サンザシ(山査子)と蓮の実のお菓子:母の昔話
私の母は、母が女学校の頃(大昔の高校生時代)、今から約60年位前ですが、中国の斎南という都市で育ちました。母のお父さん(私の御祖父様)は、満州鉄道のお偉いさんだった関係だからだそうです。当時の中国に住む日本人は、革の靴を履いて身なりが綺麗だったそうで、「中国では浮いた存在」。同年輩の中国人から「何とか(言葉は知りません)」と呼ばれて、虐められたそうです。あまりいい体験ではなかったような母のそんな話の中にも、中国の食べ物に関しては別です。
「スッゴク美味しい」「粉を握らせたら、その手つきは今でもはっきりと焼き付いていて、道端で作っているのはまるで、手品でも見るようだった」「何時間もジーと、見とれていた」と話します。
このような母の背景から、私の母の餃子やイエピンなどは、技も年季も入っているわけです。私はというと、いつの間にか餃子の皮作りが当たり前になっていました。そして、材料が揃わない割りに、美味しい中華料理を食べて育ったわけです。
このブログを始めてから、中華料理の(私の中華マガイ料理)紹介記事も多く、また皆様から頂くコメントには、大変ありがたい情報が沢山あり、嬉しく思っています。
先日、『豚肉のマリネ』(まだ、話は続行しております)記事で、ひょんな事から『酢豚』の話題へと移行し、この話でもちきりとなってしまいました。聞いた事も無いような材料のことや、歴史的食文化の違いなどに触れて、大変興味深い内容に鳥肌が立つ思いでした。
ここで「サンザシ(山査子)」の事が出てきて、酢豚の酸味に使うというお話。私は、何時だったか母が「これは美味しい中国のお菓子で、これを銜(くわ)えて、遊んでいた、懐かしい食べ物」と聞いて知りました。

私もさることながら、うちのお子様達が大好きです。サンザシという木の実を寒天や砂糖で練って、型で作った日本の羊羹(ようかん)に似た硬いのもです。柔らかい甘味と酸味が一緒になっている素朴なお菓子が、サンザシで、消化を助ける生薬でもあるそうです。
このサンザシを酢豚の調味に使うとはあっぱれです。甘酸っぱさを利用して、何かのタレにもいいような気がします。少しずつ楽しみながら、今後の料理に登場させたいと考えています。

写真のクリーム色の丸いのは、蓮の実の砂糖漬けです。今は、これしか出回っていないと中華通の白○ちゃんから聞きました。私が食べたいと思っていたのはシロップ漬けでしたが、今はもうないそうです。残念!!お砂糖を絡めるまでの工程で、蓮の実の独特な渋味などは全くありませんが、ホクッとした感じは蓮の実らしかったです。
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