おはぎ
一口におはぎと言っても家庭によって、また地域的にもいろいろと違いがあります。私もここに定住するまでは名古屋、東京、海外、埼玉、長崎といろいろな環境で暮らした経験上、おはぎの定義はできません。ところ変われば品変わるですね。あくまでも個人的に好きなおはぎは、まず粒餡であること。小豆の餡子に粒がなきゃ餡子と認めないぞー。ってくらい粒党です。その餡子も和菓子屋さんで手作りの餡子なら昔は買いに行きましたが、そのお店も数年前に廃業してしまいました。
私の作る餡子は何度か作るうちに少しずつ進化しているものです。発展途上でレシピも固定していませんが、目指す餡子にはいろいろ思いがあります。歯が浮くかと思うほどの甘い餡子はあまり好きではなく、かといって甘さを控えすぎるとおはぎなどはボケた感じになります。一度に3個は食べられるなと思うほどの甘さと大きさといいますか。それと餡子の艶です。見るからに甘そうで小豆の味にそそられるような色艶って、そういうおはぎに出会うと「あるんだな」と分かるものです。私の作る餡子は画像の色と殆ど変わらない色で、黒っぽいです。この色は、玉砂糖から出ていますが、黒砂糖に近い深みのある香りと甘さが魅力的で、カロリーも普通の上白糖より少ないそうです。このお砂糖で練った餡子は艶も香りも味も三拍子揃ったものに仕上がります。甘さは小豆の分量の1.2倍~1.35倍くらいまでが好きな甘さの分量です。玉砂糖ですと上白糖より2割減らすくらいが甘さとしては丁度良く仕上がります。今回でしたら380gの小豆を全部餡子にしましたので、それに対して500gの玉砂糖を使用しました。乾燥した小豆は水を含むと約3倍の嵩になりますが、一度柔らかく煮上げた小豆の煮汁を切って砂糖を加え、更に味を付けていきながら水分を飛ばして餡子にします。最終的に約1000g強に出来上がりましたので、小豆が含んだ水分は130gくらいです。これがどれくらいの堅さかといいますと、木ベラに付いた餡子が垂れないくらいです。そして冷ますときに濡れ布巾の上で広げて湯気を飛ばします。冷めた餡子は画像のようにタッパーであまり艶もなく静かにしていますよね。工程としては、餡子にお砂糖を加える頃に炊飯器でもち米を炊き始めるか、餡子を作って更に丸めてからもち米を炊いた方が慌てずにいいかもしれません。おはぎ一つに対して餡は35gで作るったので28個丸めました。
次にもち米の分量ですが、大まかな目安としてもち米1合で9個とすると1個40gという計算になります。お寿司なら1個半くらいです。もち米は炊き立ての熱いうちに少量の砂糖と塩で軽く味を付けて半潰しにしますので、嵩は餡子を丸めたのと同じような大きさです。1個ずつ計量すると形が揃って、それだけでも手作りとは見えないほどの見栄えにはなります。家庭料理ですからアバウトでもいいともいますが、あまり大きく作り過ぎると食べにくいので三口で食べきるくらいの大きさが食べる人にとってはいいです。作り手の自分にとっては面倒でも、餡子も潰したもち米も計量したほうが親切です。
こういう面倒な換算は、今まで何度か作ってきた実験結果の成果のような物で、こんな小理屈を捏ねてないではよ分量に進めー!ですよね。でも、理解してもらいたいのはもち米と餡子の分量の目安と、一番手ごろな大きさにするための「解」だということです。では、レシピに移ります。やっと。
- 小豆・・380g
- 玉砂糖・・500g
- 塩・・小さじ1
もち米餡(27個分)
- もち米・・カップ3
- 水・・カップ3
- 砂糖・・大さじ2
- 塩・・小さじ1/2
作り方
- 洗った小豆をたっぷりの水に浸して(3倍以上の水)、一晩置いてふやかす。
- 翌日、小豆と戻した水をそっくり鍋に移して中火に掛け、沸騰したらびっくり水(カップ1)を加えて浮いていた小豆を一度沈めます。注)こうすることで小豆が早く軟らかく煮えます。
- ここから火加減を少し絞ってゆっくり小豆を軟らかく煮ていきます。小豆は浮いたり沈んだりして段々しわがなくなります。
- 小豆の収穫年数にも寄りますが、去年の小豆なら20分もするとすっかりしわが伸びて丸い粒上になります。ここで渋切りと言って茹で汁を全てこぼして、あくと渋みの素を捨てます。注)小豆が乾燥しないように手早くざるを通して湯でこぼし、直ぐに水を足します。
- 小豆がすっかりかぶるくらいの水を足したら落し蓋をしてコトコト煮ます。注)水が多過ぎると豆が踊って身割れします。すると餡子になる前に煮汁がどろどろになってしまうので失敗します。結末は最後で分かります。
- 20分くらいで様子を見て指で簡単に潰せるほどの堅さになったら火を極小にして10分ほど蒸らします。
- ここで鍋に残った煮汁をざるでよく切り、小豆を鍋に戻します。ここまでは餡子の下ごしらえです。
- さてやっと餡子です。分量の砂糖と塩を小豆に満遍なく掛け回して中火に掛けます。
- このまましばらくは小豆が含んだ水分が砂糖に染み出されてどんどん解け出します。しばらくすると小豆が水分でかぶる程になります。
- ここで気を許すと焦がしますが、かといって早くから混ぜるとせっかくの粒が潰れてしまうので、気を配りながら鍋の底から木杓子(木ベラ)で大きくすくうように混ぜます。これで上手く蒸発させながら木杓子から餡子が垂れない堅さになるまで煮詰めます。
- 出来上がったら濡れ布巾をざるに広げて餡子を広げて水分を蒸発させながら冷まして、35gの餡子玉を作ります。
- 炊飯器で分量のもち米を炊いたら直ぐに砂糖と塩を加えてすりこ木で潰します。
- 荒熱が取れたら40gの団子に丸める。
- 餡子玉を手の平で平らに伸ばしてもち米団子を包み込み楕円形に形を整えて出来上がり♪
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コメント
おはぎ、キターーーーーー!餡子フェチのまるにはたまりません!(*/∇\*)キャ。レシピをあげてくれて<(_ _*)> アリガトォ 。
投稿: まるちゃん | 2008-03-27 11:30
おや、まるちゃん》 このレシピには閑古鳥が鳴いておりました。
一生懸命書きました^^;なんか、書き辛かったよ。はっきり言ってここにか書いている分量で正確に量ってやったとしても同じ数が出来るとは限りませんよぉ。火加減や豆の水分量など全て違うのがはっきりしているので、あくまでも参考でお願いします。玉砂糖を強く推奨します!
投稿: godmother | 2008-03-27 12:13
母ちゃんお久、おはぎ作ったぜ。このレシピ通りに作ってみんなで食べたよ。中国で働く日本人の女の子達が大喜びで食べたぜ。取り急ぎご報告まで。
投稿: QDtank | 2008-09-09 15:31
QDtankのとうちゃま、こんにちは。
大変久しぶりですね。しかも、頂いたコメントが実録のっ!「レシピ通りに作ったらできるに決まっている」とはっきり言えないところがトホホなんですよ。レシピの書き手が一番難しいと感じているところですが、美味しくできたようで、よろしゅうございました。よかったです。ちょっとホッとしました。
しかーし、盗むに値する画像がありませんでした。ちょっとがっかり。
投稿: ゴッドマー | 2008-09-09 16:32