誰からも愛されるジューシーハンバーグ:その勘所
軟らかくてジューシで、それでいて時間が経ても固くならないハンバーグは誰もが目指すところです。これが難なく作れるレシピを公開します。
先日、秋田の友人宅に泊まった時に台所を任されて作ったばかりでした。その時にレシピを聞かれて「私のブログで探してね」と言い残してきたのですが、あらま、探してみたけどない。「基本のハンバーグ」というのも変ですけど、正統派のハンバーグのレシピって、ここには無かったです。申し訳ない。
で、早速作ったのですが、今回はハーブのような物は一切加えませんでした。それと言うのも、秋田の友人はハーブや香辛料など一切手持ちに無く、唯一有ったのは胡椒だけです。「塩と胡椒を出してくれる?」と聞いたら、瓶に塩と胡椒が一緒に混ざって入っているものが出てきて驚きました。いえ、それはそれで、忙しい主婦の見方として充分活躍しているのだろうと、瓶の周囲にその精鋭としての働きぶりを漂わせていました。でも、初めての私にとって、何が困ったかというと一緒に出てくるそれぞれの分量がさっぱり見当つかないことです。今思うと、あの場面でかなり不満な気持ちでいたはずです。何度か「分量が分からない」と呟いた記憶があります。気を悪くしないでね。で、思ったのは、いつもの自分のスタイルではなく、その場の条件で如何に臨機応変に料理に向き合うか。これが他所のお宅の台所を任されてやるということなのだと思いました。実際そういう気持ちで取り掛かると、不平不満が発見と驚きという捕らえ方に転じて「ピンチはチャンス」になるものです。他のことにもこれは言えています。
さて、本題の誰もが愛して止まない「ジューシーハンバーグ」の勘所ですが、いきなり結論から言いますと「水」と「混ぜる順番」これだけです。味付けや香り、具としての野菜は何を入れようともかまいません。何なりとどうぞ。水を加えて肉に水分を含ませることでジューシーになります。焼いても外に出ないようにするために、卵とパン粉を加えます。ここで重要なのが、それらを混ぜる順番です。かと言って、材料を見てください。誰もが知っている材料ばかりでしょ。
材料
- 合い挽き・・200g(健康の為脂身が少なめのもの)
- 胡椒・・小さじ1/3
- 水・・100cc
- 卵・・半個
- 塩・・小さじ1/3
- パン粉・・大さじ2
- 玉葱みじん切り・・1/2個
- ナツメグ・・適宜
- シナモン・・適宜
絡めるソース
- 中農ソース大さじ3
- ケチャップ・・おおさじ3
- 赤ワイン・・半カップ
- 擂り胡麻・・大さじ2
作り方
- 肉を室温に戻しておく。
- 材料を全て割り出し、玉葱はみじん切りにする。
- ボールで肉を練り混ぜて、材料表の順にじっくり混ぜ合わせていく。
- 好みの大きさに取り、両手でぺたぺた叩くように空気を抜いて小判型に丸める。
- フライパンを中火にかけ、軽く油を引いて肉を並べ、蓋をして焼く。
- 焼き色がついたら火を弱めて裏返して肉に火を通す。
- 肉がふっくらと膨らんだら一度取り出し、そのままのフライパンにケチャップを加えてよく炒める。ここでフライパンに残った焼き汁を炒め合わせる。
- ケチャップが煮詰まってきたらソースと赤ワインを加えて更に煮詰め、程よくとろみがついたらハンバーグを戻しいれて一煮する。
- ソースが絡まったら皿に盛り付ける♪
脂身が混ざりやすくなるという理由から、肉を室温に戻してから使用することも最低条件のように思います。挽肉の粒粒した感じがなくなって、粘りが出るまでよく練り合わせます。ここから重要な混ぜ物の順番です。手持ちにナツメグやシナモン、クローブなどがあれば最初に香りを入れます(1)。今回のレシピの場合は胡椒ですね。肉に充分香りを混ぜ込んだら次に水です(2)。この水の量も半端じゃないです。肉の50%ですからかなりゆるゆるの挽肉になります。最初によく練り合わせていないと、ここで肉の粒が露(あらわ)になりますからね(中途半端なお仕事をしないように)。次に卵です(3)。卵を入れると最初はやたらに大きな塊でつるんつるんと扱いが悪いですけど、次第にくっ付きあって仲良くなります。しかも空気を含んでプリンプリンとした弾力が出ます。そこまで練りこんだら、次に味付けします(4)。今回は塩だけですが、ケッチャップやリーペリンソースなどでしょうか。そして最後に水分を閉じ込めるためのパン粉です(5)。肉に混ざって、水分をしっかり吸うという仕事を発揮できるように、よく馴染ませます。このあとは、おまけのようなものですが、玉葱のみじん切りや人参などのお好きな野菜でも入れてみてください(6)。ここでは生の玉葱です。炒めると甘くなるから好きだという方は炒めてから、私は炒めなくても甘くなるのが好きですから、そのまま入れます。
ハンバーグソースは、デミグラスソースだって私は作ってしまいます(参照)。でも、市販のケチャップと甘口のソースなどを上手に混ぜて好みのソースが簡単にできます。秋田の友人は胡麻入りの甘口ソースを出してくれました(これがとっても美味しかったです。)ので、ケチャップと同量に混ぜてしばらく炒めてから、燗冷ましの酒で伸ばしました。ケチャップもよく炒めると、角が取れてまろやかになります。
この順番に忠実に混ぜていけば、必ずや誰からも美味しいと愛されるハンバーグができますよ。
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コメント
そういえば最近ハンバーグ食べてないなぁ。こんなジューシーなハンバーグ、食べたいわ。和風も良いなぁ。大根おろしに青じそのっけて醤油味で。
あ・・・、またおなかすいてきちゃった。
うちは柔らかくするためにいつもすりおろしたジャガイモを入れます。これでふっくら^^
投稿: tomo | 2008-06-21 10:39
tomoちゃん》 基本的な部分を押さえておくと、他の味付けや香り、ソースなどはアレンジが自由自在になるというのをここのレシピで押さえておいたので、いいと思いますよ。
そうそう、じゃが芋を入れるのは知ってます。モチモチした感じになりますよね。いろいろと知恵を足して、更に美味しいものに挑戦です。
投稿: ゴッドマー | 2008-06-21 13:05
@ゴッドマー,弁ちゃんとの会話楽しみにROMってます.考えてみれば彼と僕は同期ですね,ってただの同じ学年ていう意味ですけど...ともかく無事引っ越しも終わり,きれいにブログの装丁も完了し,何よりでした.がんばってくださいね~!
