2008-04-07

ゴーティエ「ウー・ウェンの北京小麦粉料理」より:またの名をオープン餃子、そして春の自炊デビューお祝いレシピ

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 皮で具を閉じ込めて蒸し焼きにするのは餃子ですが、両端を開けっ放しで真ん中だけ摘んだだけの餃子なのでうちではオープン餃子と呼んでいます。形を揃えることは一切気にしないで、丸でも四角でも粘土遊びのつもりで伸ばした生地に具を乗せて、皮の両端を摘み寄せて閉じるだけです。一つずつ冷たいフライパンに並べ終わったら点火します。ここから「焼」に入るのですが、餃子のようにフライパンを熱くしておいてから蒸し焼きにしない理由がちょっと良く分かりません。始めは強火で焼き色がついたら水を加えて蓋をして蒸し焼きにします。水がなくなるにつれて具から染み出した肉汁が皮にしみこんだような色になって、プチプチと音がしてきます。ここで画像のような薄皮の元になる水溶き小麦粉を流し入れてもう一度蓋をして火を通します。ここの感じは丁度もんじゃ焼に似ていますよ。水溶き小麦粉が周囲の味を全部吸い取ってくれる感じです。蓋を取って強火で最後の火入れをすると、フライパンの周囲から薄皮が剥がれてきます。味付けに加えた少量の甜麺醤(中国味噌)の香ばしい香りも漂ってきて、「もういいよ」と、声が聞こえたらフライ返しで掬って皿に裏返しに置きます。

 粉をこねたことのない人にとっては皮を手作りするなんて滅相もない事だと、物凄く拒否されます。そのくせ食べてみたいとか、美味しそうだからやってみたいと言う人が多くいます。日本人にとってもこの香りは、香ばしく懐かしいはずです。四の五の言っていないで始めてみましょうよ。

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 手初めとして、このオープン餃子をお勧めします。自炊開始の方へ私からのプレゼントです。作業は三段階に大きく分かれます。Ⅰ小麦粉をこねて生地を作る。Ⅱ具を作る。Ⅲ皮を伸ばして具を乗せて焼く。だけです。Ⅰは一番敬遠されがちな小麦を練る作業ですが、ひどく簡単に、誰でも綺麗な滑らかな生地ができますよ。いきなり熱湯を注いで小麦粉に火を入れてしまいます。これは小麦粉の性質を利用して、この後もう一度焼いて火を入れると今度はぱりぱりになります。パンをトーストするのと一緒ですね。Ⅱは、材料は肉と葱だけですからいろいろ切り刻んでばたばたしないので

NetShopへぐー。肉はばら肉をたたいた方が美味しいですけど、なかったら挽肉で代用してもぐー。甜麺醤がなかったら赤味噌に砂糖を少し混ぜてもぐー。Ⅲは、始めに書いたように形はどうでも良い。でも、せめて直径3cmくらいで短いのは20cm、長いのは50cmくらいの麺棒を買ってもらいたいです。ホームセンターの木材売り場で超安く売っていますので長いのを買ってきて自分で切る。麺棒用じゃないだけで同じ物です。こんな感じで始められるんじゃないのかな?どうでしょう。

栄養バランス的に・・・30秒茹でた空豆に韓国七味をまぶしただけのおつまみです。空豆の黒い部分の端を親指でその部分だけ摘み取り、熱湯に多めの塩を入れて塩茹でします。再沸騰して30秒間茹でたら冷水にとって堅い皮を取り除きます。

「ウー・ウェンの北京の小麦粉料理」(P108から) ■自炊デジャビューのスズメでお勧め(参照)。

材料(36個分)

  • 薄力粉・・200g
  • 熱湯・・140cc
  • 薄力粉・・大さじ1(水100ccで溶く)
  • f:id:godmother:20080407053140j:image:w200:right
  • 豚ばら肉スライス・・300g
  •  胡椒・・少々
  •  酒・・大さじ1
  •  生姜・・微塵切り20g
  •  醤油・・大さじ1と1/2
  •  甜麺醤・・大さじ1と1/2
  •  ごま油・・大さじ1と1/2
  • 長葱・・1本

