2008-06-08

美生柑のピール:あっさり控えめな甘さ

美生柑って知っています?グレープフルーツのような甘酸っぱさで美味しい晩柑ですが、この皮をピールにすると上品な香りで、とってもいいんですよ。使用する砂糖も少なくは無いのですが、じっくり染み込ませるので、甘酢過ぎずあっさりとできます。ピールを作るときは、皮の表面のてかてかしたところだけ薄く皮むきすると最高ですが、そこまでしなくても美生柑でしたらかえって適度な柑橘の独自性を味わえると思います。

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 美生柑をよく洗って、ワックスなどを綺麗に洗い流します(ワックスなしがもっといいですけどね)。上下の部分を薄く円盤状に切り取ってから十文字に切り込みを入れてヘタの方から皮をむきます。この時できるだけ厚く皮をむくと、ピールにした時にその白い部分にお砂糖が染みこんで嬉しいくなります。この皮を縦に5mm幅で細長く切って熱湯に3分、その後水に浸すという風に3回繰り返して、あく(苦味)と皮の汚れや余分な繊維(身)を取り除きます。白い皮の部分もこのように手をかけると苦味もなくなります。もっと苦味や独特の癖を和らげる方法に、表面のつるっとした皮だけを薄くむく方法があります。手順は全て同じですが、かなり上品なお菓子になります。

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味付けは、分量の砂糖を三回に分けて徐々に味を染みこませていきます。最初は、少量の水でどろどろに煮溶かした砂糖で甘味を含ませます。これ、ジャムを作る時のように材料から水分がしみ出しませんので、水分を補うためにこのようにします。しかも火も通しながらですから、ここでは蓋をして蒸しながら蒸発する少ない水分で蒸し煮のようにします。この最初の段階できちんと染みこむと、最後に透き通った綺麗なピールに仕上がりますよ。蓋をして蒸気が充分出始めてから5~6分、中火より弱火でキープ後、残りの砂糖の半分を回し掛けます。P6280001 ここでもう一度蓋をして、砂糖が完全に溶けるまで5~6分加熱後、残りの砂糖を全部加えます。ここからは蓋をしないでなべを揺すりながら煎ります。最初は鍋も重くピールも思うように煽れませんが、水分の蒸発と共に、ピールにしみこんだ砂糖が結晶化し始めたらあとはこっちのものです。液体化して染みこんでいた砂糖が白い結晶で表面を覆うようになったら出来上がりです。そして、最初から最後まで「箸」で混ぜたりしません。箸を使うと実が砂糖の粘着でへばりつき、かき混ぜるごとに実が崩れてしまいます(経験則談)。これを作る時は、最後の煽りだけ時間と根気が要りますが、砂糖でべたべた甘すぎないピールのためです。やろうね!

◆ 残った実の上手な食べ方☛剥き方と参考レシピ

材料

  • 美生柑の皮・・5個分(200g)
  • グラニュー糖・・260g
  • 水・・大さじ1
  • 茹でるための鍋
  • テフロンかほうろうの鍋

作り方

  1. 美生柑を洗って上下の部分を薄く円盤状に切りとり、十文字に皮に切り込みを入れて剥き易くすしてから剥く。
  2. 大き目の鍋に水3リットルの水を沸かし始める。
  3. 皮を縦に5mmの幅に細長く切り、水で揉み洗いして笊に揚げる。
  4. お湯が沸騰したら3の皮を入れて沸騰するまで過熱し、直ぐに火を止めて3分置き、笊に上げて水気を切ったら冷水に入れる。
  5. ここで入れ替わりに鍋に水3リットルを沸かし始める。
  6. お湯が湧くまで皮は水に浸しておき、お湯が沸いたら笊にとって水気を切る。
  7. 4を三回繰り返し、最後に両手で挟んでよく水気をだす(絞る)。
  8. ホーローかテフロンの鍋に砂糖の1/3量と分量の水大さじ1を中火で煮溶かし、気泡が出てドロットしてきたら7の皮を入れる。
  9. しばらく鍋を揺すって砂糖が皮に馴染んだら蓋をして中火よりやや弱火で蒸し煮する(皮が少し透き通ってきます)。
  10. 残りの砂糖の半分を回し掛けしばらく鍋を揺すって、全体に砂糖が行き渡ったら蓋をして9と同じように5~6分蒸し煮します(砂糖がべったりと溶けて絡んだような状態になる)。
  11. 最後に残りの砂糖を回し掛け、ここからはずっと鍋を揺すりながら水分を蒸発させていきます。始めは重たい鍋がどんどん軽くなるにつれて、皮の表面が白っぽく砂糖の結晶で覆われていきますので、その様子を楽しみに見ながらしっかり揺すってください。50分~1時間気長にね(>_<)

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