葉山椒(はさんしょう)の佃煮
この春先から畑に行くようになって気づいたうちの山椒の木。山間の細長い畑を二分するように3mほどの丈に伸びて、幹の付け根は直径が15cmもあります。先週実家に帰る前は、まだ新芽も出ていませんでしたが、日中の気温がグッと上がって暖かくなったこの数日で、急に芽が吹き出しました。実は、実家の両親は大の山好きで、山菜や野草のことに大変詳しく、また、食いしん坊でもあります。葉山椒の佃煮食べたさに、電車に揺られて埼玉の日高町の方の山へわざわざ採りに行ったばかりでした。ひどく自慢げに小瓶に詰めたその戦利品を出してきて、私に食べさせようとしてくれたまではよかったのですが、そこは、その、武勇伝が始まるわけです。例のごとく。確かに新芽の部分をきれいに採るのに、バラのような棘(とげ)がありますし、枝から数本の葉と蕾(つぼみ)が放射状に一定方向に生えていますから、採りにくいのですよ。それを二人で早朝から夕刻まで丸一日かけて“これしか”採れない貴重な佃煮なんだと、それが如何に大変か、また行ったタイミングの予測が如何に優れた判断だったかを楽しげな顔で話してくれます。本人は気分よく語っていますが、聞いている私はいくら親でも、食べるのを遠慮したくなります。なんかパクパク食べるのが申し訳なくなる程、楽しそうで大変そうなんです。長いことその話を聞いた後に、うちの畑の山椒の木の話をしましたら二人で丸裸にしてあげると、こうきちゃうんですね。
早速帰宅して直ぐに畑を見ましたら、木の上のほうの枝にはかなり新芽が伸びていました。伸び過ぎた枝を落としたので座り込んでせっせと新芽をはさみでつまみました。気の遠くなるような単純作業から、ほんの一握りの佃煮が出来上がって、それをご飯に乗せて食べる時の喜びは格別です。山椒の佃煮がそれほど美味しいのかって?これほどの純度の高い最高の部分だけで作った佃煮なんて市販では存在しませんよ。格別です。
山椒の個性尊重のため、うちの味付けは酒と醤油だけです。これも好みなので、味見をしながらほんのり上品な甘さに仕上げる場合は味醂(みりん)を、甘くしたい場合は砂糖を適宜加えるといいと思います。実際の調理時間30分です(^^♪
材料
- 葉山椒+蕾・・360g
- 醤油・・半カップ
- 酒・・半カップ
作り方
- 葉山椒を水に放してよく洗い、笊に上げて水気をしっかりきる。
- 鍋を火にかけて、葉山椒を入れ酒を降りかけたら蓋をして山椒の嵩が半分以下になるまで蒸す(蒸気が出始めてから約5分)。
- ここに醤油を回し掛け蓋をして約5分蒸し煮したあと、水分がなくなるまで菜箸で炒り煮して出来上がり♪
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