作り方

  1. 小麦粉をボールに入れて平らにして熱湯を注ぎいれる。
  2. 表面は透き通って火が通った状態になった部分と下の粉が混ざり合うように箸でかき混ぜ、粘りを出す。
  3. 塊になってきたら箸を引き抜いて生地をボールでぐるぐる回す(遠心力を使ってボールの側面に沿って生地をこねる)。
  4. 生地の熱が冷めて手でさわれるようになったら台の上で2~3分練り込み、濡れ布巾をかぶせて30分以上寝かす。
  5. その間に具を作る。ボールに小さく切った肉を入れ、調味料を上から順番に加え、一品ごとに混ぜて足して混ぜ込む。
  6. 寝かした生地を3等分20cmの棒状に伸ばし、12等分に包丁でしるしをつけて、90度回回転させながら切る。
  7. 手のひらで潰してから直径10cmほどに伸ばす。
  8. 伸ばした生地に直ぐに具を乗せ、フライパンに12個並べる。
  9. フライパンを強火にかけ、5分ほど(様子を見ながら)裏側にうっすら焼き色がついたら100ccの水を注ぎ入れて蓋をして蒸し焼く。
  10. 水分がなくなりプチプチ音がしてきたら水溶き小麦粉を1/3、流し入れて蓋をして更に2~3分焼いて薄皮に焼き色がついたら蓋を取って最後の焼きを入れ、皿に取って一回目が出来上がり。家人が食べている間に自分も食べながら2、3回と焼いて完食と同時にネタもお終い♪

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コメント

端を止めない餃子を初めて食べたのは、神田の中華屋さんでした。
皮は、厚めのモチモチが好きです!

投稿: Pちゃん | 2008-04-07 07:08

Pちゃん》 おはよう。
最近は都内ではどうなんでしょうね。棒餃子はよくみますけど。
大雑把に感じで充分ですよ、コレね。二人で24個食べて12個は残っています。本にも書いてありますけど、餃子より満腹感があってそれほど食べられなかったです。

お元気になられたようで!!”^_^”

投稿: godmother | 2008-04-07 08:20

はじめまして。
いつも勉強させてもらっています!
初コメントさせて頂きます。
Godmotherさんはいつもどのように献立をたててらっしゃいますか?
自分の食生活を振り返ると、何だか同じようなものばかり食べてるような気がして・・。昨日はお肉だったから今日はお魚で、くらいしか考え付かないのです。。栄養バランスってもっと考えないとダメですよね?
レシピに関係ないコメントでごめんなさい。ご意見お聞きしたいです。

投稿: 迷える三十路 | 2008-04-07 19:41

迷える三十路さん》 こんばんは。
なんとなくミスマナーズ気分で、そうですね、食材の巡回としては動物性のものと野菜でたんぱく質とビタミンを繰り返すような食材選びのようになるのですけど、確かに。でも、日本でしたら季節の食材というのは意識して摂ると間違いないと思います。現に私の献立は、その季節ならではの食材で賄っています。特別な物を買って贅沢に走っている風でもないです。結論は、季節の旬の野菜を織り込んだ献立を頂くということでしょうかね。

ツクシのご飯には豆腐や肉を使ったスープや炒め物を頂くとか・・・。

日々の献立全を記録できてないので少し物足りない情報かも知れませんね。今後の課題です。
コメントありがとう!

投稿: godmother | 2008-04-07 20:56

godmotherさん、早速お返事ありがとうございます!
そうですね、旬のものを頂くことが体にも一番ですよね。
これから意識しつつやってみます。

これからも楽しみに拝見させてもらいますね♪

投稿: 迷える三十路 | 2008-04-07 21:24

迷える三十路さん》 おはよう。
最近のスーパーでは季節感が分かりにくく、例えば一年中茄子やきゅうりがありますから分かりにくいですけど、使わないと言うことではなく、旬の味に勝る物はないですし、価格も経済的だと思います。

また、いつでも声をかけてくださいね。
こちらこそよろしく(^^♪

投稿: godmother | 2008-04-08 05:34

はじをとめないで肉汁とか出ちゃっても平気なんだ。
ふ~ん、餃子もいろいろあるんだね~

投稿: QDtank | 2008-04-11 14:37

QDtankとうちゃま》 この料理は北京の屋台料理です。母は知っていましたよ。青島で作ったらどうなんでしょうね。水餃子が一番と思っている彼ら、きっと美味しいというと思います。葱と肉だけの様でも味噌がミソ。

投稿: godmother | 2008-04-11 16:42

こんにちは。こちらのゴーティエ参考にして、カレー餃子作ってみました。パリッッと仕上げるの、難しいです…。コレから色々研究精進していきます。(リンク参考までにhttp://hoto3.blog.shinobi.jp/Entry/253/

投稿: tenteco_myco | 2008-04-22 13:53

tenteco_mycoさん》 こんにちは。コメントありがとう。
小麦粉を熱湯で捏ねる事と最後の焼きでこもった蒸気を飛ばし、且つ焦がさないという火加減の難しさが残っているのって、それは次へのワクワクするような楽しみにしましょう!いいなー。
この間からなんてエネルギッシュなのだとうと感心しています。

リンクの件ですが、ここのトラックバックアドレスがまいこさんのゴーティエの記事の何処かに記述されていることを条件に受け付けるような設定にしてあります(はてなダイアリー以外のサイトの場合)。なんでしたらそれでも結構ですよ♬

投稿: godmother | 2008-04-22 15:27

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