ウー・ウェンさんの麻婆茄子(マーボーナス)
【土佐から届いた小夏ちゃん】 【オトシブミ】
昨日降り続いた雨は、プールに行くことを躊躇する私に「今日こそは行きなさい」というお告げと思わざるを得ないほど降り続きました。ここのところずっと走っていて、これまでの水泳も週に一度というのが時々抜けがちな状態でしたから泳ぐことに少し臆病になっていました。それは、ちょっと専門的な観点から言うと、水泳で使う筋肉と走る筋肉とは違うので、走っている人が突然水泳をするということは、自殺行為のようなものです。かつていろいろなスポーツに関わってきた私は、かなり専門的なところから指導を受け、それが正しいと信じ込んでいましたから大変ナーヴァスになるわけです。実際アスリートはそれでいいと思いますよ。私は老いこけていますから、話は別でしたが。ただ、少し自分を許せたのは、経験則からのマラソンと、LSDのようなジョギングの方法で自分自身の頑固さが見えていましたので、予感として違う世界観が味わえるのではないかと、期待も少しありました。だったらその世界観を楽しんできたら!と。
水の抵抗を感じたらその抵抗を少なくするように工夫し、長く息を溜めながらゆっくり水に浮く感覚で泳いでいました(浮いていたと言うか)(LSDのジョギングの世界と同じような世界で、無理に筋肉を使わずに☛参照)。あれは、私は水になったんだと思いました。全く別人の私でした。筋肉の使い方?んー、それは全く気になりませんでしたよ。45分程で切り上げて外に出てみて地面を踏んだ時は、体の軽さに驚きました。足がフワフワして、軽く飛んでいるような感覚です。昨年の夏ごろから、そうは言っても、リラクゼーションのための水泳に切り替えてはいましたが、この軽さの比ではありません。水と同化する感覚とは、こういう感覚を言うのかなと思いました。少しからだが重く感じたのは、夜の8時ごろでした。これは普通に一日の疲労が出てくる時間帯でもあるので、さして昼間の水泳のせいとは思いませんでした。起きてからも疲労感は無いです。なんだか嬉しいです。脳内に格納されていた「昔取った杵柄」はあっさり捨てました。この感覚と同じような捕らえ方で、一緒に走ったり泳いだりしているfinalventさんも『瞑想とかランニングとかでも、心のなかである種の思いを捨てていく、うまく老いていくという感じがする。』と言っています。私が最近ここで書いている体作りの正体は、正に、「良い老い方」をしている実態です。私にとっては畑で出会う世界も、自分が自然と同化する場所です。この年齢でどのように老いるかを模索しているわけはありませんが、ここでこのような観方、考え方に遭遇できた私は運がいいです。
さて、水と戯れてきた勢いで、夕食はピリッと辛い物が食べたくて麻婆茄子にしました。ウー・ウェンさんの「台所革命」で、辛味は豆板醤、香りは花椒という紹介があって、すごくシンプルな材料なのが印象強く、早速これにしました。
この方がご自分で書き下ろされたのかどうか分かりませんが、レシピがとても整理されていて作りやすいと思います。そして、シンプルな素材の組み合わせ、香り、味の一つ一つの性格を独立させた考えの下に、作り方を構成しているということに感心します。食材の特徴を真摯に受け止め、それぞれの食材の持ち味を活かして、常に食べる人にとってという気配りやその愛情が伝わってきます。このような方の料理を、その方法に沿って作ると言うことで、私も襟を正すような凛とした気持ちになれるのがなんとも新鮮で、心地よい緊張です。
作る量を少なくしたので、分量はそのまま換算して減らしてあります。中国の花椒は日本では山椒といいますが、香りも強くピリッと辛い感じです。乾燥したホールの花椒をフラパンで炒って香りが立ったらすり鉢ですります。部屋中が大変良い香りに包まれてうっとりしました。私のレシピではないので、枠で囲っておきます。
- 茄子・・3本(300g)
- 牛薄切り肉・・100g
合わせ調味料
- 豆板醤・・小さじ1弱
- 甜麺醤・・小さじ2
- 酒・・大さじ2
- 花椒・・大さじ1/2
- 片栗粉・・小さじ1(水大さじ1.5で溶く)
- サラダ油・・大さじ3
作り方
- 茄子は縞目(しまめ)に皮を剥き、1.5cm幅の輪切りにする。
- 牛肉は細かく刻む。花椒はから炒りして香りをたて、潰しておく。
- ウー・ウェンパンに油大さじ2を熱し、茄子を並べて焼き、中まで火を通して取り出す。
- 再び鍋に油大さじ1を熱し、牛肉の水分が飛ぶまでよく炒め、あわせ調味料を加えて肉によく絡める。
- 3の茄子を戻して炒め合わせ、水溶き片栗粉で味を絡める。
- 器に盛って、潰した花椒粉をふる♪
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