てこね寿司
「てこね寿司」は、三重県和具のあたりに発祥の物語があると聞いています。忙しい漁師さんの間で簡単に出来る料理として伝承されてきたとか・・。始めは、ちらし寿司という感覚でしたから、飛びつくほどの興味はありませんでした。ところが数年前、この和具に生まれ育った友人との会話で「本当に旨いのを食っていないからだ」という事で、希少な「セット」を送ってくれました。このセットは、「キハダ鮪、鯖、寿司飯用のタレ、づけ用のタレ」です。ご飯を炊いて、薬味を用意すれば後は混ぜるだけです。 このセットで気になったのが、「タレ」。寿司飯用のタレは、とろみが付いていてお醤油気がない味で酸っぱく甘い(日ごろ使う寿司飯用の酢の配合よりずっと甘く、とろっとした感じ)。鮪用のタレは、非常に濃厚な色で甘味もかなり「甘い」と感じる、とろみ付き。このタレが「ミソ」とはっきり味に違いを感じました。かなり甘いと思われるタレがご飯に混ぜるとちょーどいい。鮪を漬け込む醤油ダレも、鮪から染み出る汁と混ざると、そのとろみが幾分がサラッとして、ご飯に混ぜると、寿司飯全体に鮪のだしが行き渡り、「寿司飯」「鮪」が分離した混ぜ物の感じがなくなる。『馴染むというのはこの事か』と感激した次第です。
そこで、たった一度食べた味を再現したくなって、自分でレシピをひねり出しました。
タレの甘さは、砂糖甘くない甘味でしたので、これは味醂をベースに煮詰めると適度なとろみが付くし、づけの方の醤油の色は「たまり醤油」で色を濃くし、やはり味醂の甘さを主に、煮詰めるという事で出来上がった次第。
我が家では、子どももクリスマスなどと騒がなくなってきましたが、クリスマスやお正月の一品としてどうでしょうか。
材料
- 米・・3.5合(昆布10cmと一緒に少し硬めに炊く)
- 鮪・・柵で300g(刺身よりやや薄めの5mmスライス))
- 生姜の甘酢漬け・・適宜(千切り)
- 青味・・紫蘇の葉、三つ葉、水菜など
- 白炒りゴマ・・大さじ2
- 焼き海苔・・1枚(1cmの正方形に切る)
<寿司飯用のタレ>
- 味醂・・100cc(煮詰めて半分の量にする)
- 塩・・小さじ1.5~2
- 酢・・70cc
<鮪用づけダレ>
- 味醂・・80cc(煮詰めて半分にする)
- たまり醤油・・40cc
- 砂糖・・大さじ1
- 酢・・大さじ2
作り方
- 米を炊く30分前に洗ってざるに上げ、水を切る。
- 寿司用、鮪用のタレをそれぞれ作る。
- 鮪は寿司飯に混ぜる前に10分タレに漬け込む。
- 青味と生姜の甘酢漬けを切る。
- ご飯が炊けたらお釜のまま直ぐにタレを入れて、手早く混ぜ合わせた後飯台に移し、扇ぎながら人肌に冷ます。
- 鮪の半分量と浸けダレを寿司飯に混ぜ込む。
- 炒りゴマ、生姜の甘酢漬け、残りの鮪、青味、焼き海苔を飾って出来上がり♪
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