投稿: naopin | 2008-06-22 11:28
こんにちは。お引越しされてるとは思いませんでした。
また、ちょくちょく遊び(勉強)にきます。
ジューシーハンバーグ作ってみようかなぁ~
あんまり(?)ハンバーグ作った事無いけど・・(~_~;)
投稿: mimi | 2008-06-22 12:04
naopinさん、こんにちは。
応援、ありがとうございます。皆さんに沢山助けて頂いて、何とかここまでこぎつけました。でも、やっと始まるんですよね。漕ぎ出した船ですから何とかやり通したいです。と言っても終点は有りませんけど、直ぐに「これで良し」とどこかで点を打ちたくなります。
その節は、いろいろとアドバイスを頂いてありがとうございました。思い切ったつもりですが、結構心細く感じたり不安もあります。お気づきの点などございましたら、何なりと仰ってくださいね。これからもよろしくお願いいたします。
我等同年齢ですね(^^)v
投稿: ゴッドマー | 2008-06-22 12:19
mimiちゃん、こんにちは。
ぅふふ、そういうわけです。いろいろな方に相談して自分のブログのコンテンツが一番ぴったりな場所ししました。
これからもよろしくね。
ハンバーグは愛されていますよね。みんな大好きですものね。お試しくださいね。
投稿: ゴッドマー | 2008-06-22 12:25
こちらの日系肉屋さんで売っている挽肉は二種類あるんだよ。安いのは脂が多く入っているから。では、なぜ脂が多く入っている挽肉が売っているかというと「水餃子」用なんだな。
この水餃子用のと普通の挽肉を1:1で混ぜた肉でハンバーグを作るとジューシーで美味しいハンバーグができるんだぜ。
投稿: QDtank | 2008-06-22 23:02
QDtankのとうちゃま、確かに脂が沢山入っていればジューシーですよ。それに脂の量も肉屋さんで挽いてもらうときに頼めますね。私はいつもあまり入れないようにしています。メタボって気にしないの?うちでは脂は極力減らすので、どうしてもパサつきます。だからかな、このようなレシピになるのって。でも、これはこれでぐーですよ。脂を気にするようにでもなったらここのレシピを思い出してくださいね。
投稿: ゴッドマー | 2008-06-23 05:05
今日の晩ご飯でこのハンバーグをレシピ通りに作ってみました。ハンバーグは定番料理だけどどうも今ひとつ上手くできないと思っているもので、たまらなくそそられるエントリーです。
3倍量で作ったので胡椒小さじ1。振り振り降り出しながらくしゃみが出そうでしたよ。そしてこんなに大量の水を入れるなんて!とろとろ状態にびっくり。
さて、タネが出来上がって思ったこと。ちょっと柔らかすぎないか???で思いついたのが肉の脂身。しっかり常温に置いておいたので、気温が高いということもありましょうが、ちょっと柔らかすぎ。それで最初の半分を焼きながらパソコンに戻り、コメントを読んだら書いてありますね。ゴッドマー師匠は相当赤身多めの挽肉なのですね。そして私が買ったお店の挽肉は相当脂身が多いのでしょう。後半の半分はパン粉を足してちょうど良いかたさにしました。美味しそうな焦げ目が付いてくれました(^^)こちらはもうすぐ塾から帰ってくる子どもに譲り、私は焦げ目の付かなかった方を食べましたが味はとっても美味しかったです。もうちょっと厚めにできれば(柔らかすぎて薄っぺらくなってしまったんです)ジューシーさが生きると思う。今度は赤身多めの挽肉で作ってみます!
投稿: サラ | 2008-06-25 21:53
サラさん、サラさんの実験的なそのSenseに救われたようです。かなり以前から「脂」に関して気にして極力使わないようにしています。(これまでもそれに触れて書いて来ましたので)夫のコレステロールの問題です。ついそれを前提にしていることをエントリー中に特記にしませんでした。ごめんなさいね。でも、さすがの対応!
で、この際なのでここでちょっと。肉を加工する人のSenseで脂の入り方が全く違います。これはには驚きますが、肉の切れ端などをミンサーに混ぜながらいれるのは見分量、目分量的です。プロの目ですからお任せですけど、レシピの書きにくい部分です。お手持ちのお肉までは分かりませんから。ただ、ここで言っているのは、既に理解していただいている通り、ジューシーハンバーグの勘所です。そういう意味ではサラさんは、あっさりとクリアーされたようですね。そのことを嬉しく思います。次回のお話を楽しみにしていますね。(サラさんのように実際やってみたお話は貴重です。ありがとう)
投稿: ゴッドマー | 2008-06-26 00:30