2008-04-02

セミノールオレンジのコンフィチュール:オレンジマーマレード

f:id:godmother:20080402043156j:image:w300:left 粒をしっかり残すタイプのジャムが大好きで苺、オレンジ、無花果(いちじく)りんごなどのそれぞれの旬に作っています(レシピ参照)。オレンジは一年中ありますが、セミノールオレンジの酸味と深い甘味、それとあのエキゾチックな濃い色が大好きでここ数年は晩柑として売り出されるこの時期を待っています。せっかくの素敵な素材ですから風味を出来るだけ残す事と、捨てる部分を出来るだけ少なくして使い切るような方法で作ります。主婦を長年していまして、これくらいの創意工夫は結構当たり前にこなしている方も多いとは思います。いえ、もっと素晴らしい方法をご存知でしたらどなたでも、コメントを頂きたいです。

 比較的に短時間で効率よくジャムにするには、柑橘系の場合は、皮と果肉を分けて作業します。しかも果汁と砂糖を煮詰めて飴に近い状態にしたところに、あく抜きを3回施した皮と果肉を加えて煮詰めます。粒々苺のジャムレシピへあく抜きを3回するのが一番時間がかかるくらいで、ほかの事で注意が必要なのは、焦がさないように煮詰めるということです。「焦がさない」とう言葉にあまり緊張しないでくださいね。弱火でコトコト作るのが焦がさないいい方法だと思い込んでいる方が多いと思いますが、多分この方法で作ったら認識が変わると思います。というのは、終盤の皮と果肉を混ぜ込んだ時点から比較的強めの中火くらいで木ベラなどでかき混ぜながら出来るだけ空気に触れさせて水分の蒸発を促しますので、時間的には短時間でで仕上がります。因みに、粒が潰れると台無しになる苺は全く違う方法です。

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 それと、ジャムの隠し味ですが、オレンジでは生姜をすって最後に加えます。苺やりんごなどは味を引き締めると同時に発色をより鮮やかにするためにレモン汁を使います。この生姜を思いついたのは、体を温めるのに冬場に飲む生姜湯からヒントをもらいました。柑橘系の香りに生姜のエキスが入った葛湯のような飲み物でした。このジャムに生姜が入れてあると言わなければ気づかないとも思いますが、食べているとどこか遠くの方でそんな感じの香りがしますよ、きっと。

 そうそう昔の話ですけど、三人の子ども達の末の息子はマーマーレードが苦手でした。コヤツに何とか美味しいと言わせたくて、手作りしたのがきっかけです。始まりは美生柑のピールからでしたが、結局この方法で作ったマーマレードにはまって「あんた!いい加減にしてね!」とストップを掛ける程、いくらでも食べるようになりました。こういう事は密かに勝負ごととしての楽しみでやっています。「お母さんの勝ちーっ」って心の中でィヒヒなんですよね。とにかく美しくて美味しいです。ジャムよりは少し気取ってフレンチの「コンフィチュール」と呼んでもらうと嬉しいです。一度お試しあれ。

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画像は、皮を剥いて果肉を切り離したらボールの上に笊を置いて果汁を切る。皮は15分茹でて茹でこぼしてから水に放ったところ。

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材料

  • セミノールオレンジ(三重県産)・・1200g(6個)
  • グラニュー糖・・600g(オレンジの総量の半分)
  • すった生姜・・30g(約大さじ2)

作り方

  1. オレンジの表面のワックスや農薬(念のため)を綺麗に洗い流し、ヘタと底の部分を1cmくらいの厚さで切り落とす(この皮は使用しません)オレンジの実が見える厚さで縦に皮をむき、1/3は捨てて残りの皮は薄くスライスする。
  2. 果肉は各房の内側に沿って“V ”字に包丁を入れて実を切り離し、種は取り除いて残った皮は笊に移してすりこ木で潰して果汁を取る。
  3. 切り取った果肉はざるにとって果汁を落とし、2の果汁と一緒にする。
  4. 鍋にたっぷりのお湯をたぎらせ、スライスした皮を加え、再度煮立ってから15分茹でて茹でこぼし、水を張ったボールで冷ましながら軽く洗う。これと同じことをあと2回、全部で3回行って皮のあくをすっかり抜き、最後に固く絞る。
  5. 鍋に分量のグラニュー糖と3の果汁(ざるから落とした分)を入れて中火でくつくつ煮る。気泡が大きくなって音がいかにも濃い液体のように聞こえてきたら皮を加えて木ベラでかき混ぜながら5~6分、途中オレンジ色の泡(画像の鍋の淵に見えるあく)は掬い取る。
  6. 鍋底に少しくっつくかと思うほど煮詰まったら果肉を全部加え、ここから約10~15分、途中から木ベラでかき混ぜながら煮詰める。
  7. 木ベラから少しとろみがついて落ちるくらいになったらすった生姜を馴染ませて火を止めて冷ます。もしゆるいジャムにしたい場合は早めに火から下ろすか、冷めてから様子を見てもう一度火にかけて果汁を足すことです。間違っても水は足さないように。

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コメント

給食の影響か、マーマレードは余り好みません。
甘くて苦味が有る、そんな記憶が?

ちなみに、私も末っ子です。(笑)

投稿: Pちゃん | 2008-04-02 06:28

Pちゃん》 なんと言う告白?末っ子かー(全く馬鹿にしていませんぉくくく)そう言われてみるとちょっと納得ですね。

ここにも書いていますけど、認識が変わる作り方と味です。けど、いらないのね?ふ~ん。

投稿: godmother | 2008-04-02 06:43

乾燥棗からジャム作ったよ~

投稿: QDtank | 2008-04-11 12:28

QDtankのとうちゃま》 中国は乾物では優れていますね。何でも乾燥させて食材にするし、それがなかったら中国の料理は今に伝わっていなかったかもですね。

投稿: godmother | 2008-04-11 16:27

はじめまして、瀬戸内出身の方より無農薬の甘夏を頂き、レシピを見ながらママレードこしらえました。素晴らしくジューシーで、市販のものとは全く異なり感動しました。
くいしんぼの私は以前より、レシピ日記あれも食べたいこれも食べたいと妄想しながから楽しく長いこと拝見していました。実行したのははじめてです。次は紅茶のプルーンケーキを作ります!
分かりやすくて素敵なレシピの数々。ありがとうございます。やはりたべたければ動かないとd=(^o^)=b

投稿: よでっこNちゃん | 2022-04-29 16:45

はじめまして。
少し手間がかかりますが、美味しく出来上がって嬉しいです。

秋口のプルーンが楽しみですね。遠くで紅茶と香りが似ているので、美味しいケーキになりますよ❣

投稿: godmother | 2022-04-30 01:16

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