2008-07-14

ささ身の梅紫蘇ポワレ

 去年こぼれた種から勝手に育ったベランダのプランターの紫蘇は、それだけに逞しいです。水やりは一度もしたことがなく、もっぱら雨に任せていますが、大変よく育っています。苗木から育てた昨年は、それこそ暑い日にしおれていたら翌朝はさっそく水やりをして液肥をあげてと、葉が元気になると「育てるということはこういうお世話をすること」みたいに思い込んでいました。多分、苗木というのは、そのように世話をしないと育たないのでしょう。ところが、種から、しかも自生したものは、お世話知らず(要らず)ですから、自然な環境で良い訳です。時々雨が降ったり乾燥したりしても、その環境を受け入れて乗り越えてきた精鋭達なわけです。20080527053511_2
 今年から畑を始めて、野菜が育つのに立ち会っている私ですが、子どもを持つ親でもあります。子育てでは、育てる部分と、その子の持つ力で育つ部分があります。当たり前ですが、その見極めを、実際その時々で分かるといいのですが、というのは、見極めの方法があったり、何かの尺度でもあればいいのですが、実際はありません。子どもの育つ様子をみてかなり後になって初めて、自分が世話をしたのは果たして適切だったのかどうなのか、少しだけその子から窺い知る事ができます。親には子どもに対して理想や期待というものが少なからずありますから、欲目で計っている部分も多分にあって、その判断もあやふやです。子育ての難しさはこういう部分で特に感じます。自分の子どもなので育てる責任は勿論自分にありますが、一人で育てるということでは、とかく自分の満足感がその尺度にすり替わったりもします。読んで字の如く、社会(人と共に)で育ってこそ「人間」です。今の日本社会は「個」として尊重するということを履き違えてきた結果、人が病んでしまっています。この状況を察知したら、正常な社会に戻すしかないわけですから、教育問題も含めて、子どもが育つ環境と老人が安心して暮らせる社会に早く戻さないと。その精神性を正常にすることではないかと思います。
cover 言い尽くせない思いが沢山ありますが、私が何故唐突にこのような話をするかと言いますと、最近読んだ本で「母が重くてたまらない 墓守娘の嘆き」信田 さよ子著から刺激を受けたからです。春に出た本で、読みたいと思っていましたら先日極東ブログで紹介されていました(参照)。自生の紫蘇が手間要らずに育っているのを普通のこととして観ている自分が、社会が病んでいる事に気づいていながら何もしない、出来ないのが歯痒くて遣る瀬無いのです。今を生きる自分が出来ることは何なのか。考えてもなかなか答えは見つかりません。と言うか、もっと切羽詰った状態が顕著に見え隠れしてこないと問題事態が見えて来ないのかもしれません。しかも、これも私一人の問題としては大き過ぎます。私が出来ることで何があるのか、それが見つからないのです。
 ベランダの紫蘇に救われたうちの食卓ですが、昨晩は、ささ身にこの紫蘇と梅肉を挟んでポワレにしました。以前ポワレという方法についてお話ししたように(参照)、細かく砕いたパン粉をまぶして大目の油で焼きます。フライと違うのは、油が少ないためあっさりと焼きあがります。最後に溶かしたバターで軽く焼きますが、この一手間があっさりとしたささ身に旨味とコクをプラスしてくれます。下味は梅干酸味と塩気だけですが、紫蘇の葉に包まれて蒸し焼き状態になるので、ささ身の内側全体に梅の風味と酸味が広がって、一口運ぶごとに嬉しくなります。

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 衣が落ち着くように、揚げる前に最低30分は冷蔵庫で寝かします。この一手間も大事です。焼き上がりがきれいですし、寝かして水分を含んだパン粉は、意外なほどカラッと仕上がります。ソースは手の込んだものより塩と胡椒程度であっさりとした方がいいように思います。

材料(二人分)

  • ささ身・・6枚
  • 梅干・・3個
  • 紫蘇・・6枚
  • 付け合せの野菜
  • バター15g

ポワレの衣

  • 小麦粉・・大さじ1
  • 溶き卵・・卵半個に同量の水
  • パン粉・・大さじ4~5

作り方

  1. ささ身の中央にある筋を包丁を当てて引き抜いて、肉叩きか、コップの底などで叩いて広げる。
  2. 梅干から種を出して、包丁で細かく叩いてペースト状にする。
  3. ささ身に大葉を敷いて、2の梅のペーストを包丁で伸ばして塗り、二つ折にする。
  4. 小麦粉を軽くまぶし、卵液に通してパン粉をまぶし、冷蔵庫で最低30分寝かす。
  5. フライパンの底が見えなくなる程度に薄く油を加えて、180度(パン粉がジューッと飛び散るくらい)に加熱する。
  6. ささ身を並べて、香ばしい色がついたら裏返して火を通し(大体5~6分程度)、引き上げて油を切る。
  7. フライパンの油を払って、中火でバターを溶かし、ささ身を戻しいれてバターを絡めたら引き上げる。
  8. 付け合せの野菜と一緒に盛り付けて温かいうちに召し上がれ♪

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コメント

今ものすごいおなかすいてるんですよ。そんなところにこの写真。ちょっと拷問><
だって鶏って大好きなんですもの。
この本は読んだこと無いけど、題名だけで気持ちがすごくわかります。本当に家族って重い・・・。

投稿: tomo | 2008-07-15 10:58

tomoちゃん、お腹の峠は越えたかしら?
読んでいるといいと思いますよ。著者は、カウンセラー経験の中から娘、母、父のそれぞれの立場から背景を語ってくれています。How to本ではないけど。

投稿: ゴッドマー | 2008-07-15 12:34

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