茄子の揚げ浸し:油はグッと控えめに
夏と花火。昨夜は湖の辺で打ち上げる花火の音を聞いて、今年の夏は静かに訪れたと感じました。
毎年いつからともなく始まる花火の音や、若い人たちが乗り回すバイクの音が、気づいた時には喧しく感じるのが私にとっての夏の到来だったような気がします。こんなに静かに穏やかに花火の音に気づくなんて、そういう自分に少し驚きました。もしかしたら、これまでの私は、人から喧しく思われる存在ではなかったのかなと、ちょっと振り返ってしまいました。今まで私は人の言うことにどれほど心を寄せてきたのだろうか。いえ、こんな話を始めたら料理の話まで何日もかかってしまいそう。人のことを聴けたと感じる時は、案外聴けていなかったのだろうなと思います。
夏と花火と同じように、茄子とピーマン。これが当たり前のように町に出回る時に、やっぱり美味しさのピークを迎えます。そして、揚げ浸しです。やっと出回り始めた土地の茄子は、青々として、それこそ甘くて美味しいです。実は、私は身の締まった頃の秋茄子がこのお料理には合うと思っています。それは油の染みこみ方で分かるのですが、実際は、水分が少ない秋茄子はあまり油を吸い込まないのですが、その代わりに実が外れやすく、揚げ方や切る大きさに要注意だったりします。一方、出始めの茄子は水分が多いので少し強めの火加減で揚げます。ここで跳ね返る油の音を聞くと、ああ夏。これだ!って、食欲が湧いてきます。
毎年のことなのでレシピはどうしようかと思いましたが、今年は今年で昨晩作ったようにそのまま書いてみます。
揚げ茄子と言っても油の取り過ぎは禁物ですからチョッと工夫をします。フライパンか揚げ物用に少し深めの鍋の底が隠れる程度の油で茄子の皮目のほうから焼きます。私は今回ウー・ウェンパンを使用しました(因みにとってもぐー)。同時に、ピーマンを茄子の上に並べて一緒に火を通します。蓋をして3のメモリで蒸気を逃がしながら焼きます。
火が通るとしんなりしますので、ここで一旦引き上げて残った油を払い、余分な油をふき取って再び茄子の切り口の方を強火で焼きます。ここで茄子からも余分な油がにじみ出てくるように強火で焼きます。
この後は鰹出汁と割り下で味付けした漬け汁に浸して、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やします。温かいままでも勿論美味しのですが、冷めながらしみ込んだ出汁を一緒に頂くというのがまた、この茄子が一層美味しくなるというか、大人の味わい方でしょうか。油は大して吸わないので、チョッとメタボ対策に安心な素揚げの茄子の浸け置きです。
材料
- 茄子・・3個
- ピーマン・・3個
- 鷹の爪・・1個
- 鰹出汁・・カップ1
- 割り下・・大さじ3
作り方
- 茄子は縦に半分に切り、表の皮目に5mm幅で1cmくらいの深さに切り込みを数本入れる。
- ピーマンも縦に半分に切り、種を切り取る。
- 鰹出汁と割り下を混ぜ合わせて人肌位に温めておく(冷たい出汁では温度差が大き過ぎて味が染み込みにくくなります)。
- ウー・ウェンパンに油を底が隠れる程度に入れて、中火で180度くらいまで温度を上げ、茄子の皮目を下にして並べ、ピーマンをその上の並べて蓋をする。蓋の空気抜きのメモリを3にする。
- 茄子、ピーマンがそれぞれしんなりしたところで取り出し、油を払い、なべ底に残った油もふき取って中火にかける。
- 今度は、茄子の切り口の方を下にして焼き色がつくまで焼いて取り出す。
- 茄子とピーマンを漬け汁につけて、鷹の爪加えてそのまま冷ます。
- 粗熱が取れたら冷蔵庫に移して冷たくする♪
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コメント
あぁ、茄子。ちょうど昨日くらいから茄子の揚げびたしが食べたい食べたいと思っていたところでした。
う~~ん、ツボです。
なんだかんだ言ってもこういう和食が夏は一番落ち着いたりするんですよね。
投稿: tomo | 2008-07-22 19:59
tomoちゃん、お料理を作る時間を確保するのが難しい職業だから、まずはそれだけど、和食の外食で仮に茄子の揚げ浸しを頼んでもがっつり食べられませんよね。(量がすくない)
今年の夏はどうなることやら。夏ばてしないように、しっかり栄養を取ってね。
投稿: ゴッドマー | 2008-07-23 05:43