めているだけで嬉しいと言いますか。
 母性というものは、何かしてあげるというようなことで発揮され、満足するのではなく、刺激によって湧き上がってくるその状態で既に満足できるのかと思います。女は、子を育てて一人前になるとよく言われますが、育てるという社会観に立って物事を観る視点が備わるということなのかもしれません。世の中には自分の子どもを持たない、または何らかの事情で持てない方も多くいます。だから、そういう人は一人前になれないということではなく、うちの子が15歳で他所様のお世話になるようになって、少し距離を置いた場所から自分や子どもを眺めるようになってから、いろいろなことが見えてきているわけです。今までここににもいろいろと書き綴ってきました。これら全てが、今の私の環境で感じ、発してきたことです。少し生意気な言い方ですが、人は「社会の親になる」ということが最終的に行き着く生き方ということかと思います。偉そうなことを言っても、目下の雑事をなんとかこなし、一息つく間も余裕も自分で見出さないと、これ、なかなかもの思いにふけることもできませんね。
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 息子達は、朝早く現地を発って、家にたどり着いたのが夕刻でした、一日中乗り物に揺られて帰ってきたわけですから、早速喉を潤せるようにと、冷たく冷やしたスイカを食べさせて、その食べる姿で思い出したのが、小さい頃はスイカのお漬物にもならないくらい白い部分まで噛り付いて、それが逞しさのように思えたことです。(☛参照)今はというと「あら、まだ赤いところあるよ」と声をかけたくなるほどの食べ方でしすが、なんとなくそれに気づいても何も言わずに、昔、幼かった頃の息子を思い出しただけでした。この感じが私にはすごくゆったりした感覚で、夕食にと思って考えていたお献立の品数を、もう一品何か用意しようかなどと思わせたのかもしれません。
 押し寿司にすると意外なほどご飯が沢山食べられますし、しっかり食べて精をつけて欲しいですから、鰻とスモークサーモンの押し寿司にしました。この間、斉藤茂吉の鰻好きにあやかって作った押し寿司が美味しかったので、これに息子の好きなサーモンです(☛参照)。レシピへ 鰻の方に葉山椒の佃煮をご飯の間に少ししのばせて、サーモンには手製のガリと紫蘇の葉を粗く刻んで途中に挟みました。サーモンの上にキューリのスライスをのせたのが涼しげでしょ。塩水に少し浸しておいたのですが、サーモンとの相性も良かったです。
 押し寿司の作り方は、パウンドの型にラップをぴったり敷き詰めて、上になるものから順番に置いていき、最後にご飯を乗せてラップで包み、手の平で押さえつけるだけです。ラップごと取り出し、具とご飯を馴染ませるためにしばらく寝かしてから切ります。

材料
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  • 米・・2合
  • 昆布・・5cm
  • シャリ酢・・80cc(☛参照
  • スモークサーモン・・150g
  • キューリ・・1本
  • ガリ・・大さじ2
  • 紫蘇の葉・・適宜
  • ラップ
  • パウンドの型

作り方

  1. 炊き込む30分前に米を洗って笊に上げておく。
  2. 炊飯器の分量に則して、寿司用に水をセットし、昆布を入れて一緒に炊き込む。
  3. キューリはピーラーで縦長にスライスして、薄い食塩水にしんなりするまで浸しておく。
  4. 炊きあがったらスイッチを切り、昆布を取り出し、シャリ酢を一気に流し込んで素早く混ぜ込む。
  5. シャリ酢が混ざり合ったらボールなどに移し、団扇(うちわ)で扇いで人肌に冷ます。
  6. キューリの水気をふき取り、ガリと紫蘇の葉を粗みじん切りにする。
  7. パウンド型に大きめに切ったラップを敷いて、キューリ、スモークサーモン、シャリ、ガリ、紫蘇の葉、ご飯の順に乗せてラップで閉じ、手の平で良く押さえつける。
  8. しばらく馴染ませてから適当な大きさに切って皿に盛り付ける♪

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コメント

久々の家族団欒ですね。
好物のサーモンも使った押し寿司、きっと母の愛情がたっぷり詰まったものだったのでしょうね。美味しさもひとしおだったのではないでしょうか。
私もこの年になってもいまだに母の手料理を食べるととても嬉しく懐かしい思いで一杯になります。
やはり母の・・・というのがまったく違う、大切な要素となって心に作用するのでしょうね。
まぁ、私自身はそういう経験は出来ないでしょうけどね。

投稿: tomo | 2008-08-06 16:26

tomoちゃん、こんにちは。大丈夫、齢はあまり関係ないような気がしますよ。私もこの齢にになっても実家のご飯は好きですし、結構楽しみ!ただ、最近は大概作っているのは私で、何時も後から電話が来てレシピを教えるような始末です。でも、それもいい感じで、年月と共に変化していく世代を感じますよ。tomoちゃんは、私から見たら、毎日大勢の人の親をやっていると思います。きっとこれも齢とともにもっといろいろがわかってきて楽になりますよ。今は人生でも試練の時期かもですね。と、思って見守っています。

投稿: ゴッドマー | 2008-08-06 17:19

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