中国青島(チンタオ)から来た三人娘
チンタォ(中華人民共和国山東省青島市)から、三人の小娘達が夫の会社に研修に来たのは、正確には7月から。今まで何度か「餃子」の晩御飯に誘われていて、今日やっと実現。本場中国の麺作りのお手並み拝見と、準備段階から訪問。分量その他はまだ良く分からないまま。今日は、チンタォ料理のレシピ紹介記事のつもりでしたが、それよりも彼女達について書きたくなった次第です。レシピはそっちのけですが、今日のところは御勘弁くださいね。

屈託のない大きな笑顔で迎えてくれた。「¥100均一」のお皿やお箸で節約生活を始めた彼女達の暮らしは、地味で質素だった。必要最低限の食器や鍋釜で、上手く使い回しをしながら、一品ずつ作ってくれた。一人が一品担当し、自称「料理は上級」の子が、一番年下で、他の二人に指示をしながら三人が上手く動いている様子だった。
早速、餃子包みを手伝わせてもらった。餃子の皮伸ばしは、ここだけの話、私が一番手つきが良かったように思うが、包み方は初めての方法だった。両手の親指と人差し指で餃子の皮の極、外側を挟んでそのまま手を合わせてギュッと閉じるように一度に包む感じだった。これは、熟練を要すると思った。親切に教えてくれ、私もハマッて、一時間はそうしていたかな。
餃子の準備が終わると、下ごしらえが終わっている野菜や肉を炒め始めた。一番傑作だったのは、きゅうり、人参スライスとキクラゲを炒め始めたら、パチーんと物凄い音を立ててきくらげが鍋から飛び出した時。悲鳴を上げて、鍋から逃げるたあたり。「担当者は誰?」見るに見かねて手伝ったからアレで救われたけど、そうでもしなかったらあの料理からきくらげは無くなっていただろう。実は、この担当者が最年長で一番ドンくさいという話。
もう一つ珍しかったのは、キッチンの隅っこで、大きなタッパーに卵が浮かんでいた事。そして、その液体に「八角(アニス」が入っていて、どうやって食べるのか不思議だった。これは、生卵を40日間濃い塩水に浸けて、食べる時は茹でて食べるのだが、食べたのは、黄身の部分だけ。白身は舌がひりっとするほど塩辛かった。白身はご飯と一緒に食べたり、何かに入れて食べるという説明だったが、その何かが分からない。肝心な部分が良く分からない会話が延々と続いたのが、かえっていい感じの「間」だった。タッパーが、三つあるのは、10日分毎に3人がそれぞれ作っているとのこと。一つはもう40日たっているらしい。黄身は美味しかった。私も作り置きしてみようと思う。
すっかり打ち解けて、食事になったらまるで家族同然。私は、ブログのお仲間からのアドバイスで「茶碗蒸し」「さつま芋のレモン煮」「スウィートポテトのデニッシュ」「みかん」を差し入れたが、彼女達は至極気に入っていた。さつま芋のレモン煮は、ずっと食べていた。最後に茶碗蒸しの卵つゆを三人とも残していたので、「全部食べるもの」だと教えたら、「明日うどんを入れて食べる」と言う。これには敬服した。そして、料理を大事に思ってくれている気持ちが嬉しく、なんだかかわいい娘達だと思った。そういう打ち合わせが、食事中の会話に有ったんだな!!
食べ切れなかった餃子は、「明日焼いて食べるから」と、持ち帰りたいことを伝えたら、なんと、お土産用に冷凍してくれてあった。こういう子たちに触れて、育ちが分かる。親もそうしてきているに違いない。私には全く違和感のない親の姿を、彼女達を通して知ったような気持ちになった。ささやかな食事を箸でつつき、拙い日本語で会話した今夜の彼女達が、一年後(試験に合格すると更に二年)このまま変わらないでいて欲しいと思う。
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