2008-05-12

スルメ烏賊(イカ)のファルシ:洋風イカ飯

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 ファルシ(farcie)というのは「詰める」という意味です。烏賊やトマト、茄子、ズッキーニ、苦瓜など何でもいいのですが、くり抜いて詰め物をして焼いたり煮たりする料理のことです。簡単に作れる料理ですが、それゆえに、詰め物を何にするかというのがこのお料理の楽しさです。と言いつつ、実は昨日、非常にオーソドックスな材料で作ろうとしている自分かなと、途中、つまらない気分になっていました。何だか、烏賊にはトマトソースが良いだとか、栄養の点で椎茸も良しだとかの観念的な発想で準備しているのがもろに分かっていて、そのくせ発想の基準になるものが見えずにもんもんとしていました。夕方、そんな中で、ファルシの材料を決めて準備している時に、他の人の意見も聞いてみたいくなったのでTwitterでちょっと声をかけてみましたところ、物凄く嬉しいことを言ってもらいました(いつもの、料理のおぃちゃんです)。そのまま引用しますが、以下のような事を言ってくれました。物事を決めかねている時に一番必要なことです。方法や実際に使用する材料を教えてもらってそれが美味しかったらお終いの話ではなくて、私は作るものに対して納得したいので、指針となる考えを知りたいわけです。これがパチッと来たので材料を砕いて言われたこともスーッと入ってきます。教え方が上手なんですよ。弁ちゃんは。

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 ピーマン、にんにく、玉葱、椎茸、エンペラーと足、ご飯を炒めて烏賊に詰めて焼いたものに、トマトソースを絡めるつもりでした。これをそのまま伝えて意見を聞いてみましたら、やはり思った通りで、椎茸、トマトソースはオミット。「代わりにオリーブ、ニンニク、パセリ、パルメザン、アンチョビ、レモンあたりから選ぶ」と、言われてみれば、そうだよな!な回答です。で、ここからアンチョビとパルメザン、オリーブを選びました。コロンと丸い烏賊1個がどれほどの思考を経て作られたかなんて、いかにも苦労話的なことはもはや、自分のお宝ですね。スルメ烏賊に耳を傾けて、烏賊の声を聞いて料理です。調味に気を取られて、すっかり見失っていました。

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 烏賊の足を胴から外し、横にまっすぐに寝かして半分に切ると丁度吸盤のついたあたりが残ります。ここは使いません。残った付け根のほうから足を5~6cm残して切ると棒状の吸盤のない足の部分(中央部)が残ります。こことエンペラーを5mm角に切って、詰め物用にします。胴の表面の皮を引いて取り除きます。詰め物はご飯粒に大きさをそろえて小さく切って、オリーブオイルでしんなりするまで炒めてからご飯を加えて「烏賊チャーハン」を作るわけです。この時点で既に美味しい香りですが、ここで更に味を引き締め、最強の旨味フレンドのアンチョビとベストマッチングのパルメザンチーズで更に風味をプラスしました。もうここまで来ると気違い的料理です。作るとわかりますが、ここまで作った段階で、あのオミットされたトマトソースの必要性など全く浮かびません。烏賊を焼いて香ばしくした時に、どれほどこのファルシが美味しいか、その期待に応えるに決まっていると確信できますよ。

 前振りが長くてすみません。作るのは簡単で、しかも短時間にできます。多分冷めた烏賊のファルシはもっと旨味がまろやかになって美味しいのではないかと、これも妄想ですが、今度食べてみたくなりました。このお料理、強く推奨です。

f:id:godmother:20080512045058j:image:w300:right材料

  • スルメ烏賊・・2杯
  • 玉葱・・1/4個
  • ピーマン・・1個
  • にんにく・・1片
  • 黒オリーブ・・3個
  • ご飯・・150g
  • 塩・胡椒・・適宜
  • アンチョビ・・15g
  • パルメザンチーズ・・大さじ2
  • 白ワイン・・大さじ2

作り方

  1. 烏賊の足と内臓を取り出し、胴体から切り離す。
  2. 胴体の表面の皮は、布巾などで端を摘んで剥ぎ取る。
  3. くちばしと内臓、目玉を取り除いた足の部分ををまな板にまっすぐに置いて半分に切り、足の付け根から5~6cmのところで更に切り離す。
  4. 足の先端は捨てて、残った足の真ん中の部分と切り離したエンペラーを5mm角に切り揃える。
  5. 玉葱、ピーマン、にんにく、黒オリーブを全てみじん切りにする。
  6. アンチョビは器でスプーンの腹で擂リ潰す。
  7. 材料を全て準備したら鍋を中火にかけ、オリーブオイル大さじ1(分量外)で4をしんなりするまで炒め、小さく刻んだ烏賊を加えて更に炒める。
  8. 塩・胡椒・アンチョビで味付けし、ここにご飯を加えて炒め、最後にパルメザンチーズでまとめる。
  9. 烏賊の胴に7をゆるく詰め込み、蓋をするように足の付け根を差し込んで楊枝で止める。
  10. フライパンを中火にかけオリーブオイル大さじ1(分量外)で烏賊を転がして香りが出てきたら白ワインを振りかけて蓋をし、5分蒸し焼いて出来上がり♪

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コメント

なるほど!φ(◎。◎‐)フムフムフム 。素材の味を引き出す、素材に耳を傾ける。まるもいつか、そのように料理が出来るようになりたいでつ。

投稿: まるちゃん | 2008-05-12 09:58

まるちゃん》 あはは、「素材の味を引き出す」とかウザいことをいつも私が言っていることをそのまますっかり忘れていたような、変なことになっていました。ここでも書いていますけど、観念的に自分で決め付けたようなことがあると、ほかの考えが入ってきませんね・・とほほでしたが、結果的には他の人からのちょっとした意見でぽろっと剥がれるものですね^^;

投稿: godmother | 2008-05-12 15:08

お久しぶりです。
これは美味しそうですね。北海道のイカ飯と違い、洋風という点個性を感じます。ワインと合うのでしょうか?

ところで、スルメイカと言えば、ワタの部分だと思うのですが、これは使わないのですか?

投稿: フロンティア | 2008-05-13 22:15

フロンティアさん》 おはよう!
あぁー!北海道の烏賊は有名ですね。でも、お土産で一回買ったけど美味しくなかったですぉ。あの、イタリアンですからワインにぴったり!です。食べてみた思ったのは、赤ワインにもいいかも^^;あとビールにも!(>_<)

投稿: godmother | 2008-05-14 05:55

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